ネイルサロンを開くのに資格や営業許可は必要ありません。
スキルと場所、そして資金さえあればすぐにでも始めることができます。資金は最低でも100万円、150万円~350万円ほどは用意しておきたいところです。
ただ、経営の成功は簡単ではないので、安易に始めるのは危険です。
この記事では、ネイルサロンの開業に必要な知識や手続き、失敗しないためのポイントを解説します。
目次
ネイルサロンの開業に必要な資格や手続きとは
まずはネイルサロンの開業手続きについて見ておきましょう。
ネイルサロンの開業に資格や許可は不要
冒頭で触れたように、ネイルサロンの開業には、美容師のような免許や、飲食店のような営業許可は必要ありません。
ただ、基礎は重要であり、自分のスキルを確実に適正にレベルアップできるほか、客目線でも、「ネイリストとしての技術が確かなこと」はサロンの大前提です。
資格は技術を客観的に示す肩書ともなりますし、そもそもネイリストとして働くための必要条件とするネイルサロンも多く見られます。
持っておきたい資格
ネイリストとしての知識やスキルを学ぶため、専門学校に通うなどして次のような資格を取るのが一般的となっています。
代表的なものに、次のような資格があります。
- 「JNECネイリスト技能検定(1~3級)」
- 「JNAジェルネイル技能検定(初級・中級・上級)」
- 「I-NAIL-Aジェルネイル技能検定試験(1~3級)」
独学で技術を取得して開業することも可能ではあります。
しかし、知識に偏りが出たり、自己流の施術がトラブルにつながったりするおそれもあり、リスクを考えるとおすすめはできません。
また、自分の店を持つからには、施術スキルだけでなく安全面での資格も持っておくと安心です。
NPO法人日本ネイリスト協会によれば、2022年9月末時点で86,500名以上の人が「ネイルサロン衛生管理士」の資格を持っています。
個人事業主として税務署への開業届が必要
業種にかかわらず、個人で事業を始めたら「個人事業の開業・廃業等届出書」を記入し、税務署に届け出る必要があります。
開業届は、開業日から1カ月以内に、管轄の税務署に提出します。開業前でなく開業後に提出してください。パソコンからe-Taxで提出するか、書面を持参あるいは郵送します。
また、この際に「青色申告承認申請書」を一緒に提出するとよいでしょう。
開店した年から確定申告を節税効果の高い青色申告にするには、この申請書を開業日から2カ月以内に提出する必要があります。
ネイルサロンを開業するまでの流れ
では、ネイルサロンをオープンさせるまでの流れを見ておきましょう。テナントや店舗物件を借りる場合をもとに説明していきます。
- コンセプト・ターゲットを決める
- 競合や市場の分析をする
- 出店エリアを決め、物件を探す
- 工事業者に相談、業者を選定する
- 事業計画書を作成する
- 資金調達をする
- 内装工事・インフラの導入
- 什器や備品を用意する
- 広告宣伝を始める
- オープン前のシミュレーションを行う
- 店をオープンさせる
- 開業届など書類を税務署に提出する
コンセプト・ターゲットを決める
最初に行うのは、自分が開きたいサロンのコンセプトやターゲットを決めることです。
ここは予想以上に重要なポイント。サロンの目的や対象とする客層を絞り、目的を明確にすることで、失敗のリスクを減らせます。
競合や市場の分析をする
コンセプト決めと同時あるいはその後、競合や市場の調査をします。
客のニーズやライバルの存在についても知っておかなければ、最適な立地を選べず、生き残りも難しくなります。
出店エリアを決め、物件を探す
コンセプトや客層を軸に、競合の調査も踏まえてサロンの立地を決めます。
地域をある程度絞り込んだら、空き物件を探したり不動産会社に相談するなどして物件を探します。
物件を契約し、工事業者と打ち合わせる
物件は何カ所か見て、最適なものを選びましょう。工事の必要度と開店予定日までの期間なども加味して契約をします。
