セーフティネット保証制度のメリット・デメリットとは

セーフティーネット保証制度のメリット・デメリットとは
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新型コロナウイルス感染症の影響で売上が減少し、事業継続に不安を感じている経営者の方も多いでしょう。
特に中小企業には大企業ほどの強い財政基盤がなく、飲食店などでは倒産も相次いでいるのが現状です。
中には「せめて融資が受けられれば、この危機を乗り越えられるのに…」そんな企業もあるのではないでしょうか。

そこで今回紹介したいのが、セーフティネット保証です。
こちらの記事ではセーフティネット保証制度の概要や利用の条件、制度のメリット・デメリットなどについて解説します。

セーフティネット保証制度とは

セーフティネット保証は、不況や災害などで経営危機に直面した中小企業に融資を受けやすくするための制度です。

中小企業が融資を受ける際、多くの場合は信用保証協会の保証を受けることになります。
しかし保証には枠が定められていて、すでに枠を使い切っていると保証は受けられません。そこで信用保証協会の枠を使いきった場合でも、さらに別枠で保証を受けることができる制度がセーフティネット保証です。

中小企業には大企業のように資金力がなく、不況や災害などを企業努力だけで乗り切ることは非常に困難ですが、それを支えるための制度がセーフティネット保証というわけです。
ただし制度を利用できるのは、不況や災害など特別な事情があり、一定の条件を満たした場合に限られます。

セーフティネット制度には「保証」と「貸付」2種類ある

まず前提として、セーフティネット制度には今回メインで紹介する「保証」のほかにも「貸付」制度があります。
そしてセーフティネット保証の中にはさらに「経営安定関連保証」と「危機関連保証」があり、セーフティネット制度の全体像は以下のようになります。

セーフティーネット保証制度のメリット・デメリットとは

この全体像を頭に入れたうえで各制度の内容を見ていくと、整理しながら理解することができるでしょう。

セーフティネット保証制度について

上の図にもあるとおり、セーフティネット保証の中にはさらに「経営安定関連保証1~8号」と「危機関連保証」の2種類があります。
結論から先に述べると、セーフティネット保証の中でも今回の新型コロナウイルス感染症による影響で活用できるのは、以下の3つの制度です。

  • 経営安定関連保証4号(セーフティネット保証4号)
  • 経営安定関連保証5号(セーフティネット保証5号)
  • 危機関連保証

セーフティネット制度については全体的に説明していきますが、上記3つの制度は特に重点的に説明します。

セーフティネット保証制度の概要

まずはセーフティネット制度の全体の概要を見ておきましょう。

対象となる中小企業者災害や大規模な経済危機等により経営の安定に支障を生じている中小企業者
保証料率おおむね1%以内
資金使途経営の安定に必要な運転資金・設備資金
保証期間10年以内
保証人法人の代表者を除き原則不要
担保必要に応じて

ただし上記の内容は信用保証協会ごとに異なる場合もあるので、詳しくは各都道府県の信用保証組合に直接確認してください。
また保証枠は下記のとおりです。

保証枠一般保証限度額別枠保証限度額
普通保証2億円以内2億円以内
無担保保証8,000万円以内8,000万円以内
無担保無保証人保証2,000万円以内2,000万円以内

この表でわかるように、セーフティネット保証は一般保証限度額とは別枠で限度額が設けられています。

後ほど説明しますが、この一般保証と別枠で保証を受けられるのが、セーフティネット保証の大きなメリットなのです。

経営安定関連保証について

経営安定関連保証を利用できるのは、一定の条件に該当する場合です。
各条件は1~8号までにそれぞれ定められていますが、かなり具体的な状況が想定されているため常時利用できる制度ではありません。

内容を一通り確認していきますが、今回は新型コロナウイルス感染症の影響で利用できるようになった4号・5号に重点的をおき、それ以外は概要がわかる程度に説明します。

1号:連鎖倒産防止

取引先の企業が倒産して売掛金債権の回収が困難になるなどの影響が出て、資金繰りに支障が生じた中小企業者を支援するものです。

大企業が破産した場合に取引のある中小企業にも派生して倒産してしまうのが連鎖倒産ですが、これを防止することを目的としています。

2号:取引先企業のリストラ等の事業活動の制限

取引先企業が生産量・販売量を縮小するなど事業活動の制限を行ったことで、売上等が減少している中小企業を支援する措置です。

1号と同じく、中小企業が取引先の都合によって倒産することを防止するのが目的となっています。

3号:突発的災害(事故等)

