会社設立には、法的な手続きとして会社の基本事項を決めて定款を作成する、資本金を払い込むなどの手順を踏むことが必要です。これについては、「保存版!会社設立までの流れ~」の記事で解説しました。
しかし会社設立時には、やるべきことがまだまだたくさんあります。この記事では、会社設立から事業開始までをスムーズにするために決めておきたい事柄について解説します。
目次
会社設立時に決めておくべき社内インフラ
登記をすることで会社の枠組みはできても、事業を始めるにはまだまだ準備が足りませんよね。何から手を付ければいいかも迷うところですが、まずは事業をスタートさせるために何が必要かを見ていきましょう。
電気やガス、水道などの公共サービス
まず必要なのは、電気やガス、水道といった基本的なインフラです。電気やガスは事業が自由化されたために数多くの業者が存在するので、プラン内容や料金などを比較して決めましょう。
月々にかかる固定費はなるべく抑えることで、経営への圧迫を防げます。
携帯電話とのセット割がある電気料金プランや、インターネット回線とのセットプランなどを用意している業者も多数あります。「困ったときにすぐ駆けつけてくれるかどうか」というのも選択の際の大きなポイントです。
電話番号・電話回線
事業を行うのに欠かせないのは連絡先です。定款の申請時には申請人の連絡先として電話番号も記載しますが、会社の電話番号は定款の掲載事項には含まれません。
個人では固定電話を持たない家も増えましたが、会社となるとやはり固定電話を備えるべきでしょう。何より、携帯電話しかない会社となると社会的な信頼性に欠けてしまいます。
かつては固定電話といえばNTTの一択でしたが、現在は複数の会社があります。NTTを通さない直収型のサービスもあります。また、回線にもアナログやデジタル(ISDN)、IP電話といった選択肢があります。
社員の人数や事業内容、取引状況などによって、回線も複数用意しておく必要があります。外回りの営業などなら、携帯電話を持たせる必要もあるでしょう。コストが抑えられ、かつ便利に使うにはどうすべきかを考えなくてはなりません。
インターネット回線
今やほとんどの会社・ほとんどの事業にインターネットは欠かせません。無線か有線か、といった違いのほか、業者やプランがたくさんあります。対応エリアはもちろん、通信速度や同時接続台数なども比較して決めましょう。
スマホとのセット割がある業者を利用する、プロバイダがセットになっている契約プランにするなどでコストを削減できる可能性もあります。
パソコン、オフィス用複合機などの機器
パソコンやタブレット、スマホやコピー・ファックス・スキャンなどの複合機も、事業開始までに揃えておく必要があります。
経費はなるべく抑えたいとはいえ、頻繁に不具合があると業務に支障をきたします。また、価格が高いほど機能も充実しますが、使い方によってはそこまでのスペックは必要ないことも多いものです。
デスクトップ型にするのか、ノート型にするのかは、価格だけでなく持ち運びするかどうかなど使い方によって決めるとよいでしょう。
最適な物を選ぶには、どのような使い方をするかなどをメーカーや販売店、リース業者に伝え、アドバイスをもらうのがおすすめです。
ITツール・ソフト
パソコンで使うツールやソフトも、あらかじめ購入や契約をしておきましょう。
たとえば給与計算が連動できる勤怠管理システムを導入すれば労務の負担も減らせますし、スケジュールなどを管理できるツールがあれば共有もしやすく便利です。
「Zoom」などWeb会議につかうアプリや「Chatwork」などのビジネス用チャットツールのほか、会計・経理ソフトなどさまざまなサービスがあります。
ただし必要なサービスを吟味して利用しないと、利用料がかさんでしまうので要注意です。
事業開始をスムーズにするための準備
次のようなものも、あらかじめ作っておくと取引先とのやり取りがスムーズにできます。
公式webサイトの制作
たいていの場合、会社を設立したばかりでは知名度も実績もありません。まずは信頼してもらうことが重要、となると役立つのが、自社の公式webサイトです。
