近年では「プチ起業」が話題となっているように、少額の初期投資で起業する人が増えています。
国も起業する人を支援するなど、起業しやすい社会にもなってきました。若くして起業し、成功した事例がテレビなどのメディアで多数紹介されていることも影響しているでしょう。
少ない資金で大きく稼ぐ、というのはまさに夢のような話。しかしインターネットが普及した現在では、実際に少額で始められる仕事というのもたくさん存在しています。
この記事では、50万円以下で起業できるビジネスの例を18種紹介。50万円以下での起業に成功するためのポイントや、コストを抑える方法などについて解説します。
目次
初期費用50万円以下でも起業はできる!
「開業」と聞くと、一般的に「多額の資金が必要」というイメージがあります。実際、日本政策金融公庫による「新規開業実態調査(2021年度)」でも、開業費用の平均は941万円、中央値でも580万円という結果が出ています。
ただし、開業費用の平均値・中央値ともに年々低くなっています。500万円未満で起業する人の割合も42.1%で、今後も増えると見込まれています(調査では「500万円未満」が下限)。
そしてインターネットが普及した現在では、50万円以下という少額でも起業は可能になりました。業務のやりとりから集客、販売などもネット上でできるようになったことが大きな要因の1つです。
特にオンライン上ですべてが完結するビジネスなら、パソコンとネット環境さえあれば自宅開業も可能。事務所を借りる・大掛かりな設備を整える費用が要らなければ、開業に必要な費用はグンと抑えられます。
オンラインでビジネスを展開できるプラットフォームがいくつも開設されたこと、副業やリモートワークが普及したことも、少ない資金での起業を後押ししています。
50万円以下で起業できるビジネス18選
では、50万円以下の自己資金でどんなビジネスができるのでしょうか。
答えの数には限りがなく、自身のアイデアでユニークなビジネス、ニッチなビジネスを展開して行くことも十分に可能です。
起業する人の多くは、自身の知識や経験が活かせる事業で始めています。ここでは17種の仕事を紹介していくので、ぜひ起業のヒントを見つけてください。
自作品のオンラインショップ
衣類やアクセサリー・雑貨など、自作品をオンラインショップで販売するなら、店舗を構えなくてよいので開業費用が大幅に軽減できます。
初期費用は材料費と道具くらいなので、50万円以下での起業も可能。 趣味の域を通り越したスキルを持っているなら、売れる可能性も十分にあるでしょう。
まずはMinnne(ミンネ)やCreema(クリーマ)など、ハンドメイド専用のオンラインショップに作品を出すのがおすすめ。webの難しい知識がなくても簡単に販売経路を確保できます。
自作品を一から全部作るのではなく、例えば無地のTシャツにデザインをプリントして販売するなどの方法もあります。ただし、制作時には著作権などに注意する必要もあるでしょう。
販売方法には、オンラインのほか各地で開催されるハンドメイドマーケットなどへの出店もおすすめです。
アフィリエイト・ブログ作成
アフィリエイトは、インターネット広告のモデルの1つ。ブログやSNS、メルマガなどに広告を設置し、広告収入を得るビジネスです。
アフィリエイトは基本的にパソコン1台あればできるので、初期費用はほとんど必要ありません。
成功すれば大きな収益を得られる可能性もあるため、夢のあるビジネスと言えるでしょう。
ただし、アフィリエイトビジネスは収入が不安定であり、稼げるようになるには時間やスキル、知識も不可欠です。 収益化までに時間がかかり即金性がないため、副業などから始めるのが得策でしょう。
Google検索で自分のサイトをいかに上位に表示させるか、SEO対策をすることが最大のポイント。絶対の答えはなく、順位変動により収益は大きく影響されます。
英語などの語学教室
語学力のスキルがあるなら、自宅でスクールを開くのも良いでしょう。
講師の仕事は飲食店やサロンのような店舗経営と比べ、開業に必要な設備投資は少額で済みます。
教室に人を呼ぶタイプでなくオンラインスクールの形を取れば、より少ない費用で、広い地域の生徒に教えることができます。
もちろん、実際の教室とオンラインレッスンを併用することも可能です。
大手のスクールでは高額の料金がかかる語学教室。生徒を集めるには、価格設定を低くするなどする必要もあるでしょう。
毛筆などの趣味・カルチャー教室
