資金調達前に知っておきたい!
ベンチャーキャピタル(VC)の正しい選び方

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1. ベンチャーキャピタルとは

ベンチャーキャピタルとは将来の大きな成長が見込める非上場企業に対して、出資を行い、株式上場やM&Aを通じて、キャピタルゲインを得ることを目的とした企業です。
成長性が高いと見込むことができる、ただしどうなるかは未確定な企業に対して資本参画し、企業の価値を高めることで、大きな利益を得るという、ハイリスクハイリターンなビジネスモデルを軸としている企業とも言えます。

その相手であるベンチャーキャピタルから投資を受ける企業は、大半が株式上場を目指すケースが多く、銀行の融資とは異なり、ベンチャーキャピタルからは多額の資金調達が可能となるため、非常に魅力的かつ有力な資金調達先であると言えます。
ビジネスの内容や会社のステージにもよりますが、ビジネスの新規性・将来性が評価され、多額な場合は数十億円まで資金調達を行うスタートアップやベンチャー企業もあります。
多くの事業拡大を目指す企業にとって、ベンチャーキャピタルからの資金調達は、成長のための必須の通過点となっています。

一方で、ベンチャーキャピタルは資本を持つことになるため、経営に関しても深く関与することになります。
ベンチャーキャピタルは数多くの企業に投資し、成功例・失敗例についての幅広い知識・経験があるため、ベンチャーキャピタルの関与は経営上もメリットが多いですが、一方で、資本を持つベンチャーキャピタルの意向により、経営者が求める方向とは異なる経営判断を選択せざるを得ないケースもあります。
その意味は、資金提供を受ける企業においてもハイリスクハイリターンな一面があります。

こういった特徴を踏まえると、ベンチャーキャピタルからの資金調達は、新規のビジネスモデルを通じて、大きな成長を目指すスタートアップやベンチャー企業と呼ばれるリスクのあるビジネスを展開する新興企業にとって、とても有力な資金調達先と言えます。

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ベンチャーキャピタルの選び方

ベンチャーキャピタルの種類

ベンチャーキャピタルと一言で言っても、いくつかの種類があります。
具体的には公的資金によって運営されている政府系、証券会社が母体となっている証券会社系、銀行が主体として設立した銀行系、独立した資本で運営されている独立系などです。
それぞれに資金提供先のターゲットとしている企業が異なっており、また設立の背景から資金提供に対するスタンスが異なっています。

政府系であれば、民間とは異なるリスクテイクで社会的な意義のあるビジネスに対する資金提供を行うケースがあり、投資先企業のステージも多様、証券会社系であれば将来の成長可能性に中止した形での資金提供、銀行系であればビジネスに対する投資はもちろん、業務提携等、他のビジネスとの関係性も考慮した形での資金提供など、それぞれの特色は様々です。
また、どのベンチャーキャピタルにも当てはまりますが、アーリー、ミドル、上場前といった投資先企業のステージごとに特化もしくは強化する形で資金提供を行っています。
これは投資先企業のステージごとに投資リスクが異なるため、ベンチャーキャピタルのリスクに対する考え方を反映した事業戦略であると言えます。

ベンチャーキャピタルのスタンス

上記のとおり、ベンチャーキャピタルには多くの種類があり、投資スタンスも異なります。
では、ベンチャーキャピタルからの資金調達を考えている際には、ベンチャーキャピタルがどういったポイントで投資対象を選んでいるのか確認しておくことが重要です。

ベンチャーキャピタルにはそれぞれの投資スタンスがある点、また対象とする会社のステージを大よそ想定している点は、上記の通りです。
会社のステージごとのベンチャーキャピタルが資金提供をする際のスタンスについて確認します。

①アーリーステージの企業

まず、アーリーステージの企業です。
この企業はサービス・製品が開発されていて、これから市場での展開を考えているステージの企業です。
多くのベンチャーキャピタルでは、このアーリーステージの成長が見込めそうな企業には注目しており、投資の機会を探しています。数千万円~の資金調達が可能となります。

②成長ステージの企業

成長ステージの企業は、事業が軌道に乗りこれからもう一段階上へと成長をすることを目指している企業であり、このステージの企業を投資対象とするベンチャーキャピタルは、アーリーステージに比べると多くなります。

③さらに成長が進んだレイターステージの企業

このステージの企業は、株式上場も視野に入っているため、多くのベンチャーキャピタルが投資対象として交渉の相手となり得ます。
事業の成長性が非常に高いと考えられる場合、株式上場によるキャピタルゲインの獲得が高確率で見込めるため、大手のベンチャーキャピタルから数億円規模の資金調達も可能となります。

