ペットショップの開業には何が必要?
資金や登録、注意点について解説

ペットショップの開業には何が必要?資金や登録、注意点について解説
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コロナ禍で外出自粛が増える中、寂しさを解消するためかペットの需要が高まっていると言われています。

最近では「ペットは家族の一員である」という価値観を持つ人も多くなってきました。
そのためペットフードや飲料にもこだわる人が増え、衣料品やペット保険など様々な関連商品にまで需要が広がっています。

こうした流れの中で、自らペットショップを運営したいという人も少なくないのではないでしょうか。
ペットショップを運営するには、単に動物好きというだけでなく、登録・資格などの各種手続きや経営の知識、ノウハウも必要です。

この記事では、ペット関連市場の動向から開業に必要な費用や開業方法、開業するときの注意点などをまとめました。

拡大するペット関連市場と新たな業態

ペットの代表といえば犬と猫ですが、犬・猫全体の飼育頭数は近年、減少傾向にあります(ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査(2020))。

しかし2019年から2020年にかけて新規飼育者の飼育頭数は増加しており、犬は1.14倍、猫は1.16倍になりました。
この拡大幅は過去5年間の中で最も大きいものですが、やはり昨今のコロナ禍の影響によるペット需要の伸びが新規飼育者数の増加を牽引していると考えられます。

具体的にはペット関連のどのような需要が伸びているのか、さらに詳しく見ていきましょう。

ペット関連市場の最新動向

矢野経済研究所「ペットビジネスに関する調査(2021年)」

矢野経済研究所「ペットビジネスに関する調査(2021年)」よりペット関連総市場規模推移と予測

ペット関連の市場規模は拡大傾向にあります。
コロナ禍で在宅時間が長くなったことでペットと過ごす時間が増え、ペット関連市場の規模は前年度比で3.4%増加しました(矢野経済研究所「ペットビジネスに関する調査(2021年)」)。

これは単にペットの飼育数が増えたことが原因ではなく、ペット関連商品の売上増による部分も大きいと考えられます。

例えば新規飼育者が増えたことでケージや食器・首輪などの需要が伸びたほか、ペットシーツやトイレ用猫砂などは在庫を確保しておきたいという飼い主の需要により伸びています。
また最近ではペットに食事以外の「おやつ」を与えることも一般化しており、猫用スナック・液状おやつの売り上げも伸びました。

さらにペットの家族化によってこれまでになかった高単価の商品も売れています。例えば迷子にならないためのマイクロチップやペット保険などは近年普及してきたものです。また、医療の発展に伴う平均寿命の延びで、高齢のペットのためのおむつなども売れています。

新たな形態の総合ペットショップも登場

以上のような市場動向を踏まえると、ペット市場は生体の販売だけでなく関連市場を含めて多様化していることがわかります。
そのため、今後はペットそのもの(生体)を販売するだけでなく、ニーズに合わせた関連商品を販売していくことが、ペットショップ経営成功のカギと言えるでしょう。

実際、最近の総合ペットショップは単に関連商品を販売するだけではなく、独自の付加価値を付ける工夫をしています。

例えば2021年4月に奈良県でオープンした「ひごペットフレンドリー奈良パワーシティ店」は、犬や猫・鳥・小動物・魚類・爬虫類・両生類・昆虫など多種の生体、豊富な関連商品に加え、トリミングやペットホテルも完備した「総合ペットショップ」です。

また同じく2021年4月にオープンした新潟県三条市の総合ペットショップ「NICO PET(ニコペット)三条店」では、手術が可能な総合病院やトレーニング施設を完備しています。
ここでは本格的なレッスンを行う「犬の幼稚園」も併設しており、新しいタイプの総合ペットショップとして注目されています。