内装は、どのような店にしたいかをイメージし、条件を書き出します。これも業者数社から工事費用の見積もりを取り、選定した業者と打ち合わせをします。
過去にネイルサロンの内装工事の実績がある業者を選ぶのがおすすめです。
事業計画書を作成する
このあたりで事業計画書を作成し始めます。融資を受けるのに必須なのが、事業計画書(創業計画書)です。
サロンのサービス内容やセールスポイント、売上見込みなどを第三者にもわかるように記載します。
物件取得費用や工事費用を含め、開業にいくら必要か、自己資金がいくらあり、残りはいくらでどう調達する予定かをはっきりさせてください。
資金調達をする
必要な資金が自己資金の額を超える(貯金などでまかなえない)なら、融資などで資金を調達しなくてはなりません。
資金調達については後の章でも触れていますが、日本政策金融公庫の創業融資や自治体などによる制度融資が有力候補となるでしょう。
内装工事・インフラの導入
資金を調達できたら、内装工事にかかってもらいます。電気や電話などのインフラも使えるようにしてもらいましょう。
什器や備品を用意する
ネイルサロンに必要なテーブル・チェアーなどの什器(家具)やスリッパなど、お客様を迎えるために必要な物を揃えましょう。
ジェル用LEDライトなどの施術用機器、ネイルポリッシュやジェル、タオルやブランケットといった備品や消耗品なども調達し、店づくりをしていきます。
広告宣伝を始める
オープンが近づいてきたら、広告宣伝を始めましょう。
集客は資金調達と同じくらい重要です。
美容系の予約サイトに登録したり、地域のフリーペーパーやSNSを使うなど、いろんな手段で集客を図りましょう。開店当日から予約でいっぱいにしておきたいものです。
オープン前のシミュレーションを行う
実際にお客さんが入ったときにスムーズに対応できるか、営業時のシミュレーションもしておくことをおすすめします。
知人などにお客様になってもらい、スムーズに接客対応ができるか、不備はないかを確認します。
サロンの営業を開始する
準備が整ったら、店をオープンさせましょう。当然ですが、接客は「笑顔で丁寧に」を心掛けます。第一印象はその後リピーターになってくれるかどうかに大きく影響します。
資金に余裕があれば、開店記念のノベルティを用意しておくのも集客策の1つです。
税務署に開業届などを提出する
個人事業なら、法的な手続きは開業届を税務署に提出するだけでOKです。開業日から1カ月以内に出しましょう。
確定申告を、節税効果の高い青色申告にする場合には、「青色申告承認申請書」も一緒に提出しておくと手間が省けます。
ネイルサロンの経営失敗を防ぐ5つのポイント
ネイルサロンを開業して成功するかどうかは、事前の準備や日々の工夫・事業への取り組みなどによって変わってきます。
特に次の5項目は必須と考え、留意したいポイントです。
それぞれ順に説明します。
店のコンセプトを明確にする
まずは、「どのような店」にするのかのコンセプトをはっきり決めましょう。
どのような雰囲気で、どのような施術をするのか。どのようなお客様を対象にするかの「ターゲット設定」もしてください。
例えば次の3つのケースでは、店舗の立地やインテリア、メニューや料金などを決めるのに「何が最適か」がまったく違ってきます。
・学生など若い女性向け、ガーリーな雰囲気で安価なサービス
・お金に余裕のある35歳以上の女性向け、優雅な雰囲気で丁寧な接客
・男性でも入りやすい、シンプルで落ち着いた雰囲気、スピーディーなサービス
コンセプトは、すなわちサロンの特徴になります。特徴がわかれば、客側も店を選びやすくなるはずです。
自分の店ならではの強みを作る
コンセプトとターゲットが決まったら、その上で自分のサロンの強み(セールスポイント)も明確にします。ポイントは次の2点です。
- 競合他店にはない強みである
- ターゲット層からのニーズがある
数多くのネイルサロンから選んで来店してもらうには、他店との差別化が必須です。かつ、それがターゲットとする層に必要とされるものでなくては、来店につながりません。
