商圏分析は飲食店など店舗の開業に必須!その理由や分析の流れを紹介

商圏分析が店舗ビジネスに必須の理由
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飲食店や小売店など店舗をもつビジネスでは、「店舗をどこに出すか」が最初の大きな課題です。出店場所を間違えれば、どんなによい商品やサービスでも客が十分に入らず経営に苦しむことに。

そこで必ず行っておきたいのが商圏分析です。商圏分析とは、来店が見込める人たちの居住エリアを設定し、その圏内の人口などを把握することをいいます。

この記事では、商圏分析の目的やその実施手順について見ていきましょう。

商圏分析の基礎知識

商圏とは

まずは、「商圏」とは何を指すかなど、基本的な知識から説明します。

商圏とは「来店が見込める人のいる範囲」

「商圏」とは、ある場所に出店した場合に、集客が見込める地理的な範囲のことです。「客になりそうな人がいる範囲」「そこに住む、あるいは働く人が客となる可能性のある範囲」と言った方がわかりやすいかもしれません。

商圏は、出店予定地を中心とした円や、線路や河川で区切った多角形などで表すのが一般的。範囲は業種やターゲットとする客層、競合店の有無など、自店の状況に合わせて設定します。

商圏には主に4つの区分がある

出店前に想定する商圏を「想定商圏」や「仮説商圏」などと呼びます。すでに出店している場合の商圏は「実商圏」と呼んで区別することもあります。

また、店からの距離や来店にかかる時間などで次のような4つの区分が目安とされています。

商圏の種類特徴
足元商圏・店までの所要時間が徒歩5分程度
・ほぼ毎日など来店頻度が高い
一次商圏・徒歩10~15分程度
・半径800m~1.2km
・日用品や食料品などの「最寄品商圏」
二次商圏・自転車や車で10分~15分程度
・半径3km~10km程度
・週に2回~3回の来店
三次商圏・車や電車で30分~40分
・車なら約12km~16㎞
・電車なら約30㎞~40km
・来店頻度は月に数回で低い
・「専門店商圏」とも

都市部か地方部かによっても、商圏の広さは変わってきます。地方部の方が店舗や住居が密集していないため、商圏は広くなるのが一般的です。

また、これらの距離の範囲内でも、例えば徒歩での来店に支障がある大きな川(橋が近くにない)の向こう側などは商圏から外します。商圏を妨げるものを「商圏バリア」と呼びます。

商圏分析とは

商圏分析とは

商圏分析とは、商圏内の地域の特性や人口、競合店舗の数や客の入り具合などの状況を把握することです。

商圏分析は、出店する前に可否を判断したり、複数の候補から絞ったりする場合に使うのが一般的です。

しかし、営業中の店舗にも商圏分析は役立ちます。例えば売上が伸び悩んでいる場合には、原因を洗い出し、改善点を見つけるヒントとなります。また、事業拡大のため設備投資をする価値があるかどうかなどの判断にも使えます。

商圏分析の方法は大きく2つ

商圏分析の現地調査

商圏分析には、大きく次の2つの方法があります。

  • 統計データなどを基にした分析
  • 現地調査結果による分析

統計データには、総務省による「国勢調査)」や「住宅・土地統計調査」、統計GIS(地理情報システム)「地図で見る統計(jSTAT MAP) 」のほか、民間の調査会社が行うものがあります。政府の統計は、政府統計のポータルサイト「e-Stat」で公開されています。

現地調査とは、実際に現地に足を運び、人の流れや競合店の客の入り状況などといった、統計などではわからない情報を得ることです。

商圏分析を行う目的と得られるメリット

商圏分析の目的とメリット

出店を決める前になぜ、商圏分析を行うべきなのでしょうか。商圏分析を行う目的やメリットを見ていくと、その重要性も見えてきます。

商圏分析をする主な目的は、次の4つです。

  • 出店場所を決めるため(選定ミスの防止)
  • 販促エリアを確定させるため(ターゲット層に合った戦略立案)
  • 潜在顧客へのアプローチをするため(ニーズの把握)
  • 他店との差別化戦略を立てるため(自店の強みを強調)