語学でなくても、毛筆や硬筆、絵画や木工、版画、洋裁や和裁、パッチワークなどなど、趣味の教室にも50万円以下の費用で済むものが多いです。
ただし、広いスペースが必要だったり高額な機材が必要になったりするものは、50万円では足りません。マンツーマンで教える教室にするなどの工夫も必要です。
写真家(クリエイティブ系)
写真家とは、表現活動の一環として撮りたい写真を撮り購入してもらう、クリエイターやアーティストとも呼べる仕事の1つです。
カメラや照明などの機材費は当然かかります。しかしスタジオを構えなくても仕事は可能。家賃などのコストは抑えられます。
ただしもちろん、被写体を何にするか、どこまで撮影に行くかで、撮影にかかる費用も異なります。
仕事を得るには、過去の実績やポートフォリオ(作品集)が必須です。
カメラマン(商業系)
芸術性要素の濃い写真家と異なり、 クライアントの要望に応じて商用の写真を撮影するのがカメラマンです。
上手く撮るのは当然のことながら、いかに要望に的確に応えられるかという点にプロのスキルが問われます。
クライアントの指定する場所に出向いて撮影するなら、交通費などはかかりますがスタジオを用意する必要はありません。カメラなどの機材があれば開業できます。
自分が撮りたい物を撮る写真家より仕事の面白みは劣るかもしれませんが、確実な収益を得るにはこちらのカメラマンの方が現実的かもしれません。
パーソナルトレーナー
パーソナルトレーナーは、顧客の理想の体作りを実現するため、適切な運動・食事のサポートを行う仕事です。
パーソナルトレーナーとして起業するには、スポーツジムやフィットネスクラブなどである程度の経験や実績を積んで独立するのが一般的です。
解剖学やトレーニング科学、栄養学、スポーツ心理学に関する知識が必要です。そのため体育系の大学や専門学校を卒業した人が多いですが、資格や免許は必須ではありません。
パーソナルトレーナーはマンツーマン指導が基本的なスタイルです。知識だけでなく顧客と信頼関係を築けるコミュニケーション能力も重要な要素となるでしょう。
パーソナルスタイリスト
個人向けのスタイリストの仕事も、機材や設備を持つ必要がなく、50万円以下でも起業できます。
仕事の内容は、個人客に対してワードローブの見直しやショッピングへの同行などを行い、その人その人に合ったファッションなどを提案すること。
婚活する人やパーティなどへの服装に困っている人が単発で依頼することもあれば、顧客として年間契約するパターンもあります。富裕層を顧客にできれば、高い報酬も期待できるでしょう。
洋服を選ぶセンスがあるだけでなく、メイクや髪形、カラーのアドバイスなどの知識も持ち、トータルにスタイリングできる人の方が有利です。
家事・買い物代行サービス
昔は裕福な家庭が利用しがちだった家政婦などに代わり、近年利用者が一般家庭にも増えてきたのが家事などの代行サービスです。
一定の家事スキルさえあれば誰でも開業が可能なので、育児を終えて時間ができた女性が始めるケースも増えています。
資格は特に必要ありませんが、定期的に自宅へ訪問して家事をする仕事なのでパーソナルトレーナーと同じく、顧客との信頼関係が重要です。
そのためスキルだけでなく顧客とコミュニケーションをとり、きちんと信頼してもらえるような関係づくりが開業するうえで大事になるでしょう。
便利屋
家事・買い物代行サービスに共通する部分もありますが、さまざまな仕事を請け負うのが便利屋です。
庭の草むしりから部屋の掃除、家具の組み立てや引っ越しの荷造り、不用品の処分など、クライアントによって作業内容が異なるのは便利屋ならではでしょう。
便利屋とはいえ、資格の必要な仕事を無資格で行ったり、何でも際限なく引き受けることは不可能です。犯罪に巻き込まれないためにも、業務の範囲は決めておくのが得策です。
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便利屋の起業については、こちらの記事でより詳しく説明しています。参考にしてください。
オンラインアシスタント
営業アシスタントや秘書、経理などの実務経験がある人は、事務代行・秘書代行などのオンラインアシスト業務での起業も1つの方法です。
オンラインアシスタントは、その名の通りオンライン上で営業アシスタントや経理・秘書などを行う、いわばスキルを売る仕事です。
パソコンとネット環境、ビデオ通話のためのヘッドセットなどがあれば、少ない初期費用で起業できます。
