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会社がつぶれる理由とは?
経営者たるもの誰もが、自分の会社を長く存続させるために、日々の業務を行っていると思われますが、残念ながら毎年多くの会社が倒産しているのが現実です。
会社がつぶれる理由はいくつかあります。
最終的には経営していくための資金がなくなってつぶれるのですが、経営資金が不足する理由が複数あります。
今回は、なぜ会社がつぶれるのか、何に注意すべきなのか、といった観点から、倒産する際のさまざまなケースについて解説します。
ケース1 販売不振
当たり前と言えば当たり前なのですが、販売不振でつぶれる企業が大多数です。
具体的には、7割程度の会社は販売不振でつぶれます。
7割しかないの?と思われた方もいるかもしれません。
そのくらい販売不振でつぶれる会社は多いイメージなのですが、実際はその他の原因でつぶれる会社もあるので、あらかじめ知っておいた方が良いでしょう。
またそもそも販売不振になる原因にもいろいろあります。
具体的には、競合他社との争いに負けた、風評被害によって評判が地に落ちた、サービス自体が古くなって消費者が離れていった、などなどです。
ケース2 問題の積み重なり
ざっくりとしていますが、長年の問題が積み重なり、それが原因で倒産するケースも多いです。
問題の種類は多々ありますが、消費者が気付かないところで違法なコスト削減を行っていた、経営陣が不正を働いていた、粉飾決算があった、などなどです。
一時的にはこれらの問題を隠せても、積み重なると矛盾が生じたり、内部告発されたり、外部からバレるケースもあります。
中でも多いのは内部告発だと言われています。
ケース3 連鎖倒産
日本の企業に割と多いのが連鎖倒産です。
日本の企業は古くからの付き合いがあって、特定の取引先に依存しているケースも少なくはありません。
この場合取引先が倒産してしまうと、連鎖して自社も倒産するリスクが大きいです。
また取引先だけでなく、親会社の影響を受けて子会社がそのまま倒産するケースも少なくはありません。
近年、大手企業の倒産事例が増えていて、それに伴い取引先や子会社も倒産しています。
子会社はある程度仕方がない面もありますが、取引先に関しては、特定の取引先に依存しないことが重要です。
ケース4 資本不足
資本が足りないと、当然倒産につながるリスクは高くなります。
特に仕入等で元手がかかるビジネスモデルだと、資本が尽きると結果的に事業が成り立たなくなります。
現在は会社法の改正により、資本金1円からでも起業が可能ですが、資金力がないまま起業すると、自己資本の少なさが原因で倒産するリスクが高いです。
一定額までは融資を受けられますが、その融資枠が尽きて倒産する事例はかなり多いです。
ケース5 ずさんな経営
経営がいいかげんな会社は少なくありません。
具体的には、経営者の能力が明らかに不足していたり、経営者が会社を私物化して経費で好き勝手やっている、などが挙げられます。
ずさんな経営でも売上が伸びているときはそれほど問題にはなりません。
なぜなら、お金が出ていく分入ってくるものも多いからです。
しかしひとたび業績が悪化すると、資金の流出だけになったり、経営者の対応に不満を持った社員が辞めていく可能性もあります。
最終的には倒産に至るでしょう。
ケース6 過大な設備投資
業種によっては設備投資が不可欠で、会社の規模が大きくなればその分設備投資もより必要になります。
しかし、当然設備投資を行うと資金は流出します。
設備投資が成功して資金を回収できれば問題ありませんが、逆に回収できないとそのまま倒産に至る可能性が高まります。
また設備投資の結果売上が伸びたとしても、コストを回収する前に資金が尽きて倒産するケースもあります。
いわゆる黒字倒産なども多く、たとえば設備に投資して売上も伸びているけれど、現金の回収がまだ先になる、その間に倒産してしまった、などの事例です。
この場合設備投資は成功しているのですが、現金の入るタイミングと経営に必要な資金の目測を誤ったがために倒産してしまっています。
このようなケースは非常にもったいなく、やりようによっては倒産を回避できます。
ケース7 会社のイメージ低下
特に有名な企業に多い事例ですが、会社が何か不祥事を起こし、その結果イメージが低下し、最終的に倒産に至るというパターンです。
また不祥事までは起こしていなくても、単純に製品に問題等があり、イメージが悪化していくケースもあります。
会社にとって信用力は死活問題で、信用がないと売上は伸びないと言っても過言ではないでしょう。
誰も信用できない会社からは物を買わないからです。
これは対法人の事業でも対個人の事業でも同じです。
信用を築くのは大変ですが失うのは一瞬なので、その点は肝に銘じる必要があるでしょう。
ケース8 資金回収に力を入れなかった
上で黒字倒産の話に触れましたが、資金回収を怠ると黒字倒産につながるリスクがあります。
たとえば売掛金や債権は回収しないと単なる権利のままです。
帳簿上は利益になっていても、手元にお金があるわけではないということです。
基本的なことですが、このことを意識しておかないと売上はあるのに資金力が尽きて倒産する、といったことが起こります。
売掛金や債権は発生した段階で満足するのではなく、最後まできちんと回収しましょう。
期日を設定することはもちろん重要で、さらに期日を過ぎたらきちんと催促することです。
催促しないと支払いに滞る取引先もあるはずなので、そのまま放置しないことが重要になります。
ケース9 過剰在庫
在庫が多すぎると、複数のリスクが発生します。
まず、在庫の状態が悪化し、商品として売れなくなることでしょう。
このようなことが起こると、当然在庫に対してかけたコストが無駄になります。
最悪の場合処分にもお金がかかり、さらに財政状況を悪化させます。
また在庫をきちんとさばけたとしても、費用の発生タイミングと現金の回収タイミングには必ずラグがあります。
そのため一見在庫への投資が成功したように思えても、資金を回収する前に黒字倒産してしまうリスクがあるということです。
帳簿上は利益が出ているが、手元には必要な資金がない、といった状況になります。
ケース10 人手不足
人手が必要な業界では、人手不足によって倒産するケースがあります。
具体的には、運送業や建設業などは人手不足によって倒産しやすいです。
人手に依存しないビジネスモデルが理想的ですが、そうもいかない場合は、人手を確保することが必須になります。
また自社で確保できないために割高で外注化を繰り返した結果、人件費の支払いに圧迫されて倒産する、といったケースもあります。
まとめ
会社がつぶれる理由は複数あり、販売不振だけがすべてではありません。
売上が減少していないのに倒産に至るケースもあります。
原因が様々なので対策は複数ありますが、まずは会社が倒産するパターンを把握し、堅実に避けていくことになります。
また会計面などで不安がある場合、専門家に依頼するのが無難です。
税理士などは単に税務を担うだけでなく、会計や経営に必要な資金面でも力になってくれます。