Amazonや楽天など、私たちの身近にはネットショップがたくさんあり、今や使用したことがないという方は少ないのではないでしょうか。
ここ十数年の間、ネットショップの市場規模は右肩上がりで拡大し続けている、と聞いたことがある方も多いと思われます。
実店舗型のショップと比べると、コストや手間などの面から見てもネットショップは開業しやすく、少人数でも運営が可能なため誰でも手軽に取り組むことが可能です。
また、365日24時間オーダーを受けることができるため、上手く運用できれば大きな収益を獲得することができるところも魅了的です。
そのような状況を見て「ネット通販を始めたい!」と開業を検討する時、どのような流れショップを開業するのか?費用はどのくらい必要なのか?は気になるところですよね。
初期費用に関する知識がない状態でネットショップを出店してしまうと、思った以上に元手が掛かってしまったり、上手く収益が上がらず初期投資を回収できないなど、赤字が膨らむリスクがあるため注意が必要です。
本記事では、ネットショップ開業の流れと合わせて、開業時にかかる初期費用や資金調達の方法、資金繰りで失敗しないためのポイントについて解説します。
ECサイト事業を成功させたい方はぜひ参考にしてください。
目次
まずネットショップを開業する流れを解説
ところでネットショップを開業するまでには、どのような流れがあるのでしょうか?
まずは5つのステップに分けて、ネットショップ開業までの流れを解説します。
STEP1.ショップのコンセプトを決める
ネットショップを開業する際に、最初に決めなければいけないのがショップのコンセプトです。
コンセプトとはあなたが運営するネットショップの方向性を示すもの。いわゆる「ブランディング」と呼ばれるものです。
コンセプトを設計することによって、どのような商品を販売するのか、どういう属性を持つユーザーをターゲットにするのか、などショップの強みや個性を決定付けます。
コンセプトはショップ運営の土台であるため、ネットショップを運営するためにはコンセプト設定は必須です。
コンセプトは、基本的に以下3つの視点を中心に考えます。
●どんなユーザーに
●どのような商品を
●どのように伝えるのか(販売するのか)
また、コンセプトを決める際に絶対にやっておきたいのが、競合他社の調査です。
自分のネットショップのライバルになるショップを調査することによって、ライバルサイトの優れている点や商品の充実を確認できます。
ライバルに勝つためには、どのような商品や販売方法を使うべきなのか工夫することによって、競合するネットショップに負けない強みのあるコンセプトを形成できます。
STEP2.開業の形態を決める
ネットショップを開業するには、大きく分けてモール出店と自社サイト出店というふたつの形態が存在しており、どちらを選ぶかによって始め方も変わります。
このふたつにはどのような違いがあるのでしょうか?モール出店と自社サイト出店の開業形態の特徴について解説します。
モール出店とは?
モール出店とは、多くの企業や商品販売者のECサイトが集まったインターネット上の商店街と捉えれば間違いありません。
具体例としては、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどが代表されます。
モール出店では、すでにプラットフォームが用意されており、そこに商品を出品していく形式なので、自分で新しく販売用のWebサイトを用意する必要はありません。そのため、新しくネット販売を始めやすいという特長を持っています。
また、圧倒的な知名度により集客力が極めて高い点も見逃せないポイントです。
Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなどの有名モールは、ネットショッピングを行う顧客からは広く認知されているため、商品を買う場合はとりあえずAmazonや楽天市場をチェックするという人も多いことでしょう。
そのため、非常に多くのユーザーがモールに訪れます。
多くのユーザーが訪れるということは、それだけ商品がユーザーの目にとまり販売するチャンスが増えるということです。
また、商品に関するランキング要素が組み込まれているため、自分の商品がランキング上位に食い込むと、多くのユーザーが自分の販売ページに入ってくることが期待できます。
反面、モール出店する際に初期費用として出店料がかかる、売上の量に応じて手数料やシステム利用料を取られる、など費用の面はモール出店のデメリットです。
しかし、出店が容易である、ユーザーの流入を期待できる、という2点はデメリットを大きく上回るメリットと言えるでしょう。
自社サイト出店とは?