突発的災害の発生に起因して売上高が減少している中小企業を支援するための措置ですが、こちらは事故に遭った場合を想定しています。

新型コロナウイルス感染症のような災害は自然災害に入るので、後ほど説明するとおり新型コロナウイルス感染症の影響は3号ではなく4号に入ります。

4号:突発的災害(自然災害等)

突発的な自然災害の発生に起因して売上高等が減少している中小企業者を支援するための措置です。
こちらが今回新型コロナウイルス感染症による影響を受けた中小企業が利用できる制度で、令和2年3月2日からは全都道府県が指定の対象となっています。

保証内容をまとめると下記のとおりです。

保証率100%
売上高減少率最近1カ月の売上高が前年同月比20%以上減少
保証料率~1%

保証率とは、融資額に対して保証される金額の割合であり、例えば3,000万円の融資を受けたときに保証率が100%ということは、3,000万円全額が保証対象になるということです。

これに対して保証料率とは融資でいうところの金利のようなもので、保証料率が低ければ低いほど委託料は安くなります。
1%の保証料率は、通常の保証と比べても決して高い割合ではありません。

ちなみに、元は業歴や売上高要件などもう少し厳しく定められていましたが、令和3年3月13日から認定基準の運用が緩和されて現在の基準になっています。

5号:業況が悪化している業種

全国的に業況の悪化している業種に属する中小企業者を支援するための措置です。
こちらも新型コロナウイルス感染症による影響を受けた中小企業が利用できる制度であり、令和2年5月1日には全業種が指定業種になりました。概要をまとめると下記のとおりです。

保証率80%
売上高減少率最近1カ月の売上高が前年同月比5%以上減少
保証料率~1%

4号と同じく、令和3年3月13日から認定基準の運用が緩和されて現在の基準になっています。
ただし保証率・売上高減少率などがそれぞれ4号と異なる点に注目です。

4号と5号それぞれ要件が異なりますが、新型コロナウイルス感染症の影響で売上高が減少している場合、どちらを利用するかで悩むかもしれません。
結論としては、4号・5号は併用が可能なのでどちらも申請すればよいでしょう。

ただし上限額は共有なので、例えば4号で限度額まで認定されたら5号の限度額も使い切ったことになるため、複数申請しても限度額が増えるわけではないということには注意が必要です。

6号:取引金融機関の破綻

取引を行っていた金融機関が破綻したことで、借入が減少した中小企業者を支援するための措置です。
金融機関がこの措置の指定を受けること自体があまりないので、こちらの制度を利用するのはかなり稀なケースと言えるでしょう。

7号:金融機関の経営の相当程度の合理化に伴う金融取引の調整

金融機関の支店の削減等による経営合理化、いわゆる「貸し渋り」の影響で借入が減少した中小企業者を支援するための措置です。
6号のような金融機関の破綻と違い、7号は数は少ないものの指定を受ける金融機関はたびたび出ています。

8号:金融機関の整理回収機構に対する貸付債権の譲渡

RCC(整理回収機構)に貸付債権が譲渡された中小企業者のうち、事業の再生が可能な企業を支援するための措置です。

RCCは経営破たんした企業などの債権を譲り受け、当該企業の事業再生を図りつつ譲り受けた債権を回収する公的機関です。
つまり、この制度の対象となるのは経営難にある企業ということになります。

そのため民間金融機関からの融資は困難になるので、融資の支援が必要というわけです。

危機関連保証について

こちらもセーフティネットの一つですが、これまで説明してきた経営安定関連保証1~8号のさらに別枠というような位置付けと言えるでしょう。

危機関連保証はリーマンショックや東日本大震災など、大規模な金融危機や災害による突発的な事情で経済的な打撃を受けた中小企業を支援する制度です。

保証率100%
売上高減少率最近1カ月の売上高が前年同月比15%以上減少
保証料率~0.8%

こちらの制度もセーフティネット保証4号・5号と同じく、今回新型コロナウイルス感染症の指定を受けました。
指定期間も令和3年6月30日まで延長されています。

以上で新型コロナウイルス感染症の影響で使えるセーフティネット3つ、すべて説明しましたが、重要なのはこれら3つをすべて一般保証枠と合わせて併用できるということです。
3つすべて活用すれば。一般枠と合わせて最大8.4億円の保証枠で融資を受けることができるので、ぜひうまく活用して保証を受けたいところです。

