【残業代の計算は適切ですか?】
正しい計算方法でリスクを防ぐ!

残業代の計算は適切ですか?
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そもそも残業代とは

さて、そもそも残業代とは何を指しているのでしょうか?
残業代というのは、労働者と36協定を結んでいる事業主が、労働者に法定労働時間を超えて、時間外労働をしてもらう際に支払う割増賃金のことです。
36協定というのは、事業主と労働者との間で締結する労使協定のことで、これがないと、事業主は従業員に法定労働時間を超えて残業をしてもらうことはできません。
法定労働時間というのは、労働基準法に定められた労働時間のことで、1日8時間・週40時間です。

なお、法定労働時間を1分でも超えたら時間外労働となりますので、残業代が発生します。
また、事業主は労働者に、週1日の法定休日を与えなくてはならず、法定休日に労働してもらう場合にも、休日手当として割増賃金を支払わなくてはいけません。

残業代の計算方法

残業代の計算は適切ですか?

では、残業代というのはどのように計算するものなのでしょうか?
基本的に、残業代を算出する計算式は、次のとおりです。

【残業代=1時間あたりの基礎賃金×時間外労働時間×割増率】

通常の時間外労働の割増率は25%ですので、1時間あたりの基礎賃金が1,500円の労働者が1時間残業をした場合の残業代は、次の計算式により、1,875円となります。
1,500円×1時間×1.25=1,875円

1時間あたりの基礎賃金とは?

時給で働いているのであれば、時間外労働の計算も簡単にできますが、月給で働いている場合は、1時間あたりの基礎賃金をどのように算出したらよいのでしょうか?

【1時間あたりの基礎賃金=月額基準賃金÷1ヶ月の平均所定労働時間】

この、月額基準賃金には、基本給だけでなく他の手当も含まれます。
ただ、すべての手当を含めなくてはいけないわけではなく、除外できるものもあります。

残業代の計算から除外できる手当

月額基準賃金から除外できる手当は、労働基準法施行規則第21条に、下記のとおり明記されています。

  • 家族手当
  • 通勤手当
  • 別居手当
  • 子女教育手当
  • 住宅手当
  • 臨時に支払われた賃金
  • 1か月を超える期間ごとに支払われる賃金

これらは、例として挙げられているわけではなく、月額基準賃金には含まない手当として明示されたものです。
そのため、逆に言うと、ここに明示されていない手当は、すべて月額基準賃金に含まれるということになります。

1時間あたりの基礎賃金の計算事例

  • 基本給:235,000円
  • 家族手当:20,000円
  • 通勤手当:10,000円
  • 精勤手当:8,000円
  • 年間所定休日:122日
  • 1日の所定労働時間:8時間
  • 1年間の所定労働日数:243日(=365日-年間所定休日122日)

まずは、1か月の平均所定労働時間を、下記の計算式により算出すると、162時間になります。

【1か月の平均所定労働時間=(1年間の所定労働日数×1日の所定労働時間)÷12か月】
(243日×8時間)÷12か月=162時間

これをもとに計算すると、月額基礎賃金が243,000円(基本給235,000円+精勤手当8,000円)ですので、次の計算式により、1時間あたりの基礎賃金は1,500円となります。

【1時間あたりの基礎賃金=月額基準賃金÷1か月の平均所定労働時間】
243,000円÷162時間=1,500円

時間外労働の割増率

時間外労働の割増率は、25%と前述しましたが、実はそれだけではありません。
休日労働した場合、深夜労働した場合などには、もっと高い割増率が適用されます。

時間外手当

法定労働時間(1日8時間・週40時間)を超えた場合・・・25%以上
時間外労働が限度時間(1か月45時間・1年360時間等)を超えた場合・・・25%以上
時間外労働が1か月60時間を超えた場合・・・50%以上

休日手当

法定休日(週1日)に勤務した場合・・・35%以上
※法定休日に時間外労働をしても、別途時間外手当を支払う必要はありません。

深夜手当

22時から5時までの間に勤務した場合・・・25%以上
※深夜に労働した場合は、それが法定時間内であっても法定時間外であっても、法定休日であっても、別途、時間外手当や休日手当にプラスして、深夜手当を支払わなくてはいけません。

では、実際の労働時間にこれらの割増率を落とし込んでみましょう。

<ケース.1>

労働日月曜日~金曜日
労働時間9時~17時
休憩時間12時~13時
残業時間17時~23時

労働時間から休憩時間を抜くと、所定労働時間は7時間です。
時間外労働が割り増しになるのは、法定労働時間の1日8時間を超えたところからとなりますので、17時から18時までの残業代は割増にはなりません。

