依然、衰えをみせない新型コロナの蔓延は、第三波の到来とも呼ばれ未だ終息の目途は見えません。
感染者数は一進一退の状況です。
初期の頃はしばらくしたら終息する、自粛を頑張ろう、といったムードでしたが、ウィズコロナというワードがすっかり定着し、今やアフターコロナも見えない状態のため、企業の業績回復も見通しが全く立たない状況と言えます。
いずれコロナも終息するのかもしれませんが、当然コロナ以前の社会に戻ることはないでしょう。コロナが終息しても、逆に何年も続くことになっても、時代は変化する、元に戻るという選択肢はないということです。
ウィズコロナ・アフターコロナで企業に求められること
ウィズコロナにせよアフターコロナにせよ、実は企業に求められていることはシンプルです。それは、リモート対応です。
消費者も自宅でものことを消費する時代で、企業間のやり取りもリモート化しています。
もちろんリモートでは対応できないものこともあり、たとえば遊園地で遊ぶのにリモートでは対応できません。
もしかすると今後リモートで楽しめるアトラクションなども出てくるかもしれませんが、当然直接遊園地で遊びたいというニーズはあります。
このようにリモートでは満たせないニーズもあるのですが、そうでない場合はリモート化が求められます。
特に企業間でやり取りする際にリモート対応を避けていると、相手にされなくなるでしょう。
なぜなら明らかに社会に対応する能力が低く、マナー違反とも言えるからです。
マスク装着と同じですが、単にコロナを防ぐというだけでなく、社会的な印象の問題もあります。
リモート対応しないことはマスクを装着しないのと同じことで、モラルに欠ける印象になります。
リモートでもできる業務をリモート対応にしないのは、モラル違反と言っても過言ではないでしょう。
ウィズコロナ・アフターコロナで伸びる業種
2020年はコロナ禍の影響により業種によって、企業業績は大きく明暗分かれました。
それも踏まえた上でウィズコロナ、アフターコロナではどのような業種が伸びるのでしょうか。
ポイントとしては、リモート化しやすい業種と、巣ごもり消費に関係する業種です。
巣ごもり消費もすっかり定番化したワードですが、家にこもって消費するということです。それでは具体的な業種をご紹介します。
ネットメディア、ゲーム業界
言わずもがなですが、ネットメディア、ゲーム業界は好調です。
特に動画配信サービスなどは爆発的に伸びていて、コロナでの自粛が多くなったから契約した、といった方も多いでしょう。
ゲームに関しても、一時期は停滞していたコンシューマーゲーム、もちろんソーシャルゲームは大盛況です。
任天堂のゲームソフト「あつまれ どうぶつの森」の大ヒットで、ゲーム機「Nintendo Switch」が品切れ状態が続いていたのは記憶に新しいところです。
いずれのサービスも利用者が増えたからといって、サービス提供側のリソースは変化しない点が特徴です。
サーバーに負荷がかかる分見直す必要がある、などはあるかもしれませんが、例えば物理的に物を売る業種やサービス業と違って、どれだけ消費者が増えても労力は変わらないのです。
変わるのは収益のみです。
爆発的に収益が増えるにも関わらず労力、人件費がそこまで変わらないので、コロナ禍においては最強、むしろコロナが背中を後押しした業種と言えます。
またソーシャルゲームなどは、プレイ時間が伸びると課金されるチャンスも増えます。
課金されても、ゲーム会社側にコストがかかるわけではないので、やはり収益性の高い業種と言えます。
家電業界
巣ごもりによって、家で家電を使う機会が増えたため、家電業界も盛況となっており、大手の家電量販店は軒並み売上増となっています。
テレワークへの移行で、PCやWebカメラなどの需要が増しており、特に郊外型店舗が好調だったようです。
ただし、やはりネットメディアやゲームに比べると劣る部分があります。
まず、家電はある程度そろえば、それ以上のニーズが少ないので、頭打ちになります。
また原価がかかり、生産にはコストや時間がかかります。
結果的に、品切れで消費者ニーズに対応できない事態も相次ぎました。
その一方で、これまでインターネット通販の影響で、売上は底這い状態が続いていたこともあり、近年は各社、家電の次の事業柱として、住宅・家具・インテリア、生活用品、デベロッパー事業など新たな業態開発に乗り出しています。
スーパーマーケット業界
スーパーやコンビニといった小売業が売れているという話も有名でしょう。
理由としては外食が減り、スーパーで食材を買って自炊する人が増えたためです。
調査によると、業界内では食品スーパーのライフコーポレーションが業績上方修正がもっとも大きかったというデータが出ています。
今後もスーパーでものが売れることは変わらないはずですが、ライバルも現れています。
デリバリーを始める飲食店などが増えたため、スーパーではなくそっちで買い物をする人が増えているためです。
とはいえ、みんながみんなデリバリーに頼るというわけではないでしょう。
デリバリーを好む人もいれば自炊を好む人もいます。
デリバリーを行う業者が増えたからといって自炊を続ける人はいるので、ライバルと言いつつも、デリバリーのヘビーユーザーとスーパーのヘビーユーザーは消費者の層が異なります。
物流
説明するまでもありませんが、物流業界はコロナにより市場が広がっています。
業界大手の、ヤマトホールディングスとSGホールディングスの2社はそろって業績向上しており、人手が足りないために、アルバイトのような形で別の業界の人を取り込んでいます。
最近は、置き配サービスも増加しています。
これは、玄関など指定場所に荷物を置き、配達員と非対面で、受け取ることができるサービスですが、コロナの感染拡大を防ぐという名目があります。
実際、配達員と接触しないことで、コロナの感染拡大を防止できますが、それよりも配達員の労力、時間を削減するという目的も大きいでしょう。
物流はネットサービスのように労力、時間を増やさずに消費者を増やすということはできません。
ニーズが増えればその分労力も必要になります。
今は物流業界の人手が足りていないので、置き配サービスは消費者よりも配達員にとってメリットの大きいサービスです。
もちろん、消費者も上述の通り、コロナの感染を防げるというメリットがありますが、もう一つ、単純に受け取らなくて済むというメリットもあります。
宅配ボックスがない場合、玄関で荷物を受け取るために、家で待機しておく必要があります。
自粛しているので、家にはいる人が多いと思いますが、配達を待つときはたとえば昼寝できなかったり、トイレに行きにくい、お風呂に入れない、といったデメリットがあります。
置き配のおかげで、自由にネット通販を利用しやすくなったという人も多いのではないでしょうか。
不利な業種の中で伸びる企業もある
上述の通り、コロナの影響で業績を伸ばしている業界もあります。
一方で、大半の業界は失速しています。
特に飲食業界や観光業界は大ダメージを受けたでしょう。
これらの業界でも、いち早くリモート化や新たなサービスを提供し、コロナ禍以前よりも業績を伸ばしているケースがあります。
ライバルが弱っている分、チャンスと言えなくもないのです。
例えば、観光地からのリモート配信、デリバリーの積極活用などで成功している企業もあります。
まとめ
コロナで業績を伸ばす業界、縮小する業界、一定の傾向があります。
巣こもり消費やリモートに強い業界は有利でしょう。
しかし縮小する業界の中でも、いち早くリモート対応することで、売上を伸ばしている企業もあります。
ウィズコロナ・アフターコロナの時代には、なるべく人と接触せずに利用できるサービス対応が当然ながら重要です。