【雇用主・個人事業主】
労働保険の加入対象

【雇用主・個人事業主】労働保険の加入対象
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労働保険~労災保険特別加入制度 対象になる人・ならない人

【雇用主・個人事業主】労働保険の加入対象

通常、労災保険は企業や団体に雇われている人が対象となるため、雇用主である会社役員や、個人事業主などは基本的に対象となっていません。とはいえ、会社役員や個人事業主が労災に遭う危険性はあります。
このため、一定の条件を満たせば労災保険に加入できる、特別加入制度が設けられています。
以下の4つのケースが対象です。

  • 中小企業の事業主
  • 建設・土木などに従事する一人親方
  • 農作業など特定の作業に従事している人
  • 海外に派遣されている人

またこれらに該当する人であっても、労災保険特別加入制度の対象となるケースと、対象にならないケースがあるので、注意が必要となってきます。

労災保険特別加入制度の対象となる人は?

【雇用主・個人事業主】労働保険の加入対象

前述の4つの条件のいずれかを満たしていれば、労災保険特別加入制度の対象となります。
それぞれの条件について、詳しく説明していきましょう。

中小企業の事業主

会社役員の場合、大企業なら現場に立つようなことはまずないでしょう。
しかし中小企業の場合は人員が少ないので、会社役員自ら現場で仕事を行うことも十分あり得ます。

もし業務中の事故でけがをしてしまった場合、経営に悪影響を与えることも考えられます。
このため、労災保険には中小企業の事業主を対象とした特別加入制度が設けられているのです。

ただ中小企業という取り決めだけでは、解釈の違いによるトラブルが想定されます。
このため、業種によって人員の上限が定められています。
具体的には以下の通りです。

  • 金融・保険・不動産・小売業…50人以下
  • 卸売・サービス業…100人以下
  • その他…300人以下

これらの条件を満たしていた場合でも、特定の業務に一定期間従事していた人は、加入前の健康診断が必要になってきます。
具体的には粉塵作業を伴う場合は3年、振動工具を使う場合は1年、鉛や有機溶剤を取り扱う場合は6ヶ月以上従事していたケースが当てはまります。

また、中小企業事業主対象の労災保険特別加入制度では、事業主本人だけではなく、事業主の家族も制度の対象となります。
比較的規模の小さい企業では、家族従業員の負担が大きくなり、労災のリスクも高くなるため、制度の対象となっているというわけです。

建設・土木などに従事する一人親方

建設現場や土木作業現場で働いている人の中には、個人で契約して従事している「一人親方」も多いです。
労働基準法では労働者の扱いにならないため、事故に遭ったときの取り扱いが問題になります。

そうした問題に対応するため、一人親方も労災保険特別加入制度の対象となっています。
法制面での問題点を、制度面で補おうという形といっていいでしょう。

もちろん、対象は建設・土木作業現場だけではありません。
以下の業務についても、労災保険特別加入制度の対象になると定められています。

  • 自動車を使って行う旅客や貨物の運送
  • 漁業
  • 林業
  • 医薬品の配置販売
  • 再生目的の廃棄物取り扱い
  • 船員の作業

特に個人タクシーやトラック運転手の場合、交通事故をはじめケガの原因となる可能性が高いため、制度の対象となっています。

ちなみに、こちらも加入に当たって健康診断が必要となるケースがあります。
条件については、中小企業の事業主のケースに準じます。

農作業など特定の作業に従事している人

日本の農業は、個人経営で行っているケースが多く、労働者の扱いとなっていません。
にもかかわらず、農機の取り扱いをはじめ、ケガをする危険性が高い場面が多く存在しています。

また、家計を支えるために内職でも、業務内容によってはケガをしてしまうことが考えられます。
この場合も、労働者として契約していないので、取り扱いが問題となります。
こうしたケースに対応するため、農作業や内職の一部など、特定の作業に従事している人は、労災保険特別加入制度の対象となっています。

農業の場合は農機を使用した作業、2メートル以上の高所での作業、サイロなど酸素が不足しやすい場所での作業、農薬の散布作業、牛・馬・豚に接触する可能性のある作業が該当しています。
内職の場合は機械を使った金属や合成樹脂の加工、鉛を使った金属の焼き入れ、有機溶剤を使う作業、粉塵を伴う陶磁器製造、動力織機や合糸機を使う作業などが、対象となっています。

その他に、労働組合専従となっている常勤役員、介護作業や家事支援に従事している人にも、労災保険特別加入制度が適用されます。
さまざまな職種が対象となっていますので、実際に厚生労働省のホームページなどで対象職種を確認しておいた方がいいでしょう。

