ビジネスコンテスト(ビジネスプランコンテスト、略してビジコンとも)は、1990年代頃から始まり、2000年代のITバブルの頃に人気になりました。
IT時代となり、少ない元手から巨額の富を生み出す事業が生まれることもあり、起業する人、新規事業に手を広げたい人にも大きなチャンスの場となっています。
資金調達の手段の1つとしても有効なビジネスコンテスト。そのメリット・デメリットを知っておきましょう。
目次
ビジネスコンテストとは
ビジネスコンテストとは、ビジネスアイデアを発表、競争する場です。
形式はビジネスコンテストによって異なり、プレゼンテーション形式、討論形式、などがあります。
コンテストなので勝敗があり、優勝すると賞金が用意されています。
賞金金額はコンテストによって異なりますが、数万円程度のものもあれば、1,000万円など高額な賞金が出されるものもあります。
とはいえ多くの場合、賞金目的でビジネスコンテストに出場するよりも、起業を志していたり、解決したい社会問題がある人物が参加する傾向が強いようです。
ビジネスコンテストに出場するメリット
ビジネスコンテストに出場することで、以下のようなメリットが得られます。
- 自分のビジネスアイデアを客観的に見てもらえる
- 賞金をもらえる
- 出資者を募ることができる
- 起業家仲間、先輩と出会える
- プレゼンテーションなどの練習の場になる
自分のビジネスアイデアを客観的に見てもらえる
ビジネスアイデアができ上がってくると、このアイデアなら間違いない、確実に儲かる、という気分になってくるかもしれません。
しかし、どこかに穴があり、うまくいかない可能性もあります。
アイデアを第三者に見てもらうことで客観的な視点が入り、改善にもつながります。
ビジネスコンテストに参加している人は、少なくとも起業や起業アイデアに興味関心の高い人なので、より良い意見をもらえるでしょう。
他人の視点をまったく入れずに起業するよりも、ビジネスコンテストで見てもらって、改善点を含めてから事業にした方が、成功率が上がるということです。
賞金をもらえる
前述の通り、賞金が一番の目的というわけではありませんが、ビジネスコンテストで優勝すれば賞金が出ます。
こうした賞金を事業資金に充てる目的での参加者も少なくありません。
また、選考の過程でメンターによるブラッシュアップを受けられるケースも多く、ビジネスプランの完成度を高めることもできます。
出資者を募ることができる
ビジネスコンテストで良いアイデアを出せば、共感を得られます。
アイデアに共感し、売上が出ると思った人が出資してくれる可能性があります。
実際、良いアイデアに出資するために、ビジネスコンテストの会場に足を運んでいる投資家もいます。
出資者は、もちろんボランティアで出資しているわけではなく、売上が伸びてリターンを得ることが狙いです。
リターンを期待できるようなアイデアを出せば、出資の声がかかる可能性が高いということになります。
起業家仲間、先輩と出会える
ビジネスコンテストの会場にいるのは、同じく事業アイデアを出してこれから成功したいと考えている人、すでに事業で成功している人などです。
いずれにしても、ビジネスへの関心が高い人たちなので、価値観が合う、仮に合致はしていなくても、ビジネスへの意識があるという点では共通しています。
仲間や先輩がいることで情報を入手できるだけでなく、モチベーションアップにもつながるでしょう。
特に、実際に事業を始めてからつまづいて、モチベーションを低下させてしまう人は多いです。
ただ、まったく失敗なく成功することは稀で、多くの場合失敗は付き物です。
失敗しても立ち直って再挑戦するためには、同じ目的意識を持つ起業家仲間や先輩の存在が大きいので、こういった仲間、先輩を見つけるにもビジネスコンテストは役立つ場です。
プレゼンテーションなどの練習の場になる
ビジネスコンテストの形式は複数ありますが、いずれにしても自分のビジネスアイデアをまとめ、人に伝える必要があります。
自分のアイデアをまとめて人に伝える能力は、のちのちもビジネスの場で役立つスキルで、特に経営者としてやっていくなら必須スキル。
ビジネスコンテストは、経営者として必要なスキルを学ぶ練習に打ってつけと言えます。
ビジネスコンテストのデメリット
一方でビジネスコンテストには、以下のようなデメリットがあります。
- 時間と労力がかかる
- コンテストで勝てないと資金は集まらない
- ビジネスコンテストでの勝利=ビジネスの成功ではない
時間と労力がかかる
ビジネスコンテストに参加するためには当日はもちろん、事前に入念な準備をしておかなければなりません。
プレゼンがある場合、その練習も必要でしょう。
学生など比較的時間に余裕のある方なら問題ないかもしれませんが、たとえば普段は会社員として働いている方などは大変です。
付け焼刃で用意して適当にプレゼンテーションをして勝てるほど甘くはなく、そもそも事前審査で落ちる可能性が高いでしょう。
ビジネスコンテストに出場するためには、それなりに時間と労力を割いて臨まなければならないということです。
コンテストで勝てないと資金は集まらない
ビジネスコンテストに出場しても、そこで優勝できないと賞金がもらえず、また出資を募ることもできません。
優勝しないまでも、ある程度勝ち進むくらいのアイデアがあれば良いですが、そうでないと資金的な面では何も残りません。
もちろん経験としては役立ち、再挑戦で優勝できる可能性もありますので、勝てないとまったくの無駄というわけではありませんが、すぐにお金が手に入ることはあまり期待しない方が良いかもしれません。
コンテストでの勝利=ビジネスの成功ではない
ビジネスコンテストで勝てば、将来性や実現性、独創性などが認められたということ。とはいえ、実際にビジネスが成功するかどうかはまた別の話です。
ビジネス自体、失敗する可能性の方が高いというのが現実。プランをどう実行に移すかや、その後の状況を見てどのように進めていけるか、軌道修正なども行っていく必要があるでしょう。
ビジネスコンテストで勝ったことは自信としつつ、成功への努力はこれからも続いていくことは覚悟してください。
まとめ
ビジネスコンテストは資金集めに役立つものですが、必ず資金が手に入るわけではありません。
また資金だけを目的に参加するのは、あまり得策ではないでしょう。
そもそもお金を集めるためだけに、ビジネスコンテストに参加している人は少数派です。
お金だけでなく、事業アイデアを客観的に見てもらいたい、自分の経験値にしたい、そしてお金も入ればより良い、くらいに考えておいた方が良いかと思います。
資金集めの方法はビジネスコンテストだけでなく、融資やその他の出資もあります。
いろいろなメリットを鑑みた上で、参加に意義を見出せるなら参加する、というスタンスがおすすめです。