【対談】これからの飲食ビジネス・
トレンドについて考える

これからの飲食業経営って?
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コロナ禍で困窮する飲食業界ですが、その中でも売り上げを伸ばしている店や会社は少なからず存在しています。今回は、移り変わりの早い「飲食業のトレンド」をテーマに、成功のカラクリや、今後の飲食業で生き残るために必要なことは何か、どう考え・どう動くべきかについて考えてみました。

飲食業における「流行ビジネス」の現状は?

百瀬
流行ビジネスに関しては、私が担当しているクライアント様でもけっこう利益率の高いビジネスモデルを展開されているところが多いですね。
流行り廃りのある中で、流行まっさかりの時点で利益を最大限獲得していく形になっています。 単価を上げて、ブランディングをしっかりして高級感を打ち出す、といったところで。
西井
フルーツサンドやフルーツ大福なんかは、果物がまるまる入ってることもあって、ちょっと高 くてもお客さんが納得して買える価格設定になっている気がします。 あとは、バナナジュースとかもそうなんですけど、原価が安いだけじゃなくてオペレーションがすごく簡単、というのも特徴的ですね。
飲食業トレンド対談
百瀬
あ、それすごくいいキーワードですね、「オペレーション」。
流行ビジネスって多店舗展開しているところも多いですけど、ほんとに小さな箱の中で、バイトだけで回せる形をシステムとして組み込んでたりするんですよね。
なので出店コストがかなり抑えられますし、もしその地域でダメだったとしてもすぐに撤退できる状況だったりとか。店舗内では作らず本部から毎日配送する形をとっているので、正社員もほとんど雇っていないから、人件費も抑えられる。
西井
あのタピオカドリンクっていうのも、オペレーションがめちゃくちゃ簡単で、しかも利益を生み出しやすい仕組みなんですよね。
タピオカの原価と紅茶の原価を比べると紅茶の方が高いので、たとえば「タピオカを無料で倍にします」ってやると、紅茶が減って原価がどんどん下がるっていう。カップとかラッピング資材の方が高いかもしれません。

小さい店舗での開業っていうのは今後増えていく?

西井
たぶん、投資する間隔がミニマムになっていくかなと。
百瀬
うん、おっしゃるとおりですね。
西井
極小物件で、たとえば「初期費用100万円で3年後には回収できて利益を生み出せますよ」っていうような入り口の飲食開業がこれから増えていくかなと思います。
百瀬
もう実は「お店を持たなくても売れるしくみ」って出来上がってきてるじゃないですか。
もちろん実際のお店をもって開業される方もまだまだいますけど、お店を持たずにゴーストキッチンみたいな感じで開業される方も結構いて、そのゴーストキッチン自体をビジネスにしようとする企業様もいますし、そういう方向で事業を再構築しようか、という話もあります。
西井
人件費をどこまで抑えられるか、というのも動きとしてありますね。
セントラルキッチンとかありますけど、「自宅で作れる」というのが人件費を抑える究極の方法で。テイクアウトだと、原材料を小売りで売るようなところも増えた印象です。作ったもの、たとえばラーメン屋さんならあと茹でるだけの状態の麺とスープと、っていう。
作る工程すらお客さんにやってもらうってことになれば、人件費をいかに抑えてかつ原材料費も抑えるか、フード&レイバー(FLコスト)をどんどん抑えることで利益率を上げていくっていうところですね。

ちなみに、単価を上げるためにブランディングが重要になってくると思いますが、その辺りはどうでしょうか?

西井
メディアの拡散力はやっぱり大きいですね。グルメサイトもそうですけど、業界のランキング的なものとか、あと別業界とのコラボとかで注目されたら、テレビ局とかが取材に来たりするので。
ただ、流行とかブームって話になると、もっとこうじわじわと広がって、口コミが口コミを呼ぶような、それにはやっぱり勝てないようです。
飲食業トレンド対談

お店づくりに先行投資も必要ですよね?

百瀬
そうですね。流行ビジネスでうまくいっているお店は広告宣伝には相当力を入れていると思います。もともと飲食業だと売上に対して広告宣伝比率が3~5%というのが一般的ではあるんですけど、原価、経費が抑えられるのであれば、そのぶん広告宣伝に使える部分が増えてきますよね。
集客がなければ当然売上にはつながらないので、そこに力を入れることも重要だなと。

広告宣伝比率3~5%っていうバランスは今後も変わらないんですか?

百瀬
よく言われている「原価30:人件費30:地代家賃10」っていう黄金比率の中で使えるのはそれくらいですね。でも今そこが崩れ始めているから、それなら広告宣伝費を上げなければ売上にもつながっていかない、という話です。
逆にそこで広告宣伝費を上げないとなると、それだけ利益が取れるわけじゃなくて売上が下がっていくことになる。

今は、「広告宣伝費」を使わないブランディング、たとえばSNSでの拡散力をうまく利用したり、その反面包装のデザイン料にお金をかけたりすることも重要ですよね?
その辺のバランスはどう思いますか?

