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税務調査~何を調べられるの?~
税務調査に入られたことのある企業や個人事業主は少数派でしょう。
そもそも税務調査に入られる確率自体低く、また税務調査に入られる企業は偏っているからです。
具体的には、売上が大きい、売上が伸びている、不正を働いている、業態が大きく変化した、などです。
安定的に利益が出ているだけでは税務調査の対象にはならないので、実際のところ多くの企業は税務調査の経験がないということです。
しかし、税務調査はないだろうと油断していると、突然そのときが訪れることもあります。
重要なのは、税務調査に入られないように日頃の対策をしておくことと、いざ税務調査に入られたときの対策をしておくことです。
では税務調査では具体的にどのようなことが調べられるのでしょうか。
今回は、税務調査で調べられる内容についてご紹介します。
税務調査で調べられる内容
ここからは具体的に、税務調査で調べられる内容を紹介していきます。
帳簿や領収書
確定申告の証拠が揃っているか、申告された数字と資料の数字が一致しているか、といった点は真っ先に調べられます。
もしも領収書や帳簿がそろっていないと、たとえば経費が認められなくなります。
少なくとも資料がないことで得をすることはないので、なるべくそろえておいた方が良いでしょう。
領収書などはなるべくきちんと管理しておくべきです。
とは言え、厳密にすべて揃っていないといけないかと言われるとそうではなく、税務署も多少は多めに見てくれるようです。
あまりに数字がおかしかったり、資料不足が多いとなると、余計な詮索を受けることになるでしょう。
現物の調査
税務調査では現物の調査も行われます。
具体的には、金庫に入っている現金、パソコン、備品などが調べられます。
パソコンに関しては、中のデータが調べられるケースもあるでしょう。
特にパソコンでの作業がメインの仕事であったり、パソコンの中に帳票などのデータが入っている場合、その確認も必要になります。
面倒なので、適当なことを言って回避したいという心理が働くかもしれませんが、データを見せないと損をすることになります。
売上を証明できない分数字を多くされたり、経費が認められなかったりといったことがあるからです。
経費に関しては、証明できないものは経費にならないという考え方ですが、売上に関しては証明できないものは売上にはならない、とはなりません。
なぜなら、それだと売上を隠したい納税者に有利になるからです。
国は税収確保のために、税務署側に有利なルールにしているので、売上を証明できない場合、売上を多く修正されても仕方がない、というルールになっています。
これは多少極端な表現ではありますが、実際税務署に有利なルールになっていることは間違いなく、証拠をつかまれなければOKという考え方は辞めた方が無難です。
取引先との記録
たとえば、仕入や売上の数字が一致しているかどうかは、税務署が優先的に確認する内容ですが、確認は資料だけではありません。
取引先に連絡して、仕入や売上の数字が正しいかどうかを確認することがあり、何か不正があると、取引先にも迷惑をかけることになります。
場合によっては派生して、取引先も税務調査の対象になることがあります。
取引先に派生してしまうと印象が悪くなり、今後の取引に影響が出るかもしれません。
そうすると売上にも影響が出るかもしれませんが、当然ながらそういった面では税務署が何かフォローするようなことはありません。
税務調査の対応もしてくれる税理士に依頼しておけば、こういったフォローもうまくやってくれるでしょう。
税務調査に備えて税理士がやってくれること
税理士によって、税務調査にどのように対応してくれるかは様々です。
税務調査にノータッチの税理士もいれば、税務署への対応をほぼすべて代行してくれるような税理士もいます。
この辺は税理士によって変わってくるので、事前に確認しておいた方が良いでしょう。
また税務調査に不慣れな税理士もいます。
税務調査自体そうそうあるものではないので、一度も税務調査を経験したことのない税理士もいるでしょう。
相場としては、必要な書類の用意を税理士と経営者で協力して進めて、税務署への対応も税理士と経営者で協力して進める、といったところです。
ただし事前に税理士に必要な情報をすべて渡しておけば、ほとんど税理士が対応してくれます。
どのくらい親身になって代行してくれるかは税理士次第で、良くない税理士だと税務署に言われるがままの納税額で話を進めたり、節税のための努力をいっさいしないといったこともあります。
優良な税理士なら顧客の利益のために動きますが、そうではない税理士は事務的に作業を進めるだけです。
税金はルールに従って金額が決定されますが、かなり裁量の余地が大きいのも事実です。
つまり税理士がどれだけ頑張るかによって、納税額が大幅に変わってくるのです。
勉強不足であったり、税務調査に対して消極的な税理士だと結果的に納税額が多くなってしまうので、税務調査を意識するならなおさら優良な税理士に依頼すべきです。
税務調査に備えてできること
まず一番重要なのは、普段から書類をそろえ、正しい申告をすることです。
そもそも不正や間違いがまったくなくて、これ以上税金を回収することはできないと税務署が判断すれば、税務調査に入られません。
税務調査の準備は、税務調査に入られないための準備でもあるのです。
逆に言えば、税務調査に入られるとまずい状態の企業ほど税務調査に入られやすいということでもあります。
優良な税理士に任せるメリット
税理士によって対応が異なることは上で説明した通りですが、優良な税理士に税務全般を任せることで、以下のようなメリットが得られます。
税務調査に入られにくい
優良な税理士に任せることで、数字に不備が生じません。
その結果、税務調査に入られる確率が下がります。
また単に多く納税するというだけでなく、節税も考えてくれる税理士がより優良です。
日々の会計業務が楽になる
あまり良くない税理士が担当だと、確定申告だけはやってくれますが、日々の会計業務まではやってくれないこともあります。
そうすると企業の負担が大きくなるので、できれば日々の会計業務まで丸投げできた方が良いでしょう。
万が一の税務調査にも対応してくれる
優良な税理士は税務調査に入られないように対策しますが、企業の状態によってはどうしても税務調査に入られることもあります。
その場合、優良な税理士であればきちんと対応してくれます。
まとめ
税務調査で調べる内容は、帳簿や領収書などの資料、現物、取引先などです。
税務調査はある程度面倒なものですが、普段からの帳簿や確定申告に問題がなければそれほどおそれるものではありません。