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飲食店でサブスクリプションを導入する意義
サブスクリプション(定額課金サービス)と言うと、これまでは主に音楽配信や動画配信などで行われていましたが、近年ではそのサブスクリプションが飲食業界でも導入される事例が増えています。
今回は、飲食店業界で展開されているサブスクリプションについて解説します。
サブスクリプションとは?
一般的には、そのサービスを利用する度に料金を支払う形態となっていますが、サブスクリプションは、一定の期間に対して料金を支払うことにより、サービスや製品を無制限で利用することができる定額制のサービスとなっています。
サブスクリプションは略して「サブスク」とも呼ばれており、以前までは「定期購読」として新聞購読などがサブスクリプションの一例となっていましたが、現在では音楽配信サービスや動画配信サービスなど、数多くのサブスクリプション型サービスが存在します。
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飲食店がサブスクリプションを行うメリット
飲食店が、サブスクリプションを導入することで得られるメリットは様々です。
- 収益を安定して得ることができる
- 顧客のリピーター率を上げることができる
- 新規顧客の獲得につなげることができる
- 顧客の情報管理や情報収集を行いやすくなる
収益を安定して得ることができる
飲食は、時期によって売上が大きく変動する業界です。
例えば、歓迎会や忘年会・新年会などといった行事が多い時期に関しては、飲食店の利用率も高くなるため売上の向上がみられますが、大きな行事が少ない時期や雨が多くなってしまう時期の収益は、非常に大きな落ち込みがみられるようになります。
しかし、収益が落ち込む時期においてもサブスクリプションを利用する顧客数が、ある一定数いれば集客が見込まれない時期においても、収益確保が見込まれるため、結果、安定した業績を維持しやすくなります。
また、売上の見込みが立てやすく、必要な食材も適正量仕入れることができるため、食品のロスを抑えることができるメリットもあります。
顧客のリピーター率を上げることができる
飲食業界を継続していくためには、どの業界においても当たり前のことではありますが、利益を出し続ける必要性があります。
サブスクリプションを利用している顧客というのは定額制でお金を支払っているため、元を取るために何度もその店を利用する機会が多くなり、自然とリピーター率は上がってきます。
顧客のリピーター率が高くなればなるほど、その店舗で良く注文されているメニューの傾向や、評判の良いメニューを明確にすることができるため、その店舗の特徴を明確化しやすくなります。
新規顧客の獲得につなげることができる
複数人での店舗を利用する際に、もしサブスクリプションを利用している顧客がいれば、その店舗の料理のことや店舗の雰囲気などを事前に知っているため、その会員が新規顧客を連れてきてくれる可能性があります。
また、会員がSNSを利用して店舗情報を広めてくれば、それに伴って店舗の認知度向上にも期待できます。
顧客の情報管理や情報収集を行いやすくなる
単発での購入とは異なり、顧客の定着が見込まれるため、その注文履歴などから情報収集を行いやすくなります。
また、その注文履歴などの情報から顧客の傾向をデータ化し、それらのメニューをヒントに、新たなメニューの開発などにも活かすことができるようになります。
サブスクリプション導入にあたっての注意点
ここまでサブスクリプションのメリットを解説しましたが、導入するにあたって注意しなければいけないことも多くあります。
主な注意点を下記に挙げます。
- 導入するにあたってさまざまなコストが必要になる
- 在庫管理を計画的に行う必要性がある
- メニューの新規開発に努めて顧客を飽きさせない
導入するにあたって様々なコストが発生
サブスクリプションを多くの顧客に継続的に利用してもらうためには、しっかりとした計画と準備が必ず必要になります。
サービスを開始した直後は、その店舗でサブスクリプションを行っているという認知や、実施するにあたって必要な経費の管理など、会員数がある程度増えるまで準備が必要になるため、その分だけコストが発生します。
在庫管理を計画的に行う必要性がある
サブスクリプションを継続するためには、サービスの質の向上はもちろんのことですが、それ以外にも、常に注文できるだけのメニューとともに、追加注文しなくなるような魅力的なメニューを、どんな時でも出せるような状態にしておかなければいけません。
また、提供するメニューでの材料だけではなく、それ以外のメニューも常に提供できるだけの適切な量を仕入れる必要性があります。
仕入れにかかってしまう費用と材料のコストを無駄なく行うことが、サブスクリプションを行うにあたって重要になります。
メニューの新規開発に努めて顧客を飽きさせない
サブスクリプションは飲食店を定額制で利用することができるという大きなメリットがありますが、逆に言えば、来店回数が増えメニューに飽きられてしまうという危険性があります。
その他にも、お得であってもメニュー自体に魅力がなければ繰り返し利用したいと思われず、会員となったとしてもすぐに解約されてしまう可能性があります。
定番のメニューとともに、お得なメニューや新たに開発したメニューなど、常に魅力的なメニューを提供していく必要があります。
実際のサブスクリプション導入事例
ここでは、実際の導入事例について紹介します。
「東京豚骨ラーメンばんから」の事例
「東京豚骨ラーメンばんから」では、秋葉原店で月額6,800円で3種類のラーメンのいずれかが1日1杯無料の「ラーメンパスポート」を実施。
その他にも、月額300円でトッピング無料の「トッピングパスポート」、1,000円でトッピングの角煮を1回につき1個無料の「トッピング角煮パスポート」などのサービスを行っています。
「金の蔵」の事例
居酒屋チェーン「金の蔵」では、通常1,800円の「プレミアム飲み放題120分」が、月額4,000円で月3回まで利用可能な「プレミアム飲み放題定期券」を提供しています。
「coffee mafia 西新宿店」の事例
日本初の月額定額制コーヒースタンド「coffee mafia 西新宿店」では、月額3,000円・4,800円・6,500円と3つのコースを用意。
通常480円のハンドドリップコーヒーが無料をはじめ、金額に応じてお得なサービスを提供しています。
「串カツ田中」の事例
串カツ居酒屋「串カツ田中」では、月額500円で400円以下の対象のドリンクが、チケット購入日より1ヵ月間、いつでも何杯でも199円となる「田中で飲みpass」を展開中。
対象のドリンクには、プレミアムモルツなどが含まれており、お得感のあるサービスになっています。
まとめ
今回は、飲食店のサブスクリプション導入について解説しました。
サブスクリプションサービスを行うということはさまざまなメリットがあります。
しかし、継続してサービスを行っていくためには計画的に進めなくてはなりません。
今回解説した、メリットや注意点から、一度サブスクリプションの導入を検討してみてはいかがでしょうか。