仕上がりの美しさやスピード、店の雰囲気など、ネイルに直結することはもちろん、プラスアルファの価値がつけられれば大きな差別化が可能です。
例えば時間やお金に余裕のある層をターゲットとするなら、美容師免許を持つ人と共同経営でマツエクもできるサロンを始めたり、美容系の本が読めるブックカフェを併設したり、といった特徴を出すなどの手もあります。
常に勉強と情報収集をする
リクルート社の美容系サロン検索・予約サイト「ホットペッパービューティー」によれば、2022年5月現在、登録されているネイルサロンの数は全国で約2万件。登録されていないサロンも当然あり、競合は決して少なくありません。
その中で客に選ばれる店になるには、常にあらゆる情報を収集してトレンドやニーズの動きを把握し、技術もそれに合うよう進化させる必要があります。
ネイルなど美容系には流行りがあるほか、社会や経済の動きは経営に影響します。コロナ禍で閉店を余儀なくされた店もあれば、存続できている店もあります。
状況を見てどのように動くかもポイントとなるでしょう。
集客・顧客の確保に力を入れる
事業として収益を得るには、集客ができないと始まりません。
前述のとおり多くのライバル店がある中、オープンしただけでは集客できないため、何らかの広告宣伝活動を行う必要があります。
開店前からキャンペーンなどを企画し告知するのはもちろんのこと、開店してからも常にSNSなどでの情報発信などを行っていきましょう。
開店時に一時的に集客できても、継続して来てもらわなければ常に苦労することになります。
来てくれた人を満足させ、「次もこのサロンにお願いしたい!」と思わせる工夫も必要です。
小さく始めてコツコツと続ける
事業を成功させるには、まずはお金をあまりかけずにスタートし、事業が軌道に乗ったら少しずつ理想を叶えていくのが得策です。
あらゆる施術ができるよう、機器やツール、材料などを揃えたくなりますが、最初は必要最小限にとどめましょう。店舗のインテリアも同じです。
というのも、事業で初めから黒字になるケースは稀です。
半年くらいは赤字でもやっていけるだけの資金を確保しておかなくては、成功する前に断念せざるを得なくなってしまいます。
ネイルサロンを開業する5つの方法とメリット・デメリット
ネイルサロンを開くには、主に次の5つの方法があります。
- 自宅サロンを開く
- テナントや店舗物件を借りる
- フランチャイズに加盟する
- 移動式サロンカーで営業する
- M&Aや事業継承の売却案件を買う
このほか、美容室など他のサロンの一部スペースを借りて業務委託で行う方法や、ネイリストなどが共同で出店するレンタルのシェアサロンを借りる、フリーランスでサロンを持たず活動するなどの方法もあります。
この記事では、自分の固有サロンを開業する方法として上の5つについて紹介していきます。
自宅サロンを開く
育児や介護などと両立させたい、自宅がネイルサロンに便利な立地にあるといった場合は、自宅の一部を使ってネイルサロンを開業する選択肢が有力候補です。
サロン用の部屋や離れを増築したり、敷地内にトレーラーハウスを設置したりして営業する人もいます。
自宅でネイルサロンを開くメリット
自宅なら家賃を別で支払う必要がないので、月々の運転資金が低く抑えられるというのが大きなメリットです(ただし増築や改築が必要な場合は初期費用が高額となります)。
また、通勤もないので朝晩の時間に余裕ができます。育児や介護、主婦業との両立もしやすいでしょう。
自宅でネイルサロンを開くデメリット
自宅サロンの最大のデメリットは、集客が難しいということ。特に自宅が住宅街の真ん中など知られにくい場所にある場合、安い料金で数多くの客をこなす営業スタイルには不向きです。
また、オンオフの区別がつけにくい、客の駐車マナーなどで近所とのトラブルになる恐れがある、自宅住所が知られるといったデメリットもあります。
自宅でネイルサロンを開く際の注意点
