【倍返しだ!】「半沢直樹」を現実のビジネス視点で解説!・第九話

【倍返しだ!】「半沢直樹」を現実のビジネス視点で解説!・第九話
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「半沢直樹 第九話」の解説・今後の考察※ネタバレ注意

呼び出した半沢と大和田に、過去の牧野元副頭取関係の不正の証拠とされる資料をちらつかせ、これ以上追求をやめるよう脅しをかける簑部幹事長。
巨悪の追求はここまでなのか…。

第九話では半沢が、過去に旧東京第一銀行が箕部幹事長へ融資した20億円がどのように流れていたのか、伊勢志摩空港開発の裏で進められた「錬金術」を明らかにする展開になります。
箕部幹事長の選挙地盤である伊勢志摩に空港を誘致することで、権力を悪用した金もうけを企んでいたという話につながっていくわけですが、果たして半沢はこの巨悪を暴くことができるのでしょうか?

開発の案件と政治家と金。
なんだかどこかで聞いたような気がする話です。
今回は空港の運営のからくりと、似たような事例があったのかということについてについて検証・解説していきたいと思います。

前回分はこちらから

半沢直樹セカンドシーズン第九話のあらすじ

前回、金融庁から追い出された黒崎からもらったヒント、「伊勢志摩ステートを調べなさい」という言葉から半沢は伊勢志摩に飛ぶ決断をします。

半沢は紀本常務から自宅謹慎処分を食らったばかりでしたが、東京セントラル証券時代に部下・森山の助けを借りて、無事、伊勢志摩空港に降り立ちます。
伊勢志摩ステートを見下ろせる場所に到着した半沢達は、箕部の秘書である笠松が社内に入っていく様子を目撃。
伊勢志摩ステートと箕部に何らかのつながりがあることを察知します。

東京中央の伊勢志摩支店長の深尾は、半沢の同期。
箕部幹事長と伊勢志摩ステートの関係を尋ねると、「おおありだよ!」と伊勢志摩ステートの社長が箕部幹事長の甥であることを教えてくれたのでした。

半沢が、帝国航空再建に絡む調査であることを伝えると、深尾は、タスクフォースのリーダー乃原が以前地元の浅原交通の顧問弁護士をしており、計画倒産をしたことなども話してくれました。
乃原は東京中央になにか恨みでもあるのでしょうか。

半沢は、支店長に伊勢志摩ステートとの取引に関する資料を見せてもらえないかと頼みます。
支店長の持ってきた財務資料を調査する半沢。そこから、 箕部幹事長より20億の金が流れていることが判明します。
ところがそこへ、半沢の動きを察知した笠松が訪ねて来たとの連絡が入ります。
間一髪のところで支店長に裏口から逃がしてもらった半沢達。
しかし、なぜか笠松はその後も銀行に残り、伊勢志摩ステートの資料を丹念に見ているのでした。

半沢達は、運よく拾ったタクシーで、先ほどメモした伊勢志摩ステートが15年前に購入した大量の土地の場所に向かいます。
タクシーが到着した目の前には伊勢志摩空港が。半沢はつぶやきました。

これが箕部が仕組んだ錬金術だ!

急ぎ東京にもどった半沢は、仲間にこの錬金術を説明します。

融資された20億円を、伊勢志摩ステートの社長である甥に転貸、その資金で箕部が指定する土地を大量に購入。
その後、箕部がこの土地に伊勢志摩空港を誘致して、高値で売却するという構図です。

しかし、伊勢志摩ステートから箕部幹事長に金が流れた、という記録はつかめませんでした。
半沢は、旧東京第一の書類の中に、その証拠があるのではないかと書庫センターへ急ぎます。
しかし、段ボール箱にして数十箱という量のあるはずの書類は、既に何者かによって運び出されていました。
監視カメラの記録を調べますが、その記録すら消されていることに気が付きます。
こんなことができるのは大和田しかいないと思った半沢は、大和田に詰め寄りますがシラを切られます。
とっさに機転が利かせ、大和田との2ショット写真を勝手に撮影。これをばらまくと言って大和田を脅し始めます。

クレジットファイルには何が書いてあったんです?喋るか! 死ぬか! どっちです!?

やむを得ず大和田は、クレジットファイルを撮影したスマホ写真を半沢に見せます。
大和田の隙を見て、平然と自分のスマホに転送してしまう半沢。
そこにはアルファベットと数字が書かれたメモが、たくさん張り込まれていました。
謎のアルファベットが意味するところが何かを解読すれば、真相にグッと近づけます。

一方、白井国土交通大臣は、債権放棄させられなかったことを箕部に叱責され、1週間のうちに結果を出すよう厳命されます。
無理だと言いかける白井大臣に、乃原はいいアイデアがあると引き受けます。
乃原は、白井大臣を連れて東京中央銀行を訪問。
中野渡頭取、大和田、半沢に面会、そこで改めて債権放棄を求めます。
中野渡頭取が断ったはずだというと、乃原は旧東京第一時代のことで話があるから2人だけで会いたいと申し入れました。

