【知っておくべき意味と重さ】
「連帯保証人」のリスクについて

連帯保証人のリスク
【記事を読んで「いいね!」と思ったらシェアをお願いいたします!】

連帯保証人のリスク

連帯保証人は大きな責任を背負うことになります。
経営者の立場で他人に頼む場合「絶対迷惑はかけない」と本気で考えているでしょう。ただ、世の中に絶対と言い切れることはありません。
経営に行き詰まり、夜逃げをして連帯保証人が破産する例はいくつも存在します。
また取引先や、知り合い、家族に連帯保証人を頼まれることもこの先あるかもしれません。
そのとき、どう対応すればいいのでしょうか?
今回は知っておきたい連帯保証人のリスクについて解説します。

合わせて読みたいおすすめ記事

連帯保証人は債務者と同じ責任

社会保険・労働保険

連帯保証人は、自分でお金を借りることと同じです。
実際にお金を借りた主債務者が返済できなくなったとしたら、連帯保証人は、主債務者の代わりに返済の義務を負わなければなりません。
「連帯保証人には絶対になるな」という言葉の根拠はここにあります。
市町村・都市共済における貸付原因の統計で、平成18~20年度の破産原因が保証人関連というデータも出ているほどです。
平成18年度が64件という数値は全体の31.37%となっています。
平成19年度も68件で45.03%、平成20年度では、50件で30.30パーセントです。

連帯保証人がどうして怖いのか

どんな人が会社を作るべきか

保証人には、保証人と連帯保証人があります。
保証人と連帯保証人、どちらも主債務者が借金を返済できなければ肩代わりをしなければならない、という点においては同じですが、連帯保証人と保証人には大きな違いがあります。
連帯保証人には、「3つの権利」がありません。それが保証人以上に連帯保証人のリスクを大きなものにしているのです。

保証人にない連帯保証人の大きなリスク

連帯保証人にない3つの権利とは「催告の抗弁権(民法452条)」「検索の抗弁権(民法453条)」「分別の利益(民法456条)」です。

催告の抗弁権とは、債権者による取り立てが来た場合「私ではなく先に債務者の方へ行ってくれ」と言える権利です。
検索の抗弁権は「債務者に財産がある場合、返済請求を拒否できる権利」となります。
分別の利益は、保証人が数名居る場合、保証債務を平等に分担した金額だけ、保証人が返済すればいいという内容です。
3人の保証人がいる場合、300万の返済を求められたら単純計算で1人100万円返済するという形になります。

連帯保証人は分別の利益がありません。
連帯保証人が数人いても残債などは分割されず、各連帯保証人に支払い義務があるのです。
これが、連帯保証人の大きなリスクとなっています。

債権者は債務者と連帯保証人どちらからでも取り立てができる

実際に借金をしたのは主債務者のため、主債務者がまず借金を払い、どうしても返済が難しくなった時点で連帯保証人に返済義務が生じると多くの人が考えてしまいます。
ただ、債権者は確実に回収できる方に全額支払い請求を行えるのです。
連帯保証人の方がお金を回収しやすいと判断する場合も珍しくありません。
連帯保証人には催告の抗弁権、検索の抗弁権もないからです。
このように、連帯保証人になるメリットはまずないと考えましょう。

連帯保証人になると生活状況が変わっても関係ない

連帯保証人になった時点で、経済的にも余裕があり受けても大丈夫と判断する人も少なくありません。
ただ、連帯保証人の生活状況が大きく変わる場合もあります。
経営していた会社が傾く、雇用されていた会社が倒産する、大病を患って収入源がなくなるなどの問題が挙げられるでしょう。

その場合、流石に連帯保証人契約は無効になると考える人もいるはずです。
結論から言うと、残念ながら連帯保証人の生活状況が変わっても考慮に入れてもらえず返済義務は残ります。
余裕を持って返済することができず、心身共に追い詰められてしまうのです。

連帯保証人の借金は相続される

連帯保証人になった人が死亡した場合、相続時にトラブルになることがあります。
相続をする場合、連帯保証人も含めて相続しなければならないからです。
相続は財産だけではなく、借金も引き継ぐことが原則となっています。

主債務者の返済が滞る、不可能になった場合、債権者の取り立てを相続した人間が引き受けなければなりません。
「あくまで契約をしたのは両親だから」という言葉は通じないのです。

相続放棄で避けることはできる

相続で連帯保証人になることを回避する方法はあります。
それが「相続放棄」です。
家庭裁判所などで手続きを行えば、相続放棄が認められます。連帯保証人についても放棄することができるのです。

ただ相続放棄をすると連帯保証人だけではなく、引き継げるはずだった財産もあきらめなければなりません。
資産は相続するけれど、連帯保証人のようなマイナス要素だけは放棄するという都合のよいことは認められていません。

連帯保証人を相続しなければならないが、十分に対応できる財産があるなら、相続放棄はしないほうがよいでしょう。
この場合、主債務者の返済状況もしっかりチェックする必要があります。

連帯保証人の中でも事業用融資のリスクは高い

連帯保証人が求められるケースはたくさんあります。
ただ事業用融資で求められる連帯保証人は、金額が他のケースより高額になることが多いでしょう。
連帯保証人を依頼する立場なら、その点は重視しなければなりません。

一般的に多いのは賃貸借契約です。
アパートやマンションなどの賃貸物件でも、賃料の滞納を防ぐために要求されることは少なくありません。
ただ、この場合、親、兄弟、親戚に依頼しても受けてもらいやすい契約でしょう。
いなくても、保証会社があるので、連帯保証人の中ではリスクの少ない契約です。

