特定創業支援等事業で賢く起業!利用の条件やメリット、注意点を解説

特定創業支援等事業による起業
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起業をするにあたり、多くの人が経営知識や資金不足をネックに感じているという現状があります。そこでぜひ活用したいのが、「特定創業支援等事業」による支援です。

創業塾やセミナーなどを受講することで、経営知識など起業に必要な知識が増やせるだけでなく、融資での借り入れ条件の優遇など、資金面でも大きなメリットが受けられます。

この記事では、持続化補助金の創業枠の申請要件にもなっている「特定創業支援等事業」について解説します。

特定創業支援等事業とそのしくみ

まず、特定創業支援等事業とは何なのか、対象となるのはどんな人かを見ていきましょう。

特定創業支援等事業とは

創業支援等事業とは何か

「特定創業支援等事業」とは、市区町村が商工会議所や金融機関、民間事業者などと連携して行う、創業希望者や創業間もない人向けの支援事業です。

ビジネススキルを学ぶセミナーや、いわゆる「創業塾」のほか、グループワーク、専門家による個別面談などが該当します。

いずれも、「経営」「財務」「人財育成」「販路開拓」の知識が学べる、4回以上・1カ月間~半年ほどの継続的な支援です。具体的な内容は、各市区町村で異なります。

とはいえ、特定創業支援等事業はすべての市区町村で実施されているわけではありません。中小企業庁によれば、令和5年6月現在で認定されているのは、1,479の市町村です。

こちらのリンクから、実施されている市区町村の確認ができます。
市区町村別の認定創業支援事業計画の概要|中小企業庁

特定創業支援等事業ができた背景

特定創業支援等事業ができた背景

平成25年、政府は「産業競争力強化法」を制定しました。

新たな事業活動のための規制改革の推進、事業再編などによる新陳代謝の促進などとともに、中小企業の創業支援を目指すものです。

その創業支援の一環であり、特に創業促進のための支援を「特定創業支援等事業」と呼びます。

特定創業支援等事業のしくみ

特定創業支援等事業のしくみ

国が示した「創業支援事業に関する指針」に基づき、認定を受けようとする自治体は、独自の「創業支援等事業計画」を立てます。

国がその計画を認定すると、自治体は事業者などと連携し、「特定創業支援等事業」として創業塾や創業セミナーなどを行います。

国の認定を受けることから、「認定特定創業支援等事業」とも呼ばれます。

特定創業支援等事業を受けた人には、証明書が交付されます。これは「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明書」と呼ばれるもので、この証明書があれば資金面でのメリットが受けられます。

特定創業支援等事業の対象者

特定創業支援等事業の対象者

特定創業支援等事業の支援対象となるのは、次のいずれかに該当する人です。年齢は関係ありません。

  • これから初めて創業する(まだ創業していない)個人
  • 創業後5年未満の個人事業主
  • 個人から法人成りして5年未満の代表者・役員

二社目の創業や、個人事業主を経ず会社設立した場合などは対象外です。

ただ、正確にはこれは「証明書の交付対象者」の条件です。自治体が指定する期間・回数の創業セミナーや各種相談を利用し、かつ上記に該当する人に、証明書が交付されます。

特定創業支援等事業の支援を受けるメリット

登録免許税の減額

特定創業支援等事業による支援では、事業経営に必要な知識が得られます。不安な点やわからないことは相談も可能です。セミナーなどの受講修了後、支援を受けた証明書をもらうと、さらに次のようなメリットがあります。

  • 設立時の登録免許税が半額になる
  • 日本政策金融公庫の融資で優遇される
  • 創業関連保証が早くから使える
  • 持続化補助金の創業枠の対象となる
  • 自治体独自の補助金がある場合もある

ただし、すでに法人成り・会社設立済みの場合、登録免許税や創業関連保証については対象外です。

会社設立時の登録免許税が半額になる

会社を設立するには、法務局に商業登記をする必要があります。このとき、「登録免許税」の納付が必要です。

この登録免許税の税額が、次のように軽減されます。

形態通常証明書あり
株式
会社
資本金の 0.7%(×0.007)
※15万円未満は一律15万円
資本金の 0.35%(×0.0035)
※7万5千円未満は一律7万5千円
合同
会社
資本金の 0.7%(×0.007)
※6万円未満は一律6万円
資本金の 0.35%(×0.0035)
※3万円未満は一律3万円
※合資会社・合名会社も一律6万円が3万円となる