ベンチャーキャピタルを選ぶポイント

実際にベンチャーキャピタルからの資金提供を受ける際、どういったポイントがあるでしょうか。
検討すべきポイントについて確認します。
以下のポイントを参考にしながら、交渉すべきベンチャーキャピタルを決定することが重要です。

①1つのベンチャーキャピタルから投資を受けるか、複数から受けるか

大きなポイントとして、1つのベンチャーキャピタルから資金調達を受けるか、複数から受けるかという点があります。
1つのベンチャーキャピタルからの資金調達の場合、協議する相手は1つだけとなるため、様々な経営上の意思決定に時間がかからない、コミュニケーションがスムーズというメリットがあります。

一方で、ベンチャーキャピタルの出資比率が高まる可能性が高くなるため、ベンチャーキャピタルの発言権が大きくなり、創業メンバーの経営判断への影響力が低くなる可能性がある点は、デメリットです。

一方で複数のベンチャーキャピタルからの投資を受ける場合、出資を分散化することができるため、個々のベンチャーキャピタルの影響力を低くすることができる点は、大きなメリットです。
またベンチャーキャピタルはそれぞれに様々な強み・弱みといった特徴を持っているので、幅広い支援を受けることができ、事業の成長に繋げることができます。

一方で、経営上の判断を協議すべき相手が多数となるため、意思決定に時間がかかるなどのデメリットもあります。

②投資契約書の内容

ベンチャーキャピタルからの資金提供を受ける際、投資契約書を締結することになります。
この投資契約書は、非常に重要なものになるため、条件面の設定は慎重に決定する必要があります。

例えば、経営上の意思決定におけるベンチャーキャピタルによる事前協議・事前承認を求める条項などがあります。
この条項が非常に細かく入っていると、経営判断の都度、協議・承認を求める必要があるため事業運営がスムーズに進まず、時間と労力を要するものになります。

③ベンチャーキャピタルからの役員の派遣

その他、ベンチャーキャピタルからの役員の派遣があるケースがあります。
ベンチャーキャピタルは多額の資金提供を行っており、主要株主でもあるため、投資先企業に自社の社員を役員として派遣するケースも多々あります。
経営上の意思決定にベンチャーキャピタルが関与することで、様々なメリットがあることも事実ですが、一方で非常に細かいレポーティング等を求めるベンチャーキャピタルである場合、マイナスの影響があり、企業にとって負荷となるケースもあります。

役員派遣が前提の場合、基本的にベンチャーキャピタルが投資している期間は、常に派遣されることになるため、資金提供を受けるベンチャーキャピタルの評判は十分に調査し、自社のスタンスに合うかどうか慎重に検討する必要があります。

④ストックオプションなど希薄化防止条項の内容についても注意が必要

ベンチャーキャピタルとしては、ストックオプションが際限なく発行されると、自社が持っている株式の持分がどんどん希薄化する、つまり会社の支配比率が下がっていくため、できるだけ希薄化を避けるため、この条項を入れることが一般的です。
しかし、過度に希薄化を防止するような内容となっている場合、創業者にとって非常に不利な条件となる場合も考えられ、将来の金銭的なメリットを損なう可能性もあります。

ベンチャーキャピタルとの関係・コミュニケーション

ベンチャーキャピタルは重要な資金調達先であり、協力すべき相手でもありますが、創業者の利益を損なわないように、また健全な事業の成長を達成するために、その関係性には注意が必要です。
前提となる投資契約書を締結する際には、一つ一つの条項について慎重に決定することが重要です。

ベンチャーキャピタルとのコミュニケーションを密に行い、考え方・理念も含めて自社に合う先かどうかを慎重に見定めた上で、投資契約書の文言への落とし込みを行い、信頼できる質の高いベンチャーキャピタルのみをパートナーとすることが、事業成長のための重要な検討ポイントです。

まとめ

ベンチャーキャピタルからの資金提供は、大きな事業の成長を目指すスタートアップ・ベンチャー企業にとっては不可欠です。
そして、資金提供を受けることによりベンチャーキャピタルとの関係は非常に強いものになるため、長い目で見て、信頼関係を構築していくことができる相手かどうか、他社における評判も参考に慎重に見極めることが必要です。

ベンチャーキャピタルから投資を受けること自体、簡単なことではないですが、だからと言って資金提供を受けることができるならどこでもいいという訳ではないということです。また、一度ベンチャーキャピタルから資金提供を受けると、そのベンチャーキャピタルが株主から抜けるのは、株式譲渡の時だけなので、簡単に後戻りはできません。

ベンチャーキャピタルからの資金調達を検討する際には、上記のポイントなどを参考に慎重に検討を行う必要があります。