【成功のヒントはここに!】2019年版・飲食業界の動向とトレンド

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飲食トレンドの業態・食材は?

飲食業界にも、業態や食材のトレンドというものがあります。
トレンドを追い求めすぎるのも問題ですが、やはりチェックしておかないと売り上げに影響が出ることは確かです。2019年8月時点で、最近の飲食業界のトレンドとなっている業態や食材は、以下の通りです。

  • ポータグルメ
  • キャッシュレス化
  • 居酒屋のファミレス化
  • ミクストラン

これらのトレンドを参考にして、売り上げアップにつなげたいものです。

どんな場所でも満喫できる「ポータグルメ」

飲食業界の動向とトレンド

「ポータグルメ」とは「ポータブル」と「グルメ」を合わせた造語で「持ち運びできる食」、いわゆるデリバリーやテイクアウトなどの業態を指す新たな用語です。

テイクアウトやデリバリーといった中食市場が賑わいを見せていますが、中食市場にも質を求める動きが広がっています。

消費者側の食材に対する本物・健康志向に加え、消費税増税でも中食は税率が据え置きになるという飲食店側にとってのメリットも、トレンド化に一役買っています。

コンビニや弁当屋の領域に殴り込み

既に完成している料理を購入し、家で食べる中食は、かつてはコンビニや弁当屋の領域でした。
ところがこの領域は最近、外食産業の進出が活発になっています。

これは、中食でもより本格的なものが食べたいという、消費者側の意向が反映されています。最近話題になる「食の安全」を背景にした、食材に対する本物・健康志向も影響しています。

そもそも中食は、共働きの増加に伴う時間不足などを背景に、成長分野となっています。金銭的に余裕がある人が利用するだけに、こうした傾向が出るのは自然といえます。

また、共働き世帯は「食の安全」への関心も高めです。
安全を得るためには、食材にある程度のコストがかかることを熟知しているのも、ポータグルメにとっては追い風です。

こうしたポータグルメのトレンドに乗り、最近では、ミシュランのガイドブックに掲載されている寿司店からのデリバリーを受け付けるサービスも始まっています。

消費増税を意識している?

ポータグルメがトレンド化しているのは、こうした高級志向だけが理由ではありません。
秋に控える消費増税も、トレンド化の一因となっているのです。

今回の消費増税では分離課税が初めて採用されており、基本的に食料品の税率は8%に据え置きとなっています。ただ、その例外と言えるのが外食産業です。

外食するときだけは、食料品であっても10%が課税されるのです。
これは、外食産業が生活必需品ではないと分類されてしまったことが背景にあります。

ところが、テイクアウトすれば税率は8%のまま
同じ商品を、より安い価格で提供できることになりますから、飲食店側にとってもメリットとなります。

消費者側と業界側の利害が一致した結果、起こったのがポータグルメのトレンド化というわけですね。
今後の展開についても、注意が必要でしょう。

インバウンドを意識したキャッシュレス化

飲食業界の動向とトレンド

今なお増加しているインバウンドを意識するならば、会計のキャッシュレス化は欠かせません。
これは、日本と海外でのキャッシュレス化の進み具合の差が背景にあります。

日本より高い海外のキャッシュレス率

2018年の外国人旅行者数は8.7%増の3,119万人と、依然増加傾向にあります。
東京五輪や大阪万博を控え、飲食業界にとってもインバウンドへ対策は必須と言っていい時代となっています。

では、なぜインバウンド対策としてキャッシュレス化が欠かせないのでしょうか。
それは、日本と海外でのキャッシュレス率に大きな差があるためです。

日本人の場合、キャッシュレス決済の比率は2016年時点で19.8%にすぎません。
近年になってキャッシュレス決済が進んでいるといっても、まだまだ比率は低いのが実情です。

これに対して、韓国では96.4%がキャッシュレス決済です。
オーストラリアの59.1%、アメリカの46%などと比較すると、日本の比率の低さが際立ちます。
中国も2015年時点で60%と比率は高めです。

逆に言えば、インバウンドの中には現金決済になじみがない人も多いのです。
旅行先で見慣れない外貨を使うとなるとなおさらでしょう。

使い慣れない日本円のみの決済にこだわるよりも、使い慣れているキャッシュレス決済に対応する方が、インバウンドにとって親切な対応となるのは、自明と言っていいでしょう。

まだまだ高くない飲食店の対応率

飲食業界といえば、小規模店舗が多いこともあり、キャッシュレス化があまり進んでいない印象を持たれがちです。
実際、2019年時点でキャッシュレス化率は55.2%と、必ずしも高くありません。
つまり、飲食店でキャッシュレス化に対応しているのは2軒に1軒程度なのです。
インバウンドへの対応を考えると、キャッシュレス化のトレンドに乗るのは差別化という点でメリットとなります。
キャッシュレス化前は、非対応を理由に帰ってしまう外国人客がいたが、対応したことで利用してくれるようになったというケースも報告されています。

