一般に、開業にあたっては未経験の業界に参入することは少なく、自分自身のスキルを棚卸し、それまでの経験に基づいたビジネス展開を考えることでしょう。
その中で「不動産業」は、非常に開業しやすい業種と言われています。
2020年の公益財団法人不動産流通推進センターの調査によると、法人格を有する不動産関連業は全国で337,934件とされていますが、宅地建物取引業だけに限定すると法人個人の合計は124,451件となっています。
表:公益財団法人不動産流通推進センター公表資料より
日本におけるコンビニ件数は全国で58,340件。
つまり宅地建物取引業者は、街角でよく見かけるコンビニの約2倍の件数があると言うことが、開業のし易さを物語っています。
これだけの数が日本全国に点在しているのですが、実際には一般的に認知されていないのはなぜでしょうか?
それは開業してはみたものの、それほど取引実績が上がらないために自宅でひっそりと事業を継続している、もしくは兼業として取りあえず宅建業者免許を取得している企業などが多く、会社名や屋号が目立つ状態の業者が多くはないためと推察されています。
これほど数の多いということは、それだけ競争相手が多いということ。
開業準備などの基本的なことは勿論のこと、開業してからどのように事業展開をおこなっていくかまでも含めて、予め検討しておかなければなりません。
今回は不動産の開業希望者に向けて、免許取得から開業申請、情報収集における注意点など、同業他社と差別化を図る営業展開のアドバイスも含めた解説を、おこないます。
目次
開業に必須の「宅地建物取引士資格」
宅地建物取引業では、従事者5人のうち1人以上の専任資格者が必要となります。
専任登録に求められる要件としては、下記要件が求められます。
- 事務所に常勤していること(常勤性)
- 宅建業の業務に従事していること(専従性)
宅地建物取引士資格を有している従業員を雇用して専任登録をする方法はありますが、宅建士が離職すると、専任要件を満たせずに慌てて探すことにもなりかねません。
まず自らが宅地建物取引士の資格を取得して専任登録することを、お勧めしています。
宅地建物取引士試験は特別な受験資格が無いために受験者数が多く、合格率こそ例年14~17%前後ですが、受験者の中には会社からの指示により仕方なく受験している方や何となくと言った、合格努力をあまりせずに受験している方も多いいという実態があります。
合格のため学習努力をしている方の、実質的な合格率はもっと高いと言われています。
時間さえかければ独学でも充分に合格が可能ですし、通信教育や資格学校のカリキュラムを真面目にこなせば、それほど難易度が高い試験ではありません。
不動産開業を志すのであれば、まず宅建士資格に合格することが必須だと理解してください。
宅地建物取引業者の免許申請
宅地建物取引業者の免許区分には「一つの都道府県内で事務所を持つ」都道府県知事免許と「2つ以上の都道府県に事務所を持つ」国交大臣免許の2種類が存在します。
自分自身の開業方針によりどちらかを選択することになります。
もちろん、当初は都道府県知事免許で活動し、その後の発展度合いにより国交大臣免許に切り替えをおこなうことも可能です。
免許申請の要件として、下記3件が必須となります。
1.「欠格自由」に該当していないこと
免許の不正取得や情状が特に重い不正不当行為や業務停止処分違反で免許を取り消された場合や、禁固刑以上の刑または宅地建物取引業法違反による罰金刑を受けた場合に刑の執行が終わる、または執行を受けることが無くなった日を起算日として5年間は欠格事由に該当します。
2.「事務所の形態」を整えていること
基本的には事務スペースが常識範囲で具備されているかのチエックになります。
要件にはコピー機やファックスの設置は義務付けされていません。
審査上は「専用事務所内での接客」を重視する傾向があるので、応接室(応接スペース)の設置は必須と覚えておきましょう。
応接セット(テーブル・椅子2脚以上)は簡易的なもので大丈夫です。
また、事務所開設には固定電話の設置が必須になります。
専用室または事務所の入り口には会社名(個人の場合は屋号)を記載した表札を掲げる必要があり、宅建業法上の本店の定義として経営・人事・総務機能がある場所とされます。
基本的には申請上の事務所要件審査は書類審査です。
上記の点が確認出来るよう、定められた角度からの写真を添付するように注意しましょう。
