【融資審査のポイント】融資担当者が見ている9つの重要項目

【融資審査のポイント】融資担当者が見ている9つの重要項目
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資金調達のため銀行の融資審査を受ける際、融資担当者どのような点をチェックしているのでしょうか?
これが分かれば事前に対策を行い、審査通過する確率をアップさせることができるはずです。

銀行による融資では、決算書や事業計画書を元に審査が実施されます。
銀行融資の決め手になるのは、信用状態を表す格付など複数の要素です。
実際の審査は、会議など人を介した話合いではなく、稟議書(りんぎしょ)という書類を回して進められます。

今回は融資担当者が融資審査でみているポイントや、融資の交渉を有利にすすめる対策法を解説します。

銀行員が融資審査で見ている9つのポイント

事業資金の融資では、担当の銀行員に手間のかかる稟議書を書いてもらう必要があります。
そのため銀行員に「返済が見込める」と確信してもらえるような説得力が重要です。

ここでは銀行員が融資審査でみているポイントを9つご紹介します。

ポイント1. 信用状態を表す債務者格付や債務者区分

各銀行は独自の評価基準で、貸出先ごとに信用状態をもとに債務者格付を実施しています。
債務者格付とは、債務不履行(デフォルト)の可能性の大小によって、貸出先に序列をつけグループ分けするシステムのことです。

この格付は、債務者格付と呼ばれるもので、融資の決め手となる重要な指標です。会社の格付が一区分変わるだけで、銀行からの扱いが大きく変わります。

格付のグループ区分の数は各銀行によって異なり、13グループ前後存在します。
さらにこの格付けは、債務者区分と呼ばれる「正常先」「要注意先」「破綻懸念先」「実質破綻先」「破綻先」という区分と格付は紐付けされています。

新規に事業資金の融資を受けるためには、原則的に「正常先」という区分が必要となります。
実は、現在はこうした格付けでの判断でなく事業内容や将来性といった事業性での判断をするよう金融庁からのお達しがでているのですが、実際には格付けも生きていると考えられます。

ポイント2. 貸借対照表の純資産の自己資本比率

自己資本比率は、会社の安全性をみるための重要な指標です。
返済の必要がない資本のことを指しており、財務分析では長期的な支払能力の有無を把握するために使われます。

この自己資本比率は、貸借対照表の純資産から導き出されるものです。
自己資本比率がマイナスの場合は債務超過とされ、融資を受けるのは非常に厳しくなります。

業種によって銀行から期待される健全な自己資本比率は異なるため、20%なので低いとか高いとか一概に言いきれないことも知っておきましょう。
同業他社と比較して、業界の水準を知っておくと融資の交渉の席で役立ちます。

ポイント3. 事業主の信用情報

たとえば日本政策金融公庫の融資では、事業主の信用情報がチェックされます。

借入申込書にも個人信用情報機関のシー・アイ・シー(CIC)と提携していると明記されているからです。

そのため過去に自己破産などの債務整理した経験がある人は、融資を成功させるのは非常に厳しいと言えます。
債務整理を経験すると、銀行から返済能力に問題があるとみなされてしまうからです。

個人信用情報機関から債務整理した記録が消えるまで、融資の見込みはないと考えた方が良いでしょう。

ポイント4. 損益計算書の営業利益と経常利益

決算書の損益計算書をみて、銀行員は利益の有無をみます。とくに営業利益と経常利益に注目しており、この2種類が黒字であれば良い評価を得られるでしょう。特に経常利益が3年連続で黒字を達成していれば、かなり高い評価を得ることも可能です。一方、営業利益や経常利益が赤字の際は、この赤字が来期には解消されることを説明する必要があります。積極的な説明がなければ、銀行の融資担当者の脳裏には赤字の事実だけが焼き付いてしまうからです。そこで今期の赤字は一過性のものだと説明しましょう。今期は戦略的に、積極的な販売促進を展開したことによるもので、来期は黒字になる見込みだ、といった説明をそえます。しかしこのような説明も、特別損失が毎期発生している状況では信用度が低く、効果がありません。