自社サイト出店とはモール出店とは異なり、販売用のWebサイトを独自に構築して出店する方法です。
全くのゼロからサイト構築する方法に加え、近年では、BASE、STORES、MakeShop…など、簡単な操作で独自ネットショップを開設できるショッピングカートシステムが多くリリースされています。
これらのシステムを使いオリジナルのWebサイトを構築するため、デザイン面や機能など自分好みに細かく調整することが可能です。
他社サイトと差別化できるオリジナリティあふれるネットショップを作れる点は魅力的でしょう。
その一方で、Webサイトを構築するところから始める必要があるため、前述したモール出店と比べると実際に商品を売るまでに時間がかかります。そのため「今すぐに商品販売を始めたい!」というニーズがある場合は不向きと言えます。
また、ある程度は通販サイトの運用ノウハウがないと、立ち上げたばかりで操作方法や機能に慣れていないうちは、スムーズに業務が行えない可能性があります。
集客に関してもモール出店とは異なり、自社サイト出店の場合はGoogleの検索順位も考慮しないといけないため、SEOやサイトに配置するコンテンツの強化などWebマーケティングを行う必要もあります。
ユーザーだけではなく、Googleにもネットショップを認知されることが重要になるわけですね。
モール出店と比べると多くの施策が必要になりますが、売上に応じた手数料やカートシステムや決済システムの利用料などのランニングコストについては費用を抑えることができ、末永く自分のネットショップとして個性を出して育てていけるという点は、自社サイト出店ならではの強みでしょう。
STEP3.決済方法を決める
ネットショップに必要不可欠なものといえば決済方法です。一口に決済方法といっても複数の決済方法があります。
具体的には下記の方法が代表的です。
- クレジットカード決済
- 代引き
- 銀行振り込み
- コンビニ決済
- スマホ決済(Apple Payなど)
- キャリア決済(NTTドコモ・au・ソフトバンクなど)
決済方法がたくさんあってどれを選べばいいか困ってしまう人は、クレジットカード決済とコンビニ払い、代引きの3つを選ぶのがオススメ。
なぜなら総務省の調査によると、これらが決済方法の上位3位になるからです。
特にクレジットカード決済は、66.1%のユーザーが利用しているというデータが出ており、これはマストと言えます。その次にコンビニ支払いが30.9%、代引きが26.9%になります。
これら3つに加えて、他の決済方法を対象とするユーザー層に向けて追加すると良いでしょう。
例えばキャッシュバックを目当てにしているユーザーに向けて、スマホ決済を追加するなどです。
出典:総務省 平成29年通信利用動向調査(第11章 個人のインターネットによる購入・取引状況を参照)
STEP4.配送・梱包の準備
ネットショップは商品の配送と梱包は必要不可欠です。
梱包材では以下が一般的です。
- 宅配袋
- クッション封筒
- ダンボール
これらの資材は発送する商品にあわせて選択します。
商品のサイズが小さければ宅配袋か封筒、大きければダンボールという具合です。
宅配袋はコストが低いため、近年ネットショップでよく使われている梱包方法で、最近は耐久性が高く防水加工が施されているものもあり、かつ安いという理由もあって使いやすい梱包資材として人気です。
クッション封筒は緩衝材が付属している封筒であり、小さいものであれば中の商品を傷つけることなく送れるため便利です。
商品を入れて封をすれば梱包が完了するため、気軽に利用することができます。
ダンボールは、大きな商品や複数の商品を入れるときに便利な梱包方法です。
ダンボールで配送する場合は、荷物が壊れないよう緩衝材を入れるのがベターでしょう。
緩衝材には通称「プチプチ」と呼ばれるいわゆるエアキャップ、紙の緩衝材にあるボーカスペーパーなどが広く利用されます。
宅配袋や段ボールなどの梱包資材や緩衝材は、アスクルや梱包用品専門店を利用することによって、低価格でまとめて購入することが可能ですので利用を検討しても良いでしょう。
配送について、72%の人がネットショップを選ぶときに、配送料の安さを最重要視するとの結果が野村総合研究所の調査結果により明らかにされています。
出典:野村総合研究所 ネットショッピングの定着と消費者向けビジネスの構造変化
