創業融資とは、まだ事業をスタートする前の起業家や、事業を始めて間もない事業者に、必要な資金を融資する仕組みです。
起業時には、日本政策金融公庫の「創業融資(新創業融資制度)」が最も多く利用されている調達方法ではないでしょうか。
他に例を挙げると、地方自治体や地場系金融機関と信用保証協会の独自制度、「生活衛生改善資金貸付(えいけい貸付)」などから調達する方法があります。
多くの創業融資は、無担保・無保証人で申請することができるなど、創業者の状況に配慮した融資条件となっています。
どの融資制度を利用するにせよ、まず創業融資を受けるにあたっての「融資審査」を通過する必要があります。
気になる合格率は公表されていないのもの、審査を通り融資を受けられる人は、実は全体の3割程度といわれています。
何の準備も事前知識もなく申請書を提出しても、おそらく審査をパスすることは難しいでしょう。
そこで今回は、創業融資の審査の合格ポイント、そして審査に落ちてしまう理由をピックアップしてお伝えします。
融資申込みする際に、ご自身は大丈夫かどうか参考にしてみてください。
創業融資の審査を通過するには?
コロナ感染拡大防止の影響により企業の収益確保が困難を極める今、創業融資についても、非常に慎重に審査が進められることを覚悟した方がよいでしょう。
経済活動自体が低迷して、対面販売などにも制限があり、コロナ予防措置など関連コストがかかることを鑑みると、貸す側も慎重にならざるを得ないことが予想できます。
しかし創業後3か月未満の場合は、実質、無利子・無担保の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の対象になりません。
やはり頼りになるのは創業融資です。
ここでは創業融資の審査において、注意しておきたいチェックポイントをまとめました。
創業融資は創業計画書で判断される!
創業前の事業者や、あるいは創業間もない事業者には、当然まだ実績がありません。
黒字企業になるも赤字企業になるも、今後の展開次第というわけです。
融資する側にとっては「利益を出せる企業になる=返済できる」でなければ融資対象になりません。
そこで利益を出せる事業を始める、ということを示す「創業計画書」の説得力が問われることになります。
創業融資は、特に創業の動機や事業内容、現実的な返済計画などの、客観的な根拠のある収益プランでジャッジされると心得ましょう。
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創業融資は初回申請で成功させるのがカギ!
創業融資の申込みは一度限りではありません。
しかし、経営者となる人が持っているべき「客観性」「現実把握」「将来予測」などの資質が不足していると判断されると、大きなマイナス点となることでしょう。
初回の審査でしっかりと事業への熱意、実直な経営者感覚をアピールし、一度で融資を取り付けたいものです。
「落ちてもしばらくしてからまた再挑戦すればいい」という甘い考えでは審査はまず通りません。
また、このような人材を振り分けるために、2度目の審査はより厳しいチェックの目が光る、と考えておいたほうがよいでしょう。
失敗する前に!Bricks&UKにおまかせください
融資審査は、すべて自分で進めることもできますが、やはり専門家を通すことで得られるメリットは大きいです。
しかも万が一融資が通らなかった場合、最低でも6か月間は再申し込みができない、というリスクが生じます。
もしご自身で申し込みをされて審査が落ちた場合、次に融資へ申し込むことができるのは6か月後。
できるだけ高い確率で創業融資を成功させたいのならば、自力でのお申込みはおすすめできません。
ぜひ「認定支援機関」である「税理士法人Bricks&UK」におまかせくださいませ。
まずはお気軽に無料相談からどうぞ!
創業融資は融資したいと思わせることが大切!
2020年から新型コロナの影響により、一段と融資環境は厳しさを増しています。
ましてや、コロナ渦で苦戦を強いられている業種では、利益確保の道筋を明確化することが大切です。
つまり具体的な数値を元に、事業が成功する客観的な根拠を示す必要があります。
あくまでも国が融資したいのは、利益を出し雇用を創出し長く続く事業であることを忘れないようにしましょう。
創業審査に落ちる失敗理由8つ
自分なりに万全の準備で挑んだつもりだったけれど、融資審査に落ちてしまった。
そんな方は、次に挙げる8つの創業融資審査に落ちた理由のいずれかに心当たりはありませんか?
