会社の利益率を改善するためには
会社の利益率を改善したいが、何から手を付けたらいいのかわからない、という経営者の方も多いと思います。
しかし取りうる戦略はシンプルです。今回は、利益率改善のために具体的に何ができるのか、何をすべきかを解説します。
利益率改善のためにできること
利益率を改善するためにできることというのは、突き詰めると実は極めてシンプルで、大きく次の4つがあります。
- 販売数アップ
- 販売単価アップ
- 売上原価ダウン
- 固定費ダウン
要するに「売上を伸ばす」か「費用を減らす」かの二択です。
そのうち売上を伸ばす方法は2つで、販売数を増やすか単価を上げるしかありません。
また費用を下げる方法も2つで、原価を下げるか固定費を下げるかのどちらかです。
製造業でイメージするとわかりやすいですが、IT業界・ネットビジネスなどでも基本的な仕組みは同様です。
販売数アップ
基本的に、最優先で取り組むべきは販売数のアップです。
明らかに非効率な費用がかかっている場合は別ですが、販売数を増やすことに時間と労力をつぎ込むのが最も効率的でしょう。
販売数を増やす方法もシンプルで、顧客単位の売上量を増やすか、顧客の数を増やすかの2つです。
どちらも実現できればベストですが、顧客単位の売上量が増やせるかどうかは、商品やサービスによって異なるかもしれません。
しかしほとんどの業種では新規顧客や販路の拡大、顧客の流出の防止が重要な課題です。今の時代にはインターネット、特にSNSを活用した集客は欠かせないものとなっています。
販売単価アップ
販売単価が上がれば利益率が上がり、同じ数量の売上でも利益は当然大きくなります。
ただし、単価が上がればその分、売れる数量が減少する可能性があります。また既存の顧客が不満を持つ可能性もあるでしょう。
単に販売単価を上げることには大きなリスクも伴うので、やむを得ず行う場合には顧客が納得のいく説明などをする必要があります。
商品やサービスに付加価値を付けることで、価格が高くなっても納得してもらいやすい状況を作ることができます。
売上原価ダウン
売上原価が下がれば、同じ売上でも利益が多くなります。
具体的な原価を下げる方法は業界・サービス内容によって様々です。
とはいえ、無駄な原価はすでにない、削減できる部分などない、といったケースが大半かもしれません。
仲介業者を挟んでいる場合は、なるべく消費者に直接販売をすることで、無駄なコストを削減できます。
卸売りや小売りを利用している場合は、ネット販売で直販するなど独自のルートを開拓するのもおすすめの方法です。
インターネット上で完結するようなビジネスでも、仲介を挟むケースは多々あります。
たとえばシステム開発の仕事などは、仲介を何重にも挟んでから開発者の元に依頼が入るケースが多いです。
こういった場合、なるべくエンドユーザー寄りの人から仕事を受けると利益率がアップします。
厳密には原価の話とは異なりますが、無駄なコストを避けるという意味では、原価の削減に類似します。
固定費ダウン
固定費には、人件費、一般経費、社員の教育訓練費、広告宣伝費や減価償却費、営業外損益などがあります。
固定費が下がれば利益率が改善されます。
どこをどう減らすかについては業界やサービス内容、現在の経営状況によって異なるため、自社の固定費を洗い出し、無駄がないか、削減できるところがないかを探してみる必要があります。
現在もっとも注目されているのは、業務の一部、あるいはすべてをアウトソーシングして人件費をカットする方法です。
たとえば営業や経理部門など、事業のコアでない部分を外部委託する企業が増えてきています。
ただし人件費は、カットの仕方によっては従業員の不満や業務の非効率化を招くこともあるので細心の注意が必要です。家賃や車両費なども見直すとよいでしょう。
顧客獲得が利益率アップの近道
もっとも利益の大幅アップにつながるのは、前章でも少し触れましたが新規顧客の獲得でしょう。
開拓できていないユーザーに対してアプローチをし、顧客になってもらえれば利益が伸びます。
顧客獲得のためには宣伝が必須です。インターネット、広告、展示会、テレアポなどさまざまな方法が考えられます。
インターネットに関しては、業界別のポータルサイトがあれば利用するのも有効な手段でしょう。SNSの活用は、それぞれの特性やユーザーに合わせた使い方をする必要があります。
特に創業間もないうちは、自社サイトに直接訪問してもらうのは難しいので、サイトへの誘導経路をさまざまな方法で築いていく作戦が有効です。
まとめ
利益率を改善するには、販売数・単価のアップ、売上原価・固定費のダウンという4つの方法が有効です。
中でも近道となるのは、新規顧客の獲得でしょう。顧客を獲得すればするほど固定費、原価に対する利益が伸び、もちろん総売上も伸びます。売上が伸びれば、それに伴って利益率も改善されていきます。
もちろん、新規顧客の開拓だけでなく、既存顧客の流出を防ぐことも大切です。アウトソーシングを利用した人件費の削減、車両費や家賃の削減など、自社の現状を洗い出して可能なものから始めてみてください。