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信用保証協会とは?どんなことをしている?
信用保証協会は、中小企業や小規模事業者の資金調達をサポートするために、「信用保証協会法」に基づき設立された公的機関です。
信用保証協会から保証を得られると、金融機関の融資判断が大きく変わり、通常よりも融資を受けやすくなります。
また、信用保証協会にはいろいろな保証があることも、合わせてチェックしておきましょう。
信用保証協会の保証で融資が受けやすくなる
中小企業や小規模事業者、起業したばかりの事業者が、金融機関に直接融資を申し込むプロパー融資をしようとしても、まず断られる可能性が高いです。
根拠となる経営によって生まれた実績がないためで、金融機関も返済予想を立てにくいからです。
金融機関が恐れるのは、元本が回収できないことでしょう。
信用保証協会は、借り主が返済できなくなったとき、代わりに返済してくれるため、金融機関も安心して融資ができるのです。
代位弁済時の回収業務も行う
返済が滞ってしまった場合、信用保証協会を通していれば「代位弁済」をしてくれます。
借り主は金融機関に返済する必要はありませんが、借入そのものが無くなったわけではありません。
代位弁済はあくまで返済を立て替えてくれるだけで、借り主は返済を免除されるわけではないからです。
当然、信用保証協会に返済しなければならず、その分は、日本政策金融公庫に返納されます。
利用には信用保証料が必要
信用保証協会で信用保証を得るには、対価を支払わなければなりません。
保証を受けるためには、保証料を支払うことになります。
信用保証料は中小企業信用保険の保険料や経費、制度を運営するために使われます。
また、利率については、借り主の財務状況に照らし合わせて、9つの利率から適用されるのがポイントです。
多種多様な保証制度がある
信用保証協会が取り扱っている制度は様々です。
- 流動資産担保融資保証制度(ABL保証)
- 小口零細企業保証制度
- 経営力強化保証制度
- 借換保証制度
- 特定社債保証制度
保証制度はひとつではなく、様々な形式の制度が設けられています。
自分の実情に合わせた保証制度を利用するとよいのですが、どんなものがあるのかをまずは理解しておきましょう。
流動資産担保融資保証制度
借り主が持っている売掛債権、棚卸資産を担保にして、金融機関からの融資を受ける際の保証制度です。
小口零細企業保証制度
小規模事業者を責任共有制度対象除外とする保証制度です。
信用保証協会と金融機関による責任共有制度によって生まれる影響を、緩やかにすることを目的とします。
条件を満たした小規模事業者は、債務保証の責任共有制度の対象外となるため、安定的な資金調達ができるようになるのです。
経営力強化保証制度
金融機関と認定経営革新等支援機関が連携し、中小企業や小規模事業者を継続的に支援することで、経営力アップを目指すための制度です。
経営改善に取り組むとき、他の保証制度よりも信用保証料の利率を低くできます。
また、経営状態改善の取り組みをサポートしてくれます。
借換保証制度
デフレなどで厳しい金融経済状況になっているとき、複数の保証付き融資の債務を一本化し、月々の返済額の軽減を推進する制度です。
借換保証制度により、資金繰りをスムーズにできます。
特定社債保証制度
社債を発行し資金調達を行いたい人に向いている保証制度です。
保証協会が条件を満たした中小企業が発行する社債を保証します。
このことで、中小企業は資金調達の選択肢を増やすことができるのです。
信用保証協会のメリット
信用保証協会には、多くのメリットがあることを知っておきましょう。
中小企業の資金調達に利用する価値は十分ありますので、資金調達で頭を悩ませているなら、まずは信用保証協会のメリットを知り、利用を前向きに検討してみてください。
金融機関からの融資を受けやすくなる
信用保証協会があるからこそ金融機関が融資してくれます。
信用保証協会を活用すれば、たとえ、起業したばかりの事業者でも融資をしてくれる可能性があるのです。
また、保証制度もさまざまあり、都合や事情に合わせた保証を利用できます。
長期の借り入れが可能な保証制度もある
返済期間が短いと借り入れる側は負担しかありません。
ただし、融資する側からすれば貸し倒れのリスクが大きいのです。
そのため、通常は返済期間を短く設定されてしまうことも多いのですが、信用保証協会が入れば長期的な借り入れも可能になります。
利息が安くなる
信用保証協会を通すと金融機関からの融資の利息も安くなります。
これは、信用保証協会によって返済のリスクが減少しているからです。
ただ、利息が安くなる分、信用保証協会に支払う保証料については考えなければなりません。
ただし、保証料は経費として計上できることは無視できないでしょう。
まとめ
信用保証協会は基本的に、起業時や、中小企業規模のときは非常に助けとなります。
ただ、規模が大きくなると、保証を受けることはできません。
あくまで、中小企業を支援することが目的の公的機関だからです。
例えば、製造業なら、資本金3億円以下で従業員数300人以下、小売なら5,000万円以下で50人以下など条件が決まっています。
基本的に、会社の規模が大きくなれば受けられないと考えておきましょう。
ただ、大きくなる前の資金調達を考える上で、信用保証協会は重要な助けとなるのは間違いありません。