ただし、自宅がマンションなど集合住宅であり、住居専用として契約した場合、その部屋で商売をすることはできません。
自宅サロンのメリット・デメリットなどについてはこちらの記事を読んでみてください。
テナントや店舗物件を借りる
サロン用に店舗を借りるなら、ビルのテナントに入る、一戸建の店舗物件を借りる、事業用にマンションを借りるといった方法があります。
テナントや店舗物件を借りるメリット
サロンの立地が選べるため、場所によっては認知されやすく、通りすがりの人なども集客しやすいことがメリットです(ただしマンションの場合は集客力は弱くなります)。
自宅より広いスペースを持てるため、のちのち席数を増やすことも視野に入れられます。オンオフの区別がはっきりするため働き方にもメリハリがつくほか、「自分の店」という喜びも大きく感じられます。
客にとっても「非日常」な空間を作りやすいでしょう。
テナントや店舗物件を借りるデメリット
サロンスペースを借りることの最大のデメリットは、物件取得のための初期費用が多額となり、月々の家賃支払いも必要となることです。
最初に保証金や仲介手数料などを払うことは必須ですし、マンションやサロンの居抜き物件でなければ内装工事を行う必要もあります。また、たとえ売上がなくとも、家賃や光熱費などは払わねばなりません。
フランチャイズに加盟する
事業の経営に不安がある、大手の知名度や運営メソッドを利用したい、という人は、フランチャイズに加盟するという方法も検討してみましょう。
フランチャイズに加盟するメリット
フランチャイズに加盟する最大のメリットは、本部ブランドの知名度や経営メソッドを利用できることです。客からすれば、聞いたことのある名前のサロンの方が安心、と言う人も多いでしょう。
経営面に不安がある人も、本部からの指示や指導を受けてやっていけます。
フランチャイズに加盟するデメリット
フランチャイズとしてブランドや経営メソッドを利用できる代わりに、本部へのロイヤリティの支払いが必須です。
フランチャイズ本部によって異なりますが、売上が上がらなくても固定で毎月支払いが必要となれば、経営にも影響が。また、本部の決めた通りにしなくてはならないことにストレスを感じ、「自分のサロン」という感じがしないと思う人もいるでしょう。
フランチャイズについては、こちらの記事も読んでみてください。
移動式サロンカーで開業する
ネイルサロンには大規模な設備がいりません。そのため、固定の店舗を持たずキッチンカーのように車で移動し、イベント会場や客の自宅などさまざまな場所で営業することも可能です。
バンなどの内装を改造したり、キャンピングカーなどをサロンとして利用したりする方法があります。
移動式サロンカーで開業するメリット
移動式サロンのメリットは、家賃が不要なことと、集客できそうな場所へ動いていけることです。
地域のイベントや客宅のほか、美容院などの駐車場で営業させてもらうといったコラボも可能でしょう。飲食業のように保健所に営業許可をとる必要もないので、始めるのも難しくありません。
移動式サロンのデメリット
移動式の場合、出店する場所探しに苦労する可能性が。人気のイベントは抽選制ですし、常にイベントがあるわけでもありません。
駐車スペースのある顧客を確保するには、集客にも工夫が必要です。どのような車にどのような改装を施すかで費用も高額になり得ます。
M&Aや事業継承の売却案件を買う
ネイルサロンを1から始めることに不安を感じる人は多いでしょう。すでにあるサロンを買い取って始めるというのも、今や数多く行われている方法です。
とはいえ、個人で相手を探し取引をするのは、かなりハードルが高いもの。M&Aや事業継承の橋渡しをしてくれる業者がいくつもあるので、インターネットで探してみてください。
M&Aや事業継承を利用するメリット
最大のメリットは、すでにサロンとしての土台があるということです。最初から店を作るのに必要な期間を短縮できます。