ポイント5. 設備資金あるいは運転資金?資金使途

資金使途とは、融資の使い道のことです。銀行の融資担当者にとって、わかりやすく前向きな資金使途を伝えます。事業性のある資金使途だということが大切です。「設備資金」や、在庫資金などの「運転資金」は理解されます。一方、「赤字補てん資金」や消費税や源泉税の納税資金を使ってしまい穴埋めのために「預り金補てん資金」を必要としていても、銀行からの融資は望めません。別荘など事業収益と関係のない資産の購入資金も、融資の対象外ですので注意しましょう。なおこの資金使途は、次に解説する資金繰り計画書でも数値で説明される必要があるものです。そのためくれぐれも嘘のないように、しっかり考え抜いて資金使途を決める必要があります。

ポイント6. 事業計画書の資金繰り計画書(返済財源)

事業計画書には、資金繰り計画書を含めます。これから借入する融資が、確かに事業目的に使われ、返済されることをシミュレーションして、銀行の融資担当者にみせることが大切です。月次資金繰り計画表(36ヶ月分)を作りましょう。このなかで数値を使って、資金使途と返済財源を説明します。これにより使用使途が運転資金か設備投資資金にかかわらず、今回の借入が事業目的に使われる、つまり借入が必要だと示せます。次に返済できることを示すために、返済財源を数値で説明しましょう。使用使途ごとの返済財源の説明方法は次のとおりです。

在庫資金:未来の売上で返済財源を示す・設備資金:未来の利益で返済財源を示す

36ヶ月内に月々の借入返済額より税引き後の利益額が、徐々に上回るように資金繰り計画書を作成しましょう。

ポイント7. 事業計画書の損益計画書

事業計画書には損益計画書も含めます。
損益計画書は、事業戦略なしには作成できません。
事業戦略と数値計画をくり返し見直すプロセスを経て、損益計画書を作成します。

事業戦略を立てるためには、ターゲット顧客を設定し、そのニーズに見合う商品・サービスを具体的に検討します。
この作業にはコンセプトシートが役立つので利用してみましょう。

たとえ顧客のニーズは満たしていても、採算に合わない場合や自社・協力者の許容範囲を超える場合には、その商品・サービスは提供できません。
損益計画書作りで重要な点は、銀行の融資担当者に確実に利益が出ることをみせることです。

表計算ソフトのスプレッドシート上で利益を出すためには、売上が重要な要因となります。
売上目標値は、「根拠のある数値」であることが大切です。過去に売上実績があれば、その実績資料を裏付け資料として合わせて提出します。
当該商品やサービスの売上実績が過去になければ、競合他者と比較するなどして、綿密な想定をもとに売上目標値を導きだしましょう。

損益計画書の数値が思わしくない場合、事業戦略を修正しましょう。
融資担当者が納得できる損益計画書になるまで、事業戦略も調整や修正を重ねることになります。

ポイント.8 税金、社会保険料、公共料金の納付状況

法人税、消費税、地方税などの税金を、事情があって納付できない状態を放置していると、銀行から融資を受けられません。
納付状況をチェックされる方法には次のようなものがあります。

  • 納税証明書の提出を求められる
  • 税金を納付済みだと証明できる領収書の提出を求められる
  • 決算書の勘定科目内訳書で確認される
  • 支払い状況を確認できる通帳の提出を求められる

社会保険料や公共料金についても同様の扱いです。
金融機関によっては、滞納している額が少なく完納の見通しが立てば、融資への道が開くこともあります。

しかし原則として、税金、社会保険料、公共料金の納付状況が滞納であれば、融資を受けるのは厳しいでしょう。

ポイント.9 口座の売上入金や仕入・経費の支払の動き

銀行に事業への理解を深めてもらうためには、売上の入金や仕入れの支払いなど、資金の動きを通帳でみせましょう。

メインの事業口座の通帳をみれば、ひと目で売上や経費の動きがわかるようにしておけば、ゴマカシがないため融資担当者の心証が良くなります。
口座振替を活用するなどして、意識的に入金・出金をひとつの口座にまとめることが大切です。

銀行融資の交渉で気をつけたいポイント

銀行融資を成功させるためには、銀行員との交渉の現場で事業に将来性があるとアピールする必要があります。

ここでは、融資の交渉で気をつけたいポイントについてみていきましょう。

融資担当者とのこまめなコミュニケーション

最近の融資の現場は変わりつつあります。
銀行は金融庁からの要請で、数字で割り切りすぎずに、事業性評価を重視するよう求められているからです。
そのため決算書の数字が悪くても、事業に将来性があれば、融資を受けられる可能性が高まりつつあるといえます。

