セドリ・転売の正しい会計処理とリスク

セドリ・転売の正しい会計処理とリスク
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セドリ、いわゆる転売ヤーの会計上での注意点、間違った会計のリスク

セドリ、転売ヤーはうまくいけば儲かるビジネスです。
基本的には安く買って高く売るビジネスモデルなので、何か自分で付加価値を付けることはありません。

利ざやで儲けるのですが、当然一回の転売だけで大幅な利益が出ることは稀です。
原価率が非常に高くなります。
また今の時代ネットで自由に物を売買できるので、セドリのような仲介ビジネスがより難しい時代にはなっています。

とはいえ令和でもセドリで稼いでいる人がいるのは事実です。
セドリ以外にもパソコン一台でできるビジネスは複数ありますが、中でもセドリは会計が重要になります。

原価率が低いビジネスならほぼ売上がそのまま所得になりますが、セドリの場合は仕入の計上によって節税になったり、場合によっては脱税にもなってしまいます。

今回は、セドリにおける会計上の注意点や、会計を間違った場合のリスクについて解説します。

仕入を費用計上する際の注意点

仕入の計上はセドリの会計処理においてもっとも重要なポイントと言っても過言ではないでしょう。
経費のうちで仕入の占める割合が圧倒的に大きく、また売上に対しても仕入の占める割合は他のビジネスモデルよりも大きいからです。

つまり仕入の扱い方によって、節税になったり、場合によっては脱税にもなります。
まず知らず知らずのうちに勘違いして脱税している人が多いポイントは、「仕入は売上に対する費用」という点です。

仕入を行えばすべて費用にできると考えてそのように処理している人も多いかと思います。
しかし、ルール上費用にできるのは売り上げた分の仕入のみです。
たとえば100個仕入れたうち60個売れたとします。
この場合、費用として計上できるのは60個の仕入だけです。

残りの売上に貢献していない40個まで費用に計上するのは、売上とはまったく関係ないお金を費用にしていることになります。
つまり脱税です。
売上と仕入の数字が一致していない印象を持たれると、税務調査の対象になる可能性があります。

税務調査に入られると修正を求められ、多く納税することになります。
また特に注意が必要なのは、勘違いで還付申告などをしてしまうことです。
たとえば100個仕入れてそのうち10個しか売れなかった場合、商品にもよるかもしれませんがおそらく赤字でしょう。

100個すべてを経費として計上すれば、売上よりも数字が大きくなります。
しかし、これで赤字だといって還付申告を申請することはできません。
なぜなら売れていない90個は仕入として経費計上できないからです。

仕入を経費として計上できるのはあくまでも10個なので、全体として損をしていても還付申告はできません。
売れたのが10個で仕入が100個だと赤字で還付申告できそうですが、それはできないのでご注意ください。

ただし、後から売値を下げて売れば仕入に計上できます。
在庫で抱えてしまうと仕入計上できませんが、仕入が売上よりも高いことについては問題ありません。

100円で仕入れて90円で売った場合1個当たり10円の赤字です。
これをこのまま記帳して、還付申告請求する分には問題ないということです。
この辺の考え方を勘違いされている方が多いので、ご確認ください。

参入しやすいことも飲食店の強みです。
開業するために最低限必要な資格は食品衛生責任者のみでよく、役所などへの届け出・手続きも簡単で済みます。
設備も揃えやすいことから、資金があれば誰でも開業できるのです。

とはいえ悪質と判断されない限りは、税務署から注意を受けて修正申告すれば済む話ではあります。

仕入以外に費用計上できる経費

セドリにおいて費用計上できるものは仕入だけではありません。
具体的には、以下のようなものを費用として計上できます。

  • 仕入や販売でかかった手数料
  • 梱包資材などにかかる費用
  • 仕入や販売で使った分の通信費
  • 家賃
  • 光熱費
  • 仕入に行った際の交通費
  • セドリのノウハウを学ぶための教材費

以上のようなものは経費として費用計上できます。
まず仕入れた商品の本体価格だけでなく、仕入や販売時に発生した手数料なども費用として計上できます。
具体的には、送料などが該当します。

その他にもなんらかのサイトなどで仕入れた場合は手数料がかかるかもしれません。
次に梱包を自分で行う場合、これも費用計上できます。
梱包を外注した場合は、その外注費も費用です。

ネットを活用して仕入や販売を行った場合、通信費がかかります。
パソコンで作業する場合はインターネット料金と電気代、スマホで作業する場合はスマホ代や充電するための電気代などがかかります。

パソコンやスマホは仕事だけでなくプライベートでも使用するものなので、費用にできるのは仕事で使用した割合のみです。
これを専門用語で家事按分と呼びます。

家事按分の計算方法はいろいろありますが、たとえば使用した時間、日数、などで按分する方法が一般的です。
とはいえ厳密に計算するのは困難なので、概算で計算します。
よほど変な計算をしない限り税務署に突っ込まれることもないでしょう。