会社勤めで得たスキルを活かせる仕事です。しかし、業務のやり方は会社によって異なり、依頼するクライアント個人によっても異なります。臨機応変に対応できる幅広いスキルがあるとよいでしょう。
オンラインサロン経営
オンラインサロンとは、インターネット上で展開される会員制コミュニティのようなものです。
当初は芸能人など知名度の高い人の有料ファンクラブに近いものでした。しかし最近ではさまざまな専門知識やスキルを持る人たちが、自分のオンラインサロンを立ち上げています。
どこからでも配信はできるので、パソコンやツールがあれば50万円以下での起業も可能です。
月額制の料金システムが一般的なので、会員数さえ確保できれば安定した収益が得られます。ただしそれには集客だけでなく離脱されない工夫も必要であり、飽きさせない、価値がある情報を提供し続けなくてはなりません。
webディレクター
webディレクターは、webサイトの制作や運営維持にするプロジェクトの進行管理を担う仕事。
webデザイナーやコーダーなど、制作に携わる人をまとめるリーダーとして、クライアントとの窓口となります。
パソコン1つですぐに開業できる仕事ではありますが、仕事を確保するのは簡単ではないでしょう。伝手などがなければ、フリーランス向けのエージェントなどを利用して仕事を探す必要があります。
また、人をまとめる立場としてコミュニケーション能力の高さが求められるほか、デザインやコーディングなどの知識を自分でも持っている方が有利です。
webデザイナー・コーダー
webサイトのデザインを行うwebデザイナーや、コンピュータ言語でデザインをweb上に再現するコーダーも、自己資金50万円以下での起業が可能です。
ただし、デザイナーやコーダーとして仕事で使うパソコンは、通常の事務作業で使うよりもスペックの高い機種を選ぶ必要があります。パソコンを新たに購入する場合は、50万円を超える可能性も高いです。
また、web系の仕事はクラウドソーシングなどの普及で参入障壁が低くなり、競争も激化しています。
より高いスキルが求められるほか、webデザインもコーディングも両方できる人が求められる傾向にあります。
webライター
企業のwebサイトやメディア、キュレーションサイトなどに掲載する記事を書くのがwebライターの仕事です。
web系の職種の中で、未経験から始めやすいのはこのwebライターの仕事でしょう。パソコンとネット環境があれば、どこでも作業が可能です。
しかし、webライターの仕事を個人で獲得するのは難しく、人脈やクラウドソーシングの利用が不可欠です。クラウドソーシングの場合はかなり単価が低いケースが多いので、スキルを上げるなどして単価の高い仕事を請け負うようにならなければ一本で食べていくのは大変でしょう。
イラストレーター
ポスターや商品パッケージ、本の挿絵、webサイトに掲載するイラストを描くイラストレーター。
webに掲載するもの以外でも、イラストはパソコンで描くことが多くなっています。パソコンのほか、iPadなどのペンタブレット、作画ツールがあれば作業ができます。
写真家などと同様、クリエイティブな仕事のため、重要視されるのは実績やポートフォリオです。経験を積み、まずはクラウドサービスを利用するのが仕事探しの近道です。
イラストが描けるだけでなく、ストーリを考えてマンガ仕立てにできるなどのスキルがあれば、YouTubeなどに投稿する動画制作の仕事なども請け負えます。
占い師
手相や四柱推命、カードリーディングなど、さまざまなもので人の運勢などを占う占い師の仕事は、「身一つでできる」と言えます。
占いの知識や勉強をする必要はあります。また占いに来る人とのコミュニケーションをとるためのスキルも不可欠です。でもそれさえあれば、狭いスペースでも営業が可能です。webサイトを作り、ネット上で占ってほしい人を募集している人も多数存在しています。
YouTubeなどで占いを公開し、広告収入を得る占い師もいますし、「ココナラ」などのスキルマーケットに出品という形で営業している人もいます。電話鑑定や対面鑑定など、さまざまなスタイルで集客をするのがよさそうです。
フランチャイズへの加盟
飲食やコンビニ、買取や介護など、さまざまな業界にフランチャイズ経営のお店があります。
フランチャイズ本部の看板を掲げて営業を行うのが「フランチャイズ経営」です。
フランチャイズに加盟すれば本部の知名度が使え、中には自己資金0円ではじめられるフランチャイズもあるので、初期費用をかけずに安定したビジネスをはじめることができます。
