
目次
創業計画書、略歴を記入する際のポイント5つ
創業融資を成功させるためには創業計画書が必須です。
なぜなら直接対面する担当者以外の内部の人にアピールするには、創業計画書しかないと言っても過言ではないからです。
また直接面談する担当者にも、口頭ですべてを伝えられるわけではないので、創業計画書という文書を充実することがもっとも確実なのです。
創業計画書は創業融資のための重要書類なのですが、中でもいくつかの重要な記入項目があります。
そのうちの一つが経営者の略歴等です。
今回は、創業計画書作成の際、知っておきたい経営者の略歴等の書き方を解説します。
略歴を記入する際のポイント5つ
経営者の略歴等を記載するポイントを5つ解説していきます。
ポイント.1 経験をアピールする
客観的な指標として、経験は確実性が高いと言えます。
当然ですが、事業に関係するアピールを行う必要があります。
この場合、起業した経験や完全に直結する経験でないといけないというわけではなく、類似する経験や、会社員としての経験でも役立ちます。
例えば、美容院で髪を切ってもらうとします。
そのときに二人の美容師がいました。
一人は「私は10年間〇〇という美容院で美容師をしていました。」と言っています。
そしてもう一人は「私は仕事で人の髪を切るのは初めてですが、美容師の専門学校を卒業してから10年間美容部員をやっていました。」と言っているとします。
実際の実力はわかりませんが、普通に考えれば多くの方は前者にお願いしたいと思うでしょう。
このように、実務と経験としては事業に近ければ近い方が説得力があります。
仮に前職が美容部員であっても、漁師としてマグロを解体していた、裁縫が好きで糸をよく切っていた、などと比べるとまだ近い経験と言えます。
美容部員だとカットの経験はありませんが、人の容姿を整えるという意味では近い経験だからです。
同じ切るでもマグロや糸だと髪とは全然違うので、経験として役に立つとは言えません。
素晴らしい経験であっても事業に直結しなければ、あまりアピールする価値はないでしょう。
ただし、まったく別の業界であっても、事業に成功したという経験があればアピールする価値は大いにあります。
事業に役立つ経験であれば、積極的にアピールすべきということです。
ポイント.2 スキルをアピールする
経験のアピールとスキルのアピールは似ているようで異なります。
経験は過去に何をしてきたかという話です。
スキルは今何ができるかです。
言い換えると、経験はスキルの根拠というイメージです。
つまり経験をアピールするのであれば、最終的に現状のスキルとして何ができるかをアピールする必要があるのです。
別の事業で成功した経験があるので経営のノウハウを持っている、居酒屋で創作料理を自分で考案しお客さんからも好評だったので、色々な料理を考案して作る自信がある、などです。
これは経験とスキルをセットでアピールするという意識が重要です。
ポイント.3 融資担当者にわかるように説明する
経験やスキルをアピールする際、これを書いて融資担当者に伝わるのか?という疑問が出てくるかもしれません。
結論としては、伝わりません。
実際、融資担当者はいろいろな業種の人と話しているので、ある程度伝わる可能性はありますが、伝わらないという前提で考えておいた方が良いでしょう。
そのため、例えばITスキルをアピールするなら、通販サイトの設計、プログラミングを経験した、官公庁のシステム開発でマネジメントの経験をした、などのアピールの方がわかりやすいです。
プログラミング言語の名前くらいなら伝わるかもしれませんが、フレームワークや実行環境の経験を書いてもあまり意味がないかもしれません。
要するに、業界の専門知識がない人が聞いてもわかる形でアピールすることが重要だということです。
ポイント.4 エピソードや感情を入れる
これは意外と見落としがちなポイントなのですが、スキルや経験にエピソードや感情を入れることは非常に重要です。
エピソードや感情と言っても壮大なストーリーが必要というわけではなく、たとえばなぜそのスキルを身に付けたのか、といったことです。
例としては、今後インバウンドで外国人が増えるので和食の需要が増えると思ったから和食に特化してスキルを磨いた、今後の社会はリモート化すると思ったからプログラミングスキルを磨いた、などです。
上記はあくまでも一例ですが、エピソードや思ったことを入れつつ説明することで説得力が増します。
融資担当者は先見の目がある、マーケティング能力がある、と判断する可能性も高いでしょう。
逆に言えば、融資担当者の評価にプラスにならないエピソードや感情を入れてもあまり意味がありません。
友達がトレーナーをやっているのがすごくかっこ良く思ったから、自分もパーソナルトレーナーになることにした、などです。
聞かれたら世間話程度に答えるのは問題ありませんが、明らかに創業計画書に入れるような内容ではありません。
実際、意味のないエピソード、感情を創業計画書に書いてしまうケースもあるので、限られたスペースに無駄なことを書くのは推奨できません。
あくまでも融資にプラスになるエピソード、感情を入れましょう。
ポイント.5 過去の失敗を含めてアピールするのもあり
過去に一度事業に失敗していて、再チャレンジしているという場合もあるでしょう。
その場合、過去の失敗の話は積極的に含めていった方が得でしょう。
なぜなら、過去の失敗から得た気付きや、その結果、今後改善していくべきことが見えているはずだからです。
物事にもよりますが、ネガティブにさえなっていなければ事業においては失敗経験はプラスに働くケースが多いでしょう。
ものすごく単純化して考えると、たとえば右と左の二択問題で一度失敗している人は次はほぼ100%成功します。
なぜなら前回の逆を選べば良いからです。
実際はもっと話は複雑で、以前は左だったものが右に変わるようなこともあります。
そのため、失敗したから次は絶対成功するというわけではないのですが、失敗を生かして次に進めるならプラスに働く可能性が高いということです。
もちろん反省がないと、次も同じことを繰り返すと思われるので、失敗の原因や対策を踏まえたうえでアピールすることは必須です。
まとめ

経験、スキル、失敗談、エピソード、感情、などアピールすべきポイントは多いです。
そしてこれらを、担当者に伝わるように説明する必要があります。
いずれにしても融資にプラスになること、つまり事業にプラスになることを含めなければなりません。
事業にプラスにならなければ、上記のどれも創業計画書に入れる価値はなく、創業計画書の限りあるスペースを無駄にすることになります。
そのため、まずは大前提として必ず事業にプラスになることのみを書く、という認識が重要と言えます。
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