3.「専任の宅地建物取引士」を設置していること
専任登録に求められる要件は「常勤性」と「専従性」です。
設立会社の営業時間中、常勤していることが必要条件となりますので、週2回のパートタイマーの宅建士などは認められません。
また他の宅建業者に従事している状態で、設立準備のために申請を行っても、その時点では専従性を付保出来ません。
申請から認可までの期間と申請時の注意点
申請する都道府県によって多少ことなりますが、申請が受理されてから免許通知まで、おおよそ30日から40日が目安になります。
もちろん、書類作成に必要な時間を除いてです。
宅地建物取引業法64条2における「営業保証金の供託」を自ら行う場合を除き、申請時には、下記2件ある保証協会のどちらかへの加入が必要となります。
- 公益社団法人全国宅地建物取引業保証協会連合会(ハトマーク・通称では全宅と呼ばれる)
- 公益社団法人全日本不動産協会(ウサギマーク・通称では全日と呼ばれる)
自ら保証金を準備し供託する場合には、事務所最寄りの供託所に本店1000万円・支店ごと1件につき500万円の保証金の供託が必要となります。
保証協会に加入する場合には弁済業務保証金分担金として本店60万円・支店30万円を納付することになります。
保証金の意味合いですが、高額な案件を取り扱う不動産取引において、相手方に損失を与えた場合には損失を弁済することが出来る、という保険機能が必要とされています。
この損失弁済の条件を満たしていなければ、宅地建物取引業を営むことが出来ません。
保証協会については全国宅地建物取引業保証協会連合会が、シェア率80%と規模も大きくテレビコマーシャルを行うなど、広報にも積極的ですが、実務レベルで考えた場合にはどちらが有利と言うことはありません。
協会事務所の所在地や、利便性などを比較して検討しても良いでしょう。
またどちらの協会も宅地建物取引業法64条6に基づいて、宅地建物取引に関わる専門取引の習得育成を目的とした法定研修を実施していますが、会員数が多いだけあって全国宅地建物取引業保証協会連合会の法定研修は、参加人数が多いと言う特徴があります。
同業他社と顔合わせ出来る機会でもありますので、それを基準に選ぶのも一つの方法です。
開業前に考えておくべきこと
前項で免許申請の流れについて解説を行いました。
ここでは開業を行うにあたって、必要とされる具体的な資金や準備について解説します。
1.開業資金は足りているか
保証協会に加入するかどうかによって異なりますが、必要最低限の目安となる費用は400万円前後と言われています。
内訳は概ね以下の表の通りです。
事務所開設費 | 100~200万円 | 事務所を賃貸する場合にはエリア賃料により大きく異なります。 自宅で事務所要件を満たせる場合には多少のリフォームなどで対応が可能の場合もあります。 おおよその目安金額とご理解下さい。 |
営業保証金 | 本店60(支店30)万円 | 保証協会加入を前提としています。 供託の場合には本店1000(支店ごと500)万円が必要になります。 |
保証協会加入金・年会費 | 約70万円(本店のもの場合) | 協会加入金400,000円・年会費53,600円 不動産キャリアパーソン講座受講料8,800円 保証協会入会金20,000円・保証協会年会費6.000円 (年度や都道府県によって年会費が異なる場合があります) |
免許申請手数料 | 33,000円 | 管轄庁の申請手数料 |
営業維持費 | 600,000~1,500,000円 | 賃料や利用するシステム利用料のほか、広告費用や頻度によって大きく異なりますが、月々200,000円から500,000円と算定して、最低3か月の準備金は考えておきましょう。 |
その他諸経費 | 800,000円 | 通信費やガソリン代などの経費の他、開業して即座に収入が得られるわけではありません。 最低3か月分の生活費なども準備しておきましょう。 |
新たに事務所を借りずに自宅を改装して事務所要件を満たすなど、条件によって異なる初期費用ではありますが、開業初心者が一番、困るのは営業維持費や生活費です。
開業したからと言って、すぐに複数の契約が上がることも少ないでしょうし、経営を安定させるためにはコンスタントに契約を行う必要があります。
潤沢であるに越したことがない開業資金ではありますが、資金が貯まるまで待っていては開業時期を見誤る可能性も生じてきます。
