企業間「レンタル移籍」を導入するメリット・注意点

企業間「レンタル移籍」を導入するメリット・注意点
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レンタル移籍で人材の確保や強化ができる

近年「レンタル移籍」という、新たな人材の交流システムが注目されています。
レンタル移籍とは、大手企業にいる人材がベンチャー企業などで仕事を行う仕組みです。
サッカーなどのプロスポーツ界で、選手が現在所属しているクラブとの契約を保持したまま、期間を定めて他のクラブへ移籍する制度として、よく耳にする用語ですね。
転職や子会社への出向とは異なり、大手企業に在籍したままベンチャー企業などで働けるのがポイントとなっています。
今回は、レンタル移籍の仕組みやメリットについてご紹介します。

レンタル移籍とは?

レンタル移籍は、簡単にいうと、企業間で契約を結んで大手企業の社員がベンチャー企業などへ出向するというものです。
2015年9月に「株式会社ローンディール」が、レンタル移籍プラットフォーム「LoanDEAL」を構築してサービスの提供をはじめました。

レンタル移籍は、企業、人材、レンタル先すべてにメリットをもたらします。
レンタル先に行く人材は、ベンチャー起業などスタートしたばかりの企業で事業立ち上げなどの経験を積んで成長します。
これは人材だけではなく企業にも利益をもたらすのです。

一方のレンタルする側は、大手企業の社員が持っている知識やノウハウを活用できます。
まさに、WIN―WINの関係となる魅力的な人材交流の仕組みです。
企業間のレンタル移籍などはこれまでありませんでしたが、サッカーなどスポーツの世界だと珍しいものではありません。

日本を含め、世界中のサッカークラブではトップレベルのチームから下位のチームへ、選手が期限付き移籍することが頻繁に行われています。
レンタル移籍は企業間でその仕組みを導入したことがユニークです。

レンタル移籍で人材を出す企業側のメリットとは?

企業間におけるレンタル移籍では、人材を出す側にも多くのメリットがあります。
レンタル移籍の活用を検討する上では、しっかりと理解しておきたいポイントです。
メリットを知り、上手に活用していきましょう。

大手企業の看板がない中で本来持っている自分の力が試される

一般的に大手企業の看板があれば、自然と周囲から一目置かれます。
しかし、レンタル先は無名というケースも少なくありません。

大手企業と比較して、当たり前のように確保している人員や、資金や物や情報などの経営資源も不足しています。
大企業の看板を失ったとき、人材は本来持っている力だけで仕事をこなさなければなりません。
その厳しい状況の中で、人材は自分の力を再確認できます。
強みもわかるかもしれませんが、逆に弱点や不足している力など、客観的に自分の力を確かめられる場になるのです。

同時に、大企業が持つ経営資源の豊富さが、どれだけ恵まれていたかも深く理解できるでしょう。
大手企業なら、豊富な資金も含めた経営資源も計算できて活用できますし、融資という点を考えても、社会的な信頼性が高いため容易です。

一方ベンチャーなどは、資金調達をするだけでも四苦八苦しなければならないですし、ひとつの失敗で、企業自体が大きく傾くことになりかねません。
人材はそのような中で修行できるのです。

人材を育成するまたのないチャンスを得られる

レンタル移籍では、ベンチャー企業などで人材に多くの経験を積ませることができます。
大手企業でも多くの経験を積ませることはできますが、ある意味完成しているところも多いため、その機会がない場合も多いのです。

あらゆる業務においてマニュアルがあり、仕組みも磨き上げられ、ルーティーンワークになっていることも少なくありません。
会社も部署ごとに役割が明確化しており専門性があります。
逆にいえば、人材はその部署以外の仕事に対し、柔軟に対応できないという問題もあるのです。

ベンチャーや中小企業では、ひとりの社員がさまざまな業務をこなさなければなりません。
業務などの仕組みが完成していないということは、これさえしていれば大丈夫といえる正解がないため、自分自身で考えなければならない場面も多くなります。
大企業ではなかなか得られない問題にぶつかり、乗り越える経験を繰り返すことで人材の成長が期待できるのです。

