業種にもよりますが、個人事業主(フリーランス)はある程度軌道に乗れば、自分から営業活動を行う以外にも、実績を元に仕事の依頼が来るようになるでしょう。
ただ多くの個人事業主は、営業やマーケティングに不安を抱いていると思われます。
しかも個人事業主の場合、自分ひとりの力ですべてをこなさなくてはなりません。
限られたリソースの中で、効率的に仕事を獲得するために、マーケティングはどのように行えば良いのでしょう。
今回は、ゼロからイチにする部分を解説いたします。
マーケティング活動のポイント
個人事業主がマーケティング活動を行う際のポイントを、具体的に紹介していきます。
マーケティング活動のポイントは段階ごとに異なります。
そのため、時系列に重要なポイントを紹介していきます。
まずは簡単な仕事から
個人事業主として最初の仕事は、うまくいくかな?本当にお金をもらえるかな?と不安かもしれません。
もともと副業などをやっていた場合は別にして、個人でお金をもらうということ自体が初めてなら、なるべく簡単な仕事から始めることをおすすめします。
仕事の内容に慣れていないことはもちろん、仕事をして納品してお金をもらう一連の流れにも慣れていないはずです。
いろいろ不慣れな中考えなければならないので、なるべくハードルを下げた方が良いでしょう。
難しくて単価の高い仕事を狙うのは、それからでも遅くはありまえん。
最初のうちは、割に合わないと感じるかもしれませんが、お金をもらいながら勉強させてもらっていると考えれば一石二鳥です。
最初から稼ごうとするのではなく、最初は利益度外視で仕事に慣れることが重要になります。
また最初に受けた仕事が実績になるので、その実績を元に、より高い単価の仕事をもらうことができます。
詳細は業種にもよりますが、どんな仕事でも流れはだいたい同じでしょう。
プログラマーでもライターでもカメラマンでもイラストレイターでも、最初は個人事業主としての仕事に慣れる必要があります。
短時間で稼げる仕事を狙う
個人事業主としての仕事に慣れたら、次に短時間でより効率的に稼げる仕事にシフトしていきます。
仕事の依頼も増えてくるかもしれないので、ここからは取捨選択する必要があるでしょう。
短時間で稼げる仕事を狙って取り組むことで、一般の会社員よりも稼げるようになっていきます。
スキルアップにつながる仕事を狙う
単価の高い仕事をもらえるようになってしばらくは、そのまま継続すれば良いのですが、いずれマンネリ化してくるでしょう。
要するに、同じような作業の繰り返しになってしまうということです。
とはいえ最初は難しい仕事なので、マンネリ化するまでに数年程度はかかるかもしれません。
数年継続すれば一連の作業に慣れて仕事の効率性、クオリティも上がってきます。
そのまま仕事を続けていても稼げるのですが、より上を目指すならスキルアップを検討すべきでしょう。
今までやっていた仕事を通して、身に付く範囲内のスキルだけだと限界があるからです。
多少単価が下がっても、より市場価値の高いスキルが身に付く仕事を受ける、今後、自分がより市場価値の高い個人事業主に成長するための仕事を受ける、といった考え方です。
目先の利益だけに捉われない
スキルアップを考えた上で仕事を受託していけば、自分自身がその市場の中でもそこそこ活躍できる人材になっていくでしょう。
そこで次に重要になるのは、目先の利益だけに捉われないということです。
市場価値がある程度高ければ、依頼の来た仕事を繰り返すことでサラリーマンの平均よりは確実に稼げるでしょう。
しかし、そのままだと受けた仕事をこなすだけになってしまいます。
将来的にどうしていきたいのかは、人それぞれなので一概には言えないのですが、一般的に自分オリジナルのサービスを持ったり、不労所得のようなものを持とうと動く人が多いです。
たとえばプログラマーなら、アプリケーションを作って販売する、配布して広告収入を得る、といったことです。
今まで受託で受けてきた仕事の経験が、自分のオリジナルサービスを作るためのスキルアップになっているはずです。
そのためスキル的には、自分オリジナルのサービスを作れるようになっている場合が多いでしょう。
年数としては、3~5年程度個人事業主として稼ぎ続けているのであれば、スキル的には十分なはずです。
しかし自分オリジナルのサービスを作るためには時間と労力が必要で、最初のうちはなかなかお金にもなりません。
収入ゼロで一定期間作業し続けることになるでしょう。
もちろん収入ゼロだと生活できないので、依頼の来た仕事を受けるなどは必要ですが、仕事をセーブしつつスケジュールを組んでいく必要があります。
目先の利益に捉われて常にフルで仕事を受けていると、自分のオリジナルサービスは作れません。
だからこそ目先のことだけではなく、長期的な視野を持って仕事していく必要があるのです。
とはいえ、目先の利益に捉われないことは多くの人にとって容易ではありません。
将来多くの利益を生み出す可能性があっても、すぐに利益にならないものに時間や労力を投資するのは心理的に難しいでしょう。
ましてや、高い報酬を得られる仕事が目の前に転がっていれば、そっちに時間と労力を割きたくなるのは人間の心理としては当然です。
柱になる市場を複数持つ
個人事業主として成功していたとしても、一つの市場、スキルだけに依存するのはハイリスクです。
今の時代会社員も会社をクビになる可能性があり、クビになれば路頭に迷うかもしれません。
とはいえ汎用的なスキルを持っていれば転職できますし、ある程度会社の保証もあります。
しかし個人事業主の場合そういったものはありません。
不労所得がない状態で仕事がなくなれば、そのまま収入がなくなります。
この点、今回のコロナ禍でも、このことは浮き彫りになりましたね。
災害やコロナ、世界的な経済恐慌のように社会が急変することもあれば、市場自体が古くなって必要なくなる可能性もあるでしょう。
たとえばAIの台頭によって、一部のプログラミングスキルは不要になる可能性が高いです。
プログラミング自体が必要なくなる時代も来るかもしれませんね。
他にも動画編集がより簡単になって、外注化するほどでもなくなる、といった時代になるかもしれません。
割と直近で、市場価値が下がる可能性の高いスキルも多いので、一つの市場に依存するのはハイリスクなのです。
たとえば今、動画編集一本でやっている人はライティングスキルやプログラミングスキルも身に付けてリスク分散する、投資家一本でやっている人は、経営のスキルを身に付けて自らのビジネスも持つ、といったことです。
まとめ
個人事業主のマーケティングにはステップアップがあります。
最初はとにかくなんでも良いので、仕事を受けてお金をもらう流れに慣れることが重要です。
慣れてきたらより単価の高い仕事を受ける、よりスキルアップにつながる仕事を受ける、といった形でステップアップしていきます。
さらに仕事に慣れてきたら、自分のオリジナルのサービスを作って収入を拡大する、スキルの幅を広げて市場の変化で潰れないようにする、といった取り組みも重要です。