何事においてもバランスの見極めが大切です。
2.スキルの棚卸と得意分野を明確にする
不動産業としての代表的な業務としては、下記のようなものがあります。
売買仲介 | 土地・中古戸建・中古マンションなどの売買仲介業務です。 一般的な不動産業の基本とみなされ、業務の基本となるものです。 |
賃貸仲介 | 賃貸仲介も基本業務の一つです。 仲介手数料は賃料の1か月分が上限と、売買と比較すると少ないイメージはありますが、数がこなせると言う利点があります。 |
任売・競売取り扱い | 任意売却や競売を専門に取り扱う業者が最近増加傾向にあります。 法律的に知識など理論武装が必須とはなりますが、他社との差別化を図る意味では興味深い分野です。 |
投資案件 | 従来は企業による不動産投資と言った大規模案件が中心でしたが、最近では個人の不動産投資家が増加しています。 |
不動産買取・販売 | 中古物件を買取してリノベーションを行い、転売して利益を得る手法です。 買取金額は一般的に査定額の70%前後となるほか、リノベーション利益を得る事も出来るため1件あたりの利益率が高いのが特徴です。 反面、買取を行うための資金や売れ残りリスクも考慮する必要があります。 |
不動産コンサル | 宅地建物取引業法46条に定められている報酬は、代理または媒介に寄与した場合となりその上限額は厳格に定められています。 ただし同法では「依頼者の特別な依頼による特別な経費」については報酬を受け取れるとしています。 コンサルティングフィーは前記の法文を根拠とした報酬となります。 |
一般的には手数料収入がメインになります。
もちろん上記にあげた業務を満遍なくこなせるのが理想です。
ただし不動産業者の数はコンビニより多いのですから何か特徴を持って活動しなければ、その他大勢の業者に埋もれてしまいます。
例えば、初対面の人とすぐに意気投合できるなど、コミュニケーションスキルが高いのであれば、土地オーナーと繋がり投資案件に特化して、所有地を仲介させてもらうなどが考えられます。
また、法律に長けているならば不動産コンサルティングを中心に据えるなどです。
建築会社の経営者を数多く知っているならば建売用地の斡旋を専属的に行って行くなど、安定的に取引を行いたいならば、まず自分自身のスキルを棚卸して、差別化を持った事業展開を行うのが大切です。
開業してからの事業展開について無目的に行うのではなく、熟慮してから開業手続きに入るようにしましょう。
3.集客方法はどうするか
不動産の集客方法は紙媒体広告やインターネット、紹介が3本柱です。
これら広告等については、目的や販売物件によって適切に組み合わせていくことが大切です。
広告のそれぞれの特徴や注意点を紹介します。
紙媒体広告
代表的なものとしては新聞への折り込み広告です。
またスポット狙いのポスティングや、フリーペーパーへの広告掲載も広義の意味でこちらに分類します。
インターネットの普及や新聞の購読率低下により、一昔前と比較すると掲載率は低下しています。
ですが逆説的に考えれば、現在においての不動産広告の折り込み率が低いことから、ユーザーが興味を引きやすい物件をスポット的に折り込む効果は非常に高いと言えます。
また、インターネットは広範囲へのプロモーションを得意とする一方、紙媒体は特定の地域など範囲を絞ったプロモーションに長けていると言えます。
不動産は、地域を限定して物件探しをするユーザーが多いため、ある程度ターゲットを絞れる紙媒体も、まだまだ有効な手段と言えます。
上手くバランスを取って掲載を検討しましょう。
インターネット
自社のホームページもここに分類されます。
また、大手の不動産サイトと契約して物件掲載を行うなど、現在はインターネットによる不動産広告が集客の基本となっています。
自社でホームページを作成・運営する場合に注意したいのは、ホームページは作成当初にプロの制作会社に作成してもらい、大変見映えの良い内容になっていたとしても、そのあと更新を怠ってはいけないということです。
トップページは綺麗で見栄えが良いことに越したことはないのですが、ユーザーは見映えよりも興味を引く物件情報が、継続的に更新されることにより頻繁に訪れるようになります。
自社のホームページのページ構成数を、大手業者並みにするのは自己資金配分から考えても無謀な挑戦となります。
それよりも、ページ数が少なくても興味深いコンテンツを作成し更新していく方が、ホームページの運営目的が果たせることになります。
