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RPAとは何か?ロボットとの共存社会を探る
ちかごろ新聞ほかメディアでよく目にするキーワードのひとつが「RPA」です。
RPAとは「ロボティック・プロセス・オートメーション(Robotic Process Automation)」の頭文字をとったもの。
定型業務を自動化するために、特化して開発されたロボットツールを指しています。
- 状況判断不要な単純な事務作業や反復作業を自動化するツール
- ホテルやイベントスペースでの顧客対応ロボット
など、私たちの職場や日常生活においても、すでに珍しいものではなくなっています。
なにしろ報道によれば現在、RPAを活用する企業は全体の40%、大企業にいたって半数以上がRPAを活用している状況です。
ここ数年、勢いを増すRPA浸透率にいまさらながら驚かされます。
とはいえ、職場がRPA未導入の場合など「RPAってなに?」「ピンとこないけどRPAとは?」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、RPA技術とはどのようなものか、またRPAを導入したときのイメージ作りに役立つ具活用例を中心にご紹介します。
RPAとはどんなしくみ?どんな種類がある?
AIすなわち、人工知能やモノと人をインターネットでつなぐ、IoTを搭載した家電が珍しいものでなくなった今、次に脚光を浴びているのが、RPAすなわちロボット技術です。
具体的には、スマホやPCにインストールした「デジタルレイバー」と呼ばれるアプリを使って操作する、いわば「ソフトウェアロボット」とイメージするとわかりやすいでしょう。
ここでは、RPAの基本的な知識として「RPAのしくみ」「RPAの種類」についてまとめました。
RPAのしくみ
RPAのしくみを理解するには、「RPA」とRPAツールが準備する個々の作業プログラム「デジタルレイバー」そして「ソフトウェアロボット」について押さえておく必要があります。
RPA
定型作業や工数の膨大な作業を自動化する技術のことです。
具体的には、これまで人が提供してきた労働力を、ソフトやロボットに代替させる技術を指します。
デジタルレイバー
RPAが作業に必要なプログラムを構築します。
この作業実行用工程プログラムをデジタルレイバーと呼びます。
ときにはソフトウェアやプログラムだけでなく、搭載しているロボットを指すこともあります。
逆に差別化できないと埋もれてしまい、リピーターが増えない場合もあります。
成否にも関わりますので、他店とは違った個性を売り出していきましょう。
ソフトウェアロボット
RPAが公邸にあわせて準備したデジタルレイバーの命令に従って、ソフトウェアロボットが処理を実行します。
たとえば、これまで「Excelファイルからデータを抽出して、業務システムに入力した後、必要な範囲を印刷する」といった手間のかかる作業を1クリックで完了させることも可能です。
上記3つが統合することによって、これまで人が行っていた作業をRPA画家型割してくれることになります。
RPA開発元にはどんな企業がある?
国内で導入されているRPA開発元のベストスリーは「UiPath ユーアイパス(アメリカ)」「BizRobo!(日本)」「WinActor(日本NTT)」となっています。
RPAの種類
RPAの種類は大きく分けて二つあります。
サーバ型
多くの台数のパソコンがつながったネットワーク上での利用を想定。
大容量サーバーがシステムのベースとなっているので、ビッグデータの処理に最適です。
またシステムを共有するパソコンで作業が可能なので、社内全体での作業に向いています。
デスクトップ型
独立したパソコン1台単位でRPAツールを導入することを想定。
RPAが導入されたパソコンのユーザーの、担当業務の処理と管理に向いています。
RPAの得意なこと・不得意なこと
RPAが得意なのは「定型作業の自動化」
さらに進化する可能性を目指すRPAですが、2020年現在においてRPAに最も期待されているのは「定型作業の自動化」です。
RPAの効果を実感できる顕著な例が、作業量が膨大な業務の効率化です。
機械とソフトの合体ツールである、RPAの長所を挙げてみましょう。
- 正確でミス知らず:定められたプログラム(ロボット/シナリオ)通りにミスなく正確に作業を行うことができる
- スピーディな作業速度:疲れるということがないため作業速度を維持することできる
- 極端なフル稼働が可能:(機械なので)健康を考慮する必要がなく24時間365日稼働させることができる
- バージョンアップの余地大:技術開発が進行中のRPAはさらなる機能向上が期待できる
RPAが不得意なのは「判断が必要な作業」
職場環境や日常生活の中で浸透し始めたRPAですが、現段階では単純な反復作業の処理がメインとなっています。
臨機応変な判断が求められる非定型作業にも対応できる、RPAの開発が急がれています。
RPAツールは機械とソフトウェアで構成された業務ツールであり、人間のようにとっさの判断やリスク回避は対応不可、プログラミングされた以外の業務は実行することは不可能です。
しかし全く状況判断能力がなく、些細なミスで膨大な作業が停止すれば業務に膨大なロスが発生してしまいます。
現在、RPAに求められているのは「自立化」です。
近い将来、開発が実現した暁には、さらに多種多様な業務をRPAに任せられることでしょう。
現在のRPAが不得意とする処理をまとめてみました。
- プログラミング外の作業でフリーズ:トラブルや例外処理に対応できずフリーズする
- 複雑な工程のプログラム組み込みが煩雑:例外処理や複雑な工程を擁する作業には、多くの分岐型プログラムを準備する必要がある
RPAはどんな風に使われている?
ケース.1 コールセンターのオペレーターPC作業の短縮化を実現
コールセンター(コンタクトセンター)のRPA導入事例です。
コールセンターで顧客対応を担当するオペレーターは、顧客情報の確認や回答内容の調査そして対応内容の記録など、多くの労力をPC作業に咲く必要があります。
これらの作業がRPAで自動化し短縮することで、より多くの顧客に対応することが実現しました。
具体的には、入力ミスや入力漏れが多い工程にはRPAを導入し、単純な操作で画面上には必要な情報が表示されている環境を構築しました。
混雑緩和により、顧客からのクレーム対応も減少したことで、オペレータだけではなく、2次対応を行うSV業務担当者の負荷を減らすことにもつながりました。
ケース.2 求職者と職場のマッチング作業に活用
人材紹介会社のRPA導入事例です。
この会社の事務担当者タスクで、大きなウェイトを占めていた業務が、求職者の希望条件をヒアリングし、希望条件を満たす職場を抽出、それから求職者へのFAX打診するという一連の作業でした。
これら一連の作業を、RPA内の複数システムを連携させせることで、自動化を実現した成功例があります。
求職者名簿のデータベースと就職先一覧データベースの突合せは、データ抽出ミスの多発が悩みどころでした。
また、FAX送信においても誤送信がよくあり、個人情報保護の観点から作業事故として記録しなければならず、現場の担当者のストレスは相当なものです。
RPAを利用した自動化ツールの導入で、作業ミスゼロそして作業のスピードアップを実現。
求職者と企業とのマッチングという事業の効率化によって、大きく業績を伸ばしています。
まとめ~RPA+AIの実現が待たれる~
現在のところは、膨大な単純作業をミスなくスピーディに行えるのが、RPA最大の強みですが、今後技術革新が進めば、AI搭載型RPAが人間に代わって状況判断し、作業を進めてくれる日が来ることでしょう。
ひとまず2020年現時点で、RPA関連で押さえておきたい情報をまとめると下記の通りです。
- RPAは単純処理に威力を発揮!しかし例外処理には対応できない
- RPAにはデスクトップ型(非定型業務向き)とサーバ型(量とスピード優先)がある
- RPAはすでに約半数の大企業が活用
急速に技術開発が進むRPAは、今後も要注目です。