損益分岐点ってなに?計算方法・改善方法は?

損益分岐点ってなに?計算方法・改善方法は?
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損益分岐点の仕組みについて

損益分岐点ってなに?計算方法・改善方法は?

会社を経営するためには、営業により利益を出す必要があります。利益を出すため、会社の経営状態の分析はとても重要です。
損益分岐点」は、会社の財務諸表などから、経営状況を判断するために使用される指標のひとつです。
損益分岐点を活用することで、会社の全体的な財務状況を的確に把握することができるでしょう。

損益分岐点とは

損益分岐点とは、営業活動で生じる収益と費用が、同じ金額になる数値のことです。
損益分岐点は、経営の状況を確認するための管理会計に使用されます。
会社が利益を上げるためには、「売上高-費用」がプラスになっていなければなりません。
「売上高-費用」がマイナスの状態は、費用に対して売上が足りず赤字になっている状態なので、そのまま放っておくと経営に問題が生じる場合があります。

費用には毎月一定額になる「固定費」と、売上高によって変動する「変動費」があり、損益分岐点は「固定費」と「変動費」等を利用して計算できます。
固定費だけを使用する計算は、毎月ほぼかかる金額が一定になるので、簡単に計算できますが、より正確に、利益と損益の境界を知るためには、損益分岐点を利用する必要があるでしょう。
損益分岐点によって必要な営業利益を出すために、どれくらいの売上が必要なのか、費用を下げるべき目安が把握できるため、定期的に計算して会社の営業状態を確認することが大切です。

損益分岐点の計算方法

まずは、損益計算書などの財務諸表から売上高、費用の詳細を確認します。
次に、売上高と費用の金額を計算式に当てはめると、損益分岐点の売上高を計算することが可能です。
まずは損益計算書の「売上高」と、「固定費」「変動費」をそれぞれ算出して、計算式に当てはなければなりません。
会社の営業にかかる費用には「固定費」と「変動費」の2種類があるので、損益分岐点の計算時には、その違いにも注意する必要があります。

【損益分岐点の計算式】

  • 損益分岐点=固定費÷(1-(変動費÷売上高))

例えば、売上高が1000万円、固定費が300万円、変動費600万円の場合には以下のとおりに計算できます。

  • 損益分岐点=300万円÷(1‐(600万円÷1000万円)=300万円÷0.4=750万円

上記の場合には、損益分岐点は75万円となります。
売上高が750万円以上を十分に維持できているので、黒字経営ができていることがわかります。
もし売上高が750万円を下回っている場合には、売上を伸ばすか、営業に支障がでないように費用を削減しなげればなりません。

固定費と変動費とは

損益分岐点の計算に必要な数字には、固定費と変動費があります。
費用を、固定費と変動費にそれぞれ分類して合計額を出してから、損益分岐点を計算します。
固定費と変動費は損益計算書に記載されている費用を、会社の業種など営業状態に合わせて分類しなければなりません。

固定費

固定費とは、会社の経営に必要な費用のうちでも、毎月・毎年変わらずにかかる費用のことです。
売上の変化に関係なく、かかる費用が一定になるのが固定費の特徴です。
固定費には管理部門にかかる費用などがあり、主に以下のものがあります。

  • 地代家賃:事業所や店舗などの家賃
  • 固定資産税・自動車税:所有している建物や土地
  • 自動車などにかかる税金
  • 人件費:管理部門のスタッフの給与
  • 通信費:金額が一定のインターネット通信料など
  • 支払利息:借入金にかかる利息
  • 減価償却費:建物や車両などの固定資産の価値を毎年減少させるための費用

変動費

変動費は、仕入れや運送費など、営業活動による利益を上げるために必要な費用です。
売上が増加すると、それに比例して増えるという特徴があります。主な変動費は以下の通りです。

  • 仕入高:商品代や原材料費
  • 運送費:仕入れや商品を送付するための運送費
  • 水道光熱費:店舗で使用する水道光熱費
  • 人件費:製造やサービスなど営業部門のスタッフの給与

損益分岐点確認に役立つ指標

損益分岐点を計算するときには、損益分岐点の計算を理解するために覚えておきたい指標や、損益分岐点を生かすために役立つ指標などがあります。
損益分岐点と併せて使用して、会社の営業状態の分析を行うと便利です。

限界利益

限界利益とは、売上高からその売上高に対しての、変動費を差し引いた金額のことです。
売上高から仕入高や運送料などの売上原価を引いた場合には、「粗利益」が計算できます。
限界利益は、売上原価に直接必要な経費をプラスして、売上高から引いた金額です。
粗利益よりも、営業活動に実際にかかっている費用に近い金額といえるでしょう。

  • 限界利益=売上高‐変動費

変動費率

売上高に対する変動費の割合を、変動費率と呼びます。
変動費率は変動費を売上高で割って算出できます。
変動比率は、損益分岐点の計算式内に組み込まれている数字でもあります。
変動費率を理解すると、損益分岐点の計算が楽にできるようになるでしょう。

  • 変動費率=変動費÷売上高

損益分岐点比率

損益分岐点比率は、売上高を損益分岐点の売上高で割った数値です。
現在の売上高が損益分岐点に対して、どの位置にいるかを知ることができるので、今後の売上高の目標設定を立てる場合に使用することができます。
また、景気動向などから売上が減少する場合に備えて、どれくらいまで減少しても大丈夫か把握しておくことも可能です。

  • 損益分岐点比率=売上高÷損益分岐点の売上

損益分岐点の改善方法

損益分岐点ってなに?計算方法・改善方法は?

実際に会社の損益分岐点を計算して、現在の利益が計画に足りていなかった場合には、経営を改善する必要があります。
損益分岐点の数値を目安にして費用を削減したり、売上高を伸ばしたりするなど、経営会議で解決案を出して、計画的に改善への取り組みを行いましょう。

変動費の削減

変動費を削減すると、売上が伸びるほど、大きくなる費用の増額を抑えることができます。
今後、売上が増えた場合の、利益の伸び率を上げたいときにも効果があります。
「仕入単価の値下げ」「仕入原価(運賃などの費用)がかからない商品を扱う」「運賃や販売手数料がかからない販売方法に変更する」などの見直しで、改善が可能です。

固定費の削減

変動費は、利益を上げるために必要な営業活動費用のため、無理に削減を行うと売上に影響が出る場合があります。
そのため、現在の売上高を維持しながら、営業への負担をかけずに利益を増加する方法として「固定費の削減」が挙げられます。
「管理部門の人件費を削減する」「事業所の家賃が低い場所に移転する」「リース品を減らす」など、売上高に対して高額な費用がかかっている原因を探して、費用を削減する必要があるでしょう。

売上高を伸ばす

損益分岐点よりも売上高が低い場合でも、売上が増加傾向にあるときには費用の見直しをしないことがあるかもしれません。
費用は毎月必ずかかるものなので、無理のない範囲で費用の見直しと削減をして、それから売上を増加するための改善策を取り入れるといいでしょう。
売上をアップするための改善策には、商品の値上げ、売上数の増加があります。
できるだけ単価の高い商品の売上数を伸ばすようにすることが、利益増加につながります。

まとめ

損益分岐点ってなに?計算方法・改善方法は?

以上のように損益分岐点とは、売上高と費用が等しくなり損益がプラスマイナスゼロとなる地点のことです。
つまり、売上高が損益分岐点を超えてくれば利益が出ることになりますが、下回れば逆に損失をだすことになります。

事業の売上を安定的に管理していくためには、計画的な売上の構築が重要であり「損益分岐点」はそのポイントとなる指標であると言えます。

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