ペットショップの開業に必要な資金

ペットショップの開業には店舗用の物件取得費から内外装工事代・什器費まで、あらゆる費用がかかります。

開業に必要な費用を大まかにまとめてみました。

【物件取得費用・例】

保証金400万円
礼金40万円
仲介手数料40万円
前家賃40万円

【店舗投資費用・例】

店舗内外装工事300万円 
什器・備品等100万円

【運転費用・例】

仕入れ費用200万円  
人件費100万円
家賃・水道光熱費60万円
宣伝・広告費20万円

合計:約1,300万円

ペットショップは店舗経営の中でも比較的広い土地を必要とするため、物件取得費・店舗内外装費は高額になりがちです。

また什器費は生体を展示するショーケースが必須になるほか、トリミングサロンやペット用品の販売を行う総合ペットショップならさらに什器費・備品代が高額になるでしょう。
ランニングコストとしては、通常の家賃光熱費に加え、ペットの飼育費がかかることもペットショップの特徴です。

フランチャイズの場合には毎月ロイヤリティが発生し、その金額は数十万円程度かかることもあります。

上記の計算はあくまで一例であり、扱う商品や店舗の規模によっても金額は大きく異なります。
いずれにしても店舗運営ではある程度高額な費用がかかるので、1,000~1,500万円以上は覚悟する必要があるでしょう。

開業方法の選択

ペットショップを開業するにあたり、フランチャイズに加盟するか、店舗を賃貸するか、自宅開業するか、といったいくつかの選択肢があります。

ここではこれらの開業方法のメリットやとデメリットを紹介していきます。理想とする店舗の姿や自身の知識・経験などから考え、自分に合った方法を選ぶのも成功のポイントです。

自宅開業のメリット・デメリット

自宅開業のメリットは店舗取得費がかからず、初期費用やランニングコストが大きく抑えられるということです。
自宅を一部改装するなどしてお店をオープンするため、建設費用がかからず、賃貸料も必要ありません。

また、自宅開業には生体の管理もしやすいというメリットがあります。
自宅で常に生体を管理できれば、体調の変化にも気づきやすく、急なトラブルに対処することもできます。

一方デメリットとしては、まず自宅の立地がペットショップとして好立地であることが少ないことが挙げられます。立地の選び方については後述しますが、集客には店舗の立地も重要です。

また、独立店舗と違ってスペースが狭いため、できることが限られるというデメリットもあります。
例えば前述の総合ペットショップほどでないにしても、トリミングやペットホテル、ペット用品の販売ショップなどを併設したい場合、自宅の一部を改装するだけでスペースを確保するのは困難でしょう。

もう一つ問題となるのは、動物の臭いや鳴き声により近隣からの苦情がくる恐れがあるということです。
生き物を扱う以上、臭いや騒音は避けることができないため、オープン前に近隣住民からも理解を得る必要があります。
中には動物アレルギーを持つ人もいるので、自宅開業自体が困難となる可能性もあります。

フランチャイズのメリット・デメリット

フランチャイズの一番のメリットは、開業から店舗運営全般まで本部のサポートを受けられるということです。
フランチャイズなら営業に必要な知識・ノウハウを学ぶことができますが、特にペットショップ経営では仕入れがとても大事です。

ペット選びは大切な家族を決める大事なことなので、お客さんは生体が健康で元気かどうかをシビアに見て選択します。
良質な個体をいかに仕入れるかが売上に直結するため、仕入れ先業者の質も重要です。

その点、フランチャイズであれば仕入れルートがしっかり確立されており、安定した仕入れを確保できます。

一方デメリットとしては、ペットショップに限らずフランチャイズ全般のデメリットとして、加盟料・ロイヤリティが発生することが挙げられます。
ロイヤリティは月に数十万円もかかることがあり、売上によっては資金繰りがかなり苦しくなるかもしれません。

ペットショップの開業に必要な登録

ペットショップ開業には登録が必要ですが、この登録に際して必要とされる「動物取扱責任者」の取得要件について、法改正による変更がありました。
さらにこれとは別に2022年(令和4年)6月からは、犬猫へのマイクロチップ装着が義務化されるという法改正も決定しています。