興味深いですな

と中野渡頭取は乃原と2人で会うことを了解するのでした。
完全に主導権を奪った乃原の行動に、白井大臣は納得していない様子を見せます。

一方、乃原が紀本常務の小中学校時代の後輩と掴んだ渡真利。
かつて、乃原の父親は経営する工場が倒産し、その時の銀行の担当者が紀本常務の父親だったことも判明します。
すなわち乃原は銀行に復讐しようとしていたのです。

しかし乃原にとっては、銀行を債権放棄させることができればタスクフォースとしての手柄になりますし、箕部幹事長を裏切って悪事を暴けば、一躍、正義のヒーローとなることができます。
つまり乃原にとっては、どっちに転んでも美味い話だったのです。

半沢は、このまま政府の要請を飲めば政府の犬となり下がってしまう、過去の東京中央の膿を出し、再生さなければならないと決意。
クレジットファイルの中にあったメモの意味を探ることにします。
メモによれば、金の流れが箕部幹事長から「棺の会」へと流れていることが突き止められました。
このメモを書いたのは灰谷である疑いが濃厚です。

灰谷が常連として利用する店で待ち構える渡真利と福山。
灰谷と言い争いになりかけましたが、そこにタイミングよく黒崎が登場。
黒崎に股間を掴まれ悶絶、例のメモが灰谷によるものだということと、紀本常務の指示で書かれたものであることも白状したのです。

一方、半沢は段ボール箱を盗んだ犯人が、富岡であることを突き止めます。
富岡は、牧野副頭取が自殺した真相を探るよう中野渡に特命を受けており、長年にわたってひとりで調査を続けていたのでした。
なぜ富岡は、半沢にも正体を明かさなかったのか?
調べれば調べるほど、旧東京第一の不正融資が出てきてしまい、これが表沙汰になれば大変ことになるため、明かすことをためらっていたとの事。
そんな中、半沢の熱い思いを聞いて、ようやく不正を暴く覚悟を決めたと力強く告げます。
しかし、もう少しでわかりかけていたのに、肝心の資料だけがないと富岡は言いました。

そこへ、半沢の後をつけてきた紀本常務が現れ、「お前のやったことは重大な規則違反だ」と詰め寄ります。
半沢は、逆にそれまでつかんだ紀本常務の悪事を全て暴き、責め立てます。
さらに桃太郎の歌を歌いながら黒崎が登場!
鬼退治とばかりに、紀本常務に振り込まれた記録を全て提示して、遂に追い詰めました。
紀本常務は、「しょうがなかったんだ」と、膝を落として過去の告白を始めます。

不正融資の存在を盾に、簑部幹事長に強引に融資を通されてしまったため、牧野さんがすべての責任を負って自殺してしまったと話す紀本常務。
が、半沢は容赦しませんでした。
棺の会メンバーは誰一人本当のことを離さず、保身に走り責任逃れをした。
その上、牧野副頭取にはこのままでは東京第一は崩壊すると圧力をかけ、牧野副頭取一人にすべてを背負わしたのだろうと。

あなたたちが牧野さんを殺したんだぁ!

紀本常務は、箕部幹事長へ金が渡った証拠となる書類が保管されている、秘密の書庫に半沢達を案内しました。
しかし一足先に何者に、その書類を持ち去られているではありませんか。
実は直前に、福山が大和田にこのことを報告していたのです。

半沢は、GPSで大和田の居場所を追跡。
するとホテルの一室で中野渡頭取と大和田、そして箕部が会食をしている場所に行きつきます。
そこでは、例の資料がちょうど箕部幹事長に引き渡されているところでした。

半沢は驚き、銀行は膿を出し切って本来あるべき姿に戻るべきだと訴えますが、中野渡頭取に、帝国航空の担当から外された上、この場から今すぐ出ていくように言われてしまいます。
箕部幹事長は、半沢にいやらしい言い方で土下座を要求。
大和田も半沢に土下座を強制。半沢の背中に覆いかぶさって無理やり土下座をさせようとする大和田。

小童!はよやれぇぇ!!

響き渡る簑部幹事長の怒号。
しかし、半沢は大和田をはねのけ、すっくと立ちあがると中野渡頭取に向かってこう言います。

私は銀行を信じています。我々は金融の力で、懸命に世の中で働く人々の助けになるのだと。だからこそ我々は己に厳しく、謙虚で、世間の利益になることが最優先にと心がけ、真摯に励んできたのです。あなたのしたことは懸命に働く全銀行員への裏切りに他ならない。到底許すことなどできません。

さらに、箕部に向かってこう言います。

もはや政治家ですらない。欲にまみれた老いぼれだ!
なんだとぉ?
今度はしっかり聞こえたようですね

そしてこの3人に向かって高らかに宣言するのでした。

やられたらやり返す!倍、いや…3人まとめて…1,000倍返しだ!!!