ただしフランチャイズには、高い利益を出すのが難しいなどのデメリットもあります。
開業資金の返済や高額なロイヤリティに収益を圧迫され、収益がほとんど出ないということも多いので注意しましょう。
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50万円以下の起業で押さえるべきポイント
起業を50万円以下の資金でおさめるには、押さえておくべきポイントがあります。ここで紹介する4つのポイントは、どんな分野で起業するにも共通しています。
知識や経験のある仕事を選ぶ
少額の資金で起業するには、すでに自分が持っている知識・経験を活かした仕事もしくは関連性のある分野を選ぶのが最適の方法です。
起業するということは、プロとしてお金をもらって仕事をするということ。お客さんにお金を出してもらうには、自分がいかに経験が豊富で高いスキルを持っているか、で勝負しなくてはライバル業者に勝てません。
企業の新入社員であれば、勉強しながらお金を稼ぐこともできます。しかし、起業はそこまで甘くはありません。勉強するにもお金がかかるので、50万円では収まらないでしょう。
法人でなく個人で起業する
起業には、個人事業主として開業する方法と会社を設立する方法の大きく2種類があります。会社は設立するだけで費用がかかるので、50万円以下での会社設立は現実的に難しいでしょう。
具体的に言えば、株式会社を設立するには定款認証のための手数料や印紙代、登録免許税等で約25万円。つまり手続きだけで50万円の半分を使ってしまいます。
そのため、まずは個人事業主としてはじめましょう。副業から始める、自宅で開業するなど小規模での起業なら、費用も抑えらえます。
個人で開業し、事業規模が拡大したら会社設立を検討しましょう。
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インターネットの活用
ビジネスをするうえでは広告宣伝・集客・販売など、なにをするにおいてもインターネットの活用は必須です。
特に一から小規模で起業するのであれば、集客から販売まで全てオンラインでおこなうのがもっとも効率がよいでしょう。
また、オンラインがメインのビジネスであれば事務所を持たずに自宅で開業ができるため、固定費が新たに発生することもありません。
広告はターゲットを絞って最小限におこない、SNSも活用すれば少ない費用で集客までできます。
このように、50万円以下の起業ではインターネットをうまく活用することが成功の秘訣です。
1人で起業するならば、できるかぎりのインターネットリテラシーも身に付けておきましょう。
スキルシェアサービスの活用
スキルシェアサービスとは、スキルを提供したい人と利用したい人をマッチングするサービスのことです。
起業後は広告宣伝活動をして集客しなければなりませんが、スキルシェアサービスを使えばターゲットを絞って的確に集客することができます。
起業してからの大きな課題の一つが、いかにしてターゲットとなる顧客を集客するかということです。
この点スキルシェアサービスを活用すれば、このような集客の困難さを大きく改善することができます。
発注者主導のLancers(ランサーズ)・CrowdWorks (クラウドワークス)に受注者主導のcoconala(ココナラ)、そして時間単位でスキルを売るTimeTicket(タイムチケット)など、サービスごとに様々な特徴があります。
自分にとってどのサービスが使いやすいのかをよく考え、自分に合ったサービスを活用してください。
50万円以下の起業を成功させるためにやるべきこと
50万円以下での起業が実質的に可能とはいえ、成功させなくてはその資金も無駄になりかねません。
事業を成功させるためには、次の点に意識して事業に取り組みましょう。
起業の3要素を意識すること
上の章で、知識や経験のある分野での起業が必要だと説明しました。しかし、成功するには他にも必要なポイントが存在します。それが次の3つです。
- 自分の能力・できること
- 自分の好きなこと・叶えたいこと
- 社会や市場が求めていること
この3つをすべてカバーすることで、成功する事業を生み出すことができます。起業時から特に意識する必要があるのは、3つ目の「NEED」の部分です。
いくら高いスキルや情熱があっても、「お金を出してでもほしい」と思ってくれる人がいなければ商売は成立しません。ニーズを考えず「きっと売れる」と思い込むのは失敗のもとです。