スタッフなども引き継ぐことができれば、例えば自分にネイリストとしての知識や経験がなくとも、オーナーとしてネイルサロンの経営を始めることができます。
M&Aや事業継承を利用するデメリット
優良な案件ほど、多額の資金が必要です。また、スタッフも含め引き継ぐとなれば、その人たちとの関係の構築から始める必要があり、場合によっては離職されてしまうことも。
また、帳簿に記載されていない未払いの仕入代やスタッフの残業代といったものがある可能性もあるので注意が必要です。
ネイルサロンの開業資金の相場と内訳
ネイルサロンの運営には、エステや美容院ほどの効果な機器は必要なく、スペースもとりません。自宅スペースを使い、内装などの工事が最小限で済めば、100万円以下での開業も十分に可能です。
地方で小さな店舗を借りてネイルサロンを開業する場合、資金の大まかな目安は150万円~350万円。内訳は次のとおりです。
- 店舗物件取得費:50~100万円
- 内装・外装工事費:30~100万円
- 什器・備品費:20~50万円
- ネイル機器・用品・消耗品費:20~30万円
- 広告宣伝費:5~30万円
これに加えて、次の資金の用意も不可欠です。
- 当面の運転資金:3~6カ月分
- 当面の生活費:3~6カ月分
それぞれについて見ていきましょう。
店舗物件取得費
店舗取得費は、店舗の賃貸契約にかかる費用です。敷金(保証金)や礼金、前家賃や仲介手数料などを、不動産会社あるいはオーナーなどに支払う必要があります。自宅サロンなら、この費用はかかりません。
相場は、家賃が10万円のマンションで50~60万円、つまり家賃の5~6カ月分程度といったところです。テナントなど店舗物件を借りる場合はもっと高額で、家賃の8~12カ月分くらいは必要と考えておきましょう。
内装・外装工事費
内装・外装工事費は、自宅の増築や改築を行う場合や、テナント・店舗物件を借りる場合には高額な費用がかかります。一般的には坪単価20万円~といったところです。自宅やマンションの一室で壁紙・クロスの張り替えだけなら、10万円ほどでも可能です。
テナント・店舗物件の場合、「居抜き物件」であれば工事費用は通常(スケルトンとよばれ、柱など構造がむき出しになったもの)の半分~4分の3程度の金額で済むのが一般的です。居抜き物件とは、この場合サロンとして使われていた店の内装などが残され、そのまま使える物件です。
しかし、居抜きでも別業種だったり、残されたものが故障や容量不足でそのまま使えなかったりすれば、逆に高くつくことも。
また、元の店主が移転・廃業したということは商売に不向きな理由があるかもしれないので注意が必要です。
什器・備品費
ネイルサロンには、施術用のテーブルや椅子のほか、ワゴンや収納棚、受付レジ用カウンターやハンガーラックなどが必要です。必要な物とその質は、サロンのコンセプトによって判断しなくてはなりません。
例えばお客様用の椅子1つとっても、普通の椅子にするか、足元がリクライニングできるような椅子、座り心地を追求した椅子にするかで金額は大きく異なります。
例えば、ウォーターケアをするならウォーターサーバーもあると便利です。
待合室を設けるなら、待合室用の椅子やテーブルなども必要に。快適な環境づくりにはテレビやBGM用のプレーヤーなども役立ちますが、スピード重視のサロンには不要でしょう。
ネイル機器/用品・消耗品費
ネイルサロンに不可欠なのが、UV/LEDライトやネイルマシン、ネイルビットなどの機器やフットバス、デスク用ライト、紫外線消毒器、アームレストやタオルウォーマーといったもの。
ジェルやポリッシュ、パーツやネイルオイル、ニッパーや筆、キューティクルプッシャーからコットン類、ネイルのサンプルなども必要です。ただし種類や数が増えるほど費用もかさむため、厳選するのがおすすめです。
店舗としては、POSレジなどレジスターや電話機、予約受付などに使うPCといったものから、スリッパやタオル類、ブランケット、荷物を入れるカゴ、傘立てなども揃える必要があります。