つまり、通常の半額です。

日本政策金融公庫の融資で優遇される

創業時の融資申請先として知られている政府系の金融機関、日本政策金融公庫。その日本政策金融公庫でも、特定創業支援等事業による2つの優遇措置が受けられます。

新創業融資制度の自己資金要件を満たせる

特定創業支援等事業の証明書があれば、「新創業融資制度」での自己資金要件を満たしたと見なされます。新創業融資制度とは、無担保・無保証人で融資が受けられる制度です。

自己資金要件とは、融資の申請に必要な自己資金の額のこと。通常、必要資金総額の10分の1以上が必要とされています。

つまり、自己資金が10分の1以下でも融資を受けられる可能性があるということです。

新規開業資金の貸付利率が低くなる

日本政策金融公庫には、融資限度額7200万円の「新規開業資金」という融資制度もあります。

特定創業支援等事業を受けると、この制度で特別利率が適用されます。35歳未満なら、さらに低い利率での借り入れが可能です。

保証協会の創業関連保証が早く使える

信用保証協会が公的な保証人の役割をし、創業時の融資を受けやすくするのが「創業関連保証」と呼ばれる保証制度です。

創業して5年未満の人が対象で、通常は創業2カ月前から利用できます。これが、特定創業支援等事業の支援を受けると、創業6カ月前から利用できるようになります。

持続化補助金の創業枠の対象となる

特定創業支援等事業は、補助金の受給にも関わります。持続化補助金は、正式には「小規模事業者持続化補助金」といい、継続的な事業経営に取り組んだ場合に費用の補助が受けられる制度です。

対象者等により異なる類型があり、その中の「創業枠」では、申請の要件に「過去3年以内に特定創業支援等事業による支援を受けて創業したこと」が含まれています。

自治体独自の補助金がある場合もある

一部の自治体では、独自の創業支援補助金制度を設け、特定創業支援等事業でセミナーなどに受講した人向けの支援を行っています。

独自の制度で優遇があるかどうかは自治体により異なります。

例えば千葉市では、「千葉市創業支援補助金」を設け、セミナー等の全日程を受講した対象者に最大30万円の補助金を支給しています。また、県による補助金の対象ともなっています。

支援の申し込みからメリットを受けるまでの流れ

自治体独自の補助金の対象になる可能性

特定創業支援等事業の支援と、それに伴うメリットを受けるにはどうすればいいか、その流れを見ていきましょう。

1.創業地の特定支援等事業を調べる

創業地の特定創業支援等事業の有無を調べる

まずは、創業しようとする市区町村に制度があるかを確認する必要があります。特定創業支援等事業を行っていない市区町村も少なくありません。

特定創業支援等事業について、公式サイトに掲載されているかどうかを確認します。検索窓に「目黒区(市区町村名) 特定創業支援等事業」などと入れても見つかるでしょう。

事業を行っているとわかれば、具体的な創業支援の内容を見て、受けたいものを選びます。

2.特定創業支援等事業の受講を申し込む

特定創業支援等事業の受講を申し込む

特定創業支援等事業には、セミナーや相談など複数が用意されており、金融機関や民間事業者などが主催しているものがほとんどです。

創業支援の申し込みは、市区町村ではなく受けたい支援の窓口にするのが一般的な流れです。

年に一度の開催となっているものもあります。申し込もうと思った時点で、すでにその年の分は受付終了となっている可能性も。思い立ったらすぐに確認するのがおすすめです。

3.規定の修了条件を満たす

特定創業支援等事業の規定の修了条件を満たす

メリットを受けるには、創業セミナーや経営塾、起業相談などの各種創業支援を4回以上かつ1カ月以上の決められた期間・回数で継続的に受ける必要があります。

例えば全8回のセミナーであれば、8回すべてに出席しなければ修了したことにならない、1回でも欠席したらその時点で次回からは参加不能、といったしくみになっているものが多いです。

