今こそPDCAサイクルの効果を見直そう

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PDCAサイクルを徹底できれば、うまくいく!

「PDCA」の4文字を職場や学校などで見たことがある、という人は多いはず。
実践したか否かは別として、職場や学校などで成績アップや業務効率化に有効であると教えられたのではないでしょうか?
よく知られているPDCAによって得られるメリットには、

  • 継続的な業務改善
  • 業務フローの共有

などがあります。
トヨタ自動車のカイゼン理論を筆頭に、現在、多くの企業が導入している業務改善スキームのひとつです。

しかし、日本にPDCA理論が導入された1950年代の高度成長期から約70年の歳月が経過した今、PDCAは通用するスキームなのか?という原点に立ち返る問いが浮上してきています。
同時に、新たに有効と考えられる成長戦略スキームも登場してきました。

今回は、PDCAサイクルの基本や具体例、PDCAに代わって注目される新スキーム「OODA」などについてご紹介します。

PDCAの基本をおさらい!サイクルや歴史について

PDCAの基本サイクル

PDCAの基本サイクルをここでおさらいしてみましょう。
PDCAは以下の4段階の工程で1クールと考えます。

  • Plan:計画
  • Do:実行
  • Check:評価または検証
  • Action:改善または調整

この4段階を繰り返し遂行することで、目標達成そして業務改善を目指すのが、PDCAサイクルの基本的な考え方となっています。
具体的に、どのような点に注意してサイクルを組み立てるのか?
標準的な取り組みについて、以下にまとめました。

Plan:計画

多くの場合、長期計画(=最終ゴール)に沿って目標を設定し、行動計画を立案します。
目標と行動計画には、それぞれ入念なリサーチや反省に基づいた根拠が必要です。

Do:実行

上記、計画で決めた内容を実行します。
進捗度合いや実行内容の効果を上司と計りながら、すすめます。

Check:評価または検証

実行した結果を検証します。
実行内容については完成度を評価、もし実行できず計画の積み残しが発生した場合は、その原因と対策を検討します。

Action:改善または調整

評価及び検証した内容をもとに、今後の対策を立案します。

意外と知らないPDCAの歴史

PDCAはアメリカの統計学者によって提唱された

PDCAは、アメリカの二人の統計学者「エドワード・デミング」「ウォルター・シュハート」によって提唱されました。
ウォルター・シュハートは「統計的品質管理の父」と呼ばれる通り、品質のばらつきをなくす理論を展開。
生産工程における不良品発生防止と、品質維持を実現する理論を展開しました。

PDCAサイクル実践の場は戦後の日本

彼を師と仰ぐエドワード・デミングは、この理論に共鳴しPDCAサイクルの基礎を確立。
戦後GHQによって、日本に派遣されたことをきっかけに、日本国内で持論を実践することになります。
当時、日本の品質管理運動のリーダーだった西堀栄三郎、水野滋、石川馨、らがデミングの講義に感銘を受け、精力的に導入を働きかけました。
トヨタ自動車の他、並みいる製造業のトップたちが、こぞってPDCAサイクルを自社生産スタイルに取り入れていったのです。

戦争の傷跡から回復すべく、高度成長期を支えた企業の努力によって、結果として日本製品の品質の高さは、世界中が認めるレベルに達します。
この成果により、それまでPDCAサイクルを疑問視していたアメリカの企業も、導入を検討するようになりました。

PDCAに期待されるゴールとは?

PDCAサイクルを取り入れることで、どのような効果が期待されているのでしょうか?
PDCAを取り入れる組織にとって、最も大きなメリットとされているのは次のふたつです。

継続的な業務改善

PDCAサイクルは1クール終わるごとに、次の段階に進んでいるため、計画や実行内容について変化があります。
新しい課題へのアプローチを検討し、これまでの業務や品質改善のフィードバックを行う機会が継続的に訪れるに利点があります。
継続的に問題解決、状況改善について取り組みながら、業務を回していくことでよりミスが少なく、高い品質に到達することが期待できます。

業務の標準化(属人化の防止)

人事異動のあまりない職場や、少人数の職場によくありがちなのが「特定のスタッフだけが分かるタスク」の存在です。
これがいわゆる属人化です。
「ブラックボックス化」とも揶揄されるのは、属人化されたタスクの担当者が往々にして強い発言力を持つなど、コンプライアンス的に好ましくない状況を招くことにあります。
また特定の担当者以外説明できないタスクがあると、顧客対応のたらいまわしを引き起こし、重大なクレームを招きかねません。
関係者全員でタスクの工程を共有でき、マニュアルなどで標準化する実行プランを練り、体的に見直すことで属人化を防ぐことができます。

ここに注意!PDCAが陥りやすいワナ

Plan:計画のワナ!「計画倒れ」「遅きに失したプラン」

あれこれ欲張った計画を立てていませんか?
人間は機械ではありません。
体調が悪くなることや身内の不幸、あるいは取引先にトラブル発生など、不確実性要素に満ちています。
せっかく綿密に立てた計画であっても、無理のある計画では実行の積み残しが蓄積するだけです。
ある程度の弾力性を持たせたスケジュールでなければ、リスケの連続となってしまうことも考えられます。