17時~18時割増なし
18時~22時時間外手当25%割増
22時~23時時間外手当25%割増+深夜手当25%割増

<ケース.2>

労働日月曜日から土曜日
労働時間9時から18時
(土曜日のみ9時から12時)
休憩時間12時から13時
残業時間なし

労働時間から休憩時間を抜くと、所定労働時間は8時間です。
日々の残業時間はありませんが、労働日が月曜日から土曜日までの6日間となっています。
そうすると、1週間の労働時間は合計43時間となり、法定労働時間の週40時間を超えてしまいます。
そのため、週40時間を超えた土曜日の3時間分が時間外労働となるため、この3時間分は25%割増で賃金を支払わなくてはいけません。

月曜日~金曜日割増なし
土曜日時間外手当25%割増

残業代の未払いによるリスク

残業代の計算は適切ですか?

残業代の未払いは、事業主にとって大きなリスクとなりますが、いったいどのようなリスクがあるのか、確認しておきましょう。

労働基準法違反となるリスク

残業代が未払いになるということは、つまりは賃金未払いということですので、とても重たい労働基準法違反です。
そのため、労働基準監督署から是正勧告を受けることがあります。
それでも改善されなかったり、悪質だと認められる場合には、逮捕・起訴されることもあります。
賃金未払いの場合には、6か月以下の懲役または30万円以下の罰金という、罰則規定が付いていることも忘れてはいけません。

労働意欲が下がるリスク

支払われるべき残業代を支払ってもらっていないとなると、従業員からの会社への信頼をなくしてしまいますし、従業員の仕事への意欲もなくなってしまいます。
従業員が気持ちよく意欲的に仕事をしてくれなければ、いずれ会社が立ちいかなくなるのは明白です。

従業員から訴訟を起こされるリスク

未払いの残業代があり、従業員との信頼関係が壊れてしまうことで、訴訟を起こされるリスクも出てきます。
しかも、訴訟を起こされるようなケースの場合、それは一人の従業員からだけだとは限りません。

多くの従業員から未払い賃金を請求されたうえに、遅延損害金もプラスされ、莫大な金額を負担することになる可能性もあります。
そして、賃金未払いにより訴訟を起こされたなどということになれば、世間からも白い目で見られ、会社には悪いイメージだけが残ってしまいます。
そうなると、会社には不利益にしかなりません。

残業代の未払いを回避する対策

残業代の計算は適切ですか?

とはいえ、わざと残業代を支払わないでいるという悪質なケースばかりではありません。
単に、事業主が残業代に関して正しい知識を持っていなかったがために、残業代の未払いが発生してしまったというケースも多く見られます。
残業代の未払いを回避するには、事業主が残業代について正しく知ることが大切です。
そして、抜け漏れがないよう、しっかりと労務管理できるシステムを導入することで、未払い賃金を発生させない対策になります。

見落としがちな時間外労働について

さて、本当は時間外労働としてカウントしなくてはいけないのに、時間外労働だと認識せずに見落としてしまいがちな業務もありますので、ご紹介しておきます。
あまりにも当たり前にやっていたため、それが時間外労働だということに気づいてさえいないケースもあり、注意が必要です。

  • 朝の清掃や朝礼…始業前に行うことを義務付けている場合
  • 研修…時間外や休日に参加を強制している研修
  • 昼休みの電話応対…昼休みも社内に拘束し、電話が鳴ったら対応しなくてはいけない場合
  • 接待…明らかに業務として行う接待

例えば、これらのケースが挙げられます。
法定労働時間外に労働者に会社側から依頼してやってもらっているものについては、時間外労働となりますので、残業代を支払わなくてはいけません。

残業代の一律支給に注意!

たまに、残業代を手当として定額払いにし、一律支給している会社があります。
もし、残業代を定額払いにするのであれば、その旨を就業規則などに明記しなくてはいけません。

また、実際の残業代よりも、定額払いの手当の方が多い分には問題ありませんが、少なかった場合には、残業代の未払いが発生してしまいますので注意が必要です。
万が一不足した場合には、当然、不足した残業代を支払う必要があります。

まとめ

残業代の計算は適切ですか?

今回は、残業代に関するリスクについて解説しました。
残業代の計算方法が間違っていると、賃金未払いが生じてしまう可能性があります。
正しい残業代の計算方法を知らなかったがために、賃金未払いが生じ、会社が思わぬリスクを負うこともあり得るのです。

逆に言えば、残業代の計算方法を正しく理解していれば、さまざまなリスクを回避することができます。
ぜひこの記事を参考にしていただき、賃金未払いが生じないよう対策をしていただければ幸いです。

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