経理代行では何をしてくれるのか~買掛金管理~

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買掛金管理業務では具体的に何をする?

買掛金管理の業務は、企業の資金繰りに直接的に影響する極めて重要な業務といえます。
ごく簡単にいえば販売する商品や材料の仕入先への代金支払いを管理する仕事のことです。
多くの企業では、商品仕入や材料購入を継続的なお付き合いのある企業から行いますが、万が一、こうした関係先企業への買掛金の支払い漏れなどが発生してしまうと、業界内での自社の評判を大きく傷つけてしまう可能性があるためです。

また、買掛金の支払いがいつのタイミングで生じるかを正しく管理しておくことは、企業の資金繰り計画上きわめて重要な問題といえます。
重要なことは、「日常的に発生する買掛金取引を、どうすれば継続的かつ安定的に管理することができるか」という視点を持つことです。

この記事では、そのための選択肢の一つとして「経理代行サービス」の活用について解説いたしますので、経理業務の効率化を検討している経営者の方や、経理担当者の方はぜひ参考にしてみてください。
以下では、買掛金管理業務の具体的な内容について見ていきましょう。

仕入先への発注

企業では、自社で販売する商品を製造したり購入したりするために、別の企業(仕入れ先)へ発注を行います。
ここで購入するものは商品そのものであったり、商品を製造するための材料であったりしますが、いずれにしても継続的な関係となっている場合がほとんどです。
というのも、商品や材料の購入は継続的に大規模な発注を行った方が、購入時のコストを抑えられる可能性が高いためです。

商品や原材料の納品と検収

仕入先への発注を行うと、仕入先の企業は自社に商品や材料を納入してきます。
多くのケースではこれらの商品や材料が納入された段階で、仕入れ先企業から納品書などの書類が発行されますので、発注の内容と合致しているかどうか確認を行います。
また、商品や材料の現物についても現場の担当者が数量や品質の検品を行い、問題がなければ検収完了の通知を相手方企業に対して行います。

仕入先から届く請求書の確認と会計処理

仕入先企業の立場からすると、自社から検収完了の通知を受けた段階で売上高を計上することができます。
そのため、仕入先企業は検収完了後に自社に対して請求書を発行して送付してきます。
(ただし、継続的な取引をしている企業の場合、一定の期日を締め日として設定し、その締め日が到来するごとに請求書が送られることも多いです)

仕入先から送付された請求書は経理担当者に回され、経理ではこの請求書の内容をもとに、会計帳簿(会計ソフト)に仕入高を計上します。
この段階では、計上された仕入高は代金が未払いの状態になっていますから、この未払い金の金額を「買掛金」として計上することになります。

買掛金支払期日に仕入先へ代金を支払う

請求書には支払期日が記載されていますから、その期日において仕入先に代金を支払い、支払い時には会計帳簿に計上されている買掛金の残高を消し込みます。
上でも見たように、多くのケースで仕入先企業とは継続的な関係が前提となっていますから、万が一にも買掛金の支払い遅延が生じないようにしなくてはなりません。

こうした事態を避けるためにも、買掛金の計上時には支払期日を同時に把握しておくとともに、支払期日における資金繰り状況を予測できる仕組みを構築する必要があります。
(多くの会計ソフトでは資金繰り管理に関する機能が備えられていますから、活用しましょう)

期末には実地棚卸を行い、売上原価の計算を行う

事業年度中はこのようにして買掛金の計上と消込を繰り返していきますが、消込を行うタイミングが到来する前に会計期末(決算期日)が到来した場合には、その時点での買掛金残高を決算書に表示することになります。
会計期末には、買掛金の残高を決算書(貸借対照表)に計上するとともに、当期における売上原価の計上を行います。

売上原価の計上を行うためには会計期末における商品在庫高を調べる必要がありますので、商品や材料購買の部署と協力しながら実地棚卸作業を行います。
どのような形で売上原価を計上するかは企業によって異なりますが、原則的なケースでは期首の商品在庫高に当期の仕入高をプラスし、実地棚卸によって把握した期末の商品在庫高を差し引きすることによって売上原価を計算できます。

※計算式にすると以下の通りです。

売上原価=期首在庫高+仕入高-期末在庫高

買掛金管理業務が企業損益に与える影響

計算式を見ても明らかなように、期中の仕入高の計上と買掛金の処理が適切に行われていないと、売上原価を正確に計上することができません。
売上原価の計上は粗利率の計算に直結しますから、多くのケースで決算書の数字に非常に大きな影響を与える重要な項目となります。

また、期末における決算書上の買掛金の残高は、企業の財務状況を知るうえで重要な情報となります。
取引している金融機関などではこうした情報をもとに会社の信用力を調査していますから、経理担当者は細心の注意をもって買掛金管理の業務を処理しなくてはなりません。

買掛金管理を適切に行うことによりできるようになること

上で説明した買掛金管理業務を適切に処理することは、経理担当者にとって基本的な役割といえます。
そのうえで、買掛金管理業務を適切かつ詳細に行うことができようになれば、経理部門が会社の利益に貢献するためのデータセンターの役割を担うことも可能になります。

