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社長の心をつかむ情報提供のコツ
上から好かれることで、仕事の結果や出世に大きな影響を及ぼす可能性は高いです。
これはどのような職種にも言えることで、たとえば技術職などでも単にスキルが高いだけの人よりも、上から気に入られる人の方が当然優遇されます。
会社員だけでなくフリーランスの方や、自分自身が経営者の方であっても、他社の社長に好かれればそれが利益につながります。
では、どうすれば社長の心をつかむことができるのでしょうか。
そのカギとなるのが情報提供のやり方です。
ビジネスで人と接する目的は基本的に情報のやり取りで、相手が社長となるとなおさらです。
社長の性格には一定の傾向がある
人それぞれ価値観が異なり、その結果言われて嬉しいことや、コミュニケーションの取り方にも差異があります。
この人はどんなことを言われたら嬉しいんだろう?逆になにを言ったら怒らせてしまうんだろう?と考えたことのある方は多いはずです。
そして、社長の性格には一定の傾向があるので、これを押さえておくと心をつかめる確率が上がります。
社長にはドライビングが多い
有名な性格分析手法に「ソーシャルスタイル理論」というものがあります。
ソーシャルスタイル理論は、人間の性格を4つに分類する理論です。
もちろん100%綺麗に振り分けられるわけではないのですが、高い精度で傾向がつかめると有名です。
ソーシャルスタイル理論では感情と主張の観点から、2つの軸で人間の性格を分類します。具体的には以下4種類です。
※ソーシャルスタイル…1968年にアメリカの産業心理学者であるデビッド・メリル氏が提唱したコミュニケーションの理論。
ソーシャルスタイル理論では感情と主張の観点から、2つの軸で人間の性格を分類します。具体的には以下4種類です。
- エクスプレッシブ(感情+、主張+)
- エミアブル(感情+、主張-)
- ドライビング(感情-、主張+)
- アナリティカル(感情-、主張+)
「+」は強い、「-」は弱いを示します。
たとえばエクスプレッシブは感情が豊かで主張もはっきりとします。
エミアブルは感情は豊かですが、主張はあまりしません。
ドライビングは感情が表には出ませんが、主張はしっかりします。
アナリティカルは感情が表に出ず、主張もあまりしません。
そしてこの中で、社長のソーシャルスタイルは、圧倒的に「ドライビング」タイプが多いということです。
より深く理解するために、もう少しそれぞれのソーシャルスタイルの特徴をご紹介します。
エクスプレッシブ
エクスプレッシブは感情表現が豊かで、ノリの良い人が多いです。
目立ちたがり屋で、積極的に人と交流をします。
イメージとしてはワンピースのルフィのような感じです。
エミアブル
エミアブルは周囲の人に共感する能力が高く、協調性があります。
人の話をよく聞き、サポート役に向いています。
ドライビング
感情はあまり表に出しませんが、しっかりと主張します。
合理的で、目標達成意識が強いです。
負けず嫌いで、成功のために努力する傾向にあります。
アナリティカル
データの分析や論理的に考えることを好み、どちらかというと大人しい印象の人が多いです。
ソーシャルスタイルごとにコミュニケーションの好みが異なる
ここが重要なポイントです。
ソーシャルスタイルは単に性格の違いを表したものではなく、結果的にコミュニケーションのスタイルにも言及していることが重要です。
エクスプレッシブのコミュニケーションスタイル
エクスプレッシブは発想が豊かで、とにかく楽しいことを好みます。
そのためコミュニケーションも盛り上がることを重視するのです。
データや難い話が多いと飽きてしまいます。
そのためエクスプレッシブタイプの人と話すときは、なるべく楽しく会話することが重要です。
エミアブルのコミュニケーションスタイル
エミアブルは共感を大切にするので、たとえば何気ない会話であっても共感することが大切です。
相槌を打ったり、こちらが話すときも相手の共感やコメントを待った方が良いでしょう。
ドライビングのコミュニケーションスタイル
ドライビングタイプの人はとにかく無駄を嫌い、結論を求めます。
そのため会話の際には何を伝えたいのか、会話の目的は何かを明確にする必要があります。
目的が不明確なままだらだらと長話をすると、ドライビングタイプの人にとってストレスになります。
アナリティカルのコミュニケーション
アナリティカルタイプの人はデータや事実を重視します。
会話の際にも相手の主張がおかしかったり、根拠のないことを言っているとモチベーションが下がります。
そのためアナリティカルタイプの人と話す際は、根拠を明確にすることが重要です。
社長にはドライビングタイプの情報提供を
100%ではありませんが、上で説明した通り社長は「ドライビング」タイプの人が多いです。
仕事内容的に判断力が重要で物事を合理的に進める必要があるので、ある程度納得がいくのではないでしょうか。
逆に、エミアブルタイプの社長はあまりいないと言われています。
技術系の職種だとアナリティカルの社長がいたり、コミュニケーションが重要な職種だとエクスプレッシブタイプの社長がいたりといったことはあるでしょう。
しかしすべての業界をひっくるめて、心理学のプロなどが分析すると、ドライビングタイプの社長が多いということでした。
つまり、ドライビングタイプの人に好まれる情報提供をすれば、社長の心をつかめる確率が高まるということです。
逆に共感を求めたり、無理に盛り上げようとすると失敗するかもしれません。
有効な情報提供のコツ
社長への情報提供の際は、以下のポイントを守ると良いです。
- 無駄を省いて簡潔に
- 結論を先に持ってくる、もったいぶらない
- 社長の利益、メリットを明確にする
- 自分が今後どのように動くか明確にする
- 社長に何を求めるかを明確にする(指示口調はNG)
とにかく簡潔に、メリットや今後の動きを明確にすることが大切です。
無駄な話をしたり、曖昧なことを言うのは避けた方が良いでしょう。
自分の動きを明確にするのは良いのですが、気を付けなければならないのが社長側に求めることの伝え方です。
なぜなら、ドライビングタイプの人は命令されることを嫌い、なおかつ社長だと普段人から指示されないのでなおさらです。
自分は人に指示する側の立場だと思っているので、それを崩すのはNGなのです。
余談ですが、4つのソーシャルスタイルの中でドライビングタイプがもっともコミュニケーションの上で厄介だと言われています。
なぜなら情報の伝え方を間違えると不機嫌になるからです。
このことも踏まえた上で、社長には事実ベースで情報を明確に伝えるのがおすすめです。
ちなみにアナリティカルタイプは、結論や目標よりも根拠や自分の納得感を大切にするので、この点でドライビングタイプとは異なります。
まとめ
社長はソーシャルスタイル理論で言うところのドライビングタイプが多いので、結論を先に、情報を明確にまとめることが重要です。
また、ドライビングタイプは命令されることを嫌うので、上から目線に聞こえてしまうような言い回しには気を付けましょう。