家賃に関しても通信費同様に家事按分の考え方になります。
家で作業している場合はプライベートの空間でもあるので、仕事をしている時間、仕事に使っている部屋の割合などを元に家事按分を計算します。

家賃に関してもきっちりと按分を割り出すのは困難なので、ざっくりとした計算に留まります。
よほど自分に有利な数字にしない限りは、税務署から厳しく突っ込まれるようなこともないでしょう。

光熱費も家賃や通信費と同じ考え方です。
仕事に使った分のみを費用として計上します。
どこまで費用にできるかは微妙なラインですが、たとえば仕事中にエアコンを付けていた場合、この電気代も費用として計上して問題ないでしょう。

交通費は、たとえば電車賃、ガソリン代、いずれも費用として計上できます。
ただし、関係ない交通費を費用として計上することはできません。
あくまでも仕入や販売のためにかかった交通費のみが費用の対象です。

最後に教材費等に関してですが、セドリを学ぶためのものであった場合、費用になります。
逆にまったく関係ない教材費やセミナー費用などは費用計上できません。

たとえばセドリだけでなくアフィリエイトでも稼ごうと思ってアフィリエイトのセミナーに参加したとします。
これはあくまでもアフィリエイトのための費用なので、アフィリエイトで収益が出ていないと費用計上できません。

セドリの売上はあくまでもセドリの費用に対応したものなので、売上に対応する出費のみを費用として計上する、という原則通りです。

会計を間違うとどうなるのか

会計を間違った場合の処罰は、間違った理由や間違い方によって変わってきます。

過失的ミスの場合

過失的ミスとは、意図せずミスをしてしまったということです。
意図してミスをした場合、故意的ミスに該当します。
過失的ミスで過少申告をすると、修正申告を求められます。

修正申告だと追徴課税は基本的に行われません。
ただし税務調査によって過少申告が発覚した場合は、それが過失的ミスであっても過少申告加算税が課されます。
新たに納める分の10%程度の追徴課税なので、それほど大きくはないでしょう。

過失的ミスであっても、仮装、隠蔽と見なされると重加算税の対象となります。
重加算税の加算税率は過少申告だと35%、無申告だと40%となります。
これは大きな負担です。

故意的ミスの場合

まず経理、会社担当者の不正が発覚した場合、これは横領に該当します。
横領を経営者が把握していた場合は会社の不正になるので、脱税扱いです。
横領を経営者が把握していなかった場合は、着服した担当者個人の責任となり、刑事告発に発展する可能性もあります。

粉飾決算は、5年以下の懲役、または500万円以下の罰金に処されます。
さらに粉飾決算により自分や第三者の利益を図り、結果的に会社に損害をもたらした場合、特別背任罪として10年以下の懲役、または1,000万円以下の罰金に処されます。
さらに民事責任に問われると、損賠賠償責任も負います。

外注への支払いは給与か外注費か

セドリの作業は、特に数が多くなると一人でやるのが大変です。
なるべく自分にしかできない作業を自分でやって、後は外注化して効率的にやろう、と考える方も多いでしょう。
実際セドリの作業の一部を外注化する事例は多々あります。

外注化する際の会計上のポイントは、外注費用が外注費になるのか、給与になるのかということです。
基本的には請負契約等では外注費、雇用契約だと給与になります。
とはいえよくわからないので国税庁の外注費の基準を記載すると、以下のようになっています。

(1) その契約に係る役務の提供の内容が他人の代替を容れるかどうか。
(2) 役務の提供に当たり事業者の指揮監督を受けるかどうか。
(3) まだ引渡しを了しない完成品が不可抗力のため滅失した場合等においても、当該個人が権利として既に提供した役務に係る報酬の請求をなすことができるかどうか。
(4) 役務の提供に係る材料又は用具等を供与されているかどうか。

余計によくわからなくなったかもしれません。
まとめると、他の人にはできない業務で、自分の裁量で仕事をしていて、完成責任を負っていて、仕事の道具などを自分で準備する場合は請負になり、外注費が発生するということです。

また外注費か給与かによって、税金が変わってきます。
詳細は割愛しますが、外注費で計上した方が消費税や所得税が安く済みます。
だから外注費で計上したい人が多いのですが、外注費の要件を満たしていないと税務署から指摘される可能性があります。

まとめ

セドリ・転売の正しい会計処理とリスク

セドリは原価率の高いビジネスモデルで、仕入に対してどのような会計処理を行うかによって、節税になったり、脱税になったりします。
また仕入以外にも費用計上できる経費がありますが、会計処理を誤ると後々面倒なことになるのでご注意ください。

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