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働き方改革って何すればいい?~個人事業主編~
2019年から中小企業にも義務化された働き方改革ですが、個人事業主にも何か関係があるのでしょうか。
この記事では、個人事業主で働き方改革を意識しなければならないケースや、どのような影響があるのかを見ていきましょう。
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働き方改革は個人事業主にも関係ある?
働き方改革は、法人や従業員として働く人のための制度のように感じられます。
そのため一見すると個人事業主には無関係のようですが、状況によっては働き方改革を意識しておかなければなりません。では、どのようなケースで個人事業主と働き方改革が関わってくるのでしょうか?
1人で働いているならあまり関係がない
2019年現在の働き方改革は、従業員の有給休暇や勤務時間と関わっています。
個人事業主として1人で働き、従業員を雇っていない場合は無関係です。
たとえば1人で営業をしているような場合、有給休暇や勤務時間の上限はありません。
個人事業主は自分で休む時間を作り、好きなように働くことができます。
そのぶん上限は定められておらず、自分の裁量で決める必要があるのです。
従業員を雇っているなら関係がある
「法人化はしていないけれど飲食店を経営している」という場合、働き方改革が関係してくる可能性があります。
短時間の営業で店主1人しか働いていないのであれば別ですが、社員やアルバイトなどを雇っている個人事業主は法人と同じです。
つまり、勤務時間などが法律上で対象となる社員やアルバイトには、一定の有給休暇を取得させる必要があります。
また、時間外労働の上限内に収まるよう、働く時間をコントロールしてあげなくてはなりません。
個人事業主の下で働く従業員にも、法人で働く従業員と同じ権利があるのです。
個人事業主は働き方改革で何をすればよい?
従業員を雇う個人事業主は、中小企業と同じように働き方改革関連法に従う義務があります。
今すぐ実行しなければ罰則がある、というわけではありませんが、2019年以降は指導が入るので早めに行動しましょう。
従業員に有給休暇を与える
これまでは、従業員側から積極的な請求がない限り、有給休暇の取得ができない、といった職場もあったかもしれません。
しかし2019年からは、年間10日以上の有給休暇が発生する従業員に対して年5日の有給休暇を取得させることが義務付けられています。
個人事業主であっても同様に、有給休暇を与える義務があるのです。
週4日以上働く従業員は、条件を満たす可能性があります。
業務多忙などの理由で有給休暇を与えられないのであれば、短時間労働の従業員を増やすなどの工夫をする必要があります。
従業員の勤務時間を法定労働時間内に収める
働き方改革では、従業員の時間外労働に上限が設けられました。
原則「月45時間以内」が上限です。
業種や繁忙期に関しては特例が認められることもありますが、連続して長時間働かせることは認められません。
従業員の残業時間が長い場合は、業務効率の改善や増員といった対策が必要になるでしょう。
1人で働く個人事業主に働き方改革の影響はある?
2019年時点では、1人店主やフリーランスのような働き方をしている個人事業主に、働き方改革の影響はあまりありません。
しかし、1人の従業員が働ける時間や日数が減ることで影響は出てきます。
また、副業などで個人事業主になる国民が増えることで、さらに新たな法律が生まれる可能性もあります。
従業員が働けなくなることで、個人事業主の負担が増える可能性がある
今まで、本人とアルバイト1人で業務が成り立っていた個人事業主も、従業員の有給休暇や時間外労働の禁止で人を増やす必要が出てきます。
しかし、状況によっては働き手が見つからないケースもあるでしょう。
人を増やすことで保険などの負担も増加します。
雇う人数を増やせない場合は、事業主の負担が増加するでしょう。
また、別の会社から仕事をもらっているフリーランスにも働き方改革による負担の増加が考えられます。
従業員を働かせられなくなった企業から、個人事業主である相手に多くの仕事を割り振る可能性があるためです。
フリーランスの最低賃金が設定される可能性がある
現在は、従業員として働く人だけに関係がある働き方改革ですが、2018年頃から「フリーランスにも最低賃金を設けるべきではないか」と政府が検討しています。
しかし、一口にフリーランスと言っても、専業の人もいれば副業や低賃金で手軽に働きたい専業主婦など、事情は千差万別です。
クラウドソーシングなどでは依頼主側も個人が多いため、最低賃金が設定されれば予算が足りず、依頼ができなくなるケースもあるでしょう。
一律で最低賃金を設定するのは難しいことですが、フリーランスだけで生計を立てている人には一定の保障も必要です。
今後、何らかの保障ができる可能性はあるでしょう。
まとめ
個人事業主でも、人を雇っているなら働き方改革と関係があります。
まずは従業員の有給休暇や時間外労働のチェックをしておきましょう。
必要があれば、人を増やすなどの対処を行うことも視野に入れましょう。