他との差別化を図ること
起業のハードルが低くなっているということは、競合となるライバル業者も多いということです。
そのため、「いかに選ばれるか」が重要です。ライバルとの差別化を図り、事業の価値を高めましょう。
例えば、他人に真似できない突出したスキルを活かす、潜在するニーズを満たす新たなビジネスを開拓する。それ以外に差別化を図るための手段として有効なのは、商品やサービスに付加価値を付けることでしょう。
その分野の資格取得や競技会、コンテストでの受賞経験を売りにするのも1つの手ですし、関連するサービスを組み合わせて提供することも効果的です。
集客に力を入れること
集客では、ターゲット層を意識することが重要です。誰にどんな商品・サービスを届けたいのかを明確にしておきましょう。
なるべく多くの人に、とターゲット設定をせず進めてしまうと、何をすべきかが見えにくく、結果として誰からも選ばれない、ということになりかねません。
また、開業すればお客さんは自然につくもの、と考えてしまう人が多く、失敗してしまう人が多いのも現実です。自ら積極的に動いて、買ってもらう努力をしてください。
今の時代は集客のカギもインターネットにあります。
インターネット広告やSNSを最大限活用し、少ないコストで大きく集客しましょう。
SNSの活用については後の章でも説明します。
コストを抑えるために利用したいサービス
50万円以下で起業するためには、かかる費用を少しでも抑えたいもの。世にあるさまざまなサービスを有効活用して、効率よく事業を始めていきましょう。
この章では、50万円以下での起業に便利な4つのサービスを紹介します。
シェアオフィス、コワーキングスペース
コストを抑える最も効果的な方法は、自宅で開業することです。しかし、事業内容や住宅事情などによっては自宅での開業ができないこともありますよね。
その場合には、シェアオフィスやコワーキングスペースの利用を視野に入れましょう。
オフィスを賃貸すると、敷金・礼金や設備などの高額な初期費用に加え、月々の家賃や水道光熱費、通信費といった費用負担が生じます。
しかしシェアオフィスやコワーキングスペースを使えば、月額料金の負担で作業スペースが確保可能です。
シェアオフィスやコワーキングスペースには、同じように起業してビジネスを展開している人も多く集まります。そういった人たちとの交流から、新たなビジネスチャンスが生まれることも期待できるでしょう。
オンラインショップの開設サービス
オンラインショップの開設は、実店舗での開業よりコストがかからずおすすめです。
費用はなるべくかけたくない、でも自分の店独自のサイトで勝負したい、という人は、オンラインショップの開設サービスを利用するのが良いでしょう。
オンラインショップを開設する方法には大きく分けて3つあり、どれを選ぶかによっても費用が異なってきます。
1つはオリジナルのサイトを立ち上げること。もう1つはネット上にある大型のショッピングモールに出店すること、もう1つはオンラインショップの開設サービスを利用することです。
オシャレなショップデザインが安くできる「STORES(ストアーズ)」や「BASE(ベイス)」などは有名で、よく使われています。
また、ショップの開設とは少し異なりますが、ハンドメイド品を売りたい人には「minne(ミンネ)」や「creema(クリーマ)」、「Etsy(エッツィ)」といった、ハンドメイド品の販売に特化したサービスもあります。特化したサイトならターゲットとなる人が集まりやすいので、集客にも効果的でしょう。
事業に合ったサービスを選んで賢く利用しましょう。
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スキルシェアサービス
スキルシェアサービスとは、自身にどんなスキルがあり、どんな場面で役に立つかをアピールして集客できるサービスのこと。「ココナラ」「スキルマーケット」「ストアカ」などが有名です。
スキルマーケットには、何かを求める人が集まってきます。つまりターゲットに的確なアプローチをすることができるのです。広告宣伝費や営業費用も大幅に削減できるでしょう。
スキルシェアサービスの登録は基本的に無料なので、複数のサービスを使い分けて販売チャネルを拡大することもできます。
ただしここでもやはりライバルの中から「選ばれる」必要があります。見せ方や文章を工夫しなくては、せっかくのスキルも買ってもらえません。