調査結果を踏まえると、送料を安く商品を届けることでユーザーから購入されるチャンスを広げられるといえるでしょう。
参考までに、送料の安さを重視すると日本郵便が行っているクリックポストが選択肢に入ります。
これは以下の条件であれば、全国一律198円で送れるというものです。
- 大きさ:34cm以内
- 長さ:25cm以内
- 厚さ:3cm以内
- 重さ:1kg以内
送料200円以内で商品を受け取れるのは、ユーザーとして嬉しいでしょうね。
出典:日本郵便クリックポスト
もし、クリックポストで収まらない商品の場合は、同じく日本郵便のゆうパックが選択肢に入ります。
こちらは長さ・幅・厚さの合計が170cm以内であり、重さ25kg以内であれば送料810円から3160円の間で利用できます。
またショップオーナーとして嬉しい点が、万が一、郵便物を紛失・破損した場合は30万円以下の損害を賠償してくれるという部分。
保証が付いているのは心強いですね。
出典:日本郵便ゆうパック
STEP5.集客をする
どんなに良い商品を販売していても、お客さんが集まらなければネットショップは繁盛せず運営は失敗します。
ネットショップ運営を成功させるためには、できる限り多くのユーザーを集客する必要があります。
集客方法は大きく分けて2つあって、短期的な効果を求める集客方法と中長期的に効果を求める集客方法が存在します。
一番、即効性のある集客方法としては「リスティング広告」が挙げられます。
リスティング広告とは、ユーザーがGoogleなどで検索したキーワードに連動して、検索結果画面の目立つスペースに表示されるタイプの広告です。
リスティング広告を使用することによって、ユーザーを自然に自分のネットショップに誘導することができます。
利用料はクリック数×クリック単価となっていて、クリックされなければ費用が発生しないため、「広告を出稿したはいいけれども効果がなく、費用だけかかってしまった…」というケースを避けられます。
一方、中長期的な集客効果を期待できる広告としては、SNSマーケティングが挙げられます。
最近では、TwitterやInstagram、line@などがメジャーな手法です。
これらのSNSは、商品をアピールして購買意欲を高めるというより、自分が持つネットショップのファンを増やす目的で使用されます。
ファンを増やすことによって商品のリピーターを作り、口コミによるマーケティング効果も期待できます。
ネットショップ開業時に必要なもの
ネットショップを開業する際は、主に次のような費用がかかります。
1.ショップ運営に必要な機材費
ネットショップを運営するには、ECサイトを作ったり在庫を管理したりするためのパソコンをはじめ、さまざまな機材が必要です。
開業時にかかる機材費の目安は5万円~10万円程度で、仕入れる商品の種類によっては数十万円以上かかる場合もあります。
2.運営に関連する費用
ネットショップ運営に関する作業を人に依頼する場合は、人件費の支払いが必要です。
また、インターネット通信費や、商品の種類によっては営業許可申請の手数料もかかります。
運営に関連する費用の目安は1万5000円~5万円程度です。
人件費や営業許可申請の手数料によっては、10万円程度の費用が必要な場合があります。
3.システム関係で必要な費用
ネットショップの運営には、システム導入時の初期費用やレンタルサーバ費用、広告費用なども必要です。
システム関係で必要な初期費用の目安は1万円~8万円程度です。
初期費用の高いモールに出店したり、広告を使用したりするほどコストが高くなります。
では、それぞれの費用について解説していきます。
1.ショップ運営に必要な機材費
ネットショップを開業する際は、パソコンや周辺機器、商品を撮影するためのカメラなどが必要です。
また、梱包資材や販売する商品自体の仕入れが必要となる場合もあります。
ショップ運営に必要な機材費の詳細は次の通りです。
パソコンや周辺機器
パソコンは、2~3万円程度のモノから数十万円の高級製品まで、さまざまなモデルが発売されています。
メール対応や注文管理を行うだけなら、2万円程度のノートパソコンで十分対応できます。
ただし、Webサイトの制作や画像編集まで自分で行う場合は、ある程度スペックの高いもの、安くても10万円以上のパソコンが望ましいです。
また画像編集用のソフトも別途、用意が必要です(無料で使用できるソフトやツールも多くあります)。
発送伝票やラベルの印刷を自分で行う場合は、プリンターも用意しましょう。
