新型コロナウイルスがもたらす飲食業界のトレンド【2020年4月】

新型コロナウイルスがもたらす飲食業界のトレンド【2020年4月】
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飲食店の動向・トレンド~2020~

新型コロナウイルスがもたらす飲食業界のトレンド【2020年4月】

新型コロナウイルス感染症の拡大防止として、4月7日に緊急事態宣言が発令され、約一か月が経過しました。
これに伴う外出自粛要請で、飲食業界は客足が大幅にダウンしてしまっている状況が続いています。
そうした中で、各店舗はテイクアウトやデリバリーに注力し、売上減を食い止めようとしています。
同時に、適切な感染防止対策を立て、来店客への安心安全のアピールも求められる動きとなっています。

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新型コロナ流行で不振の飲食業界

現在、ウイルスに感染しやすい環境とされる「3密(密閉、密集、密接)」を避ける傾向が強まり、「3密」環境を形成しやすい飲食業界は窮地に立たされているのが実情です。
感染者の多い都市部では、緊急事態宣言が早期に出されたため、大手飲食チェーンでは営業を休止しているところもあります。
また、営業休止まで行かないまでも、営業時間短縮などによるダメージは計りしれません。

教育機関は長期休校を取っており、学生の需要が多い地区では、ランチ時に利用している学生が来ないため客足が落ち、苦戦を強いられています。
報道によると、飲食店経営者に話を聞いたところ、新型コロナ流行に伴って軒並み売り上げが大幅に減少しているといいます。
中には、売り上げが8割から9割もダウンしてしまったケースもあります。

大手チェーンはまだ体力がありますが、単一店舗だったり、店舗数が少なかったりする飲食店は、新型コロナによる悪影響で、存亡の危機に立たされているといいます。
こうした厳しい状況の中で、飲食業界は少しでも売り上げダウンを食い止めるため、さまざまな方策を講じています。
この対策こそが、現状ではトレンドと言っていいでしょう。

感染防止対策で客を引き留める

まず、飲食業界では「3密」は、基本的に避けるのは困難と言えます。
このため、店側でさまざまな感染防止対策を取り、来客客に少しでも安心してもらうことがトレンドとなっています。
例えば、大阪府内を中心に店舗設計、及びプロデュースを中心に、直営飲食店の運営を手掛ける「株式会社カームデザイン」では、新型コロナの感染リスクを可能な限り下げるため、さまざまな取り組みを行っているとアナウンスしています。

まず「3密」のリスクを少しでも下げるため、テーブル間隔を1メートル以上確保し、取り分け用の箸を用意しています。少しでも距離を離し、飛沫感染を防止することが狙いです。
店舗の入り口に、アルコール消毒液を設置するのは当然のこととして、店内のアルコール清掃を強化していることもアナウンスして強調しています。
店員は可能な限りマスクを着用し、勤務前には検温を行っていることも明示しています。
来店客に対しても、入店時に赤外線による体温検査を行い、感染の疑いがある人を入店させないよう努めています。

こうした感染防止対策をアナウンスしていくことが、トレンドの一種になっていると考えていいでしょう。
対応策の実施をアピールすることで、少しでも安全性が高いと認識してもらえれば、その店に向かう可能性が高くなるからです。

テイクアウトで「3密」を回避

とはいえ、店舗内で営業を続ける限り、3密のリスクが付いて回るのはどうしようもありません。
そこで飲食店では、店舗外での飲食によって感染防止を図る方策を取っています。
そうした対策のひとつが、テイクアウトの活用です。
今年4月に行われたある調査では、「テイクアウトの利用が増えた」と回答した人が全体の4分の1に上っており、需要が確実に増えている事を証明しています。

一例として、マクドナルドでは普段からテイクアウトを行っていますが、4月20日から、13の「特別警戒都道府県」では店内客席の利用を中止し、テイクアウトのみの営業となっていました。さらに29日からは対象店舗を全国約2,900店舗に拡大。原則、店内での飲食を禁止としています。

また牛丼チェーンの松屋では、テイクアウト限定でおかずを最大25%割引にするサービスを行っています。

同様に、吉野家は4月23日~5月31日の期間限定で、テイクアウトのみのセットメニュー「テイクアウト限定ファミリーセット」を提供しています。

こうした割引サービスを行うことで、緊急事態宣言による客足への悪影響を可能な限り食い止めるとともに、3密のリスクも回避していこうというのが狙いです。

客が来られないならデリバリー

飲食店が開いていなくても、食事をしないわけにはいきません。
特に、緊急事態宣言に伴う休校が長引いており、子供がずっと家にいるため、親の家事負担は大きくなっています。
前述の調査では、「デリバリー利用が増えた」と回答した人が1割だったとしています。
「スーパーに行く回数を減らす」「作る時間や(テイクアウトメニューを)取りに行く時間がない」などが理由です。
こうした問題に対応し、親の負担を多少なりとも和らげたうえで、新型コロナウイルスの悪影響を食い止めようという試みが、デリバリーへの注力です。

ドミノ・ピザではデリバリーに注力しており、4~6月にかけて体制強化のために正社員200人、アルバイト5000人の採用を行い増員すると発表しています。

マクドナルドも新型コロナウイルス対策で、3月から非接触型デリバリーを開始しています。
玄関先に商品を置いておき、配達員は2メートル以上離れた場所から確認することで、接触を避ける仕組みです。

東京都では、新たにテイクアウトやデリバリーを始める飲食店に対し、最大100万円を助成するとしています。
トレンドと言うと不謹慎かもしれませんが、こうした傾向はしばらく続きそうです。

まとめ

新型コロナウイルスがもたらす飲食業界のトレンド【2020年4月】

以上のように、新型コロナウイルスの影響を強く受けている中で、政府は、5月6日に期限を迎える緊急事態宣言を一ヶ月程度延長する方針を示しています(4月30日現在)。
飲食業界にとっては、まだまだ苦しい状況が続くことが予測され、予断を許さない状況です。

今後生じる変化に対応するため、飲食店に求められるのは、常に最新の情報を収集して、いち早く対応していくスピード感だと思われます。
正解は決してひとつではありません。
業界の動向を探りながら、皆様の店舗の発展に繋がれば幸いです。

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