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個人でのM&Aって簡単にできるの?
M&Aという言葉は、以前までは大手の企業同士が行うもの、というイメージが強く、中小企業にとってはほとんど関与しないものでした。
しかし近年では、以前までと比較して個人でのM&Aなど小規模なM&Aが増加している傾向にあります。
今回の記事では、なぜ個人M&Aが増加しているのかという背景と、個人のM&Aを実際に行うのであれば、どのような手段があるのかを詳しく解説します。
個人M&Aが増えている背景にはなにがある?
近年のM&Aでは、大企業間で行われるM&Aだけではなく、中小企業や個人でのM&Aなど小規模な買収も、以前に比べて多くみられるようになりました。
その理由としては大きく以下の3つの理由がみられます。
- 経営者自身の年齢が上がり高齢化しているため
- 自社の事業に対する後継者が不足しているため
- 自分自身の資産形成のため
以前に比べて個人M&Aが増えている上記の理由について、順に解説します。
経営者自身の年齢が上がり高齢化しているため
個人M&Aが増えている背景の1つ目の理由は「経営者自身の年齢が上がり高齢化しているため」です。
近年は少子高齢化により、経営者全体の平均年齢が上昇の傾向にあります。
ただし中小企業では、70歳くらいが経営者の引退平均年齢となっており、これは以前に比べても大きな変化はみられません。
これらのことから、中小企業の経営者の平均年齢自体は上がっているのにも関わらず、引退年齢は大きな変化はみられないということになります。
自社の事業に対する後継者が不足しているため
個人M&Aが増えている背景の2つ目の理由は「自社の事業に対する後継者が不足している」です。
60歳以上の経営者の約半数は、「事業に将来性を感じない」や「現在の事業に適した後継者がいない」など、後継者不足を理由に已む無く廃業してしまう場合があります。
もし後継者がみつかったとしても、中小企業の厳しい競争に対応するだけの能力が不足しているなど、様々な問題がネックになっていると言えます。
自分自身の資産形成のため
個人M&Aが増えている背景の3つ目の理由は、「自分自身の資産形成のため」で、 多くの場合は老後の資金を確保するためとなっています。
近年は平均寿命が年々長くなってきているものの、月々もらえる将来年金の支給額は下がっており、現状のままだと、年金だけでは老後生活を送るのが難しくなることが予想されます。
現在の企業の多くは60歳を定年としており、企業によっては再雇用にて継続して働くことができるものの、65歳までしか働くことができない企業がほとんどとなっています。
このような将来の状況を考え、まだ働いている間に個人M&Aにて事業を買収して、自分自身の企業を持とうとする人が増えているということです。
自身で事業を行えば定年を心配する必要もなく、年金の減少などの老後の不安も解消できるため、将来設計のためにM&Aを行う事例が多くみられるようになっています。
個人でM&Aを行う手段
実際に個人でM&Aを行う手段としては以下の3つあります。
- 知人などに承継してもらう
- マッチングサイトへの登録を行う
- M&Aアドバイザーへ相談する
個人でM&Aを行う手段の上記の3つの理由について詳しく解説します。
知人などに承継してもらう
個人でM&Aを行う手段の1つ目は「知人などに承継してもらう」です。
ここでの注意点は、個人が知人などに事業を承継する場合に関しては、ただ単に当人間で「事業をあげる」などと言っただけでは、事業を承継することはできません。
手続きとしては、自分自身が事業を立ち上げる時と同じく、承継する方は開業届けなどの手続きをとる必要性があるため、注意が必要です。
マッチングサイトへの登録を行う
個人でM&Aを行う手段の2つ目は「マッチングサイトへの登録を行う」です。
M&Aを行いたい場合は、まずM&Aに応じてくれる相手先を探す必要性があり、相手先を探すことがM&Aを行う中で、最も重要な事項と言えます。
相手先を探す手段として、最近ではM&Aマッチングサイトを使用するケースが増えてきています。
M&Aマッチングサイトは、利用条件やサービス内容がサイトごとによって異なるため、自身の状況にあった最適なサイトを探し、利用することが大切です。
M&Aアドバイザーへ相談する
個人でM&Aを行う手段の3つ目は「M&Aアドバイザーへ相談する」です。
信用できる相手や、優秀な人材にM&Aを行いたい場合は、多少手数料はかかりますが、M&Aアドバイザーに相談するのが最も効率的です。
M&Aアドバイザーは、M&Aの手段に対する相談だけではなく、仲介などM&Aに必要なことを総合的にサポートしてくれます。
注意点として、M&Aアドバイザーによっては、個人のM&Aや中小企業などが行う規模が小さな案件に関しては、取り扱っていないというところもあるため、相談に行く前に、一度確認しておきましょう。
個人M&Aや規模が小さな案件でも取り扱っているのかを事前確認し、相談しに行くことが重要です。
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まとめ
今回は個人M&Aが増加している背景と、実際に個人M&Aを行うのであれば、どのような手段があるのかを解説してきました。
個人M&Aを行う方法はいくつかありますが、自身の事業や状況、ニーズにあった手段を選択することが重要です。