セーフティネット貸付制度について

セーフティネット貸付は、保証ではなく融資の制度です。
今回のテーマであるセーフティネット保証とは異なりますが、こちらも新型コロナウイルス感染症で利用できる制度なので簡単に紹介します。

セーフティネット貸付は、正式には「経営環境変化対応資金」と言います。
こちらは日本政策金融公庫からの融資を受ける制度ですが、セーフティネット保証との違いは以下の通りです。

  • 「保証」ではなく「貸付」なので、融資の制度である
  • 限度額が7億2,000万円(個人事業主は4,800万円)と高額
  • 基準金利が1.11%でセーフティネット保証より少し高い

本来セーフティネット貸付にも売上高が5%以上減少等の要件があったのですが、令和2年2月14日からは新型コロナウイルス感染症の影響で要件が緩和されています。
そのため対象となる企業はかなり広くなったので、セーフティネット保証と合わせてぜひこちらも検討してみてください。

セーフティネット保証制度のメリットとデメリットとは

セーフティネット保証には、次のように様々なメリットがあります。

  • 追加融資が受けられる
  • 保証料率が低い
  • 通常より審査が通りやすい

一方で、デメリットというデメリットはあまりないのですが、審査期間が長いなどの点はデメリットとも言えるので最後に少し触れておきます。

追加融資が受けられる

例えば追加融資が受けられるというメリットですが、これは保証枠を使い切っていても更に別枠で融資を受けられることです。
前に説明したとおり、融資を受けるには多くの場合で保証協会を利用することになりますが、既に枠を使い切っていると新たに融資を受けることは困難です。

しかし信用保証協会の枠を使い切っていても、セーフティネット保証を使えば別枠で融資を受けることができるのです。
資金繰りが悪化して事業運営が困難になっている中小企業にとって、これは大きなメリットと言えるでしょう。

保証料率が低い

保証協会を使うと融資額に対する一定の割合で保証料が発生しますが、これを保証料率と言います。
そして通常の融資であれば貸し倒れリスクなどを元に保証料率を算出するため、中小企業の場合高い利率になりがちです。

しかしセーフティネット保証では保証料率0.8~1%程度と、かなり低い利率になっています。
セーフティネット貸付の場合でも利率は1%を超えるので、この保証料率の低さであれば比較的利用しやすい制度であるといえるでしょう。

その他のメリット及びデメリット

その他にも例えば、審査が通りやすいというようなメリットがあります。
セーフティネット制度がそもそも不況や災害等により資金繰りが困難になった企業の救済を目的としているため、通常の保証枠よりも審査は通りやすくなっているのです。

また同じ理由で保証人は原則不要ですし、場合によっては担保が不要になることもあります。

一方デメリットについて、目立ったものは特にありません。
強いて言えば、保証協会の審査には通常2カ月程度かかるので、審査期間が少し長いということがあります。

あとは仮に融資を返済できなかった場合は保証協会が金融機関に代弁済してくれますが、その場合は当然保証協会への返済が必要であり決して借金がなくなるわけではありません。

セーフティネット保証の利用の流れ

融資までの流れは下記の通りです。

1. 認定申請
2. 融資申込
3. 融資審査
4. 融資実行

難しい手続きは必要ないので、簡単に確認しましょう。

まずは事業所のある役所の担当部署へ行きます。
自治体によって窓口の名前は異なりますが、「商工担当課」などの窓口で認定申請書を提出し、セーフティネット保証の認定を受けます。
詳しい申請方法は、各市区町村のホームページなどで確認しましょう。

役所で認定書を受けることができたら、それを持参して保証協会の窓口へ行き、セーフティネット保証の手続きをしましょう。
認定書の期限は30日までなので、期限が切れる前に手続きをする必要があります。
融資には審査が必要でおおよそ2カ月くらいの審査期間がかかりますが、そのときの混み具合にもよるため一概には言えません。

また審査の結果次第では保証が受けられないこともあり得ます。
審査が無事に下りれば融資が実行されます。以上が手続き全体の流れです。

まとめ

セーフティーネット保証制度のメリット・デメリットとは

コロナ不況を乗り越えるために利用できるセーフティネット保証制度は、セーフティネット保証4号・セーフティネット保証5号・危機関連保証の3つです。

これらを活用することで、通常の保証枠と合わせて最大8.4億円もの信用保証枠を確保することができます。
もっとも上限まで保証を受けるためにはしっかりとした事業計画書を作成し、それなりの準備が必要です。

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