掃除用具とその収納スペース、スタッフのための休憩スペースも忘れてはいけません。
広告宣伝費
ネイルサロンの経営成功には、集客が必須です。集客には、広告宣伝が不可欠です。
初めから高額な費用をかける必要はないものの、まずはある程度お金をかけないと集客ができず、結果として成功できないというのが現実としてあります。
ホームページ制作やチラシのポスティング、地域情報誌への掲載と言った方法があります。ターゲットに合った方法を選び、複数を併用するなどして最適な方法を探していきましょう。
今やSNSでの集客も当たり前の時代。資金に余裕がないなら特に有効活用したいものです。
店舗の公式アカウントを作成し、SNSで店舗や施術の様子、ネイルの仕上がり、デザイン例などを投稿しましょう。
画像はもちろんハッシュタグなども工夫する、お客様にも投稿してもらうなど、戦略の1つとして活用してください。
当面の運転資金
ネイルサロンを開業しても、すぐに経営が黒字となるケースはほとんどありません。最初の3カ月~半年、場合によってはこれ以上の期間、赤字で乗り切るための資金が必要です。
家賃や光熱費など、売上がなくてもかかる金額を把握し、少なくとも3カ月分、なるべく余裕をもって準備しておいてください。
当面の生活費
副業や扶養されている立場などでない限り、経営が軌道に乗るまでの自分(や家族)の生活費も考えておかねばなりません。
運転資金は考えていても、生活費のことを頭に入れておらず後で困るという人も多いようです。車検や子どもの学費、保険料など、まとまったお金が必要なケースも予測して用意しておきましょう。
ネイルサロン開業のための資金調達方法
開業に必要な資金は、テナントに入ったり物件を借りて工事が必要だったりすれば高額となるため、自己資金ではまかなえないという人も多いでしょう。
第三者から借り入れる場合、次のいずれかの制度の活用がおすすめです。
- 日本政策金融公庫の創業融資
- 自治体などによる制度融資
日本政策金融公庫の創業融資
日本政策金融公庫とは、政府が全額を出資する金融機関で、預金などは扱わず個人や小・中規模の事業者・会社への融資などを行う組織です。
経済活性化などを大きな目的としているため、予測が難しい創業時の融資も積極的に行おうとしてくれます。ただし審査は厳正に行われ、融資可否の重要な判断材料として事業計画書や自己資金の額が見られます。
自治体などによる制度融資
各自治体では、地域経済の活性化などのため、地元での起業を後押しする制度を設けているところがほとんどです。その1つに、自治体と信用保証協会、民間の金融機関が提携する融資制度があり、個別の名称にかかわらず「制度融資」と呼ばれています。
制度融資では、保証協会が保証人の役割をするため自分で見つける必要がなく、自治体によっては金利を一部負担してくれるところもあります。
「サロン開業に活用できる助成金は?」との声も多いですが、開業の段階で申請できる補助金や助成金は限られ、あったとしても入金されるのは半年後や1年後。開業資金に即利用できるものではありません。
ただ、補助金の採択が下りた事実があれば、融資が受けやすくなるというメリットはあります。
自治体によっては、起業支援制度の1つとして補助が受けられる可能性があります。出店する地域の自治体の公式サイトなどで確認するか、税理士など専門家に相談してみてください。
起業して成功した女性の共通点などを解説した記事もあります。ぜひ参考にしてください。
ネイルサロンの開業成功には準備が大切
ネイルサロンの開業には、免許や許認可を取得する必要はありません。比較的狭いスペースでも開業できるため、始めやすい業種の1つです。
しかし、ネイルサロンの経営を成功させるのは簡単ではありません。コンセプトをはっきりさせ、ターゲットとする客層に合わせた店づくりやサービスの提供をする必要があります。
必要な資金の調達には公的な融資制度の利用がおすすめです。
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