種類株式ってなに?特徴とメリット・デメリット

種類株式ってなに?特徴とメリット・デメリット
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種類株は普通株とどこが違う?

2006年(平成17年)に施行された、改正会社法によって、日本でも普通株式の他に種類株を利用する企業が出てきました。
この二つの株式は、どのような違いがあるのでしょうか。

株式は2種類「普通株式」と「種類株式」

株式会社が発行する株式には、「普通株式」と「種類株式」の2種類あります。
現在発行している普通株式を種類株式、また種類株式を廃止して普通株式のみに戻すことも可能となっています。
(株主の利益リスクを回避するために、総株主の同意による定款変更が必要)
それでは、この二つはどのような違いがあるのでしょうか。

一般的に株式といえば「普通株式」

普通株式は、証券取引所で通常売買されている株式のことです。
投資家は証券会社から普通株式を購入することで、「配当を受け取る」「株主総会に参加する」などの権利を得ることができます。

株主権利の中身を変えた「種類株式(種類株)」

しかし実は企業は、株式にセットされる「権利」の中身を変えた「種類株式」を発行することも選択可能です。
例えば、種類株のひとつ「優先株」の場合、利益配当の際には普通株主よりも多くの額面の配当を受けることができます。
株式に特別な条件を持たせることで、資金調達の拡大が見込め、経営者の判断をダイレクトに反映させることが期待できます。
これは企業のみならず株主の多彩なニーズに対応したものといえます。

また出資する株主側が、予測不能な損害を受けることを防ぐため、種類株式の権利内容には制限が設けられています。
以前は、ベンチャー企業や資金難に苦しむ企業の、苦肉の策というイメージが強かった種類株ですが、最近ではトヨタ自動車などの、優良企業による種類株格好のニュースも届くようになりました。

経営側、もしくは投資側どちらの立場からも、正しく種類株を理解し利用することでさらに大きな利益を得ることが可能です。
この記事では「種類株」の種類や特徴を中心にお伝えします。

投資・経営両方の立場のメリットとデメリットは?

種類株のメリットとは?

種類株は、普通株式の持つ「株主平等の原則」よりも、資金調達や経営者の権利確保を優先した株式ともいえます。
先にご紹介したように、アメリカのスタートアップ企業では当たり前となっている手法ですが、日本ではまだまだ少数派と言えます。

とはいえ、起業直後の会社が他社からの資本を受け入れる場合には、既存の経営者の権利を確保することが重要となります。
そこで、経営権を維持することを目的とした経営陣が、種類株を保有する例が少なくありません。

普通株式とは異なり、権利の内容が厚みを増した分株価が高くなるため、投資対象として魅力ある存在でもあります。
種類株のメリットは、経営に関する優先権の確保、資金調達のしやすさにあるといえます。

種類株のデメリットとは?

では、種類株のデメリットはどこにあるのでしょう?
まず頻繁に株式売買を繰り返す投資家にとっては、うま味の少ない株式であることです。
なぜなら、配当を受ける際に初めて、普通株式より多くの利益を得ることができるからです。

配当が実施されるまで、保有する制限が不利になると考える投資家には、不向きな投資対象と言えます。
また、普通株式を所有する株主の立場からすると、議決権の制限につながるマイナス面があります。
このように、種類株を所有する側(主に会社や経営陣)にメリットが大きいという側面が、種類株のイメージダウンに繋がり、ひいては最も大きなデメリットであるといえるでしょう。

種類株には9種類ある!

会社法で定められた種類株は、下記のとおり9種類の定義があります。
企業は、これらの異なった株式を発行することが可能で、またいくつかを組み合わせることもできます。

異なる種類の株式すなわち「種類株」について定義した「会社法第百八条」によると次の通りです。
「株式会社は、次に掲げる事項について異なる定めをした内容の異なる二以上の種類の株式を発行することができる」

【参考:電子政府の総合窓口 会社法第百八条】

次に会社法の記載に従って、種類株にはどのような規定があるのかについて詳しく説明します。
種類株を導入する企業の定款には、これらの規定についての一文が記載されていることが必要です。

優先株式・劣後株式(剰余金)

株式取引の楽しみのひとつが貯金の利子のような存在である「配当」です。
配当金にはその原資が「利益剰余金」および「資本剰余金」の2種類があります。
(多くは利益剰余金によるものですが、資本金の余りである資本剰余金を原資とする場合もあります)

この剰余金の配当に優先権を有する、すなわち普通株式よりも多く配当金を受け取れるのが「優先株式(剰余金)」です。
ちなみに普通株式よりも配当金が少なくなると「劣後株式」と呼ばれます。
また配当金をゼロ設定することも可能です。

(会社法第百八条 第一項「剰余金の配当」)

優先株式・劣後株式(残余財産)

会社にはやむを得ず廃業あるいは倒産という道を選ぶこともあります。
その後、負債分を返済した後に残された会社資産は「残余財産」と呼ばれます。
持ち株数に応じて、残余財産の分配を受けられる権利を「残余財産分配請求権(優先残余財産分配権)」と呼びます。

