10代、20代の若手起業家が事業を立ち上げて成功させるなど、若者の起業成功例を目にする機会も多いのではないでしょうか。
そのため、若い世代の人の中には、自分も起業したいと考える人もいることでしょう。
しかし、十分な計画も立てずに起業した結果、事業に失敗するケースも少なくありません。起業を成功させることは決して簡単ではないのです。
この記事では、若者が安易な起業で失敗しないための秘訣について解説します。
目次
起業したい若者が増加傾向
いま起業を考える若者が増えています。
このような増加傾向にある理由として、以下の4つが挙げられます。
終身雇用制の崩壊
これまでは、ほとんどの企業が一度就職したら定年までは安泰という終身雇用制を採用していました。
しかし近年は、成果主義の導入、人材流動化などが定着し、この制度はいまや崩壊しつつあります。
このため、サラリーマンをやっていても働き続けられる保証はなく、同じ会社に長くしがみついているよりは、体力や気力が充実している若いうちに起業にチャレンジした方が良いと考える若者が増えていることが理由のひとつです。
法改正や規制緩和で起業のハードルが下がった
平成18年に施行された会社法改正によって、会社を設立するための要件が大幅に緩和されたことも要因の1つと考えられます。
改正前までは、法人設立のための資本金が最低でも300万円必要(有限会社設立の場合)でしたが、改正後は資本金1円でも法人設立できるようになりました。
また従前は、株式会社設立のためには取締役3名、監査役1名を設置する必要がありましたが、改正後は取締役1名で設立できるようになるなど、会社設立の要件が緩和されています。
これらの改正のおかげで一人でも会社を設立することが可能になり、小規模での起業の増加に一役買っていると言えます。
簡単にビジネスを開始できる環境が整ってきた
現在はインターネットの普及により、スマートフォンやパソコンから欲しい情報が簡単に手に入る時代です。
起業に必要な情報やノウハウなども、インターネットである程度入手できるようになりました。
また、アマゾンや楽天市場のようなECモールをはじめとしたネットショッピングが普及したことにより、店舗を持たず費用を掛けずに誰でも気軽に商売を始められる環境が整えられています。
さらには、zoomなどのオンラインコミュニケーションの手段が普及したことで、現地に赴かなくても商談や打ち合わせができるようになりました。
政府が起業家支援を推進している
政府による起業家支援も大きな要因の1つです。
例えば、国は「スタートアップ支援策」と称して、起業を目指す人などに対し助成金や補助金制度、特例の融資制度など、さまざまな支援策を設けています。
また、商工会議所や商工会、税理士・会計士や、社会保険労務士、弁護士、銀行や信用金庫といった金融機関などの中から、小規模事業者や中小企業の経営のアドバイスについて一定以上のレベルを持つ「認定支援機関」を認定しています。
また、経済産業省が運営する支援情報サイト「ミラサポ」では、起業に向けた基本や、起業するためのステップといった起業に関する解説や、先輩経営者や専門家と情報交換ができるコミュニティ機能などを提供しています。
起業・創業を支援し日本経済を活性化!新たに生まれる中小企業を強力サポート|政府広報オンライン
これでは失敗する!?若手起業家の特徴
冒頭でも触れたように、安易な起業で失敗する若手起業家の事例は決して少なくありません。
ここでは、若手起業家が事業に失敗するありがちな原因について解説します。
特徴1. 起業の目的が明確ではない
テレビやインターネット上には、成功した若手企業家がたくさん出ています。そういった場面では苦労した点や工夫した点ではなくうまく言った部分にフォーカスされるため、簡単に成功できるように思えてしまい、だったら自分にもできるはず、と思いこんでしまいがち。
起業は、あくまで手段であって、事業自体に何らかの目的がなくてはなりません。何のために起業をするのかが明確でなければ、ビジネスの方向性が定まらず、事業を継続させていくためのモチベーションも生まれないため必ずと言っていいほど失敗してしまいます。
起業はあくまで手段であり、その先のビジョンや目的をしっかりしていなければ事業の軸が定まらずビジネスを継続させることが難しいでしょう。