百瀬
何対何、というのは言い切れないですね。残していかなければいけない利益、というのは今後も変わらないかなとは思いますけど。飲食だと10%から15%残ればいいですもんね、という話で。

飲食の利益率はやっぱり悪いでしょうか?

百瀬
めちゃくちゃ悪いです。私は「儲ける」手段で飲食業はすべきじゃないと思っています。基本的に。趣味でやるくらいの感覚がいいと思います。

そうなんですね・・・。どうして儲からないんでしょう?回転率が悪いとか?

西井
回転率は悪いですね、コーヒー1杯で何時間も話し込むお客さんとか多いので。
飲食業トレンド対談

では、飲食で儲けようと思ったらどうしたらいいですか?

百瀬
ないところでしっかりと利益を確保していけるビジネス構築をしていくしかないですね。売上をシミュレーションして、そこから原価がどれくらい、人件費どれくらい、と利益がしっかり残っていくような比率を設定していく。
西井
どこで儲けるかっていうところを決めてやれば、飲食業でもしっかり利益を出していくことはできると思います。
今回の「流行ビジネス」っていう話でいうと、「おいしいから」っていうよりはやっぱりその流行に乗っかって、「流行っているものを今自分は食べてる」っていう時間を買っているような気はしますよね。
そこはおそらくブランディングに直結するので、流行モデルでやるならやはり広告なりビジネスモデルの構築なりにお金がかかるのも仕方ないかなと。
百瀬
たしかに、一時的な流行に合わせて出していく飲食モデルっていうのが確立されつつありますよね。ただ、それで利益を取っていくための比率は、いわゆるこれまでの黄金比率ではないはずなんです。さっきの話にもあったように広告宣伝費を使って、ということにも当然なりますし。

でも流行ってスパンがどんどん短くなってますよね?
だからやっとビジネスモデル構築したと思ったらブーム終盤です、みたいなこともあり得ますよね。
それはどうしたら?

西井
フランチャイズなり流行りものを取り入れながら事業をされている飲食のオーナーさんに聞いたところ、流行で売上がガーッと伸びて「あ、終わりが来るな」となったときに売り出すそうです。
事業を切り離して売って、次の流行に備えるというような。運営会社は変わらずで、その手足が付け変わっていくようなイメージですね。それで長くやってる。
百瀬
流行が終わる前のタイミングで売れるかですよね。

流行の見極めが肝心。次に何がくるかの判断も

流行の終わりは会計上ではわからないんでしょうか?「なんか落ちてきたなー」とか?

百瀬
落ちてきたらもうたぶんダメだと思います。売れないでしょうね。
あとは最初に投資した額を回収できるとして掲げた目標が達成できたタイミングで調整して、ですね。それがどこか、ってのは、その人によって違うと思いますけど。
西井
流行ビジネスって「瞬間最大風速」ってところがありますもんね。
百瀬
クライアントには、初期投資をあまりかけずにやってくださいね、とは伝えています。回収に時間がかかってしまうので。いくら順調にいっても、その最大瞬間風速の状態で商売替えした方がいいんじゃないかっていう話になっちゃうんですよね。
西井
長年その地に根付いた喫茶店とかと戦うわけじゃないので、流行を取り入れてやるならとにかくやっぱりスピードがモノをいうのかなと。
百瀬
おっしゃるとおり。
西井
「損失が出る前に早く次へ」、これをやる経営者の方が長く続けていけるんだと思います。
飲食って固定客、リピーターがつくんですよね。空間とか時間とか、何かを買っているんだろうなと思います。飲食はやっぱそこかなと。
でも流行りものってその場の興味でくるから、リピーターはつきにくいんですよね。
コアな空間にリピーターがつけば、そっちのモデルになっていく。
百瀬
昔からあるお店ってなんか絶対的な安心感がありますよね。でもそれは時間をかけなければ構築できないものなんだろうなと思います。

そこは目指そうと思っても目指せるもんじゃない?

西井
狙って先に用意してしまうとそれこそ最大瞬間風速になっちゃうんで。注目はされるけど続かないっていう。

時間をかけてじっくりやるか、スピードで動くか、ですか。
どっちも辛そうですね。

百瀬
辛いですけど、それが飲食業界の定めなのかなって。
西井
最近出てきたビジネスモデルで言うと、一人焼き肉とかレンタルキッチンとかもあります。
新型コロナ感染症で接触機会を減らすために出てきたわけですけど、今までの飲食モデルより設備投資がかからないので会計的にいうと収益性にかなってるっていう。
百瀬
確かにね。初期投資はもちろんかかるけど、ランニングコストはかからないですもんね。既存のモデルと比べたら。
西井
ホールスタッフが要らないっていうのも、お客さんとの接触がなくてニーズに合ってるんですよね。「半外食」みたいな新しい言葉もチラホラ聞こえてきていますし。

単価が安く、店舗スタッフが多い、某有名チェーン店のからくりとは?

某有名チェーン店ってどうなんでしょう?店舗スタッフの人件費が結構かかっていますよね?でも単価はすごく安い。どこで利益が出ているんでしょう?