残余財産分配請求権のある種類株式では、優先的に残余財産を受けることができます。
さらに優先株への分配後の残余財産の分配にも、普通株式とともに対象となる場合は「参加型」対象とならない場合は「非参加型」と区分されます。

(会社法第百八条 第二項「残余財産の分配」)

議決権政権株式

株主総会の際の議決権に、全部もしくは一部制限を付与した種類株式を発行することが可能です。
ただし、株式を公開した企業には、株主や投資家の意見を尊重する義務があるため、議決権制限株式を全株式の1/2以上発行することはできません。

(会社法第百八条 第三項「株主総会において議決権を行使することができる事項」)

譲渡制限株式

すべての株式もしくは一部の株式について、その譲渡については会社の承認を要する株式です。
最大のメリットは、会社にとって利益があるとは言えない第三者に、株式を譲渡しないようにすることで、いわゆる「乗っ取り」を防ぐことができます。

(会社法第百八条 第四項「譲渡による当該種類の株式の取得について当該株式会社の承認を要すること」)

取得請求権付き株式

株式会社が発行する株式のうち、株主が取得請求権利を持つことができる株式です。
会社による買取を保証されることで、投資側としては安定した資産を所有することができます。

(会社法第百八条 第五項「取得請求権付株式 すべての株式又は一部の種類の株式について、株主がその株式について、会社に取得を請求できる株」)

取得条項付株式

すべての株式もしくは一部の株式について、何らかの事由により会社側が強制的にその株式を取得するものです。
通常は、株主の同意かつ買取価額の合意が必要です。
しかし、取得条項付株式は会社の意思のみで買い取ることが可能です。

(会社法第百八条 第六項「取得条項付株式 すべての株式又は一部の株式について、会社が一定の事由が生じたことを条件としてその株式を取得す」)

全部取得条項付株式

企業が株主総会の特別決議により、その全部を取得することができる株式です。

(会社法第百八条 第七項「当該種類の株式について、当該株式会社が株主総会の決議によってその全部を取得すること」)

拒否権付株式

「黄金株」と呼ばれる株主総会の議案について拒否権を持つ株式です。

(会社法第百八条 第八項「株主総会(取締役会設置会社にあっては株主総会又は取締役会、清算人会設置会社(第四百七十八条第八項に規定する清算人会設置会社をいう。以下この条において同じ。)にあっては株主総会又は清算人会)において決議すべき事項のうち、当該決議のほか、当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会の決議があることを必要とするもの」)

選任権付株式

株主総会もしくは、取締役会において決議すべき議題を、種類株主による「種類株主総会」の決議を必要とすることが決められている株式です。

(会社法第百八条 第九項「当該種類の株式の種類株主を構成員とする種類株主総会において取締役(監査等委員会設置会社にあっては、監査等委員である取締役又はそれ以外の取締役。次項第九号及び第百十二条第一項において同じ。)又は監査役を選任すること」

種類株を公開した代表的な企業

種類株といえば、IT系を中心としたベンチャー企業と結びつける方は多いでしょう。
2012年にFacebookが種類株を利用したIPO(新規株式公開)直後に、株価が暴落したことによって、「種類株(を有する企業)はハイリスク」というイメージが少なからず残っています。

しかし現場を指揮するリーダーが、複数の議決権を持つ種類株を取得することはデメリットばかりでもありません。
経営権を維持することによって、変化が早く競争の厳しい業種に必要不可欠な迅速な経営判断が可能となるからです。
ここではアメリカと日本の種類株を公開した企業についてご紹介します。

アメリカの種類株公開例

アメリカを中心とした欧米では、スタートアップ企業が多様な株式を発行し、資金調達することは珍しいことではありません。
従来多かったのは創業者一族による「多議決権株式の所有」です。
たとえばナイキやフォード、Facebookが該当します。
ただし、経営陣となった初期メンバーが発言力を持ち続けることは、公正さに欠けると時に批判も浴びることもあるようです。

日本の種類株公開例

国内では、アメリカのような種類株式での上場例はないものの、それでも散発的に種類株公開のニュースが入ります。
2015年にトヨタ自動車が「譲渡制限付き種類株式(AA型種類株式)」を発行したときは話題となりました。
5年間の譲渡期限を設け、毎年0.5%ずつ配当をアップし、5年目以降は年2.5%相当の配当を受け取れるというもの。
「毎年利回り上昇」「株価上昇でさらに高利回り」と好評でした。

まとめ~種類株は投資の重要見極めポイント!~

種類株式ってなに?特徴とメリット・デメリット

強力なリーダーのもとで成長期真っただ中の新進企業や、難しいかじ取りが求められる他社競合の多い業界では、直接経営にタッチする経営者側にも議決権を有する種類株は大きな効果をもたらしてくれます。
また種類株を有することで、高配当を期待出来るという投資の旨みもあります。

しかしその一方、「株主の平等」の原則には反する側面があることは否めません。
経営側、投資側両方にとって、種類株にはメリットとデメリットがあることを覚えておきましょう。

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