特徴2. 資金計画をしっかり立てていない
事業は支出と収入を絶えず繰り返しながら行われていくわけですが、その収支のバランスをコントロールするために重要な役割を担うのが資金計画です。
資金計画がしっかりと立てられていなければ、どの程度の収益がいつ頃発生するのかといった収入の根拠が不明確なため、収入に対し支出が大きく上回り、最悪の場合には資金ショートを起こします。
資金計画は事業計画にも直結するので、いわゆるどんぶり勘定の事業では失敗する可能性が高いです。
特徴3. 挫折やリスクに対抗できない
事業を行っていれば、想定外のさまざまな問題やリスクに直面することも当たり前のように起こります。
起業家には、そんな時も諦めず、問題に対して正面から向き合い、「何としてでも乗り越える!」という強い精神力が必要です。
1度や2度の挫折やリスクで心が折れてしまうような精神力では、事業を長続きさせることは難しいでしょう。
特徴4. ひとりよがりなビジネス発想
自分がやりたいこと、やれることだけに目を向けて始めた場合にも、ビジネスは失敗しがちです。
ビジネスは、言うまでもなく商品やサービスを生み出す側と、それにお金を払ってくれる消費者の側がいて初めて成立するものです。
いくら優れた商品でも、利用者側が使いやすいもの、真のニーズを満たしているものでなければ、継続して利益を上げることは難しいでしょう。
成功を掴む若手起業家の特徴とは
では、どういった人がビジネスで成功を収められるのでしょうか。共通の特徴を見ていきましょう。
特徴1. 行動力とフットワークの軽さがある
成功する起業家には、行動力やフットワークの軽さが不可欠です。
事業を成功させるためには、しっかりと計画を立てることも必要ですが、頭に描いたことをすぐに実行に移す行動力がなければ事業のチャンスを失ってしまいます。
特徴2. 情報分析力と決断力がある
成功する起業家の多くは、優れた情報分析力と決断力を持っています。
ビジネスを成功させる上で、そのビジネスにどの程度勝算があるのか、どのような事業リスクが潜んでいるのかを把握するためにマーケットや事業動向の分析は欠かせません。
また、事業を継続しているとさまざまな岐路に立たされますが、想定されるリスクを考慮しながら事業の方向性を躊躇なく決められる決断力も事業成功の鍵となるでしょう。
特徴3. 積極的に知識・技術を習得する
若手起業家に限ったことではありませんが、ビジネスで成功する人の多くは、現状の知識や技術・スキルに満足せず、常にアップデートしていこうとする高い向上心を持っています。
ビジネスの環境は常に変化し、必要とされる知識や経験もより高度になっていくので、常に最新の情報などを取得しその時代に見合った商品やサービスを提供していける力が事業成功のためには必要と言えるでしょう。
特徴4. 柔軟性がある
社会環境や市場動向の変化などによって、サービスや商品が思うように売れない、新商品に押される、といったさまざまな課題に直面するケースが想定されます。
事業には、環境変化に合わせた見直しや時期変更など、状況に応じた臨機応変な対応が必要です。柔軟に対応するには、情報収集や方向転換の準備など、あらゆる先回りの行動が必須です。
【成功したいなら】まずこの2つは必ず押さえよう
では、起業にあたり、具体的に何からしていけばいいのでしょうか。まず欠かせない2つの行動ポイントを解説します。
起業の目的を明確にしょう
ビジネスを成功させたいなら、まず起業の「目的」を明確にしておくことがとても重要です。
次の3つのポイントに注目して考えてください。
自分は何のために起業したいのか
自分が起業することの意義や、そのビジネスを行うことの目的を明確にしてください。誰に何を、どのようにして提供したいのか、その商品やサービスによって社会に何をもたらすのか、というようなことです。
自分がどうなりたいのか
起業によって自分が将来どうなりたいのか、そのビジョンもしっかり描いてみてください。
事業には大きく2つのパターンがあります。1つは自分が生涯プレイヤーとして現場に立つこと。手に職を持っている人などはこちらが多いかもしれません。もう1つは、自分はオーナーとなり、人を動かしていくこと。事業が大きくなればなるほど、プレイヤーとオーナーの両立は難しくなっていきます。