具体的には、以下のようなことが考えられます。

  • 経理部門と購買担当部署の連携により在庫管理を透明化する
  • 現場との買掛金データの共有による取引先の見直し

それぞれの内容について、順番に見ていきましょう。

経理部門と購買担当部署の連携により在庫管理を透明化する

仕入高の計上(買掛金の計上)と在庫管理とは、密接な関係があるといえます。
多くの企業ではあらかじめ設定された生産計画や販売計画をもとに在庫高を調整し、必要に応じて新たな仕入れを行うためです。

新たな仕入れ発注を行えば、当然ながらその企業には代金の支払い義務が生じることとなりますから、こうした業務は企業の資金繰りにも大きな影響を与えることになります。
そのため、経理担当者は購買部門の現場担当者と密に連絡を取り合い、在庫管理を透明化してリアルタイムで現場の状況を経営者に対して報告しなくてはなりません。

現在の現金残高や売上の入金額によって買掛金の支払いをまかなうことができれば問題ありませんが、そうでない場合には金融機関との融資交渉なども適時に行う必要があります。
逆にいえば、在庫管理と仕入れ発注、買掛金の支払いまでの一連の流れを透明化することができれば、資金繰りや生産計画といった経営判断に役立つ情報を提供することが可能となります。

現場との買掛金データの共有による取引先の見直し

すでにみたように、商品や材料の仕入先企業とは、継続的な関係が前提となっているケースがほとんどです。
仕入先との関係性のあり方によって、購買費用を大幅に減らせる可能性もありますから、接待交際費その他のコストをかけて関係構築を行うことも必要となります。
(商品や材料の購買費用は粗利益の金額に直結しますから、企業損益に対するインパクトが非常に大きい項目といえ、多くのケースでコストをかけてでも仕入先企業との関係構築を行うことにはメリットがあります)

一方で、こうした関係の構築を現場の担当者に一任するだけでは、関係維持にかかるコスト管理が甘くなりがちです。
そのため、経理担当者はどの仕入先に対してどれだけのコストを支払ったかを詳細に記録する役割を負わなくてはなりません。

買掛金の長期的な推移と、関係構築にかけたコストを比較すれば、本当にコストに見合った効果が見込めているのかを経営情報として把握することが可能となります。
経理を担当する部署にはこうした情報が集まりますので、必要な情報を取捨選択して経営者に報告する仕組みを構築することも重要な職務といえます。

買掛金管理について経理代行サービスを利用するメリット

このように、企業の経理部門が買掛金管理業務を適切に行うことができるようになることにはさまざまなメリットがあります。

一方で、こうした買掛金管理の業務については、企業財務に関する実務知識を持ったスタッフの確保が必要となります。
自社内でこうした人材を確保するのが難しいという場合には、税理士事務所が提供する「経理代行サービス」を活用するのも1つの選択肢です。

以下では、買掛金管理業務について経理代行サービスを利用するメリットについて解説いたします。

外部の専門家が客観的な視点で買掛金業務を行います

経理代行サービスを利用して買掛金管理業務を行う場合、仕入先から請求書などが送付されるたびに経理代行業者にその情報を送付するだけで、会計上の買掛金管理業務をすべて処理してもらうことが可能となります。
具体的には、会計ソフトへの仕入伝票入力や支払期日の管理、支払い時の買掛金の消込などの業務を自動化できます。

税理士事務所には月次決算や年次決算の代行も依頼できますから、日ごろの買掛金管理業務と連携してスムーズに決算・税務申告の業務まで完了することが可能となるでしょう。

格安の料金で熟練の経理スタッフを雇用するのと同じ効果が得られます

こうした業務は、本来であれば自社内で経験豊富な経理財務スタッフを雇用して処理する必要がある項目です。

多くのケースで経理実務の経験を持つスタッフの人件費は高額となる上、現場のスタッフとして活躍してもらえるようになるためには教育研修コストが必要となります。
経理代行サービスの料金は月額で10万円程度が相場ですから、新たに経理スタッフを雇用するのと比較して圧倒的に安いコストで買掛金管理業務を処理できるようになります。

経理代行サービスを提供する税理士事務所は、当然ながら経理財務に関する専門家ですから、専門知識が必要となる項目についても安心して任せることが可能です。

おすすめの経理アウトソーシングサービス


まとめ

今回は、買掛金管理業務の具体的な内容と、経理代行サービスを活用するメリット・デメリットについて解説いたしました。
買掛金管理業務は、仕入れ先との関係を良好に保ち、企業の資金繰りをコントロールする非常に重要な業務といえます。
一方で、買掛金を管理する部門には、企業の変動費に関するデータが集中することになりますから、こうしたデータを経営や資金繰りに生かすという役割を担うこともできます。

自社内で買掛金管理業務の処理が難しい、人件費や社員研修に関するコスト削減を検討しているという方は、本文で紹介した経理代行サービスの活用もぜひ検討してみてください。

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