どんな素晴らしいプランでも、計画倒れに終わってしまっては元も子もありません。
また逆に、慎重すぎるプランニングも考え物です。
変化の激しい現代のビジネス環境では、やっと計画が完成したころには状況が変化していることもあり得ます。
計画は、必ず数値化した明確な目標を建てることが大切ですので、徹底的に具体化させましょう。
そして確実に実行できる人を配置して、タスクを完了できるようにすることが大前提です。

Do:実行のワナ「実際の実行内容が不明確」

実行内容が漠然としすぎていて、「何から着手すればいいのかわからない」というのもありがちです。
例えば「新規開拓 1日100件」「ピッキングミス 1時間1件以内」などの目標を掲げるのは結構ですが、では具体的な行動内容はPDCAで明確に指示されているでしょうか?現場任せになっていませんか?
「Do」の内容は疑問を挟む余地なく「実行すること」のリストになっている必要があります。

新規開拓100件を目指して行動するなら、「午前中はテレアポ50件。午後は○○エリアを50件回る」というように行動を分解することが有効です。
そしてさらに「いつまでに実行する」かのスケジュールを決めればより確実です。
計画を推進する行動内容を明確にすることが重要です。

Check:評価または検証

想定される計画の阻害要因、そして対策などの分析についての正確さが要求されます。
チェックした結果によって次のPDCAサイクルの方向性が決まるわけですから、誤った対応策を立てることがないよう注意が必要です。

Action:改善または調整

立案者は時として、現場への負担を軽視しがちなもの。
特に計画通りに進まなかった場合に、その傾向は顕著に現れます。
無理のない改善対応策の立案を心掛けたいものです。

PDCAサイクル活用事例

もともとは生産現場での改良・改善に有効なスキームとして、日本で定着したPDCAは、さらに品質管理やルート営業など、幅広い分野で取り入れられてきました。
また「学びの継続」「ヒヤリハット防止」など、教育や医療現場にも用いられています。

教育の場合

スポーツ教育現場で取り入れられている「ループ型教育システム」はPDCAサイクルの応用です。
提唱しているのがスポーツの研究者であることから、CHECKに「実技検定」を用いた提案内容となっています。
スポーツに限らず、PDCAサイクルに基づく授業計画立案は一般的なものとなっています。

医療の場合

看護過程のプランニングはPDCAを繰り返すことで、看護の質を向上させることが出来ると考えられています。
がん治療やリハビリ計画など、様々な看護モデルでPDCAサイクルが活用されています。

PDCAと両立させたい新スキーム「OODA」とは?

PDCAに代わる新スキームとして、近年にわかに注目されるのが「OODA(ウーダ)」です。

OODA(ウーダ)とは?

  • Observe観察
  • Orient:状況判断
  • Decide:決断
  • Act:実行

OODAのネーミングは、上記の単語それぞれの頭文字によるものです。
アメリカ空軍のジョン・ボイド大佐により提唱されて、元々は航空戦に臨むパイロットの意思決定を対象としていました。
後に、その瞬発力を発揮する効果が、ビジネス界や政界からも注目されるようになりました。
現在ではあらゆる分野の作戦術・戦略イメージに導入されています。

OODAとPDCAの違いとは

OODAとPDCAが根本的に異なるのは、スタート時の方向性にあります。
PDCAは「(自分や職場・学校)計画」、OODAは「(人や物事)観察」からスタートします。
つまりOODAにおいては、準備などは一切なく、あくまでも「現在の状況=現場」が起点となっています。

OODAに期待できる効果とは

目まぐるしく変化するビジネス環境に、素早く的確な対応が求められる戦場と同様に、競争の激しいIT分野などではOODAスキームは高い効果が期待できます。
状況に応じて対応を調整する「OODAループ」を、なるべく短時間で繰り返すようになれば、現場のトラブル解決能力は飛躍的にアップするでしょう。
ひいては時間やコストを削減でき、業務効率が改善し利益が増加すると考えられています。

PDCAは決して古くない!活用次第では最強の自己チェックスキーム

極めて短いサイクルで決断を下す必要がある業種では、準備期間が長いPDCAは、思ったような効果を挙げることは難しいかもしれません。
しかし、半年ないしは一年の比較的長期間で目標達成を望むなら、現在もPDCAは有効なスキームです。
ここでPDCAのメリットデメリットを整理しておきましょう。

  • PDCAのメリット:行動計画を着実に進め検証することで目標到達の確度が増す
  • PDCAのデメリット:各フェーズの方向性を見誤ると計画倒れを招きやすい。また準備に時間がかかる。

変化の速い業種によって、時には状況に応じてOODAなど、他のスキームの利用を検討することも必要でしょう。

まとめ

今こそPDCAサイクルの効果を見直そう

PDCAは業務改善に多大な効果をもたらし、かつ長期戦略を立てるにも適したスキームです。
着実に目標を達成してゴールに到達するには、PDCAサイクルは十分現在も通用する有効な手段です。