プリンターは2万円~3万円で購入できます。
カメラ
デジタルコンテンツや書籍などを販売する場合は、スマートフォンのカメラで代用可能ですが、化粧品やサプリメント、アクセサリーなどを販売する場合は、商品撮影用にデジタルカメラを用意しましょう。
必ずしも高級品を買う必要はありません。初心者向けのエントリー機でも十分キレイな写真が撮影可能です。
また、商品を綺麗に撮影するためのLEDライトやレフ板を用意すると、クオリティの高い画像が撮れます。
実物を手に取って見ることができないネットショッピングは商品写真が命と言っても過言ではありません。ユーザーの目を引く商品写真のために、ある程度の予算をとる事をおすすめします。
通販用の写真撮影キットは3万円~4万円が目安です。
梱包資材
ネットショップで物販を行う場合は、商品を発送する際に使う箱や宅配袋、商品を包むクッション材などが必要となります。
梱包資材を一式そろえる費用は、数千円程度が目安です。
ただし、扱う商品の大きさや数量によって梱包資材代は異なります。
また、梱包資材は開業当初に購入するだけではなく、事業運営を続ける限りつねに買い足すことが必要です。
商品(販売する商品にもよる)
ネットショップ開業時にかかる商品の仕入れコストは、販売する商品によって異なります。
例えば、化粧品やサプリメントなどをOEM生産で仕入れる場合、仕入れには数万円~数十万円が必要です。
高額な商品を仕入れる場合、100万円以上の初期費用がかかるケースもあります。
一方、オリジナルのダウンロード教材など無形の商品を販売するなら、商品の仕入れコストはかかりません。
また、ハンドメイドの商品を自作して販売する場合は、材料費のみが必要です。
2.運営に関連する費用
ネットショップを運営する際は、人件費やインターネット通信費などが必要です。
また、販売する商品の種類によっては、営業許可申請費がかかる場合もあります。
ネットショップ運営に関連する費用の詳細は次の通りです。
人件費
ネットショップ運営にあたって発生する梱包作業や発送作業、顧客との連絡やりとりなどをすべて自分ひとりで行う場合は、人件費はかかりません。
ただし、取り扱う商品点数や売上が増えてきた場合、従業員を雇ったり作業の一部を外注する必要が出てくるでしょう。
ネットショップ運営を外注する場合の費用は、月額1万円~10万円が目安です。
依頼する作業内容によって人件費は異なります。
また、ネットショップの運営代行サービスを提供している会社によっては、売上の5%~10%を成果報酬として設定していることも一般的です。
営業許可申請費(必要な場合)
中古品や食品、化粧品などをネットショップで販売する際は、営業許可申請が必要となります。
【中古品】
中古の衣類や書籍、美術品類などを販売するには、古物商許可が必要です。
古物に分類される商品の区分は13種類で、古物営業法施行規則に記載されています。
古物商許可の申請先は、事業所または自宅住所を管轄する警察署の窓口です。
手数料として19,000円がかかります(2021年3月現在)。
【食品】
肉や魚などの食材や加工食品、お菓子などを販売する際は、販売する商品に応じた営業許可が必要です。
営業許可が必要となる業種は34種類で、食品衛生法施行令に記載されています。
食品販売における営業許可の申請先は、事業所または自宅住所を管轄する保健所の窓口です。
手数料は業種や地域によって異なり、5,000円~25,000円程度が目安です。
【化粧品】
国内で仕入れた化粧品をそのまま販売する場合には、許可を取る必要がありません。
ただし、海外から輸入した化粧品を販売する場合や、製造から販売までを自社で行う場合は、化粧品製造販売業許可や化粧品製造業許可などが必要となります。
化粧品販売に関する営業許可の申請先は、管轄の保健所や薬務課などです。
手数料は地域によって異なり、5万円~9万円程度が目安です。
これらのほか、酒類や医薬品類などを販売する際も、許可の取得が必要です。
許可なく商品を販売すると罰金や懲役の対象となるため、扱う商品の販売に許可が必要か事前に確認しましょう。
インターネット通信費
インターネット通信費の目安は、月額4,000円程度です。
自宅や事務所にインターネットの固定回線を引く方法と、モバイルWi-fiルーターを契約する方法があります。
データ通信量によらず、定額の月額費用で使用できるインターネット回線が一般的です。
