繁盛店を目指すならABC分析でロス無く売れる「メニュー見直し」

【飲食店経営者に聞く】独立して大変だった…リアルな話
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メニュー分析していますか?ロスを減らすためのABC分析とは

飲食店経営を始めてみたけれど、もうひとつ売り上げが伸びないと悩んでいる人は多いでしょう。
何とかしなければと試行錯誤をしても、なかなか結果が出ないという人もいるでしょう。
そんな経営者の方たちにとって役立ちそうなのが「ABC分析」です。
ABC分析によってメニューを見直すことで、売り上げをアップできる可能性があるからです。

ABC分析とはどのようなものか

メニュー分析していますか?

ABC分析は別名を「重点分析」ともいいます。
その名の通り、商品を売れ筋ごとにA、B、Cの3種類に分類し、そのデータを元にさまざまな分析を加えていくものです。

売れ筋商品を具体的につかむ

そもそも、どのような店であっても、すべての商品が平等に売れているわけではありません。
売り上げの多くの部分を占める売れ筋商品もあれば、お世辞にも売れ筋とはいえない商品もあります。

俗に「パレートの法則」と呼ばれる理論があります。
これは売上や利益の80%は、たった20%の商品・商材が生み出しているというものです。
売り上げアップを考えるならば、売れ筋商品に注力して、売れ筋とはいえない商品の販売を中止するなどの対策が考えられますが、具体的にどれが売れ筋なのかは確認しないと分かりません。

そうしたさまざまな商品を、売上高別に分類するのが「ABC分析」です。
例えば売り上げ全体の70%までをA、90%までをB、それ以外をCに分類するといった感じです。
そうすることで、どの商品が売れ筋なのかをつかむことができます。
あとは、分析を元に、今後の方針を練っていくことになります。

「売れ筋」のパターンはさまざま

商品のすべてが売れ筋というわけではないのは当たり前ですが、売れ筋が極端に偏っているケースもあれば、そうではないケースもあります。
例えば国別人口でABC分析を行うと、Aに分類される国の数は全体の6%程度です。
Bを含めても、全体の2割程度にしかなりません。このことから、特定の国に人口が集中していることが分かります。

さまざまな商品の売り上げについても、似たようなケースがあります。
Aに分類される商品の種類が少ないケースで、少数の売れ筋商品が全体の売り上げの多くを占めているパターンです。

逆にAに分類される商品の種類が多い場合は、比較的多くの商品が売れているということになります。
裏返せば「キラータイトル」にも欠けているということになってしまいますが。

こうした商品の売れ行きの傾向をつかむことで、どの商品に重点を置くべきかが分かります。
同時に、売り上げの少ない商品について、検討を行う機会にもなるというわけです。
単純に考えれば、売り上げの少ない商品の販売をやめれば、経営におけるロスを減らせます。
ただ、飲食店経営においては、それだけでは片付かない問題があることも確かです。

ABC分析によるメニュー見直しとは

メニュー分析していますか?

では、実際にどのような感じでABC分析を活用していくのでしょうか。
下のサンプルの表をベースにして、説明していきます。

商品名価格販売個数売上額売上構成比累計売上構成比
A120025030000031%31%
B150011016500017%48%
C60022013200014%62%
D100090900009%72%
E90090810008%80%
F80080640007%87%
G125040500005%92%
H75060450005%97%
I110030330003%100%

この表の場合、前述の基準に従うなら、Aの売れ筋商品に分類されるのはAからCまでのメニューです。
DからFがBに、GからIがCに分類されることになります。

この飲食店の場合、メニュー全体の3分の1がAに分類されていることになりますから、比較的バランス良く商品が売れている部類に入るでしょう。
ただ、キラータイトルと呼べるようなメニューが、全体の3割を占めるAぐらいしかありません。
その点が、今後の課題のひとつとなってくる可能性があります。
同時に、売り上げ下位のメニューについても、検討が必要になってくるでしょう。
テコ入れをして売り上げを増やす、そもそもメニューから外してしまうなどの選択肢が考えられます。

メニューをどのように見直せばいいのか

メニュー分析していますか?