主催者が発行した「修了証」が証明書の申請に必須となっているケースもあります。

4.自治体に証明書を発行してもらう

自治体に特定創業支援等事業の証明書を発行してもらう

証明書は、オンラインまたは郵送、または自治体の窓口(市の産業振興課など)で申請します。窓口申請は事前予約が必要な自治体もあるので、あらかじめ確認してください。

市区町村により多少異なりますが、主に次のような書類を用意します。

  • 証明書の交付申請書
  • 創業支援事業の修了証
  • 税務署受付印が押された開業届の写し
  • 本人確認書類

証明書は、1週間~2週間程度で発行されます。

自治体によっては、交付に300円程度の手数料が必要な場合もあります。また、申請も支援事業者を通す流れになっている自治体があるので、事前に確認してください。

5.関係各所への申請に証明書を添付する

特定創業支援等事業の証明書をメリットの申請書類に添付する

証明書は、受けようとするメリットに関する手続きをする際、官公庁や金融機関への提出書類に添付します。

例えば、登録免許税の減額を受けるには、登記申請の書類とともに法務局に提出します。日本政策金融公庫の融資に申し込むなら、融資申し込みの必要書類に添付します。

特定創業支援等事業の注意点

特定創業支援等事業の注意点

特定創業支援等事業のメリットを受けるには、注意すべき点がいくつかあります。それも把握しておきましょう。

出席回数などの要件に注意

メリットを受けるには、特定創業支援等事業を受けたことの証明書が必要です。それには、支援事業によって異なる出席回数や期間などの条件を満たさなくてはなりません。

「全〇回」など継続して実施されるセミナーの一部だけを受講しても、証明書は発行されません。

補助金などの申請要件に注意

メリットが受けられる融資や補助金などの要件にも注意が必要です。特定創業支援等事業の証明書があるからといって、上の章にあるメリットが必ず受けられるわけではありません。

例えば、創業年数などに決まりがあるものがあります。

特定創業支援等事業で証明書が受け取れるのは、例えば個人から法人成りしたなら法人成りして5年未満の人です。

しかし持続化補助金の創業枠は、「開業後3年以内」の人が対象です。支援を受ける時期やタイミングに注意が必要です。

証明書発行までの期間や有効期限に注意

証明書は特定創業支援等事業の受講後に申請します。市区町村により異なりますが、交付には5日~2週間程度かかるとされています。郵送であれば、さらに2日ほどかかる可能性も。

受講期間は短くとも1カ月ほどあり、その後も早くて1週間が経たなければ、証明書は受けられません。

すぐに創業したくても、このような手続きを踏むため時間がかかります。会社設立登記のタイミングや融資申し込みのタイミングにも影響するので、あらかじめ必要な日数を見ておく必要があります。

また、証明書にも有効期限があります。有効期限も自治体によって異なるため、必ず自治体の公式サイトで確認してください。

起業する本人の受講・申請が必要

創業支援のセミナー受講や相談などは、すべて起業する本人がしなくてはなりません。代理人を立てたり、複数人で受けたりすることは認められません。証明書も、本人の申請のみ有効です。

「この日は行けないから代わりに誰か…」というわけにはいかないので、スケジュールを確保しておく必要があります。

融資や補助金を確約するものではない

上記で紹介したメリットは、あくまで融資での優遇が受けられたり、補助金の対象者となったりすることのメリットです。

融資には審査があり、自己資金要件だけを満たしても他の要件で不可となることもあります。持続化補助金も、対象となっただけで受給が確約されるわけではありません。

支援は創業する市区町村で受けるのがベスト

登録免許税が安くなるメリットや、日本政策金融公庫のメリットは、創業する市区町村による証明書が必要です。他の市区町村の証明書では減額されません。

創業関連保証については、他の市区町村の証明書でも可能とされています。

しかし、創業塾やその他の支援は、他の受講者とその後も関係が続いたり支援が受けられたりする場合があります。事務所を構える市区町村で受けるのがベストです。

特定創業支援等事業を活用して起業しよう

特定創業支援等事業とは、市区町村が創業者の支援に設けた創業セミナーや経営講座、起業相談などであり、受講することでメリットの多い証明書が受けられます。

ただし証明書でメリットを受けるには、他にもいくつかの要件を満たす必要があります。手続きによっては時期が決まっているものもあります。

自分の創業予定地で特定創業支援等事業を行っているかどうか、受けたい支援が行われるのは何月か、どれくらいの期間が必要か、などを事前にチェックし、最大限に活用してください。

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