多種多様な業務を経験する中で広い視点や価値観を得られる

新規事業の立ち上げや日常業務も含め、社員ひとりが負担しなければならない業務は多岐に渡ります。
大企業では人員が十分に確保できているため、人手不足が業務に支障をきたすことも少ないでしょう。
しかし、人手不足のベンチャー企業などでは、考える必要がなかった分野をこなすことも求められます。

企画立案、業務によっては機器の設置、問い合わせへの対応から事務作業まで任せられることもあるでしょう。
しかし多くの業務をこなすことで、企業全体を俯瞰して見通せる力がつきます。
売上や利益が得られなければ、その影響はストレートに出てきます。
これは、大手企業の一社員という立場では得られない経験となるでしょう。

人材を受け入れるベンチャー企業などのメリット

レンタル移籍では、人材を受け入れる側の企業にも多くのメリットがあります。
受け入れることで、本当にWIN-WINになれるのか?
そのメリットをご紹介します。

やる気のある優秀な人材を確保できる

ベンチャー企業にとって優秀な人材の確保は悩みの種です。
メガベンチャーならともかく、スタートしたばかりなら、世の中に名を知られていないため、採用活動を積極的に行ってもなかなか人材を確保できません。
また、安定性という部分で見ても、就職先や転職先に選ばれないという問題があります。

業務の忙しさから新人を育てる余裕がないのも問題でしょう。
そのため、創業メンバーはやる気にあふれて優秀であっても、スタート以降の人材集めに苦労しているところが多いのです。

レンタル移籍を活用すれば、これらの問題を解決できます。
大企業が持っている知識や経験を還元できますし、人材は自発的に希望している人物です。
自分を成長させるきっかけと考えているだけあって、やる気にあふれていることも多いのです。
これはベンチャー企業が求めている人材に当てはまります。

人材に責任感があり事業に魅力を感じている

レンタル移籍でベンチャー企業に来る社員は、自発的で行き先も自分で決めています。
そのため、レンタル移籍の目的を理解しており、やる気があるだけではなく責任感を持っています。

一番大きいのは、レンタル先となるベンチャー企業の事業に魅力を感じていることでしょう。
会社から「○○社にレンタルで行ってくれ」と命令されているわけではありません。
自分から決められるのですから、レンタル先がどんな会社か、どんな事業をしているか徹底的に調べているはずです。
結果、レンタル先を決めています。

常識的に考えて、事業に魅力や共感しなければ「仕事をしてみたい」とは思わないでしょう。
レンタル先を自分で決められるのだからなおさらです。
また、一定期間とはいえ責任感も生まれます。
そのため受け入れる企業も「話が違った」で中途半端に仕事を投げ出すような人材を避けられるのです。

レンタル移籍を検討する上での注意点

もちろん、レンタル移籍は注意点もあります。
その注意点を守らなければ、悪い噂が立ち、レンタル移籍というユニークな取り組み自体が崩れ去るので注意が必要です。

まず、レンタル移籍は職業紹介サービスではありません。
優秀な人材だからとリクルーティングを行うのは禁止されています。
また、人材を送る企業も成長を期待しているため戻ってきたときに席がなかったということはありません。
そのため、人材もそのままレンタル先に転職することが少ないのです。

他にも、レンタル移籍は無期限ではなく期間があること、レンタル元とレンタル先、双方に費用がかかります。
レンタル元には、移籍期間中の給与や賞与や社会保険料や通勤費などが別にかかります。
このような注意点も理解した上で、レンタル移籍をするかどうか検討してみてください。

まとめ~レンタル移籍は人材教育と確保の面で利益をもたらす~

企業間「レンタル移籍」を導入するメリット・注意点

レンタル移籍を、すでに活用している企業はたくさんあります。
人材を送り出す企業の中には、世界的に知られている大企業も名を連ねているのです。
これもレンタル移籍というサービスに対してメリットを感じたからでしょう。

また、レンタル先になりたいと、手を挙げるベンチャー企業も多数あります。
どの企業も通常の採用活動ではなかなか得られない優秀な人材を一定期間とはいえ確保して、一緒に盛り上げて欲しいという企業ばかりです。
今後、レンタル移籍を活用する事例が増えていく可能性は高いでしょう。

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