自宅や事務所でしかネットショップ運営作業をしない場合は、固定回線のほうが高速で安定した通信ができますが、移動中や出張先などで、ノートパソコンを使ってネットショップ運営作業をしたい場合は、モバイルWi-fiルーターのほうが便利です。
通信費は契約する業者や回線の種類によって異なりますが、固定回線とモバイルWi-fiルーターで大きな差はありません。
3.システム関係で必要な費用
ネットショップを開業する際は、ショップを立ち上げるための初期費用や、広告費などが必要です。
また、独自ドメインを取得して自分のWebサイトを持つ場合、レンタルサーバ費用やドメイン取得費用もかかります。
ネットショップのシステム関係で必要な費用の詳細は次の通りです。
ショップ導入の初期費用(モール出店・独自ドメイン出店ともに)
ネットショップを開業する方法は、大手ショッピングモールサイトに出店するか、独自ドメインを取得して独立したネットショップを作るかの2種類があります。
モール出店の場合
モール出店の場合、初期費用と月額利用料、売上高に応じた販売手数料がかかることが一般的です。
例えば、楽天市場に出店する際は、初期登録費用として60,000円、月額出店料として19,500円~100,000円、システム利用料として月間売上高の2%~7%がかかります。
ただし月額出店料は月々の支払いではなく、半年ごとにまとめて支払う必要があります。
Yahoo!ショッピングに出店する際は、初期費用や月額利用料は無料です。
商品が売れたときに、売上高の1%~15%となる「ストアポイント原資負担」や、1.5%の「キャンペーン原資負担」、決済サービス手数料などがかかります。
Amazonに出店する際は、初期費用が無料です。
月額利用料4,900円のほか、売上高に応じた販売手数料がかかります。
独自ドメイン出店の場合
独自ドメインを取得して独立したネットショップを作る場合、商品の在庫管理や決済機能を持つECサイト向けサービスを利用するのが一般的です。
ECサイトには「カラーミーショップ」や「ショップサーブ」など、さまざまなシステムが存在します。
カラーミーショップの場合、初期費用は3,000円、月額利用料は834円~7,223円で、販売手数料はかかりません。
ショップサーブの場合、開通料(初回費用)として15,000円、月額利用料は0円~50,000円、販売手数料は売上高のおよそ3%~5%です。
販売手数料の料率や、注文1件ごとにかかる費用は利用プランによって異なります。
ただし、プランによって利用できるサービスの範囲は異なりますし、より便利に利用するには、さまざまなオプションを契約する必要がある場合もあります。
いろいろ比較して検討することが必要です。
※上記は2021年3月時点における情報です。
サービス料金等は変更される場合があるため、最新の情報は各モールやECサイト向けサービスの公式サイトをご確認ください。
レンタルサーバ費用(独自ドメイン出店の場合)
独自ドメイン出店の場合、ネットショップのデータをアップロードするためのレンタルサーバが必要です。
レンタルサーバの利用料金は、初期費用が3,000円程度、月額料金は1,000円程度が目安となっています。
ただし、前述のECサイト向けサービスで、サーバ機能が含まれているものを利用する場合、改めてレンタルサーバを用意する必要はありません。
ドメイン取得費用(独自ドメイン出店の場合)
独自ドメインの取得費用は、年額100円~1,000円程度です。
「.jp」や「.co.jp」など、特に信頼性が高いとされるドメインは、取得費用も高く設定されています。
一般的に広く使用される「.com」や「.net」などのドメインなら、年額100円程度で取得可能です。
※「.jp」は日本国内に所在してないと取得できないドメインです。
「.co.jp」はさらに日本国内の会社しか取得できないドメインで、1組織で1ドメインしか登録できないため、会社としての安心感をユーザーに与えることができます。
広告費用(広告出稿する場合)
ネットショップの広告費用は、目指す売上規模によって異なります。
リスティング広告やディスプレイ広告と呼ばれるオンラインの広告なら、広告がクリックされた回数に応じて広告費を支払うことが可能です。
そのため、月額1万円など少ない予算から広告が出せます。
売上や利益が増えれば、月額数万円~数十万円以上の広告費をかけることも一般的です。
開業費用はどうやって調達する?