創業融資の審査は一度限りではありませんので(2回目はより厳しい審査になる可能性大ですが)、ぜひ反省材料として参考にしてみてください。
これで失敗!その1 多額のローンや借金がある
創業融資にあたっては、申請者の債務情報がチェックされます。
預金通帳情報、そしてクレジットカード支払いの延滞などの「個人信用情報」です。
預金通帳では、「毎月の入出金の金額が有し支払可能額と判断できるかが問われます。
個人信用情報では、クレジットカードやローンの支払いに延滞や遅滞がないかが重要な情報です。
これらの情報によって、健全な債務観念、資金管理能力の有無が判断されます。
もし心当たりがある方はローンの完済など借金返済が優先となります。
これで失敗!その2 申請内容と実態に差がある
審査する側にとって、疑念を抱く大きな理由のひとつが、申請内容と実態に差がある場合です。
たとえば、住宅ローンなどの負債状況の記載内容と、個人信用情報の内容が食い違う場合です。
不正を働こうとしているのではなくても、「少額の引き落とし不可(携帯電話料金など)」「奨学金返済」「国民年金の未納」などは忘れがちになることが多い負債です。
しかし、たとえ少額であったとしても、負債は負債。
把握が不完全ということは、経営者としての資質に欠けると判断されても仕方がありません。
これで失敗!その3 自己資本がマイナスである
まず審査に落ちてしまう大きな理由が、申請時に自己資本がマイナスとなっているケースです。
一度ご自分の資産、すなわち現金や預金などの「資産」から「住宅ローン」「ショッピングローン」「キャッシング」をマイナスしてみてください。
マイナスになってしまう、という場合、会社の経営状況としては「負債過多」です。
融資しても倒産してしまい「貸し倒れ」になると判断されてしまいます。
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これで失敗!その4 融資希望額が不必要に高額である
事業に必要な金額として、妥当と思われる見積金額よりも大幅に多額な融資は不自然さを問われます。
いくら低金利といっても、まだ事業で利益が挙がっていない状況で、不必要な負債を増やすことは健全ではありません。
これで失敗!その5 創業あるいは融資申請直近で大きな支出がある
創業する少し前に、住宅を購入するなどの大きな借金を抱えたケースです。
まだ事業の収益が上がっていない段階で、住宅ローンとさらに融資返済を抱える状況は、収支予想が甘いと判断される可能性が高くなります。
これで失敗!その6 面談での印象が悪い
融資審査では書類申込みの後、融資担当者との面談があります。
面談では、きちんと事業内容や融資資金の使い道を伝えることが重要です。
しかし、それだけでは足りません。
企業に就職する場合の面接などと同じで、面談での印象も重要視されます。
単純に融資担当者の好みの問題もありますが、それよりも面談での印象が悪い人は、事業を始めてからも悪い印象を持たれる可能性が高く、それは事業の失敗につながります。
具体的には、服装、話し方、態度、などが重要です。
服装に関しては、オフィスカジュアルやスーツスタイルが無難でしょう。
カジュアルな服装がNGというわけではありませんが、融資担当者によっては印象が良くないかもしれません。
また、清潔感のない服装も避けるべきです。
あくまでビジネスの場と考え、最低限のマナーに沿った服装を心掛けましょう。
また場合によっては、融資担当者に腹が立つということもあるかもしれません。なんとか融資して欲しい事業者ほど、審査担当者に対して下手に接するということが考えられ、融資担当者も自分の方が立場が上と勘違いしてしまうかもしれません。
たとえ融資担当者が明らかに上から目線の態度であっても、軽率な対応は避けて、謙虚な姿勢で融資をお願いした方が良いでしょう。
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これで失敗!その7 必要な許可が取れてない
事業の種類にもよりますが、たとえば飲食店やヘアサロンなどは営業するためのさまざまな許可が必要です。
最終的には許可を取って開業しようと考えているかと思いますが、融資の段階ではまだ許可を取得していない場合もあるでしょう。
公庫の場合は、許可がなくても臨機応変に対応してくれる場合が多いですが、銀行は許可がないと融資を断られる可能性があります。
もちろん、銀行の場合も許可が「必須」というわけではなく、担当者の判断に委ねられます。
公庫の方が、許可証を持っていなくても融資してもらえる可能性は高いといえます。
これで失敗!その8 ノンバンクから融資を受けている
基本的に、すでに融資を受けている場合、公庫の融資審査に不利になる可能性があります。
なぜなら、その分返済金額が多くなるからです。
ただし、民間の金融機関と公庫の融資を併用するケースは一般的なので、銀行や信用金庫からの融資であればそこまで問題はないでしょう。
問題になるのはノンバンクからの融資です。
たとえば、消費者金融などは金利が高いため、公庫が融資したお金を回収するのに足かせになります。
また、民間金融機関ではなく、なぜ消費者金融から借入しているのか、と不信を抱かれる可能性が高くなります。
公庫から融資を受けたいのであれば、少なくとも審査前にノンバンクから借り入れるのは避けた方が良いでしょう。
まとめ
創業融資の審査に落ちた理由について、原則、教えてはくれません。
また、創業融資の審査に再チャレンジしたとしても、通過する可能性は高くないようです。
その理由の多くは、前回の審査時のマイナスポイントが修正されることなく、事業に成功する可能性が、極めて低いと判断せざるを得ないことにあります。
ここでもう一度審査でマイナスとなる理由をまとめておきます。
- 創業審査に落ちた理由.1 多額のローンや借金がある
- 創業審査に落ちた理由.2 申請内容と実態に差がある
- 創業審査に落ちた理由.3 自己資本がマイナスである
- 創業審査に落ちた理由.4 融資希望額が不必要に高額である
- 創業審査に落ちた理由.5 創業あるいは融資申請直近で大きな支出がある
- 創業審査に落ちた理由.6 面談での印象が悪い
- 創業審査に落ちた理由.7 必要な許可が取れてない
- 創業審査に落ちた理由.8 ノンバンクから融資を受けている
審査を通過し融資を受けられることで、当然、事業予算に余裕が生まれます。
そして「審査に通過した=事業プランが認められた」ということは、大きな自信を与えてくれます。
出来れば初回審査にパスして、幸先の良いスタートを切りたいですね。
もし二度目の挑戦ならば、前回の失敗を挽回し今度こそ成功させるという意気込みが大切です。
今回ご紹介したチェックポイントをクリアしているかを要チェックしてください!
準備万端整えて、創業融資審査突破を目指しましょう。