他には、住宅ローンがあります。住宅ローンでは、夫婦でも一方が連帯保証人になれます。
また、日本学生支援機構が設けている奨学金などでも連帯保証人が必要です。

ただし事業用ローンなどの連帯保証人は、上記の契約と金額が大幅に違うことは頭に入れておいてください。
高額であればあるほど、返済できなくなった場合、連帯保証人に大きな迷惑をかけることは考えなければなりません。

主債務者が自己破産した場合のリスクも大きい

主債務者が、自己破産を行ったとしても連帯保証人は関係ありません。
代わりに残債を返済しなければなりません。
問題は残債の一括返済を請求されるケースでしょう。
金額次第では連帯保証人も債務整理をしなければならない羽目になるのです。

そもそも主債務者が自己破産をしたのだから、連帯保証人の契約も変わるのではないかと考える人もいるかもしれませんが、自己破産はあくまで主債務者が行ったことと判断されます。
これも連帯保証人の大きなリスクと言えるでしょう。

保証人を頼まれたらどう対応すればいい?

連帯保証人のリスク

起業や経営の資金集めで連帯保証人を立てる側ではなく、逆に頼まれることもあるかもしれません。
家族や親友などに頼まれたとき、断るのはなかなかむずかしいものです。
断りたい場合、どうすればよいか方法を知っておけば人間関係を崩さなくて済むかもしれません。

正直な気持ちを誠実に伝えて断る

連帯保証人になってくれと頼まれたとき、具体的に断る理由を伝えてください。
「金銭のことで人間関係を壊したくない」「経済的に余裕がない」「親の遺言で連帯保証人になるなと言われた」などがよくある断り方です。

ただし、自分がかつて相手に対し「連帯保証人になってくれ」と頼んだことがあるなら、なかなか通じない方法でしょう。
相手としては「こっちが頼んだら断るのかよ」と険悪な関係になる可能性は十分にあります。

代わりのアイディアを一緒に考える

連帯保証人を断る代わりに他の融資方法を一緒に考えるのもよいでしょう。
日本政策金融公庫には、無保証融資もあります。銀行カードローンも無担保・無保証です。

ただ、相手は「そんな方法はすでに行っている」と訴えてくるかもしれません。
つまり、さまざまな方法ですでにいくつかの融資を受けている状況と考えられます。
その上で、連帯保証人を頼んで来る場合、相手はかなり危険な状況に追い込まれている可能性があります。
その場合、人間関係が壊れるのは覚悟の上で「無理だ」と断るしかないでしょう。

すでに他の人の保証人になっている

他の保証人になっているという言葉も、相手は断るしかなくなります。
ウソでも方便として使える方法です。
他の保証人になっている相手に「そんなの関係ない」と言われるかもしれません。ただ、それは自分の都合だけを押し付けようとしているだけです。
「すでに保証人になっており、その人も返済状況が厳しいので、いつ取り立てが来るか分からない」となれば相手もあきらめるしかないでしょう。

子供の頃親が苦労したのを見てきた

親、祖父母、親戚などが連帯保証人になって、苦労したのを身近で見てきたという体験を伝えるのもよいでしょう。
同時に「親族にも迷惑をかけることになり、きつく言われている」ということを伝えてみてください。
「このような理由で今まで頼まれた人には申し訳ないけれどすべて断っている」と伝えましょう。
「気持ちは分かるけれどルールなのでしかたがない」という点を強調してください。

自分がお金を貸す

連帯保証人にはなれないが、友情を壊したくない、親戚や兄弟なら、簡単に断ることもできません。
その場合、誠意を見せるつもりで、少額でもよいからお金を貸すのもよいでしょう。
この場合、お金は返ってこないことも覚悟してください。困っているときはお互い様と割り切って貸してみましょう。

ただし、一度貸して、二度目、三度目とずるずる貸し続けるのは止めたほうが無難です。
そのときは「前の借金を返してもらっていないのに貸せない」ときちんと断ってください。

連帯保証人になるときや頼むときに用意したい確認事項

連帯保証人のリスク

連帯保証人になる、あるいは自分が頼むときは、保証契約書が必要です。
保証契約書には、署名と捺印が求められます。そのとき、書類を隅から隅まで内容をチェックしてください。特に、借入先には注意が必要です。勝手に銀行や公庫からの融資と思い込んでいたが、実際は消費者金融だったということもあります。
この場合、大きなトラブルの原因になるでしょう。

同様に厳しくチェックしたいのは金額です。
事前の相談で百万円と聞いていたのに、書面を見ると何千万と書かれている場合もあります。
それほどの大金だと、主債務者が返済できなくなったとき連帯保証人には大きな負担だけが待っているでしょう。
聞いていた話と違うなら、それはウソということになりますから断るのが無難です。

借金内容についても、生活費が厳しいと言いながら書面に数百万と書いているなら、疑ってかかりましょう。
生活費に数百万円もかかるわけがありません。事業資金に当てようとしている可能性が高いからです。

まとめ

連帯保証人のリスク

やはり事業融資で連帯保証人になるリスクは非常に高いと考えてください。
連帯保証人を頼む側になるとしても、経営状態次第では大きな迷惑をかけることになります。
当然、軽い気持ちで頼めるものではありません。連帯保証人ではなく、公庫などでは、無担保、無保証の融資制度があります。
銀行カードローンなどもあるのです。融資が必要なら、そこからまずスタートしてはいかがでしょうか。