初期投資や手数料が必要というデメリットはありますが、インバウンドの顧客増加による収入増がデメリットを打ち消せるレベルなら、導入を検討する価値はあるといえます。
付け加えると、キャッシュレス決済は現金決済と比較して時間がかかりません。
労働量を減らせるという点も、メリットと言っていいでしょう。

家族連れがターゲット!居酒屋のファミレス化

飲食業界の動向とトレンド

本来「大人の空間」であるはずの居酒屋のファミレス化は、違和感を覚える人もいるでしょう。
トレンドとなっている背景には、ノンアルコール飲料の普及があります。

背景に飲食店禁煙の流れ

これまで居酒屋といえば、仕事帰りのサラリーマンがアルコールとタバコで一服する場所というイメージがありました。
ところが、こうしたイメージが通用しなくなる事態が進んでいるのです。

まず健康増進法の改正によって、飲食店での喫煙に制限が課せられるようになりました。
小規模店舗の場合、店内を喫煙可能にすると、20歳以上は入店できなくなってしまうのです。

また東京都は五輪開催を見据え、飲食店では原則禁煙とすることが義務付けられました。
居酒屋も例外ではなく、飲みながらタバコを一服という営業形態は不可能になりつつあるのです。

この傾向が続けば、上述のサラリーマンらを中心にした営業形態では、限界が来ることが見えています。
そこで注目されているのが、居酒屋のファミレス化で対象層を広げることです。

ファミレス業界からの攻勢も

共働きの増加などで、家族連れが夕食を外食に頼るケースの増加が見込めます。
この家族連れをターゲットにすることが、居酒屋のファミレス化なのです。

居酒屋といえば飲酒が付き物なので、未成年が行くというイメージは強くありません。
ただ最近は、ノンアルコール飲料の種類が増えたため、未成年にとっての敷居は低くなっています。

このため、居酒屋側では未成年が購入しやすい、単価の低い商品をメニューに加えるなどの対策が行われています。
焼き鳥店での100~200円台のメニュー導入は、そうした対策のひとつです。

ちなみに、ファミレス側でも居酒屋化による顧客増加を狙った動きが見られています。
客単価の平均値はファミレスの方が居酒屋より低く、チョイ飲み向きの環境となっているためです。
法制面に加え、ファミレス側からの攻勢を考えると、居酒屋のファミレス化はトレンドというよりも、避けて通れない道と言うべきなのかもしれません。

「ミクストラン」は業種を超えた複合型飲食店

飲食業界の動向とトレンド

飲食店と、他業種の店舗が組み合わさった「ミクストラン」も、最近のトレンドといえます。
限られた時間の有効活用という客側の意識が、ミクストラン普及に一役買っています。

ルーツはTSUTAYAの喫茶コーナー

今年3月の民間のネット調査では、ミクストランの利用率は66.7%となっています。
理由としては「効率的に時間が使える」が45.2%、「好きな空間で飲食をしたい」が41.1%です(複数回答)。

このように利用者が増加傾向にあるミクストランですが、2003年にTSUTAYA東京六本木店に設けられた喫茶コーナーがルーツといえそうです。
喫茶コーナーはTSUTAYAの直営ではなくスターバックスによるものですが、本に囲まれた空間で一服できるとあって、話題を呼びました。
それまで、店内で座って読むことができる大規模書店はありましたが、コーヒーや軽食まで楽しめる書店はなく、画期的だったのです。

以後、飲食店と他業種の店舗を組み合わせたミクストランが徐々に増加していき、近年になってトレンド化するまでに至ったというわけです。

花屋やコインランドリーとの複合型も

最近では、花屋やアパレルショップ、コインランドリーなどと組み合わせる形のミクストランが増加傾向にあるといわれています。
これも、利用者のニーズに沿った形だと言えます。

まず花屋ですが、こちらはTSUTAYAのケースと同じで、花に囲まれた空間で飲食をしたいというニーズに応えているといえます。

アパレルショップについても同様です。好きなブランドの服が置いてある空間で、服を選びながら飲食ができるというわけです。

そしてコインランドリーの方は、時間を有効活用したいというニーズに応えているのです。洗濯が終わるまでの時間を、有効活用するというわけですね。

コインランドリーで洗濯を行う場合、長いと1時間程度の時間が必要になります。その間、単に待っているだけでは暇で仕方がないというのは、経験した人も多いでしょう。
その時間に、併設されている飲食店で食事をすませてしまえば、時間を有効活用できるというわけです。
いずれも、相乗効果による収益増が見込める形態だと言っていいでしょう。

まとめ

はやりの業態・食材は?

こうして見てみると、いずれのトレンドも飲食店利用者のニーズに沿ったものだといえます。
それだけに、トレンドを読むことは商機につながると言えます。もちろん、すべてのトレンドを取り入れることは無理があります。
あなたの営業形態に合ったトレンドを取り入れていくか、参考にしていく等、成功を掴むためには適切な経営判断が求められています。

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