審査に通るために
創業融資で押さえておくべき審査基準-その3返済可能性-

返済可能性
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創業融資で審査基準となる4つのポイント 返済可能性

日本政策金融公庫などの政府系金融機関をはじめ、創業・起業・開業時に足らない資金を融資するのが創業融資の役目ですが、補助金ではなく融資であるため手続きには審査を経ることになります。
審査において様々なところに着目するなかで、審査基準となる大きなポイントが4つあります。
この記事では創業融資を受ける際の審査基準である4つのポイントのうち、「返済可能性」についてわかりやすく解説します。

審査基準その1はこちら

審査基準その2はこちら

返済可能性とは

返済可能性

返済可能性」とは、言葉そのままの意味です。つまり金融機関側から見て、貸付したお金を順調に返済してくれる可能性のことです。
創業融資を審査する日本政策金融公庫の職員に限らず、融資の審査をおこなう金融機関の担当者全てが重視するのがこの返済可能性です。
では審査担当者は何を材料としてこの返済可能性を判断するのでしょうか。
以下で解説していきます。

返済可能性を判断するポイント

返済可能性

審査担当者が判断材料とする点は以下の5つです。

売上予測

最も重視するポイントです。
売上がいつからどれくらい上がるのか、その根拠はどういったものかを含めて妥当な売上が予測されているかをチェックします。
新規開業ですから売上実績は当然ありません。全額自己資金で開業するのであれば見込みが外れても、他者に迷惑をかけることはないでしょう。
しかし外部から資金を調達するのであれば、いずれは収支がプラスとなり返済できることを資金調達先に理解してもらう必要があります。
そういった意味でも売上予測がどのように立てられているかは、返済可能性を判断する上で最も重要なポイントといっても過言ではないでしょう。

例えば飲食業であれば業態にもよりますが、席数×客単価×回転数(一日にお客が何回入れ替わるか)×営業日でおおよその売上予測が立てられます。
しかしこの程度の予測では不十分と判断するでしょう。
一日の営業時間は何時間か、昼中心なのか夜中心なのか、平日型なのか週末型なのか、大きな季節変動はないのかなどの要素を織り込まないと十分に練り上げられた売上予測とはいえません。

同業他社を参考にするにあたっても、立地条件が違うだけで大きく売り上げが変わることも多く単純比較はできないと思っておいたほうがいいでしょう。
実際の予定店舗での一日の人の動き(どんな時間にどんな人が前を通っているか)を調べることは、売上予測の精度を高めるでしょう。
そういった根拠がしっかりした売上予測であれば、融資担当者が納得しやすくなります。
単に巷に出回っている事業計画書に適当な数字を入れても審査担当者はすぐに見抜きますし、かえって人任せの印象を強くするだけですので止めておいた方が無難です。

仕入・経費予測

物販・飲食であれば仕入れが発生します。その原価率の設定は利益を左右する重要な要素です。サービス業など一部原価が発生しない業種もありますが、それについては後で解説します。
原価率には業種ごとの平均値はありますが、その平均値が自社に当てはまるのかどうか、当てはめていいのかなどの見込みを立てる必要があります。
他社にない強みがあると見込むなら、差別化して強気の原価設定(原価率を下げる)をおこなうこともあるでしょうし、知名度が浸透するまでは原価率は高めに設定するのも一つの戦略といえます。
原価率の設定は、どういう事業をおこないどう利益を確保するのかに関わる重要なポイントといえます。

原価がかからない業種であっても必ず関係するのは、事務所や店舗費用(最近は実店舗のない販売形態も増えてきましたが)、人件費や外注費、交通費や消耗品費等の経費支出です。
これも自己の事業形態により様々なものが考えられます。事務所や店舗が賃貸であれば家賃・管理費・光熱費が当然かかりますし、人を雇えば人件費が当然かかります。
予測される売り上げを確保するためにはどれだけの事務所が必要で、どれだけの人件費がかかるのかをしっかり予測しなければなりません。
立派な事務所を構え何人も従業員を雇ったはいいが、利益を確保できる売り上げがあげられなければ事業継続の意味がありません。
売上とのバランスがとれた経費支出を想定することが重要です。

資金繰り予測

いくら魅力的な商品を提供できても、いくら他では味わえない料理が提供できても、資金繰りが回らなければ事業は継続できません。
一部の現金商売を除いて、ほとんどの事業では支出が先行するパターンが多くなっています。

