会社が倒産する理由とその防止策とは
今は簡単に起業できる時代になりました。
インターネットで情報収集し、役場などに多少足を運ぶ必要はあるものの、ほぼインターネット上で起業の手続きも完了してしまいます。
資金的にも資本金0円から起業可能で、金銭的にハードルは低くなっています。これだけ簡単なら毎年起業する人が多いと予想されるでしょう。
実際起業する人の数は徐々に増加していますが、企業の数自体が増えているわけではありません。
なぜなら、起業しても倒産してしまう、最近起業した企業ではなく昔からある中小企業も倒産している、といったことが起こっているからです。
(国税庁の発表によれば、新規で設立された会社が、10年後に存続している確率はおよそ1割程度とのことです)
では、なぜ会社が倒産してしまうのでしょう、またどうすれば倒産を防げるのでしょう、これについて解説していきます。
会社が倒産してしまう理由
会社が倒産する理由を一言で言えば、経営不振です。
利益を確保できなくなり、最終的に会社が倒産します。
徐々に利益が減っていくケースもあれば、急激に利益が落ち込むこともあるでしょう。
ではなぜ利益がなくなってしまうのですが、それには複数の理由があります。
具体的には、以下のような理由が挙げられるでしょう。
- 販売不振
- 連鎖倒産
- 資本不足
- 経費の膨大化
- 社会的信用の低下
- 売掛金、債権回収の失敗
- 在庫状態の悪化
以上のような理由が挙げられます。
1.販売不振
会社の倒産理由として圧倒的に多いのが販売不振です。
ほとんどの企業はこれが原因で倒産します。
販売不振になるタイミングやその時の状況は会社によりけりですが、たとえば、最初は儲かっていたのに徐々に販売不振に陥った、急激に販売不振に陥った、最初から販売不振でそのまま倒産した、などのパターンがあります。
販売不振の原因も多岐に渡るので一概には言えませんが、商品を魅力的なものに替える、マーケティング戦略を練り直す、早期に撤退する、などの対策が求められます。
2.連鎖倒産
連鎖倒産も以外によくある倒産パターンです。
特定の得意先に売上を依存している場合、得意先が倒産することで自社も倒産してしまいます。
問題点、改善すべき点はそもそも特定の取引先に依存している状況でしょう。
リスク分散という意味でも、特定の得意先に依存している状況は好ましくありません。
3.資本不足
自己資本が少ない状態でも起業は可能ですが、業績不振に陥った際にすぐに倒産に追い込まれます。
特に原価のかかるビジネスで、自己資本が少ない状況はハイリスクです。
4.経費の膨大化
経費の使い方を、たとえば社員の裁量に任せる、自身でも使いすぎる、といった状況だとリスクが大きくなります。
特に好況の際は経費が膨大化しがちで、社員や経営者の私用にまで経費を使ってしまったりするケースが多々あります。
好況の際は良くても、不況に陥った際に経費の使い方を改めることができず、そのまま倒産に至る事例が多いです。
好況時に経費の使い方を見直し、不況時に備えることが重要です。
5.社会的信用の低下
経営不振やサービスの品質の悪さ、取引先に対する不義理などにより、社会的信用が低下することがあります。
社会的な信用が低下すると、金融機関から融資を受けられない、取引先に取引を断られる、売上が落ち込む、といったデメリットが生じます。
6.売掛金、債権回収の失敗
商品を掛けで販売したり、債権のまま放置していることは多いでしょう。
即時に現金を受け取る、振り込まれるといったケースの方が稀なので、多かれ少なかれタイムラグが発生します。
きちんと納期を設けている場合はまだ良いのですが、なんとなくそのままにしているケースも多いでしょう。
なんとなく、販売するまでが自社の責任で、買掛金、借入金をきちんと支払うのは取引先の責任である、という意識があるからです。
たしかにその通りなのですが、掛金がきちんと支払われずに困るのは自社です。
そしてそのまま倒産に至ってしまうようなケースも多々あります。
これを防ぐためには、場合によってはしっかりと催促する、取り立てる、という意識が重要です。
7.在庫状態の悪化
ビジネスによっては、在庫をストックしておく必要があります。
しかし在庫の保管状態が悪いと、売り物にならなくなってしまうことがあるでしょう。
在庫の状態が悪化するとコストが無駄になるだけでなく、回転も悪くなります。
とはいえ、状態の悪い商品を販売すると会社の信用問題に関わるので、在庫の管理は徹底する必要があります。
まとめ
会社が倒産する理由は複数ありますが、いずれにしても最終的に売上が悪化し、最終的に倒産に至ります。
これを防ぐためには、あらかじめ売上が悪化する理由を把握しておき、未然に防止することが重要です。
またそもそものサービス、商品に魅力がないと当然売上にはつながらないので、根本的な部分に問題がある場合、改善が必要です。