起業家インタビュー #3株式会社55style 澤 竜一郎さん  

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大学卒業後、大手ゼネコンに就職し、山奥で建設作業員と寝食を共にしていたという澤社長。週末になると下山し、趣味のラーメンの食べ歩きを楽しんでいたといいます。
2年後、久しぶりに帰省すると、洋服屋だった実家がなんとラーメン屋に。
ラーメン屋が仕事になるんだと気づき、自身もラーメン屋を開業すると、開業1ヶ月目から行列ができる人気店となりました。
そんな自称「ラーメンオタク」の澤社長に、今回は税理士法人Bricks&UKの税務担当である柴田を交え、海外出店に関するお話を伺いました。

海外初出店はタイ

海外出店はどのように実現したのでしょうか?

大須の経営者仲間でアパレル店やってる社長がいて、「俺タイでOEMで服を作ってるんだよね。今度タイ人来るんだけど、ラーメン食べたいって言ってるから店に連れてくわ」って、連れてきたんですよ。
そしたらそのタイ人が、おいしいからタイでやりたいっていう話になったんだよね。
僕、やりたいって夢は叶えて上げようって性格だから、「ほんじゃやろうか」って。
タイ1号店できて、今48店舗になってる。
だから進出しよう!ではなく、頼まれごとがあったのは全部受けようと思ってやってきてる結果、という感 じです。

僕のイメージでは、ラーメン屋オーナーは「自分の秘伝のタレは誰にも明かさない、一子相伝だ」か、「契約書をまいて法整備して多角化していく」か、2タイプに分かれると思ってるんですけど、澤さんはどちらにも属さないニュータイプのラーメン屋さんですよね。 

そう。そうなんですよ。

48店舗まで広がった要因は何だと思いますか?

タイでこんなに広がった要因っていうのはね、今僕が良かったって思うのは、まず最初からがっつりお金を取らなかったことだよね。「まず始めましょうよ」みたいな、儲かったらそのとき契約すればいいよっていう話でやったの。参考になるか分かんないけど。

なるほど、、
海外出店している国は、タイ以外にどこがあるんでしょうか?

インドネシア3店舗、台湾2店舗、香港1店舗、中国が8店舗くらいでしょ、あとはフランス、オランダって感じですね。アメリカはシアトルで前やってて一旦やめちゃったんですけど、またやりたいな。
日本のコンテンツとして飲食業はラーメン、寿司いったらもう鉄板なので、これからも絶対いけると思うんですけどね。

濃厚魚介豚骨つけ麺

国ごとに違いはありますか?

やっぱりローカライズと日本の本物のラーメンっていうのをしっかりバランスとることが大事。だいたい海外で上手くいかないパターンていうのは、日本でこうやってるから、って風にするとほとんどうまくいかなくて、郷に入っては郷に従えっていうのをある程度聞いてあげてバランスを取るのが大事ですね。
ラーメンでいったらスープの濃度問題とかですね。

?濃度とは?

ようするに濃すぎたり薄すすぎたりです。
視察行ったときに現地の食とか見て、「あ、ちょっとここまでやると逸脱しすぎだな」とか調整してます。
あとは一番大事なのが塩分ですね。
国によって辛いと感じる国民もいるし、これだと薄いなと感じる国民もいる。たとえばヨーロッパだったら、日本より味濃いめにしないとダメですね。
フランスとか、めちゃめちゃ塩辛い文化なので、フランスのラーメン屋さんとか行くと、「日本人は、お湯足しますので言ってください」っていうのが貼ってあるぐらい塩分濃いんだよね。
赤道に近づけば近づくほど味って薄くなるんですよ。寒い地方の方ほど濃くなるんですよね。

そういった分析は経験から学んだんでしょうか。

経験と、やっぱり本だね。
食べ物の本読んだり、レシピ見たり研究する感じなんですけど、最終的には現地の子にこれ濃いか薄いか聞いて、みたいな感じでしょうか。
ローカライズは絶対必要なので、日本の味はこれだやり方こうだってやっても、まぁはまらないでしょうね。

以前、僕はタイのフジヤマ55さん食べに行ったんですけど、むちゃくちゃおいしかったですね。

タイの方が美味しいもんね。
タイはなんで美味しいかって言ったら、肉が新鮮なんですよね。
骨に肉がちょっと、(処理が甘いから)ついてるとか。それで美味しくなるんですよスープが。まず。
チャーシューも国産の方が単価が安いので、国産使えて。だからタイのチャーシューが一番おいしいんですよね。
現地でそういう得意な食材があると、おいしくなりますねー。

ブランディングの大切さ

海外進出にあたり、店舗イメージやデザインのポイントはありますか?

こだわりっていうか、いろんなデザイン僕もしたいから、勝手にロゴの色いじったりしてやってるってのが現状です。
ブランディングってやっぱ大事だし、最終的には経営側の美的センスを問われるな、と思ってます。そうじゃないと最終的にはブランドとして伸びないと思ってるんですよ。
VI(ビジュアルアイデンティティ)をきっちり固めないと、これから伸びないなと思ってる。
だから美的センスを高めるために意識的に美術館行ったり、最近はお茶を習い始めました。

それ僕初耳です!