昔は現金商売が王道であった飲食業でさえ、キャッシュレス化の流れで即金でなくなってきています。
キャッシュレス化により店舗運営上の労力が減るメリットも大きいのでその点は悪いことばかりではないのですが、回収までのタイムラグを考える必要が出てきたことは間違いありません。
また月間での変動や季節での変動が大きい業種では、資金繰りは大きな問題です。
せっかく稼ぎ時を迎えているのに資金が不足して仕入れができないようでは、利益を得ようにも得られません。
借入を利用して資金繰りを緩和した場合、その返済も踏まえた資金繰り予測が重要です。

赤字補填力

いくら売上予測を精密におこなっても、原価率や経費率を抑えるべく努力しても相手のあることですから思ったようにはいかないこともあるでしょう。
そのような時に、一時的に赤字となったとしても手元に余裕資金があるか無いかは、事業の安定性に大きく影響を与えます。
終始赤字であればそれは単に安定性の問題ではなく、ビジネスモデル自体に問題があることを疑うことになります。
しかし一時的に特殊要因で赤字になることはよくあることで、長年事業を継続している会社であれば一回や二回はそのようなことがあるのが普通ではないでしょうか。
一時的に赤字となったとしても現金預金に余裕がある、法人に余裕が無くても代表者個人の資産がいつでも提供できる状態があれば、返済可能性は高いと審査担当者は判断するでしょう。

債務観念

いくら売上が十分確保できても、経費を差し引いた後の利益が計上できていても、返済に関する債務観念が希薄であれば審査担当者は融資をためらうことでしょう。
個人の公共料金などの支払がよく遅れていたり、国民年金保険料や健康保険料が未払だったりすると、債務観念が薄くきちんと返済してもらえないかとの疑いを持たざるを得ません。
融資審査では個人の信用情報も活用しますので、クレジットやローンなどの支払振りも審査の材料となります。
債務観念があるかも審査担当者にとって、重要なポイントのひとつです。

月別収支計画書の重要性

返済可能性

ここまで解説してきた返済可能性を判断するポイントの多くを書面で示すものが、公庫の新規開業融資の申込時に任意で提出する「月別収支計画書」です。
開業から通常5年の間の売上高、売上原価(仕入高)、経費(人件費、家賃、支払利息、その他)から利益と借入金返済額を記入するエクセルシートになっています。
その下の欄には売上高、売上原価、経費の算出根拠を記載する欄があります。
この書類をどう説得力のあるものにできるかが、創業融資で「返済可能性」をクリアすることに大きくかかわります。
この月別収支計画書は、創業融資を申し込む上で必ず提出しなければならないものではありませんが、返済可能性の判断する上で非常に重要な要素を表しているので、可能な限り作成したほうがいいでしょう。

そしてこの月別収支計画書の記載事項の中で最も重要なところは、「売上高、売上原価、経費の算出根拠」のところです。
この部分をできるだけ精密に、説得力のある形でしっかりと根拠を示しながら記載するようにして下さい。
欄が足りなければ別紙参照として、しっかり説明するのもいい方法です。
この欄についてはいくら書いても書きすぎるといったことはないでしょう。
返済力の判断を左右するぐらいの心持ちで、作成していただければと思います。
自身で作成することに自信がないようでしたら、融資支援の実績・経験が豊富な税理士事務所などの専門家の助けを求めてもいいでしょう。

税理士をはじめとする専門家は様々な業種の事業者と日頃から接触していて、実際の顧客から得た各種指標を蓄積しています。
融資担当者も実績のある専門家が作成に関与した「月別収支計画書」はある程度信用できると判断する傾向があります。
創業計画全体も、税理士などの専門家のブラッシュアップを受けたものかそうでないかはひと目で分かります。
専門家に任せれば必ず融資が通るわけではなく、融資を受けたとしても返済していくのはあくまで申し込んだ事業者の方です。
しかし創業時におこなわなければならないことは非常に多岐にわたりますので、他人に任せることのできる部分は専門家に任せるのも労力の節約になるのではないでしょうか。

まとめ

返済可能性

いかがでしたでしょうか。
創業融資において、返済可能性はとても重要な審査基準です。
しかしこれから創業する方にとっては、審査担当者が何をもって返済可能性を判断しているかはほとんど知られていないのではないでしょうか。

これまでの解説でおおよそのポイントは理解していただけたと思いますが、実際に自分でこのポイントを踏まえながら「月別収支計画書」を作成することは少し難しいかもしれません。
まずはできるだけ自身で考えてみて、専門家の監修を受けて手直ししていくことがいいのではないでしょうか。
多くの税理士事務所で資金調達の相談は初回無料でおこなっています。
まずは気軽に相談してみてはいかがでしょう。

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