その代表的なものがブログです。
実際に、創業して成功している不動産業者の多くはブログの重要性を理解しており、また実践しています。
すでにブログを展開している不動産業者は数多くありますが、その多くは文字数が少なく、かつ不動産とはまったく関係のない近況報告や食べものネタ、旅行ネタなどが目立ちます。
はっきりと言ってしまえば、インターネットユーザーは見ず知らずの不動産業者の近況ネタに興味などありません。
必ず不動産お役立ち情報などを盛り込みながら、ブログ執筆を行うようにしたいものです。
一記事あたりの文字数も重要な要素です。
文字数については常に3,000字以上になるように心がけましょう。
3,000字以上の根拠ですが、ホームページで検索上位に表示され閲覧率をふやすには、検索エンジンのSEOキーワードに引っかかる必要があります。
意図的にSEOキーワードを盛り込んで文章を作成するのは、多少ハードルが高くなりますのでここでは割愛しますが、検索エンジンで上位に上がるための文字数は最低3,000字から上限で10,000字と言われています。
更新頻度については、創業当初から半年間ぐらいは毎日更新が理想です。
ですが、本業の隙間時間で毎日3,000字ですとハードルが上がりすぎますので、少なくても週1回の更新を目標としましょう。
また効率よくホームページを運営していくためにはGoogleアナリティクスを活用してアクセス分析を行うのが効果的です。
プロのホームページ制作会社なら、こういった専門的な知識やノウハウを持っていますので、有用なアドバイスやサポートを受けることができるでしょう。
紹介
紹介案件の内容によって異なりますが、紹介による成約率は平均で30%以上と言われています。
紹介者の信用がそのまま会社の信用に結びつく上に、紹介だから断りにくいと言った感情も働くからでしょうか。
どの不動産業者でも紹介率の増加には力を入れています。
極論を言えば、月に3件以上の紹介があり、それらが毎月コンスタントに成約して行けば、事業規模にもよりますが安泰であると言えます。
創業にメンターは必要か?
創業する理由は人それぞれではあるでしょうが、経営判断を自分で行い、成功するに伴い金銭や時間を自由に出来るのが経営者の魅力のひとつです。
そこに憧れて起業を目指す方も少なくないでしょう。
ただし自由には責任が伴います。
特に重要な判断は自分で行わなければならず、従業員や友人に相談して判断をすることは出来ません。
常に決断が迫られることから結果的に経営者は孤独になっていきます。
企業規模によらず経営に関しての全責任は自分自身であり、他に責任を持ってくることは出来ません。
逆に、そのくらいの気概がなければ経営も覚束ないでしょう。
それでは気の合う仲間で共同経営を行ってはどうか?
これも成功事例が少ないようです。
お互いが経営者でありながらも、出資比率や性格の違いによる発言権の優劣や、創業後に発覚する価値観やライフスタイルの違いなど、理由は様々ありますが、責任を按分すると言った部分が失敗の原因ではないかと言われています。
孤独であることは、経営者の責任上において回避することは困難です。
ですが軽減することは可能です。
その存在こそがメンターです。
ここではメンターの見つけ方について解説します。
メンターの見つけ方
異業種交流などの経営者の会合で人脈を得ても、それは友達関係ではありません。
あくまでも相互利益を考えた付き合いとなりますので、孤独が癒される訳ではありません。
必要なのは、経営者の孤独を減少させ人生を好転させるメンターです。
創業前にすでにメンターがいる方は良いのですが、それ以外の場合、そもそもどのようにしたらメンターと出会えるかも分からないでしょう。
基本的には、2つの方法しかありません。
積極的に人と出会う
不動産業で成功している経営者の講演会に参加をする。
また経営者会に参加して、異業種であっても成功をして自分自身と価値観が近く、尊敬できる人など意識する。
そうすることで出会いはあります。
その人に感じることがあればまずは「真似る」からスタートしましょう。
自分自身でこの人がメンターだと思えばそれでよく、師弟関係の契約書が存在している訳ではありません。
メンターと言葉を交わせるようになれば、最良ぐらいに思うだけで充分です。
本を読む
