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独立のための準備 店舗は?設備は?
近年、飲食業界でも人気の高いジャンルと言えば、ずばり「ラーメン店」が挙げられると思います。
人気が高いということは、当然ですがそれだけ競争も激しいということ。
ラーメン店の明暗は、準備段階で決まると言われています。
店舗にする物件、立地、内装や設備にかかる費用などで、オープン後の経営が上手くいくかどうかが決まってしまうということです。
そんな大切な開店準備の中でも、最も重要視すべき「店舗と設備」について見てみましょう。
これから開業準備を始めるのであれば、ぜひ参考にしてください。
ラーメン店に最適な店舗の条件
ラーメン店は流行り廃りのサイクルが早く、開業する人の多い業界であるのと同時に、廃業も多い業界でもあります。
店舗の立地や周囲の環境で、お店が繁盛するかどうかが決まるので、物件選びはとても重要です。
ここでは、ラーメン店に最適な店舗の条件をいくつかご紹介します。
店舗のコンセプトを明確にする
ここで言う「コンセプト」とは、言いかえれば「お店の方向性」の事を指します。
カフェや洋食屋などをオープンする場合は、お店のコンセプトを決めてターゲットを絞り、それに合ったお店作りをするのが通常です。
しかしラーメン店の場合は、コンセプトを決めずに開店してしまう人が多いのが特徴で、曖昧なコンセプトのために、経営が長続きしないことも少なくありません。
それでは、ラーメン店を開業する場合に想定できるコンセプトの例を、いくつか挙げてみましょう。
- 低価格で誰でも気軽に立ち寄れる店
- ラーメン通が納得できる味を、高単価で提供する高級志向の店
- 女性が一人でも食べに来られるようなオシャレな店
- 忙しいビジネスマンには嬉しい、どこよりも早くラーメンが提供できる店
こうした店舗のコンセプトを明確にすると、どんな立地にどんな内装の店舗を構えるべきか、単価はどれくらいに設定するのが最適か見えてくるはずです。
個人でラーメン店を開業する場合、味にばかりこだわってコンセプトを見失うことが多いので、まずはコンセプトを明確にして開業準備を進めましょう。
最適な広さの物件にする
ラーメン店は客の回転率が高く、カウンターだけの店舗でも十分採算がとれることも多いので、最初から広い店作りをする必要はありません。
実はある調査で、10~20坪の広さの店舗の廃業率が一番高いことが分かっています。
フランチャイズに加盟して、最初から知名度のある看板を掲げる際は、広い店舗でもいいのですが、個人で経営を始める場合は、店舗の規模が逆に「リスク」になる可能性があることも考慮してください。
「広さ=繁盛」ではないことをよく理解しておきましょう。
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ターゲットが入りやすい立地を選ぶ
店舗物件を選ぶ際には、ターゲットが入りやすい立地であることが必須の条件です。
例えば、車で来るお客さまを想定しているのであれば、広めの道路沿いで、どちらの車線からでも入りやすい場所が理想的です。
徒歩のお客さまを狙いたい場合は、交通の便が良く、ビジネス街や住宅街、居酒屋の近くなどに店舗を構えるとスムーズに集客できます。
開業する地域のライバルについて調査する
ラーメン店の場合、ライバルが多い立地が、必ずしも不利になるわけではありません。
ラーメン激戦区というのはメディアで取り上げられることも多いですし、ラーメンファンが集まりやすいというメリットもあります。
他のお店と味や雰囲気が被っていなければ、ライバルの多い環境で腕試しをしてみるのもいいでしょう。
逆に、近場に同じ味のラーメン店がない立地というのも、大きなメリットがあるので、あなたが希望している経営スタイルや、コンセプトに合っているのはどんな立地なのか考えて出店場所を決めましょう。
居抜きの場合は以前の店舗について調べる
開店に向けて物件を探していると、不動産業者などから、居抜き物件を薦められることもあるでしょう。
居抜き物件は、準備する設備が少なくて済むのでコストを抑えて開業できます。
また内装も手を加える必要がなければ、より短期間で開店に漕ぎつけることができますので、物件の賃貸費用も抑えることが可能です。
一見すると良いことばかりのようですが、居抜き物件の場合は、以前使っていた店舗のイメージを引きずることがあるので注意が必要です。
例えば、味が不評だったらラーメン店が使っていた物件の場合、どうしても味に不信感を持たれやすくなります。
お店の名称が変われば、簡単にイメージが払しょくできると軽く考えるのは危険なので、契約する前に一度しっかり調査してください。
内装にお金をかけすぎない
資金に十分な余裕があれば、自分の理想の内装にする方がいいのですが、そうでなければ、オープン当初は、内装にはできるだけお金を掛けすぎないようにしましょう。
こだわりを持つことは大切ですが、極端にリソースが集中してしまうのも考えものです。
資金繰りが上手くいかなくなると、ラーメンの味や接客に悪い影響が出ることが多く、経営が悪化しやすくなります。
開業資金はできるだけ抑え、資金に余裕を持って開業することをおすすめします。
ラーメン店に必要な設備
ラーメン店を開業するのに必要な資金は、おおよそ1,000万円前後になります。
資金に余裕がなければ、居抜き物件や中古の設備を活用すると、 初期費用を抑えることができます。
場合によっては設備が無料で譲渡されることもあるので、そういった物件はあるか、不動産業者に確認してみるもの手でしょう。
無駄な買い物を抑えたり、上手く中古設備を見つけたりするには、早めに必要な設備を理解しておく方がいいでしょう。
まず、ラーメン店開業に必要な厨房設備は次のとおりです。
- ガス台・コンロ
- シンク(2槽以上)
- スープレンジ
- ゆで麺器(麺ゆで釜)
- 冷蔵冷凍庫
- 製氷機
- 作業台
- 鍋類
メニュー次第で必要になる厨房機器には、次のようなものがあります。
- 炊飯器
- 餃子焼き器
- 製麺機
- 冷蔵ショーケース
他に、店舗で必要になる設備や備品は、次のとおりです。
- テーブル・イス・箸箱(箸入れ)・卓上調味料容器
- レジ周辺機器
- 空調設備
- 各所の掃除道具など
これらの設備は、早めに探し始めると掘り出し物が見つかることがあります。
あなたのお店で提供するメニューを早めに決めて、設備探しを効率的に進めましょう。
まとめ
正しい店舗選びと、無理のない設備投資ができれば、後は時代に合った効果的な広告を打つことで、お店は認知されるようになります。
ラーメンという味の誤魔化しがきかないメニューを出すのですから、味にこだわるのは当然です。
ただ、長期に渡って愛されるお店を目指すには、味以外のことにも十分こだわって、あなただけのオリジナリティを発揮し、お店を繁盛店にしていきましょう。