これらの法改正もこれからペットショップ開業を考えている方にとって大きく関わることなので、登録要件と合わせて詳しく見ておきましょう。

第一種動物取扱業者の登録

営利目的での哺乳類、鳥類、爬虫類の取り扱いには、第一種動物取扱業者の登録が必要です。
登録には都道府県知事等からの許可が要るので、各自治体に申請しましょう。

この第一種動物取扱業者に登録した場合、動物の健康と安全をきちんと維持・管理しなければなりません。
動物の管理には環境省令で定める基準を遵守する必要があります。
登録に関しては、各都道府県の動物愛護担当部局などに申請をしてください。

なお登録には手数料が必要ですが、各自治体によって料金が違うため例として東京都の場合を挙げておきます。

【東京都の場合】

申請手数料は1種別につき15,000円です。同時に多種別を申請する場合には、下表のように割安となるように設定されています。

1種別15,000円
2種別(同時申請、以下同様)25,000円
3種別35,000円
4種別45,000円
5種別55,000円

登録の条件として、1店舗ごとに1人以上の「動物取扱責任者」の設置が必要です。動物取扱責任者については次で説明します。

動物取扱責任者

動物取扱責任者は、ペットショップの店舗に1人以上の設置が必要な資格です。
2021年(令和2年)6月の「動物の愛護及び管理に関する法律(動物愛護管理法)」の法改正で動物取扱責任者の資格取得要件が厳しくなり、資格の取得には実務経験が必須となりました。

具体的には、一定の大学・専門学校等の卒業もしくは一定の試験に合格した上で、常勤6カ月以上の実務経験が必要です。
なおこの要件の緩和措置として、「実務経験と同等と認められる1年以上の飼養に従事した経験」があれば、常勤の実務経験はなくて良いともされています。

「実務経験と同等と認められる飼養」にはアルバイトやパート・ボランティア経験などが入ると考えられますが、各自治体の判断にもよるので一概には言えません。

詳細は必ず各自治体に問い合わせて確認してください。

マイクロチップ搭載の義務化

マイクロチップとは、ペットそれぞれの個体を識別するための器具です。
大きさは直径が2mm・長さ約8~12mm程度の小さなものであり、チップに記録された15桁の数字によって個体の識別ができます。

最近は、万が一ペットが迷子になっても見つけられるようマイクロチップを使用する飼い主が増えていますが、マイクロチップには遺棄されたペットの飼い主を探し出す役割もあります。

そこで2022年(令和4年)6月1日より、ペットを販売する業者に対して犬猫のマイクロチップ装着が義務化されることになりました。
法律が施行された後は、マイクロチップなしで犬・猫を販売することができません。

マイクロチップ装着には一般的に5,000円程度の費用もかかるので、これから開業を考えている方はこのことを頭に入れておく必要があるでしょう。

ペット業者の飼育数制限

当初予定されていた2021年6月の施行は先送りになりましたが、改正動物愛護法に基づき「繁殖業者やペットショップが犬猫を飼育・管理する際に、飼育者1人あたりの飼育数の上限を定める規制」が段階的に導入されることになっています。

環境省はこれを、一部の悪質なペットショップなどを規制するための数値規制としています。しかしペット関連の業界団体や一部の繁殖業者からは、経営が成り立たなくなり廃業に追い込まれる中小・零細業者も出るとして「繁殖用の犬猫が行きどころを失う」「殺処分が増える」など強い反発の声が挙がっています。

省令通りに完全施行されるのは2024年6月なので、今後の開業を検討するならこの数値規制についても頭に入れておきましょう。

ペットショップを開業するときの注意点

ペットショップを開業する上で、いくつか注意しておかねばならないことがあります。

他の業種の店舗経営と同じように考えていると気が付かないことも多いものです。開業前にきちんと確認しておいてください。

開業する場所・地域の選択

ペットショップを開業する上でも、他業種と同じく立地は重要です。基本的にはやはり、人通りの多い繁華街や、家族連れがたくさん来るショッピングモールのテナントなどが好立地でしょう。