本を読むと言うことは、著者と対話することです。古典も含めて考えれば、時代の英知が本に収められており、まさに知の結晶です。時間に左右されず、優れた英知の結晶である著者の教えを本から学び取ることが出来すのですから、これを利用しない手はありません。実勢に成功している優れた経営者は、ほぼ読書家です。読書を通して、現在の自分に必要なメンターを探し出すことにより経営判断についての重圧は、少しでも軽くなると言えます。
コンサルタントの必要性
メンターとする人物も見つけ、次に考えるのはコンサルタントです。
人によってはコンサルタントの活用について懐疑的な方が多いのも事実です。
実際の現場を知らず、取り澄ました方法論だけを杓子定規に説明するのを嫌う人も多いいのです。
ですがこれらの意見は、大半がメンターのイメージをコンサルタントに求めているだけです。
経営者となったからには、重要な判断はすべて自分自身で行います。
コンサルタントはそのノウハウや経験から、その企業に最適解を提案するアドバイザーです。
それらを混同するから、コンサルタント不要論が生じるのです。
例えば創業に必要な資金を融資で賄う場合や、税務に関する手続きなどです。
経営を開始してからは、それでなくても仕事が多いのですから、融資や税務知識を独学で学ぼうとすれば無理が生じます。
それぞれの分野におけるエキスパートとしてコンサルタントに依頼をし、スムーズに問題解決することは何よりも貴重な「時間」の短縮につながります。
異業種交流会や各種会合等に参加して紹介を受ける、ネット検索するなどコンサルタントを探す方法は幾らでもあります。
積極的にコンサルタントを活用し、得られた時間で本業に邁進するのが、ある意味では成功への近道であるとも言えます。
まとめ
今回は具体的な開業申請手続きから始まり、集客方法や経営者として独立した人が皆、一度は経験する重圧を緩和する方法までをご紹介しました。
特に開業資金では最低限の必要金額を紹介していますが、準備資金は多いのに越したことはありません。
けれども資金を貯めるために創業時期を遅らせていては、いつまでたっても開業することが出来なくなります。
失敗するために開業する人はいません。
ですが経済産業省の発表では、開業して3年目には約50%は廃業していると言われ、10年後には約26%しか事業を継続できていないと言うデータがあります。
廃業理由は業種により様々ですが、統計調査で上位を占めているのが下記の3つです。
資金不足
開業準備金も含めて、資金が底をつくことによる短期廃業が含まれます。
今回の開業資金についての説明でも3か月の運営を基本としていますが、資金的には決して余裕を持っての組み方ではありません。
また想定外の出費が重なり資金が不足してしまうこともあります。
そのようなことにならないよう、あらかじめ開業コンサルタントに相談するなどの方法も検討しておきましょう。
売上利益不足
開業してすぐに利益が上がり始めれば理想的ですが、なかなかに難しいのが現実です。
ですが不動産事業はある種の情報産業としての側面も併せ持っていますので、長期・短期的な視野から利益に結び付く情報を常に取得し続けなければなりません。
その方法が今回ご紹介した
- 紙媒体広告
- インターネット活用
- 紹介
からの情報増加です。
情報収集を常に意識して視野を広げると共に積極的に改善を行い、利益に結び付ける観点を持つことが大切です。
企業体制や事業拡大の失敗
経営が安定してくれば積極的に事業の拡大を考える事もあるでしょうし、従業員数が増加すれば人事問題など様々な点において決断をしなければなりません。
今回は、メンターやコンサルタントの活用に関して解説していますが、最終的に判断して実行に移すのは経営者であるあなた自身です。
ただし調査も不完全なまま、思い込みで走り続ければ破城する可能性が高まります。
適切な判断するために、本当にその決断が正しいのか迷うときにはメンターの意見(本から学び取ったことも含む)を取り入れ、必要に応じてコンサルタントに助言を求めることが大切です。
『知るを知るとなし、知らざるを知らざるとなす。これ知れるなり』
知っていることについては学びを深め、知らないことは知らないとして学びを深めること。
それが本当の意味で「物を知る」と言う意味を持つ孔子の言葉です。
開業を志し実際に稼働すれば、知らないことばかりで戸惑うことが無数にあるでしょう。
ですが心配する事はありません。最初は皆、同じだからです。
名経営者と言われる方々も最初は経営初心者でした。
大切なのは悩みながらも経営者として成長していくことだからです。