ちゃんとした自社サイトがあるというだけでも、信頼度が増します。どんな会社なのか、事業目的や経営理念なども伝わりやすいでしょう。
理想にかない、かつ集客に効果的なSEO対策などを万全にしたwebサイトを作るには、コストはかかりますがプロの制作会社に頼むのが一番の方法です。
会社のロゴ・ロゴマークの作成
どんな会社なのかを最も端的に表したのがロゴマークです。看板や名刺、場合によっては製品にもロゴマークを掲載することで、知名度も上げやすくなります。
ロゴマークは、会社の特徴や目標、大切にしていることやターゲット層へのアピールなど、さまざまな要素をもとに作ります。長く使い続けるものとして、インパクトがありつつ愛着が持てる、納得できるものを作りましょう。
デザイン会社に依頼するのが一般的ですが、クラウドサービスやスキルマーケットで個人のクリエイターに作ってもらう方法もあります。無料でロゴが作れるサイトもあります。
名刺の作成
デジタルが主流の世の中とはいえ、対面で取引先などと話をする際に不可欠なのが名刺です。
名刺には社名や担当業務、氏名や連絡先が書かれているだけでなく、名刺デザイン全体のイメージが会社のイメージともなり得ます。かっこいい名刺を持つと気分が上がる、ということもあるのではないでしょうか。
名刺も、ロゴマーク同様に無料で作れるツールなどが出回っています。しかし、質の良いものを作るには制作会社に依頼するのが最善の方法です。
先を見越したトラブル・リスク対策も
会社設立は当然、誰もが成功を目指してするもの。良くないことは考えたくないですよね。しかし、人が複数集まり仕事とお金が絡むとなると、何らかのいざこざやトラブルはつきものと言ってもいいでしょう。
あえて何事もなく冷静な判断ができる設立時に、業績が悪化したり揉め事が生じたりしたときの対処法を考えておくこともおすすめします。
意見の相違が生じたときの解決法
1人で立ち上げて仲間を増やした場合も、複数人の同志で立ち上げた場合も、会社組織として進んでいくうちに意見の相違が生じたり方向性が違ってきたりすることもよくあります。
経営に関して意見がまとまらなくなった場合にどうするか、会社の舵をどう切っていくかは、経営に大きな影響を与える重要な問題です。
最終決定はどう決めるか、誰かに決定権をゆだねるのか、多数決にするのかなど、解決方法を決めておくことをおすすめします。
業績が悪化した場合のリミット
残念ながら事業が必ずしもうまくいくとは限りません。そこで考えておきたいのが、「目標を達成できる見込みはもうない」と判断するリミット、期限です。
軌道に乗らないまま、あるいは業績が悪化したままずるずると経営を続けてしまえば、負債が大きくなるばかり。従業員の人生や取引先の経営にも大きな影響を及ぼします。
あえてリミットを決めておくことで、是が非でも回避するための方法を考える力も湧いてくるものです。逆に、キッパリと諦めていったん終わらせる決意もしやすくなります。
事業計画などを踏まえ、具体的にどこまでは頑張れるのか、考えてみてください。ただし、それを融資担当者などに明かす必要はありません。
まとめ―専門家への依頼はBRICKS&UKまで
会社設立をする際には、社名や事業内容などといった大枠や次年度の事業計画などを決める必要があります。それだけでなく、ここで伝えたような電話番号やパソコンの台数など細かいことまで、考えることは山積みです。
いずれも「とりあえずこれでいいか」と適当に決めるのではなく、会社の規模をどこまで大きくするか、人をどこまで増やすか、事業計画も踏まえた上で考えましょう。どの業者に依頼するか、どのプランを契約するかで月々のコストも大きく異なります。
会計や税務、労務などのリソースがなく困っているのなら、専門家との連携も視野に入れましょう。費用はかかりますが、メリットも大きいはずです。
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