これらはすべて、事業を成功させるには欠かせない要素です。1つでも欠ければ失敗につながってしまいます。それぞれについて説明します。

出店場所の確定

商圏分析で決める出店場所

店をどの場所に出すのが最適か、もしくは、複数の候補地がある場合、どこを選ぶのが最適かを判断するために、商圏分析を行います。

また、出店予定エリアが業種に合っているかも確認します。極端な例で言えば、風俗店の集まるエリアは学習塾の開校には向かない、といったようなことです。

出店するエリア選択を間違えれば、商品やサービスが良くても売れない・客が来ないリスクが高まります。

販促・集客エリアの確定

商圏分析の目的:集客・販促エリアの確定

開店前やそれ以降、集客のために広告を出したりチラシを作ってポスティングしたりするエリアを確定するためにも商圏分析が必要です。

先ほどの学習塾のパターンで言えば、単身世帯の多いエリアや高齢者夫婦の多いエリアにポスティングをしても、高い効果は見込めません。

制限なく広いエリアで販促・集客活動をするのは非効率。資金はいくらあっても足りず、費用対効果が悪くなります。

潜在顧客へのアプローチ

商圏分析の目的:潜在顧客へのアプローチ

出店する際は、集客ができるか、つまりそこにターゲット層が集まるかが大きな課題です。また、商品の販促、飲食店などの集客を行うには、ターゲット層に合った方法を取ることも重要です。そのために、どのような層がどのあたりに多いのかを商圏分析で把握します。

例えば、高収入世帯の多い住宅地に近いなら、大衆的で安い食堂より落ち着いた雰囲気で食材を吟味したお店の方が、ニーズが高いと考えられます。

新聞に折り込みチラシを入れても、大学の近くなど学生の一人暮らしが多いエリアなら、新聞の購読をしていない可能性も高いでしょう。

競合店との差別化

商圏分析の目的:競合店との差別化

より多くの売上を得るため、競合店との差別化を図るためにも、商圏分析は行う必要があります。

競合店がそれぞれどのような商品・サービスのラインナップをどれくらいの価格で提供しているのか、客層はどれくらいか、客の入りはどれほどか、といったことを確認します。

それを自店の店づくりやメニュー構成、仕入れや料金設定に役立て、自店の強みも打ち出すことで、勝てる可能性も高まります。

また、競合の状況とターゲット層の状況の両方を見て、最適な戦略を立てることもできます。

商圏分析をするのに必要となるデータ

商圏分析には、次のようなデータを使います。事業の内容などによってはこれ以外の情報が必要となる可能性も。自店に必要なデータを収集してください。

データの種類内容
エリアの特性・人口(夜間人口・昼間人口)
・世帯数
・天気による人口差
・時間や曜日による人の流れ
・年収や年齢層などの特性
・将来の人口予測
・地形(起伏など)、交通の混雑状況
ニーズの特性・消費の動向
流入経路などの特性・地域の商習慣など
文化や風習の特性・地域文化や風習、生活習慣
競合の特性・競合の商品やサービス内容
・店舗面積や駐車場、営業時間
・地域におけるシェア
商圏バリア・集客を妨げる河川や線路、競合店などの存在
マグネット・集客につながる施設、商店街や観光施設、駅など

このうち、天気や曜日などによる人の流れ、商圏バリアなどは統計情報などではわからないため、現地調査で確認します。

商圏分析のやり方

では、商圏分析はどのように進めていくのかを見ていきましょう。

1.自店や競合データのマッピング

自店舗予定地や競合店舗のマッピング

まずは自店の出店予定地周辺の住宅地図を用意します。

出店予定地と競合店舗の所在地を地図上に印し、位置関係や距離などを一目で把握できるようにします。

2.商圏範囲の設定

商圏範囲の設定

マッピングした地図をもとに、自店の商圏、顧客となり得る層の居住エリアを設定します。開店前で実績などがないため、仮定や予測に基づいて設定します。紙の地図ならコンパスなどで円を描くと一目瞭然です。

自店の特性(場所やターゲット層など)を考慮して、客の自然な動きを想像することが大切です。また、範囲を広げすぎると集客にかかるコストなどに無理が生じる可能性もあるので注意が必要です。

3.商圏内のデータ収集と分析

いよいよ集めたデータを分析します。人口や地域の特性などのデータをマッピングした地図と合わせたり、それぞれのデータを掛け合わせたりして分析します。

例えば人口はどれくらいか、それは他と比べると多いのか少ないのか、住民には若い世代が多いのか、ファミリー層が多いのか単身者が多いのか。特徴には、例えば近くに大きな企業や大規模な工場などがある場合、住民の多くがそこに勤めていたり、何らかの関わりがあったりする可能性もあります。