上の表を元にしたABC分析から考えられるのは、まず、Cに分類されるメニューの扱いです。
メニューから外すという選択肢がありますが、それだけで解決する話ではありません。
また、この店の場合は、いかにしてキラータイトルを生み出すかも重要になってきます。
売上高が大きいイコール、お金になっている商品とは言い切れないことも、留意しておく必要があります。

C分類のメニューをどう扱うか

まず、問題になってくるのは、Cに分類されるメニューの扱いです。
単純に外せばいいのではないかと考える人もいるでしょうが、それによって新たな問題が生じる可能性が高いです。
だからといって、Cメニューを放置しておくのは無策としか言いようがありません。
より売り上げを高めるための方策も、必要となってくるでしょう。

単にメニューから外すだけではダメ

まず、なぜ単にメニューから外すだけではダメなのかというと、外してもこれまでBに入っていたメニューがCになる可能性が出てくるからです。
これを繰り返していくと、どんどんメニューが減少し、最終的には極めてメニューの種類が少なくなってしまいかねません。これでは、来客数が増えるはずがありません。

また、数が少なくても、そのメニューを継続的に注文している人もいるでしょう。
メニューから外せば、間違いなくこういうお客さんを失ってしまうでしょう。
これでは縮小再生産でジリ貧になり、ロスを減らしてもメリットが小さくなってしまいます。
そうならないようにするためには、何らかの方策を考える必要があります。

一例としては、新メニューの追加が挙げられます。
Cから外したメニューの代わりに、新商品を入れてみようというわけですね。
ただ、その新メニューが外した商品よりも売り上げが上になってくれるかどうかは、未知数としか言いようがありません。
どうしてもリスクは高くなってしまうでしょう。

少しでもリスクを抑えるならば、人気商品のサイドメニューになるようなものが考えられます。
人気商品が売り上げを保っている限り、一定の売り上げが期待できるというメリットがあります。

化ける可能性があるメニューとは

そうしたリスクを考えるならば、現在Cとなっているメニューが「化ける」ようにすることを考えなくてはなりません。つまり、Bに入っていくようなレベルにテコ入れしていくのです。

上の表でいえば、HのメニューはBに分類されている商品と、販売個数には大きな差がありません。
にもかかわらずCに分類されているのは、単価が安いことが関係しています。
こうしたメニューが化けてくれれば、現在よりも売り上げに貢献してくれることは容易に想像できます。問題はいかにして「化けさせる」かです。

まず考えられるのが、現状の原価のまま、単価を上げることです。
ただ、この場合は単価を上げることで売り上げがどこまで減るかも、十分に検討する必要が生じてきます。
もうひとつ考えられるのは、安さを生かして販売個数をアップさせる方法です。
個数が増えて売上高がアップすれば、CからBになる可能性が出てくるというわけですね。

「キラータイトル」の必要性

先ほども触れましたが、上の表の場合は「キラータイトル」と呼べるほどのメニューがないことも確かです。
いかにしてキラータイトルを作るかも、重要になってきます。
目玉と呼べるほどのメニューがあれば、そのメニューを目当てにして来店するお客さんが増える可能性が高いです。
このお店のこのメニューが良いと、口コミで広がっていくからです。
例えば、SNSなどで名物メニューとして拡散されていけば、リピーターも増えていくでしょう。
結果として、現在よりもさらに大きな売上額が期待できるというわけですね。

上の表でいえば、キラータイトルとなる可能性が最も高いのは、全体の3割を占めているAです。
看板メニューになれば、他のメニューの売り上げ増につながる可能性もあります。

そのためには、2つの方法が考えられます。
1つ目は、思い切って価格を下げてしまうことです。より安い価格なら、さらに多くの数が出る可能性が高いからです。
ただし、価格を下げることで、1点当たりの利益は間違いなく下がります。
そのあたりのバランスをどう考えるかが、課題になりそうです。
もう1つは、何らかの付加価値を付けて価格をアップさせることです。
価格上昇のデメリットを、付加価値によって補うというわけですね。
ただ、これもうまくやらないと、単に価格を上げただけという結果になりかねません。
店にあった付加価値とはどのようなものかを、考えていく必要があるでしょう。

原価率の問題を無視してはいけない

もうひとつ注意してほしいのは、原価率の問題です。
上の表はあくまでも売上高のみをベースにしているもので、原価率が考慮されていません。
もし売り上げが多くても、原価率が高けれれば、実際の利益は必ずしも多くなるとは言えません。
仮に人気メニューであっても、薄利多売になりかねないということです。

逆に原価率が低ければ、仮に売り上げそのものは多くなくても、実際の利益については大きくなる可能性があるということになります。
そのあたりを確認するためには、実際の利益を元にしたABC分析を行ってみる方がいいでしょう。
そうすることで、実際に利益を出しているのがどのメニューか、より正確に把握できますから。

仮に上の表でAに分類されている商品でも、利益を元にすれば必ずしもAになるとは限りません。
逆に、Aに分類されていなくても、利益だとAになるメニューが出てくる可能性もあるのです。

まとめ

メニュー分析していますか?

このように、ABC分析を行うことで、現状の売れ筋メニューや、死に筋メニューを明確に把握することができます。
あとは、これをどのように生かしていくかです。
分析を通じて取れる方策は、多種多様です。
どの方策が自分の店に合っているのか、自分の店に合うメニューとはどのようなものなのか、考える必要があります。
つまり、ABC分析を生かせるかどうかは、最終的にあなたにかかっているということです。

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