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コロナで注目!印鑑不要?クラウドサイン?
ここ最近で「クラウドサイン」というものが主流になりつつあります。
実際に導入している企業や事業者の方も多いでしょう。
そして最近はテレビCMでもしょっちゅう目にするほどになり、私自身もクラウドサインでの署名を求められる機会が増えました。
クラウドサインがどのようなものなのか、今後どうなっていくのかなどについて解説します。
クラウドサインはコロナで注目度が一気に上がった
クラウドサインとは日本の法律に特化した電子契約サービスで、従来「紙」を介して行っていた契約作業がパソコンだけで完結できるのが最大の特徴です。
サービス自体は数年前からある程度使われているものでしたが、まだまだ主流と呼べるほど普及はしていないな、といった印象でした。
しかしコロナ騒動以降、一気にクラウドサインが普及したようです。
理由は単純で、コロナにより通勤する人が減ってそもそも物理的に集まるのが難しくなったからです。
直接会うのであれば印鑑を押せば良いですが、印鑑を押すだけにわざわざ集まるのは考えものです。
またコロナだから接触すべきではないと言われているのに、印鑑を押すために接触するのははばかられます。
書類を郵送して印鑑を押すという手段もありますが、面倒だし時間がかかります。
クラウドサインを活用すれば、それらの問題はすべて解決します。
実際どんなものなの?
電子契約と言われても、使ったことのない人からするとイメージが湧きにくいかもしれません。
しかし使い方は非常に簡単です。
まずサインが必要な書類をPDFでクラウドサインにアップロードします。
そして取引先はこのアップロードされたファイルを確認し、クラウドサイン上で押印します。
この書類は、アップロードした側も取引先もどちらも、印刷したりデータとしてダウンロードすることが可能です。
クラウドサイン上での操作は簡単で、難しい操作はいっさいありません。
クリックと文字入力さえできれば誰でも使えるレベルで、たとえば署名のところに名前を入力したら、勝手に印鑑で押したようになるイメージです。
失敗がないので、実際に印鑑を押すよりも簡単です。
今後クラウドサインはますます普及する
今後クラウドサインはますます普及すると考えられます。
今回の新型コロナウイルスによりリモート化した企業は数多く、緊急事態宣言解除後も完全リモートワークになっている企業も多いでしょう。
業界によっては、顧客との商談などはすべてZOOMで行っていて、署名もクラウドサインという企業も多くなっているそうです。
日本国内だけでなく、世界的にもこのような動きになっているので、当然クラウドサインの需要は増えると考えられます。
またそもそもコロナウイルスの感染者はまだ増加しているので、印鑑を押すために接触することが好ましいはずありません。
電子化できるものは、なんでも電子化していくのが今の世の中の動きなので、署名もクラウド化すべき、と考える人が多いのは当然でしょう。
クラウドサインを利用する機会が減っている面もある
ただ、緊急事態宣言解除後、クラウドサインを利用する機会が減っている気がします。
通勤する人が増えたからかとも思ったのですが、どうやらそういうことではないようです。
ではなぜクラウドサインの利用が減っているのかですが、取引が電子的に完結するなら署名の意味があまりないからです。
取引を電子的にやれば、当然メールや文書が残ります。
電子的なやり取りでは、直接話すよりもオンラインで文書のやり取りをすることの方が多いので、特に何もしなくても証拠書類が蓄積されていくのです。
事務的に必要ということはあっても、わざわざサインする必要はないのでは?と考えている人が増えるのも当然でしょう。
つまり、署名するならクラウドサイン、でもそもそもデータでやり取りしていて証拠書類がそろっているのだから署名はいらないのではないか、という動きにもなっているということです。
これも時代の流れですが、ハンコ離れの次は早くもクラウドサイン離れが起こるかもしれません。
個人事業主や小規模な会社の経営者は、署名に関しても自由度が高いので比較的動きは早いですが、一般企業の場合、署名が不要ということはないかと思います。
なので、しばらくはクラウドサインブームが続くのではないでしょうか。
企業の業務に、署名が不要になるにはまだ時間がかかるので、クラウドサインを導入しておいて損はないかと思います。
クラウドサインにはリスクもある
クラウドサインは署名を電子的にやり取りできて便利なのですが、リスクもあります。
それはサイバー攻撃等があった場合に、大ダメージを受ける可能性があるということです。
紙媒体の契約書も改ざんされるケースがありますが、電子契約ならなおさら改ざんしやすいです。
たとえばハッキングして勝手に書類を作られ、勝手にその書類にクラウドサイン上でサインさせられる、といったことが起こる可能性もあるでしょう。
パソコンがハッキングされなくても、クラウドサインのアカウントを乗っ取られればこういったことが十分起こりえます。
そもそも署名というのは自分が合意したという意思を示すものなので、それだけ効力を持ちます。
アカウントを乗っ取られた場合は、法的な措置を取ってその契約は無効になる可能性が高いですが、契約相手が契約の有効性を主張したり、無効になった結果被った損害を賠償請求してくる、といったことも考えられます。
クラウドサインは便利なサービスですが、リスクを鑑みた上で対策を行い、またリスクが起こりうるという想定も重要でしょう。
少なくとも企業の担当者は無防備に使用するとリスクが大きくなるという意識が必要です。
まとめ
クラウドサインはオンラインのみで署名できる仕組みになっていて、使い方は簡単です。
直接会って印鑑を押す必要がないので、今の時代にぴったりでしょう。
しかしクラウドサインにもデメリットはあります。それは「リスク」です。
アカウントやパソコンが乗っ取られ、勝手に操作される可能性があり、身に覚えのない契約が発生するかもしれません。
確率としては低いですが、可能性はゼロとは言えません。
少なくともセキュリティの意識を持ったうえでクラウドサインを利用すべきでしょう。