新型コロナウイルス感染症の影響を受けられている飲食店経営者の皆さまにおかれましては、心よりお見舞い申し上げます。
現在、新型コロナウイルス感染拡大の余波で、日本中の飲食店が苦境に立たされています。
海外との渡航禁止による外国人観光客の減少に端を発し、国内の日本人の観光や外食も激減。政府・地方自治体が外出自粛要請を出したことが決定打となり、飲食店の客数は激減の一途を辿っている状況です。
目次
飲食店の売上激減!の危機的状況
飲食店は小売業や販売業と比べて、そのビジネス形態に大きな違いがあります。
例えば小売業や販売業の場合は、一時的に売上が低下しても後でその分が販売できれば、損益を取り戻すことができるかもしれませんが、飲食店はそうは行きません。
また飲食店は特に利益率が低い業態であるため、受けたダメージの補填も容易ではなく、ある調査によれば、首都圏を中心とした飲食店経営者の実に6割以上が「このままだと事業継続が困難」と感じているとの結果が出ています。
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「来店」以外の新たな売上確保の道は?
さらに売上が大幅に減っても、家賃や人件費といった固定費は発生します。
先にご紹介しました「新型コロナウイルス感染症の特別貸付」といった融資は受けられるものの、当然、返済せねばならず、何か補償が受けられるわけではありません。
なんとかキャッシュを確保して、この状態を数ヶ月耐える方策を模索する必要があります。
それでは、この苦境の中、飲食店の経営者の方たちは、売上確保のためにどのような対策を行っているのでしょうか?
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インターネットの活用強化
最も多くの経営者が実践しているのは、「インターネットでの情報発信の強化」のようです。
一口に「インターネット」と言っても、ホームページ、SNS、YouTube、ブログ、メールマガジン、LINE…etc. と選択肢は無数に存在します。
そのほとんどが費用を掛けずに行える上、ネットで情報収集しているユーザーは、もともと店舗への関心が高い「来店見込み客」と想定されます。
そこへ直接、能動的に情報を届けられるので、反響も期待できると考えられます。
売上を事前に確保できる「先払いシステム」
現在、飲食店を支援するための様々な新規サービスがリリースされています。
その中でも非常にユニークなのが「先払いシステム」です。
これは、新型コロナウイルス感染症が収束した後に、実店舗で食事する飲食代を事前に支払うサービスで、様々な企業がサービスを開始しています。
先払いシステム「さきめし」
https://peraichi.com/landing_pages/view/sakimeshi
インスタントECサービス「STORES」
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSd1cydxY5byRByLPA50lJxe-VNcDUvXaUqr35rQ506CrYG6_w/viewform
レストラン予約代行サービス「AutoReserve」
https://autoreserve.com/sakibarai
一例をご紹介しましたが、今後も同様のサービスが新たにリリースされていくことでしょう。
店頭以外の販売方法へシフト
その他の対策としては「テイクアウト・デリバリー販売の強化」「ネット通販の開始」など、店頭以外での販売へシフトする店舗が増加傾向にあります。
多くの店舗が営業時間短縮や外出自粛により、来店客数は確実に減少しているところですが、同時にユーザー側の事情としても「巣ごもり消費」のための宅配の需要が高まっていると予想されます。
また、ここでもホームページやSNSを通じての告知や、割引キャンペーン、販売地域へのポスティング実施など、複数の施策との組み合わせにより効果を上げようと試みる店舗もあるそうです。
自治体のテイクアウト・デリバリー事業支援
今回のコロナ騒動をきっかけに「地元の飲食店を応援」という目的から、地方自治体が管内の飲食店のデリバリーやテイクアウト事業を支援する動きも広がっています。
- 渋谷区:デリバリーサービス利用促進のため、クーポンや配送料無料などの特典を用意
- 水戸市:水戸商工会議所がテイクアウトを行う地元の飲食店情報を集めた「#テイクアウトミト」を公開中
- 仙台市:テイクアウト・デリバリーできる店舗を紹介するWebサイト「テイクアウトはじめましたプロジェクトin仙台」を開設
- 神戸市:フードデリバリーサービスの「ウーバーイーツ」と事業連携協定を締結。飲食店支援策「Uber Eats + KOBE」を実施
- 福岡市:1,000円以上の注文を電子決済で支払うと、500円分のポイントかクーポンを還元
その他にも、大阪府がデリバリーサービス3社との提携開始を発表し、東京都は新たにテイクアウトサービスを始める店舗に対して、初期費用などを助成することを決定するなど、地方自治体独自の取り組みが急ピッチで進められており、今後もさらなる支援策が出てくることが期待できそうです。
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行政主導で他業種との連携
こうした飲食業界の動きに合わせて、赤羽一嘉国土交通相は21日の会見で、同じく業績の悪化が著しい「タクシー事業者」に対し、飲食店からの料理配送の受託を特例的に認める方針を明らかにしました。
新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛で、需要が大きく落ち込んでいるタクシー業界を支えるとともに、テイクアウト販売を始めた飲食店の配送ニーズに対応する目的とのこと。
5月13日までの期間限定ですが、異なる業種の連携を行政主導で行うのは珍しい試みのため、双方への好影響が期待されます。
まとめ
以上のように飲食店が新型コロナウイルスの影響を強く受けている中で、まだまだ苦しい状況が続くでしょう。
それでも、なんとか新たな形で売上を確保しようと、模索している経営者の皆さんがいて、それを支援する施策が始まっていることも確かです。
この状況をともに乗り越えるべく、当サイトを運営する「税理士法人Bricks&UK」も、国指定の「認定支援機関」として、一人でも多くの経営者の方のお役に立てられるよう、サポート業務を行っております。
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※掲載している情報は記事作成した4月24日時点のものです。
状況は変化し続けていますので、都度、関係各所への確認をお願いいたします。