百瀬
あそこはもうほんとにスケールメリットだと思います。回転率も高いし、ひたすら売上を獲得して、薄利でもスケールメリットでキャッシュを残してるという。
西井
多店舗だから成り立ってるってことかもしれませんね。注文の仕組みも、誰にでもできるシステムになってますし。

じゃあ、飲食を初めてやる人にはハードルがすごく高いってことですね。

百瀬
そうですね。
いろんな要素がかかわってくるので、ある程度の経験をするまではあり得ない感じです。

スパイスカレー、本格ハンバーガーのトレンドについて

スパイスカレーも流行ってますよね。本格ハンバーガーの店も急速に増えた印象です。

西井
グレイビーっていうスパイスカレーの作り置きになるものを持っておいて、あとはお米を炊くだけかなと。スパイスカレー屋さんってプレートの真ん中にご飯が盛ってあって、あとはお野菜とかのトッピングがあるところが多いですけど、それだとオペレーションとしては簡単ですよね。
百瀬
ハンバーガーで思い出したんですけど、コロナ禍でハンバーガーってけっこう伸びてると思います。
ただ、売上自体はすごく伸びたんですけど、残る利益はやっぱり少なくなっていて。
それがいわゆるデリバリーサービスに対する手数料として取られる金額がかなりあるからなんですよね。手数料が利益率を下げる要因にはなっているんですが、実際に売上高は伸びているので、スケールメリットを生かして残る利益というのが多くあるんです。
これが廃れていくような状況になったとき、もともと取れていた利益が取れないようなビジネスモデルに変わってしまっているので、逆にこわいなという印象になってますね。
配送コストってところが余分に乗っかってきているので。
飲食業トレンド対談
西井
ゴーストキッチンやセントラルキッチンも配送代がネックになるので、その予算取りをしていないと利益がまったく残らないということにもなりますよね。
自社配送ができればいいですけど、それにはまた別の資金が必要になるので。
飲食店一本でやるんだったら、昔ながらの中華屋さんのような出前の時代に戻るのかなとは思います。

巡り巡ってそっちに戻っていくんですか?

西井
はい。バイトを1人雇って配達させた方が、配送代はかからないので。
百瀬
たしかに。
西井
デリバリーサービスの配送員のイメージがよくないこともあって、そういう傾向にあると思います。
百瀬
配送はもう当然必要ですからね。
西井
どこか忘れましたけど、地域の飲食店が何店舗か集まって、自分たちの店の配送を共有しよう、っていう動きもあります。配送代がバカにならない、っていうところから、そういう動きはやっぱり出てくると思いますね。
百瀬
地域内の飲食店でそこを共同でやってしまえば、外注する必要はなくなってきますからね。
西井
ついでに広告チラシを置いてこれば、宣伝にもなりますしね。
飲食業トレンド対談

流行ビジネスの3つのキーワード

西井
「オペレーションの簡略化」と「属人化への対応」、あと流行ビジネスに欠かせないのは「見極め」、切り替えですね。早く儲かるかもしれないけど、次の手も早く打つ、ってのが必要になってくるんです。
百瀬
「流行ビジネス」って割り切ってしっかりバイアウトする、っていう流れを含める必要がありますね。
西井
そういった動きを取るには、やっぱり長期借入金の有無が結構モノをいうんですよね。

資金繰りも大切だ、と

西井
「お金がないから」と自己資金だけで流行ビジネスに参入しても、ほぼ無理なんです。
よく開業セミナーで「初期投資100万円でできますよ」とかありますけど、100万円でやって、ブームが終わる前に「じゃあ次のモデル」って行こうとしても無理なんです。
その時点で、銀行は「もう終わってきてるよね」てことで融資してくれないので。
だから、当初からある程度の長期借入金を持っておいて、流行モデルを組み替えていけるようになるためには、起業時に創業融資を受けておいた方がいい、という結論になるんです。

その時点で融資を受けたいっていっても貸してくれないけど、創業時なら借りやすいってことですか?

西井
そうです。「流行が終わるので次はこういうビジネスやるんですけど」っていったところで決算見ると赤字、二期連続となるとちょっと厳しいよねっていう。
だから、先に借りておいて、税理士と相談しつつうまく資金を使っていく、というのが理想です。

なるほど。そこはみなさんの腕の見せどころですね。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

今回は飲食業について取り上げました。
対談中に出てきた流行ビジネスモデルで、セントラルキッチンやゴーストキッチンなどが拡がりつつありますが、コロナ禍による事業再構築や事業転換の流れで、そのままの飲食業許可の店舗でキッチン事業を始める飲食事業者様も多いかと思います。
注意していただきたいのは、販売するメニューによっては、各種食品製造許可が必要になるということです。
融資を受ける際にも事業内容によっては、営業許可の取得が必要となりますし、許可なく行っていると営業停止となり、最悪の場合行政処分や処罰の対象とされる場合もあります。
流行ビジネスに限りませんが、営業許可などをよく調べずに、周りから「大丈夫だ」と勧められることがあるかもしれません。
流行しているビジネスだからといってすぐに飛びつくのではなく、前もって保健所や地区の食品衛生協会に問い合わせるか、これから始める自分のお店、ビジネスモデルでは営業許可が必要なのか、事前に税理士や専門家へご相談ください。

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