もっともペットショップの場合、単純に人通りの多さだけではなく、店舗の形態にも工夫が必要です。

例えばトリミングをするなら住宅やペット可マンションが多くあるなど、ペットを飼っている人が多い地域を狙った方がより多くの集客が見込めますし、ドッグカフェを併設するような場合は近所に公園やドッグランがあれば立ち寄ってもらえる可能性が高く、適していると考えられます。

このようにお店の特性に合わせてお客さんの利便性やニーズを考えて検討することが大切です。住宅街の自宅開業で費用を抑えるなら、より集客に力を入れる必要があるでしょう。

物件探し

自宅開業をする場合を除いては、店舗となる物件を探す必要があります。
必要な広さとしてはお店で取り扱う商品・サービスの内容にもよりますが、最低でも10坪程度、また生体の販売だけでなくペット関連商品の販売・トリミングなども行うのであれば20坪以上は欲しいところです。

ペットショップには騒音や臭いの問題があるため、物件のオーナー側が難色を示すこともあります。
ペットショップがあった場所の居抜き物件から探すと許可は下りやすいと考えられますが、立地のせいで経営が上手くいかなかったなどのマイナス要因がないかどうかを確認する必要があります。

騒音・防臭対策

繰り返しになりますが、ペットショップには動物の鳴き声・臭いなどがつきもののため、立地を決める上では物件のオーナーや近隣住民の理解を得る必要もあります。

特に自宅開業の場合、近隣は一般の住宅なので開業に理解を得ることは必須でしょう。
説明を怠りきちんとした理解を得ておかなければトラブルに繋がることもあり、商売がしにくくなる、あるいはできなくなるおそれもあります。

開業に適していないとわかったら別の立地を探すようして自宅開業には無理にこだわらないよう注意してください。

適した人材の採用

ペットショップ経営は生き物を扱うという点で、店舗経営の中でも特殊な事業と言えます。
各店舗に最低1人以上の動物取扱責任者が必要であるという法律に基づいた制限もあり、きちんとした知識と責任感のある人材を確保することが大事でしょう。
動物取扱責任者が増えれば複数店舗の出店など事業を拡大することもでき、経営上のメリットもあります。

優先的に採用するべきなのは専門学校の卒業資格や実務経験がある人ですが、未経験の場合でも動物を扱う仕事を任せられそうな責任感のある人材は、積極的に採用するとよいでしょう。動物虐待や業務怠慢による事故などが起きないよう、人材選びには慎重になることをおすすめします。

仕入れルートの確保

生き物の仕入れでは、元気で健康な生体を安定的に仕入れることができるルートを確保しておくことがとても重要です。

ペットショップを利用する人には、ペットを家族、あるいはステイタスのように考える人も数多くいます。
健康状態に問題はないか、毛並みがきれいに揃っているかなど、細かいところまでチェックされてもよいように、信頼できるブリーダーからの仕入れルートを確保しておく必要があります。

中には劣悪な飼育環境で生体を育てているような悪質なブリーダーもいるので、しっかり見極めて取引先を選んでください。

資金調達

ペットショップ開業には、1,000万円を超える多額の資金が必要です。
開業前には必ず資金の調達方法を考えておかねばなりません。

貯金しておいた自己資金のほかにも退職金などを利用したり、家族・知人からの援助が受けられるのであればそれを活用することもできます。
それでも足りない分は融資を受けることになるでしょう。

融資には民間金融機関・保証協会の制度融資・日本政策金融公庫の融資などの選択肢がありますが、日本政策金融公庫の新創業融資制度であれば、担保や保証人なしで利用することができます。

国や自治体による補助金や助成金などがある可能性も高いので、事前に調べておくのが得策です。

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まとめ

ペットショップの開業には何が必要?資金や登録、注意点について解説

ペットショップ開業にはまず市場の動向を把握して、人気の動物・売れているペット関連商品を押さえておく必要があります。
その上でどのようなお店を開業するかをよく考え、立地選びや資金調達などの準備を進めていきましょう。

特に資金調達に関しては1,000万円を超える多額の資金が必要になることも多いため、自己資金だけでなく融資も視野に入れておかなければなりません。

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