海外に派遣されている人

中小企業の事業主であっても、取引先などの要望で海外に派遣されることはあります。
この時も、労基法では労働者の扱いとならないので、事故に遭ったときの対応が問題となりますが、労災保険特別加入制度には、中小企業の事業主などが海外に派遣されているケースを対象としたものもあります。
例えば海外の支店や工場、現地法人、提携先企業などで業務を行う場合は、制度の対象になると定められています。

また、国際協力機構などの要請に応じて、開発途上国・地域で技術指導を行うケースなども、労災保険特別加入制度の対象となっています。
ちなみに、上記の条件を満たしていれば、国内にいるときだけでなく、海外に出てからでも労災保険に特別加入できる仕組みになっています。

中小企業の事業主や個人事業主は多忙で、国内の手続きに時間が取れないケースも考えられます。
そうした場合、この仕組みが役立つ可能性は高いです。

労災保険特別加入制度の対象外となるケースは?

【雇用主・個人事業主】労働保険の加入対象

一方で、労災保険特別加入制度の対象とならないケースもあります。
制度の対象となる上の4つの場合、どうしたケースが制度の対象とならないのでしょうか。

中小企業事業主の場合

まず、中小企業の事業主や家族の場合、労災保険特別加入制度の対象となるのは、あくまでも従業員と一緒に業務を行っていたことが条件となります。
例えば役員会や株主総会などの会合を行っていたり、取引先との接待ゴルフなどでケガをしてしまったりしたケースは、制度の対象とはなりません。
休日などで事業主や家族が1人で仕事をしていた場合も、制度の対象とはなりません。
あくまでも、従業員と一緒に仕事をしていることが条件となるのです。

また、労災保険特別加入制度の申請書には、対象となる業務や時間を記入する必要があります。
この業務以外のことや、時間外に起きた事故も、制度の対象とはならないのです。
もし、このようなケースで何らかの事故が起きることが不安だという場合、民間の保険を活用することが考えられます。
接待での負傷が考えられる場合、検討する価値はあるといえます。

一人親方の場合

労災保険においては、労働時間だけではなく、通勤時間についても対象となっています。
一人親方の場合でも、自宅から現場の下見に行くときは、通勤時間の扱いになります。
ただし、これについても例外はあります。
個人タクシーや個人営業のトラック運転手、漁業従事者の場合は、通勤時間については労災保険の対象となっていません。
これは、自動車などを自宅付近に置いているケースがあり、出勤という考え方にそぐわないからではないかとされています。

また一人親方の場合、それぞれの業種について対象となる業務が定められています。
建設業の場合は請負契約に伴うものや、台風などの突発的な事案に対処するための業務が対象です。
裏返せば、この定められた業務以外で起きた事故によるケガは、労災保険特別加入制度の対象とはならないということです。
どういう業務が対象となるのか、前もってチェックしておきましょう。

特定作業従事者の場合

こちらのケースも、基本的には一人親方の場合と同じです。
農作業をはじめ、定められた業務を行っているときに限り、労災保険特別加入制度の対象となるのです。
例えば農作業の場合、農機を使ったり、高さ2メートルを超える場所で行ったりするなどの条件を満たしていなければ、労災とは認められないことになります。

また、通勤災害についても似たような規定があります。
農作業に従事している人や、家庭内での仕事に従事している人は、通勤災害の対象にならないのです。
どちらも自宅が勤務場所になっているため、通勤災害といえるものが表向き、起こりにくいことが理由とみられます。よく留意しておきましょう。

海外で働いている人の場合

海外派遣の場合は、海外に出てからでも制度を利用することが可能だと書きましたが、それは派遣が日本にいる時点で決まっていた場合のことです。
つまり、海外で現地採用されているようなケースは、労災保険特別加入制度の対象とはなりません。
そもそも、この場合は派遣されていないですから、やむを得ないといえます。

またケガが他人の暴行によるものの場合、保険給付が受けられない可能性があると明記されていることにも、注意が必要となってきます。
開発途上国・地域などはその傾向が強いですが、日本ほど治安が良くない場所に派遣されるケースは十分に考えられます。
その際に、犯罪被害に巻き込まれたケースは、これに該当するためです。

まとめ・労災保険特別加入制度の条件に注意を

【雇用主・個人事業主】労働保険の加入対象

このように労災保険特別加入制度は、労基法の問題点を制度によって補うものだといえます。
対象となる人ならば、制度の利用を検討する価値はあるでしょう。
特に一人親方などの場合、実際には労働者と同じ仕事をやっているケースは多いです。
このため、実際に仕事を行うに当たって、労災保険特別加入制度を利用していることが条件となる場合もあります。

ただし、制度が適用されるためには一定の条件が必要となりますし、すべての局面で適用されるわけでもありません。
その点については留意が必要です。

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