海外のブランディングはどのように進めているんでしょうか。

向こうのパートナーと相談しながらやってますね。
海外では、VIとかCI(コーポレートアイデンティティ)とか作らないとダメだから、意識してこういう風にしていこうってやってますよね、やっぱりね。

中国とかめちゃくちゃビジュアルの意識高いですよ。
フランチャイズはめちゃくちゃかっちりとしないといけない。CIを最初に作って、ビジュアルイメージも、こういうパターンは絶対作ってね、みたいなのを最初に決めるんです。
そういう意識は僕は海外出てから気づいて、最近は自分の意識が低いと思ったからお茶を習いに行ったりするようになったんだよね。
意識して取り組むことが大事だと思います。

ちなみに澤さん唯一ともいえる中国での失敗談があって、フジヤマ55知ってらっしゃる方は、多分イメージするロゴ、ブランドイメージがありますよね?
あれ実は中国圏で別の方に権利取られてしまってるんで、55スタイルとしては使えないんですよね。

先にとられてしまったんですね!?

買取の交渉もしたんですけどダメでした。上海の提携事務所とかで何回もロゴの申請繰り返したんですけどね、、

中国ならではのお話ですね。

そう、ならではです。それはちょっと勉強になった。

コロナ禍を経て、今後の展望は?

今後はね、ビジョンとしてはやっぱり世界5大陸にラーメン屋出したい。「日本のラーメン文化を世界の人たちに知ってほしい。」というのもあるんで。最終的にはアフリカでしょ。
南アメリカ、もう一回アメリカ行って、南米行ってでオセアニア行って、、
でも結局人とつながらないといけない。
僕は誰かが連れて来てくれるんじゃないかと思ってやってますけど。今までもだいたい誰かが連れて来てくれたんでね。

はー(感心)

参考にならないですかね(笑)
でもね、よく「澤さんだからできるけど、他はできんじゃん」って言われるけど、そんなことないと思う。
僕はそれなりに勉強してきたから。
精神的な保ち方とか、マーケティングとかも勉強してきたんで、海外のパートナーに対してもこういうことした方がいいんじゃないって提案できる。

あとは、やっぱ体力大事にしてる。
やっぱね、体力がないとね、何にもできないと思うよ。
安定した提案もできないし、体が資本だから。
海外行くときめちゃくちゃ疲れるじゃん、でも僕あんまり疲れないから。疲れないっていうか楽しい方が大きい。

先日も何年かぶりにタイに行ったきたんだけど、30店舗回って、一番辺鄙なところだと飛行機乗って船乗って、最後は車でいけないからバイクで行くっていう。でも全然疲れない。

そんなところにも出店できるんですね。

うんできる。
価格とか全部ローカライズした現地ブランドを作ったから。

最後に「これはやった方がいい」ということがあったらぜひ教えてください

やりたいことはもうどんどん、ノリでやったらいいと思うんですけどね。
ただし、ノリでやる前にやっぱりマーケティングの勉強とかした方がいい。
ファイナンスは僕もあんまり勉強してなくてBricksさん頼みだけど、ファイナンスの勉強とかもした上でのノリが大事だよね。
ゼロの状態でのノリだとそれはもう、無茶みたいなもんじゃないですか

ファイナンスは我々税理士事務所なので、おまかせくださいませ。
現場でどう味を改良して売上を伸ばしてくか、ってことはもちろんできないんですけど、数字から見たコンサルティングっていうのを55スタイルさんに提供していきたいと思っております。

Bricks&UKの戦略的なファイナンスの観点が加わったってことで、一気に広がったってのはありますよね。

ある程度、やっぱベースがあったうえでの、すぐ始めてトライ&エラーっていうのが一番大事なんで、やっぱ勉強しなあかんのじゃないですかねぇ

マーケティングですか?勉強しないといけないのは

マーケティングと、あとは精神的なところ。
経営者ってとにかくいろんなストレスあるから、そこをうまくかわせるというか、自分で消化できることも必要だから、自己啓発の本を何冊も読んだ方がいい。
おすすめなのはやっぱり、会社の経営者の自伝みたいな本ですかね。1500円くらいで買えるから。最初はこういう風にしてきたとか、こういう失敗あってとか、そういうのが全部書いてある。そういうのを読むのが大事じゃないですかね

僕は松下幸之助とか全部読んでるから。10冊もあるやつ。
全集読んでるんでそういうのがベースで生きてると思うんですよ。絶対に。
経営判断って常にあるんで。
僕いつも言ってるんですけど、どんな人にもチャンスあって、そこが見えるか見えないかっていうのは勉強も絶対ある。「あ、この人、これチャンスなのにスルーしてるじゃん」っていうのいっぱい見てきたから。
勉強してないとたぶんつかめないよね、タイミングとか。

サラリーマンからラーメン屋のオーナーに転身した際のエピソードを伺った際には、「覚悟が大事」とおっしゃっていたのも印象的でした。
「強度をかけるところは、開業前と開業後が一番大事だから、そのステータスでは自分の精神的なところとか、体力的なところは限界までやった方がいいと思う」との事。
先輩起業家ならではの力強いお言葉だと思いました!

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