ネットショップの開業費用は、さまざまな方法で調達できます。
自己資金を貯める方法のほか、補助金・助成金や創業融資、投資家からの出資などで資金を集めることも可能です。
では、開業資金を調達する方法について解説します。
アルバイトなど自己資金を貯める
小規模なネットショップから事業を始める場合は、自己資金のみで開業するケースも一般的です。
副業でアルバイトなどをしてお金を貯めれば、融資を受けなくてもネットショップを開業できるメリットがあります。
ただし、本業が忙しい場合、自己資金を貯めるまでに時間がかかることがデメリットです。
補助金・助成金を利用する
国や地方自治体が用意する補助金・助成金の制度を利用すれば、ネットショップの出店費用や広告費用の一部をまかなうことができます。
ただし、補助金の場合は審査に通過しないと受けられません。
ネットショップの開業時に使える主な制度として、「小規模事業者持続化補助金」などがあげられます。
小規模事業者持続化補助金は、事業の開始や業務効率化の取り組みにかかる費用の3分の2(最大50万円)までを国が補助する制度です。
ネットショップの構築にかかる費用や広告費も採択の対象となります。
補助金や助成金は申請できる期間が限られているため、利用する場合は申請の準備を整えた上で、忘れずに申し込みましょう。
日本政策金融公庫の創業融資
日本政策金融公庫では、新たに事業を開始する方向けに「新創業融資制度」などを提供しています。
ネットショップを開業する場合も、新創業融資制度の利用が可能です。
新創業融資制度の融資限度額は3,000万円(うち1,500万円は運転資金)となっています。
新創業融資制度を利用する場合は、日本政策金融公庫が用意する書式に従った創業計画書が必要です。
また、創業資金総額の10分の1以上の自己資金を用意する必要があります。
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エンジェル投資家・ベンチャーキャピタル(VC)の出資
エンジェル投資家とは、起業を志す方に個人で出資する投資家のことです。
一方、ベンチャーキャピタル(VC)は、将来性のある企業に対して株式取得などの形で投資をし、株式公開後に株の売却益を得る組織を指します。
エンジェル投資家と比較して、ベンチャーキャピタルは出資を受けるための審査が厳しいことが特徴です。
また、エンジェル投資家は数百万円規模から出資するケースがありますが、ベンチャーキャピタルは1億円など大規模な投資をメインとしています。
投資する価値のある将来性の高いネットショップを開業する場合などは、エンジェル投資家からのサポートを受けられる可能性があります。
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クラウドファンディングを活用
クラウドファンディングとは、不特定多数の出資者から事業に必要な資金を募る仕組みを表します。
クラウドファンディングサイトなどを利用してプロジェクトを公開し、賛同してくれた人からの出資を受けることが可能です。
クラウドファンディングを活用した多くのキャンペーンでは、出資者に対するお礼として新商品やサービスの提供を約束するのが一般的です。
新しい技術を使った玩具や電子機器など、新規性の高い商品を販売する場合は、クラウドファンディングによる資金調達も視野に入れてみてください。
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ネットショップ開業時、資金繰りで失敗しないためのポイント
ネットショップ開業時は、事業で収益を得るためにさまざまなポイントに注意する必要があります。
資金繰りで失敗しないための主なポイントは次の5つです。
ポイント.1 資金には余裕をもって
ネットショップを始める際は、自己資金に余裕を持った状態で開業しましょう。
ネットショップ構築にかかる初期費用だけでなく、半年間~1年間分の運営費用や生活費を用意しておいた方が安全です。
資金に余裕を持っておけば、開業から数カ月の間に見込んだ収益が万が一得られなかったとしても、改善のための施策が打てます。
資金に余裕がなくなると、精神的な焦りから現状を打開するアイデアが出づらくなるため、十分な資金を用意しておくことがポイントです。