起業は自分やその目的にとって不可欠か
中には、「起業家」のイメージに憧れて起業する人もいます。しかし、起業は成功するとは限りません。
多くの場合、サラリーマンの安定した生活を捨てて新たな世界に飛び込むことになります。当然それには、収入が不安定になるなどのリスクが伴います。
そうまでして起業する必要があるのか、そこも考えてみてください。
資金計画もしっかりと行おう
企業のプレスリリース配信サービスなどを手掛ける「株式会社スーパーウェブ」代表の豊永貴士氏は「そもそもファイナンスに対し知識が不足している経営者が多く、資金繰りの方法を勘違いしている人が多い」といいます。
事業は、「利益を上げる」ことが不可欠であり、そのためにはお金に関する知識は不可欠です。事業自体にどんなに精通していようと、資金繰りが上手くいかなければ存続はできません。
まずは資金調達。自己資金の確保はできているでしょうか。また、事業に必要な資金はどれくらいの額でしょうか。
商品の仕入れや単価はどれくらいですか?月々の売り上げ見込みは?このように、起業するなら資金についても考えることは山のようにあります。
成功するための起業の4ステップ
これまで失敗と成功を分ける特徴を見てきましたが、実際に起業するに際して成功のための4つのステップについて解説します。
STEP.1 起業する目的を徹底的に追求する
STEP.2 しっかりした事業計画書を作成
STEP.3 使える支援制度・融資制度などを調べる
STEP.4 専門家のサポートを賢く利用
STEP.1 起業する目的を徹底的に追求する
繰り返しになりますが、起業を成功させるためには起業する目的を明確にすることが極めて重要です。
したがって、起業目的を明確化する作業は徹底的に行いましょう。
一人で起業する場合には迷いが出てくるおそれもあります。
一人起業の場合であっても、家族や知人あるいは外部の専門家など他人による客観的な意見を踏まえながら、慎重に検討していくのがよいでしょう。
STEP.2 しっかりした事業計画書を作成
事業を正しい方向に導くために、事業計画書は念入りに作成しましょう。
事業計画書は、事業の方向性を定めるだけではなく、外部からの融資を受ける場合にも必須の書類です。
事業計画書の記載方法については特に決まりはありませんが、ビジョンや事業内容、売上計画などを明確に記載します。
特に融資を受ける場合には、融資審査の担当者に事業内容を理解してもらい融資する価値のあるビジネスであると認めてもらう必要があります。
経営者として想いが伝わるように分かりやすくまとめることが重要です。
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STEP.3 使える支援制度・融資制度などを調べる
自身の事業経営をアシストしてくれる支援制度や融資制度を調べておきましょう。
例えば、東京都が行う「創業助成事業」では、東京都における創業のモデルケースになりうる都内で創業予定の個人などに対して、賃借料、広告費、従業員人件費等、創業初期に必要な経費の一部を助成する取り組みを行っています。
また、日本政策金融公庫は、新たに事業をはじめる個人などに対して無担保、保証人なしで融資が受けられる「新創業融資制度」を提供しています。
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STEP.4 専門家のサポートを賢く利用
事業計画書の作成や創業融資の申請などは、専門家の活用も積極的に検討しましょう。
一人で起業の準備を進めることも可能ではありますが、創業融資を勝ち取るためには事業計画書の中身が重要であり、勘所を抑えた事業計画書を作成するためには専門家のサポートを受けた方が有利です。
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まとめ
いま若者による起業が増加傾向にありますが、安易に起業すれば必ずと言っていいほど失敗します。
起業の目的や事業計画、資金計画などを入念に検討し、起業に向けた事前準備をしっかり行うことがビジネスを成功させるために重要です。
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