開店後の課題となる、競合と比べた自店の強みや弱みも洗い出しましょう。

4.出店の可否を決定

商圏分析の結果

商圏分析の結果をもとに、売上・利益の予測を行い、その予定地での出店で問題ないかどうかを判断します。

出店してから問題点に気づいても対応できないかもしれません。「ここはダメだ、場所を変えよう」と簡単に移転するわけにはいかないので、慎重に判断してください。

商圏分析についての注意点

商圏分析はただおざなりに行っても利益向上にはつながりません。少なくとも次の4点は押さえておきましょう。

現地調査は必須

商圏分析には現地調査も必須

地図や数字のデータを見るだけではわからないことも数多くあります。地図上や統計データだけに頼るのではなく、必ず現地調査をして自分の足で・目で確認しましょう。

例えば商店街からの流入を見込んでも、それがシャッター街では集客できません。繁盛している商店街の中に競合店があれば、大きな障害となることに。

商圏分析の注意点

自転車での来店を見込める距離でも、道路の起伏が激しかったり交通量の多い道路の横断が必要だったりすれば敬遠されがちです。

また、現地調査は、営業時間内のあらゆる時間帯、平日や週末、休日など、一度きりでなく何度も足を運んで確認してください。

細かな点の確認にも現地調査は不可欠です。例えば交差点の角で多くの入店が見込めると思っても、交差点の角度によって車が入れにくかったり、大きな看板に隠れて店の存在に気づかれにくかったりするケースもあります。

最新のデータ・最新の地図を使う

商圏分析には最新のデータや地図を使うこと

日々変化する商圏内の状況を正確に把握するには、その時点での最新のデータや地図を使う必要があります。

人口や競合店の場所や数など、あらゆることが日々変化しています。大型店舗が進出あるいは撤退したり、学校が廃校になったりすれば、人の流れも変わります。

うっかり古いデータや数年前の地図で分析したりすれば、分析結果も現状と異なり、それに基づいて立てた戦略が役に立たないかもしれません。

現状だけでなく予定も把握する

商圏分析の注意点

商圏分析では、現状だけでなく将来の予測も重要です。それによって客の動線が変わってきます。

商圏内の土地に、大型商業施設やオフィスビルなど人の流れを変えるものの建設予定がないか、長期の工事による通行止め、線路が高架になる予定などの有無も把握しておきたいところ。閉店・移転予定の大型施設や廃校予定の学校がないかといったことも確認しておきましょう。

建物の建築計画については、届け出が出ていれば市役所などの建築課などに問い合わせて確認することができます。

商圏分析は一度で終わりではない

商圏分析は繰り返し行うべき

先の章でも触れましたが、商圏分析は1度行って終わりではありません。

開店後、例えば業績が思わしくない場合、急に売り上げが下がった場合など、原因を探って対策を練るのにも商圏分析が役立ちます。

また、販売促進のDM送付やポスティングの範囲を決めたり、イベントの内容を考えたりするのにも商圏分析は効果的。コストの無駄づかいを防ぎ、ターゲットをつかむ精度の高い戦略を練ることが可能になります。

商圏分析をしっかり行い戦略を練ろう

商圏分析は経営成功のカギ

店舗の場所は、売上を左右する大きな要素です。候補となる場所があるなら、そこに何があるのか、近くにどんな人が住んでいるのかを把握して店舗運営に役立てましょう。

商圏には、来店の手段が徒歩なのか車なのかなどによって複数の種類があります。自店の扱う商品やサービス、来店見込の客の共通点などを踏まえて設定してください。

分析に使うデータは、最新かつ信頼できるものでなくてはなりません。難しいと感じたら、業者や専門家の手を借りるなどして効率よく準備を進めていきましょう。

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サポートの流れ

STEP.1 分析に必要な情報をヒアリング

住所(新店の候補地)や商圏の広さなど、分析を行うのに必要な情報を確認いたします。

STEP.2 商圏分析の実施

弊社にて担当者が商圏分析を行います。

STEP.3 分析結果のご報告

担当者が商圏分析の結果をご報告させていただきます。さらに結果を踏まえて、アドバイスやご相談も承っております。

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