ポイント.2 まずはスモールスタート
ネットショップを初めて開業する場合は、スモールビジネスからスタートしましょう。
必要最小限の機材や仕入れ、広告費を使って、まずは小さくても収益を生み出すことがポイントです。
最初から大規模なECサイトを構築したり、必要以上に高度なサービスを使ったりすると、失敗するリスクが高まります。
小規模から始めて、得られた収益を再び投資することを繰り返すことで、事業を拡大していきましょう。
ポイント.3 運営に必要な費用(固定費・変動費)を正確に把握
ネットショップを開業する際は、運営に必要な固定費や変動費を正しく把握することがポイントです。
固定費とは毎月必ず発生するコストのことで、モールの月額利用料金やインターネット通信費などが含まれます。
一方、変動費とは売上高に応じて発生する手数料や外注作業費、広告費など、月によって変わるコストです。
ネットショップ運営に必要な費用が性格に把握できていれば、予め準備しておくべき資金や、毎月絶対にクリアしなければならない収益額などがわかります。
費用が把握できていないと、気づかない間に資金が底を尽きてしまうリスクがあるため注意しましょう。
ポイント.4 補助金を有効活用する(IT導入補助金など)
ネットショップを開業する際は、補助金を有効活用することもポイントです。
例えば、国のIT導入補助金の制度を利用すると、ITツールの導入にかかる費用の2分の1(最大450万円)までの補助が受けられます。
補助金を申請する際は、申請書類の内容や書き方に不備がないように注意し、正しく手続きを行いましょう。
ポイント.5 在庫過多に注意
ネットショップで在庫過多となった場合、商品を保管しておく場所や維持コストなどの問題が生じます。
特に、事業を開始して間もないタイミングでは、必要最小限の在庫だけを用意することがポイントです。
毎月売れた商品の個数をチェックし、在庫過多とならない分量で新たな仕入れを行いましょう。
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ネットショップ開設時には開業届は必要?
ネットショップ運営を行うにあたって開業届は必要なのでしょうか?
開業届とは「個人事業の開業・廃業等届出書」の通称であり、開業届の提出有無について悩む人は多いのではないでしょうか。
結論から言うと開業届の提出は義務であり、事業を開始する日から1か月以内に提出しないといけない定めです。
ただし罰則規定はありません。
そのため、成功するか分からない開業当初は、開業届を提出しないでネットショップを運営する人もいます。
ただ提出すると以下のメリットがあります。
●銀行でネットショップ運用専用の口座を開設しやすくなる
●確定申告をする時に青色申告ができる
特に、確定申告時に青色申告ができる点は大きなメリットです。
青色申告は節税効果が高い確定申告方法です。
青色申告とは別に白色申告が存在しますが、青色申告を使用することで最大65万円まで控除を受けることができます。
売り上げが大きくなれば、この控除におけるメリットは見逃せないものになっていきます。
ネットショップの運営を続けて利益が上がれば、確定申告(白色申告・青色申告)にかかわる問題が出てきますし、出すメリットもありますので、原則、開業届は出さなければならないと認識しておいたほうがいいでしょう。
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まとめ~ネットショップの運営・集客支援でもBricks&UKはお役に立ちます!~
ネットショップを開業する際は、機材費や運営に関連する費用、システム関係の費用を支払うための資金準備が必要です。
開業費用は自己資金を貯めて用意するほか、補助金・助成金の利用、創業融資やクラウドファンディングなどでも調達できます。
ネットショップ開業時は、資金に余裕を持つことや、まずは小規模なビジネスから始めることがポイントです。
また、運営費用を正確に把握したり、補助金を有効活用したりすることで、失敗のリスクを下げましょう。
税理士法人Bricks&UKでは、ネットショップの運営や集客を支援するサービスも提供しています。
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