【特集】失敗事例
こんなことが原因で?
意外な失敗事例を5つ紹介

今回は、反面教師としてさまざまな企業・店舗の失敗事例を紹介します。
自社に共通するところはないかも含め、ぜひ参考にしてください。

[飲食業] 自分でやった方が安くすむ?〜予想外の手間と人件費の圧迫〜

失敗事例1

焼き鳥屋のフランチャイズに加盟して焼き鳥屋を始めたAさん。事業が軌道に乗るまではなるべく節約したいと思っていました。そこで、調理工程の一部を自分で行い、コストを下げようと考えます。
本部には食材に串を刺す「串打ち」部分の仕込みを断り、食材をそのまま送ってもらうことにしました。
ところが、串打ちは意外に技術のいる作業。もっとも難しいと言われるほどの工程です。自分でやってはみたものの、時間的にも作業的にもすぐに限界がきてしまいました。

「このままではお店を回していけない」と考えたAさんは、串打ちのアルバイトを雇うことにします。フランチャイズに頼めばその料金に加えてロイヤリティもかかります。アルバイトなら時給で給与を払えるので、必要なときだけ来てもらえば済むだろう、と考えてのことでした。

しかし、アルバイトだからといってオーナーの都合のいい日時だけ来てもらえるかといえば、なかなかそうはいきません。本人の希望も考慮する必要がありますし、お店も暇ではないため、結局は予定外に長い時間で働いてもらうことに。
そうして人件費がどんどん膨らみ、経営が立ち行かなくなってしまいました。

[建設業] 棚卸しなんてやってられない?〜無計画の仕入れによる過剰在庫〜

失敗例

小さな建設会社を営んでいたB社長。ある工事を請け負うこととなり、材料が不足することを心配して早めに仕入れを行いました。しかしその後、工事案件が見直しとなり、結果として中止となることに。
これが例えば総合建設業なら仕入れる材料が多くメーカー指定など使い回しもきかないのですが、B社長のところで請け負っていたのは、一部の専門的な工事のみ。そのため、「今後どこかの工事で使えるだろう」とそのまま在庫として持っておくことにしたのです。
実際にその在庫が役立てられるならよかったのですが、B社長のところでは「棚卸し」が行われていないのも問題でした。
自社に今どんな材料があるかを把握していないので、新しい工事を受注するたびに材料もすべて新しく発注。品物が届いてから「これならあったのに」と気づくも後の祭りで、使われない材料がどんどん増えていき、過剰在庫となって経営を圧迫することとなりました。

[中古車販売業] コンスタントに売れるはず?〜仕入れの失敗と決断力不足〜

失敗例

小さなスペースを活用して中古車販売を行っていたCさん。車を展示できるスペースは5台分で、展示車が売れればその空きスペースに新たに仕入れた車を置く、という形で営業をしていました。
しかし、売れると見込んで仕入れた車が思うように売れません。想定では5台ともコンスタントに売れ、どんどん仕入れがはけていくイメージだったのに、1台が売れ残り、2台が売れ残り、と徐々に入れ換えができなくなっていきます。
もっと売れる車を仕入れたいと考えるも、結果として5台の展示スペースすべてを「売れない車」が占めることに。
やむなくそのまま営業を続けましたが、経営が立ち行かなくなってしまいました。

[製造業] 受け入れる準備はできている?〜新たな人材の確保・教育〜

失敗例

若い頃からずっと職人として仕事に誇りを持ってやってきたDさん。自身の年齢のこともあり、自分の技術をどう継承していくかを考え始めました。
後進となる人を雇いたいとハローワークに求人を出しますが、応募がきません。
職人として雑用から始め「先輩の背中を見て学ぶ」というのが当たり前だったDさんは、求人票にも必要最小限のことしか記載せず、雑用のような仕事内容で人材を募集していたのです。
現在は、どの企業も採用活動に力を入れています。より良い人材を確保するため、求人票では仕事や会社、待遇について丁寧に説明、画像などを入れてイメージしやすくするといった工夫も当たり前となっています。
そのためDさんの会社の求人票は結果として他社より不親切な、どんな仕事なのかどんな会社なのかも伝わらないものとなり、応募者が来ない状況になってしまっていました。
結果、継承ができず、事業を続けていく見込みが立たなくなってしまいました。

[飲食業] 周りはちゃんと見えている?〜こだわりや思い込み〜

失敗例

沖縄の食材にこだわり、沖縄の郷土料理をメインに提供する居酒屋を始めたEさん。
知名度と集客力を上げるために、まずはランチでリピーターを作りたいと考えました。
サラリーマンが多く利用するエリアのため、男性サラリーマンをメインのターゲットとしました。そして「安さとボリュームが大事だろう」と考えたのが、バイキング形式で食べ放題のランチ。しかしコロナ禍ではリスクが大きく、考え直しを迫られることになります。
そこで考えたのが、沖縄の郷土料理を組み合わせた定食。沖縄そばやゴーヤチャンプルーなど数種類からメニューを選択できるというものでしたが、中にはアジフライなど普通のメニューもあり、「沖縄らしさ」に疑問が残る内容となってしまいます。
さらに問題だったのが、飲食店にもかかわらず「おいしくない」ということ。ランチ時に夜のビール割引券を配るなど工夫をしたものの、集客に苦しむ状態が続いています。

まとめ

今回は、飲食業や建設業、製造業での失敗事例をお伝えしました。
日々の収支や棚卸しなどは事業を運営する上でごく基本的なことです。しかしそれをおろそかにしてしまうことで、窮地に立たされてしまう事業主の方が未だに多いという現状もあります。

経営の先行きが不透明になる前に、日々の積み重ねの重要性や予測・見通しの重要性を改めて考え、自社に足りない部分は何か、あらゆる角度から考えてみることをおすすめします。