SNS
SNSは、事業にも無料で使える集客ツールとして活用できます。今やビジネスに活用必須のツールと言えるでしょう。 アカウントの開設は無料なので、うまくいけば費用をかけずに大きな集客効果が得られます。
ただしSNSにも利用者が多いので、投稿しても埋もれてしまい、見てもらえない可能性も。開設するだけではなく、頻繁に投稿してフォロワーを増やす、ターゲットに「刺さる」投稿を作成するなど、戦略を持って使いこなしてください。
有効に活用するには、それぞれのサービスの特徴を把握して選ぶ必要もあります。
例えば、「Twitter」にはスピード感があり、利用者ともコミュニケーションがとりやすいのが特徴。こまめに投稿することでファンを獲得することができます。
見た目で勝負できる商品やサービスの印象を伝えるなら、画像が主役の「Instagram」。「映える」画像を用意しましょう。
Instagramのプロアカウントを使えば、投稿のアクセス解析やお問い合わせ先、店舗の位置情報の表示なども可能。ただし、広告の配信をする場合は有料になります。
いろいろなサービスを併用するのがより効果的ですが、1人での起業ではなかなか難しいかもしれません。中途半端になるくらいなら、いずれかのサービスに絞って活用した方が効果を得やすいでしょう。
自己資金が少なくても受けられる創業融資
自己資金が50万円以下では「やはり足りない」というケースもあるでしょう。地道に貯金で貯めるのが一番と言えば一番ですが、それには時間がかかります。
そこで、ここでは自己資金が比較的少なくても受けやすい融資制度、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」について解説します。
創業時だからこそ受けられる融資とは
新創業融資制度は、新たに事業をはじめる人や事業を開始して間もない人を対象にした無担保・無保証の融資制度です。
日本政策金融公庫の融資の特徴は、起業家を支援する目的が大きいということ。政府出資の機関のため、営利よりも国益となる経済の発展・活性化を第一としているのです。そのため、小規模事業者や中小企業、将来性のある起業家に積極的に融資をしています。
新創業融資制度は、中でも創業時の人を積極的に支援する制度です。創業計画の内容や熱意などによっては、自己資金が少ない人でも審査に通る可能性はあるでしょう。
とはいえ、完全に自己資金ゼロの状態やあまりに低い額では、計画性や将来性、信用度が不安視されてしまいます。融資を受けるのは実際のところ困難だと言わざるを得ません。
自己資金は、融資希望金額の3分の1程度は用意しておきたいものです。
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少額の自己資金で融資を勝ち取るには
自己資金は開業費用に足りていない、でも融資を受けたい、という場合にすべきなのは、事業計画をしっかりと立てることです。
融資の可否は、事業計画書の内容で決まると言っても過言ではありません。
事業計画書とは、事業の構想や想定される売上などをまとめて可視化した計画書のこと。
融資を受けるには、事業計画書などの必要書類を融資希望の金融機関などに提出し、融資担当者との面談を受けます。
特に創業融資の場合、まだ始まっていない事業の収益性をどれだけ合理的に説明できるかが重要です。
データや数字などに明確な根拠を用い、取引先などをすでに持っておくなど、周到な準備をしておかなくてはなりません。
事業計画書の作成は、単に融資を受けるために必要なのではなく、実際に事業を上手く回していくにも重要です。頭の中だけにある構想を可視化するプロセスで、足りないことが見えてきますし、やるべきことも明確になります。
融資審査官が見る事業計画書のポイントはある程度決まっています。専門家のアドバイスを受けて作成すると、より融資に通りやすい事業計画書が作れるでしょう。
まとめ
インターネットの普及やリモートワークの一般化もあり、50万円以下の起業は以前より実現しやすくなりました。
スキルシェアサービスやSNSなどさまざまなサービスやツールを上手に活用して、費用をかけずに起業し、効率よく事業を展開して成功させましょう。
自己資金のみで費用を賄えないときは、融資を受けることも検討する必要があります。
融資の際は事業計画書の作成が必須です。当サイトでは事業計画書の無料添削サービスも行っているので、ぜひ活用してください。