空港建設による利権のお話

ドラマ中に出てきた「政治家と空港の利権」の話は、一体どんな構造になっているのでしょうか。
空港と政治のつながりを理解するには、まず空港自体がどのように建設されて、どのように運営されているのかを理解する必要があります。

空港は誰のものか

飛行機は航空会社のものですが、では空港は誰のものなのでしょうか。
実は、ほとんどの空港の建設費用は主に国から支出されています。
しかも、通常の国の財布(一般会計)とは別の、特別な空港運営用の財布(特別会計)からでています。
この特別の財布のことを「空港整備勘定」といい、空港整備勘定の歳入と歳出の主なものには次のような項目があります。

【歳入】

  • 空港使用料収入:航空会社が支払う着陸料の収入。この中のメイン
  • 一般会計より受入れ:燃料税などの一般会計の収入の中から受入れ
  • 償還金:関西国際空港、中部国際空港に貸し付けたお金の返済

【歳出】

  • 空港等維持運営費:国管理空港における施設の維持運営費
  • 空港整備事業費:空港の整備。空港周辺の騒音対策費など
  • 航空路整備事業費:レーダー、通信設備などの整備費

ここでは具体的な数字までは紹介しませんが、これを見ていると、飛行機を地方に飛ばすのには莫大な予算がかかっていることがよくわかります。
それと、この着陸料と飛行機の燃料に係る燃料税ですが、これも航空会社の多くは上場していますので、公表されています。
これによるとJALとANAの燃料税は合わせて5,578億円、着陸料は2,897億円(2019年度)となっています。

国土交通省は、航空行政に関した強力な許認可権限を持って各航空会社を管理監督しています。
航空会社の稼いだお金から、税金として徴収したお金で空港を運営する、という形になっているのがお分かりいただけたと思います。

私たちが飛行機を利用する際に払うチケット代、航空運賃は、たしかに高いのですが、その多くは国に納められて空港の運営や地方の空港を整備したり建設する財源になっていたのですね。
そこに政治家の力学が働いているであろうことは否めません。

伊勢志摩空港土地の購入資金はどこから出たか

ところで、ドラマ中では箕部幹事長が、旧東京第一から借りた20億円が伊勢志摩ステートに転貸され、それが、空港用地の購入に使用された、ということになっていました。
つまりこのあとで、国は空港整備勘定から空港用地購入費用を支出して、伊勢志摩ステートより伊勢志摩空港建設用地を購入することになります。
当然、もともとの地価である20億より、さらに高い価格で購入したことでしょう。

伊勢志摩ステートから土地の購入に使ったこの空港整備勘定の費用は、もとは今再建しようとしている帝国航空が払った燃料税や着陸料であり、我々庶民が「高いなあ」と思いながら買うチケット代です。
これを、このようなからくりで政治家が流用していたのだとしたら、本当に許せない話ですね。

近似した実際にあった利権疑惑

実は、この話のモデルであると言っていいほど似た実話がありました。
場所も同じ紀伊半島の「南紀白浜空港」です。
南紀白浜空港に就航しているのは、現在、JALのみで羽田との一日3往復だけ。
就航している唯一の航空会社JALが撤退したら、まさに存在意義のない空港となります。

JALだけのためにある空港ということは、この空港単独で見るとどう見ても空港運営は赤字、この路線もどれだけ乗客がいるのかわかりませんが、おそらく赤字でしょう。
南紀白浜空港のある和歌山県南部は、自民党の幹事長(2020年11月現在)である二階俊博氏の地元です。
南紀白浜空港は、1996年に隣接している隣の土地から移転して新設、2年後に滑走を延長して2千メートルになっていますが、この滑走路の延長の際に、土地ころがしが問題になりました。
関係ないのかもしれませんが、当時、二階氏は運輸大臣で、その後援会長は不動産業者だったといいます。
1990年に地元白浜町は空港用地を先行取得。
しかしこの一部が不動産業者に譲渡され、さらに大阪府の開発会社に転売されていました。

その後、滑走路延長のため和歌山県が買収した時には、白浜町の取得した時の1.5倍の価格になっていたそうです。
県議会は疑惑の指摘を受けて、調査委員会を設けて背景を調べましたが、結論を出せないまま、副知事が買収価格決定の不透明さを謝罪、幕引きとなっています。
うやむやのまま終わってしまったこの一件、いったいなんだったのでしょうか。
真相はもはや闇の中です。

まとめ

【倍返しだ!】「半沢直樹」を現実のビジネス視点で解説!・第九話

ドラマ中の伊勢志摩空港の話に、モデルがあったとは驚かれたのではないでしょうか。
場所も近く、関係しているのかどうかわかりませんが、現役の自民党の幹事長の選挙地盤。
この件に関しては、噂の段階で止まっていて誰も手を付けていないところも、何だか空恐ろしさを感じます。
すべて明らかにするのはきっと無理なのでしょうね。
せめてドラマの中だけでも、きちんと不正を暴いて、悪人に土下座をさせるという痛快ストーリーを見てみたいものです。

この次はいよいよ最終回。
箕部に土下座をさせるのでしょうか?
3人まとめて1000倍返しは達成できるのか?
どんな決着になるか、最後まで解説していきます。

次回は、遂に完結の第十話を解説いたします。

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