この融資の可能性を高める努力は、経営者側から積極的に融資担当者に事業について知ってもらう働きかけが大切です。
リアリティのある事業計画書を作成し、事業の将来性を積極的に証明する努力をしましょう。

融資担当者とこまめにコミュニケーションをとれるように、充実した資料作りを重ね、わかりやすく伝えるるプレゼンを心がけることが重要です。

税理士のサポートを受ける

過去に融資を受けた実績のない会社の場合、銀行との交渉は心理的に負担の大きいものでしょう。
不安を感じる人は、資金調達の経験が豊富な税理士のサポートを受けるのもひとつの方法です。

税理士のサポートがあれば、融資担当者が納得しやすい事業計画書や資金繰り計画書を効率よく作成できます。
税理士の資金調達の経験やノウハウが活かされた書類があれば、融資の面接にも自信をもって臨めるでしょう。

ただし書類作成をまかせすぎて、決算書や事業計画書の内容を自分の言葉で説明できないと、面接時に融資担当者の心証が悪くなります。
融資の面接をどう切り抜けるか税理士からアドバイスを受け、自分の言葉で質問に答えられるようにしておきましょう。

ノンバンクからの融資はなるべく避ける

銀行からの事業融資を検討しているなら、消費者金融などノンバンクからの借入は避けたいものです。
ノンバンクからの融資は、銀行からの融資に比べて高金利です。

高金利の融資に手を出さざるをえない会社は、経営状態が危ない会社だとみなされます。
万が一、ノンバンクからの借入が判明すると、保証会社が間に入らず銀行が100%リスクを負うプロパー融資の成功は、非常に厳しいといえるでしょう。

個人事業主や中小企業におすすめの銀行

日本政策金融公庫は、政府が発行済株式を常に100%保有している政府系金融機関で、民間の金融機関とは区別されます。

預金を取り扱わないので一般の認知度は低いですが、民間では消極的なリスクのある融資にも前向きなのが特徴です。

ここでは、創業するなら検討したい、日本政策金融公庫の融資について解説します。

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政府系の日本政策金融公庫

日本政策金融公庫の国民生活事業は、社会のセーフティネットや日本経済の長期的な成長・発展を支援する役割を果たしているのが特徴です。

「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を実施し、実質無利子・無担保で融資することで、事業主が悩む資金繰りの不安を軽減しています。
災害発生時も、事業主が頼りにできる銀行といえば、日本政策金融公庫です。

日本政策金融公庫の国民生活事業は、主に小口融資に注力しています。
事業資金の融資先数は、令和元年度において88万先にのぼり、無担保融資の割合は8割を超えました。
平均融資残高は703万円と、小規模事業者にとって心強い銀行といえるでしょう。

新型コロナウイルスの影響を受けた事業者の支援にも力を入れており、令和2年8月末時点で事業資金の融資先は約113万先と大幅に伸びています。

日本政策金融公庫は、創業融資制度でもよく知られた銀行です。
特に新規で事業を目指す人、あるいは確定申告を2期終えていない、事業を始めたばかりの人に向けた「新創業融資制度」は注目です。

これは無担保・無保証人の融資制度として人気があります。
小規模事業を営み事業資金を必要としている人は、日本政策金融公庫の融資制度を検討すると良いでしょう。

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まとめ~銀行融資には決算書や事業計画書が重要~

【融資審査のポイント】融資担当者が見ている9つの重要項目

銀行融資を受けるためには、決算書の数字がとても重要です。
しかし数字が悪ければ、チャンスがゼロというわけでもありません。

政府の方針で、銀行は2014年の日本再興戦略に盛り込まれた「事業性評価」を重視するよう変わりつつあります。
これにより将来性があれば、理論上は融資を受けられる可能性が増えたことになります。

数字がひどい状態でも融資を可能にするためには、事業計画書を練り上げ、事業の将来性を知ってもらう努力が必要です。
銀行の担当者が自信を持って稟議書を作成できるよう、具体性のあるリアルな事業計画書を作成しましょう。

さらに事業計画書の内容について、どのような質問にも答えられるように準備しておくことも大切です。

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日本政策金融公庫が、融資審査時に提出を求める重要な書類が「創業計画書」です。
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