
起業するならどんな業種がいいと思いますか?業種選びは成功するか否かにも通じる重要な問題です。
自分のスキルややりたいこと、各業種の強みや特徴を把握したうえで成功しやすい業種を選びたいものですよね。
この記事では、まず開業率・廃業率が高い業種を紹介。起業で成功しやすい業種・失敗しにくい業種をや、業種選びの注意点、成功率を高めるポイントも解説します。ぜひ参考にしてください。
目次
開業率が高い業種上位3種

中小企業庁の「小規模企業白書(2021年版)」によると、起業する人が多い業種の上位3業種は以下のとおりです。
・宿泊業、飲食サービス業
・生活関連サービス業、娯楽業
・情報通信業
以上3つの業種は具体的にどんな仕事なのか、またなぜ開業率が高いのかについて解説します。
1位「宿泊業、飲食サービス業」

宿泊・飲食業は昔から人気のある業種であり、特に飲食業は開業する人が多いことから成功のノウハウもある程度体系化されています。
高い専門性が求められる業種でもないので、初めての起業でも選びやすい業種といえるでしょう。
また宿泊業は、民泊やゲストハウスといった小規模なビジネスモデルが普及したことで起業のハードルが下がっており、近年人気が高まっています。
ただし、飲食業・宿泊業はのちほど説明するとおり廃業しやすい業種でもあるため、起業するまでは比較的簡単でも事業を継続していくのは決して容易ではないことにも注意が必要です。
2位「生活関連サービス業、娯楽業」

生活関連サービス業や娯楽業にはさまざまな種類がありますが、起業しやすい事業としては以下のようなものが考えられるでしょう。
【生活関連サービス業】
- 美容室
- エステティックサロン
- クリーニングショップ
【娯楽業】
- カラオケ店
- パチンコ店
- ゲームセンター
生活関連サービス業はニーズに浮き沈みがないため需要が安定していること、娯楽業は特別なスキルがなくても開業できることが人気の理由だと考えられます。
しかし、生活関連サービス業・娯楽業も宿泊業・飲食サービス業と同じく、開業率が高いと同時に廃業率も高い業種です。
3位「情報通信業」

情報通信業のなかで起業しやすい業種は、システム開発やwebデザインなどの制作会社でしょう。
これらの業種の特徴は、初期投資やランニングコストを抑えて開業できるという点です。
一定のスキルさえあればどこでも仕事ができるので広いスペースを要せず、少ない費用で多くの利益を上げられるというメリットがあります。
情報通信業のようなインターネット系のビジネスはリスクを抑えて起業できるため、起業する業種で悩んでいるならぜひ選択肢の一つに入れておくべきでしょう。
ここに注意!廃業しやすい業種

中小企業庁の「小規模企業白書(2021年版)」では廃業率の高い業種も紹介されているので、上位にあがっている業種を抑えておきましょう。
・宿泊業
・飲食サービス業
・小売業
・生活関連サービス業
注目すべきなのは、開業率の高いる宿泊業・飲食サービス業・生活関連サービス業が、廃業率の高い業種の上位にもあがっているという点です。
このことからも、開業率が高いからといって起業して成功しやすいわけではないことがわかります。
廃業率が高い理由としては、まず宿泊業・飲食業は開業しやすい分競争率が高く流行に左右されやすいという特性もあるため、継続的に高い収益をあげるのが難しいということが考えられます。
また競争率の高さという点では、生活関連サービス業も同様のことが言えるでしょう。
これら4つの業種はどれも店舗系のビジネスなので固定費が多くかかり、収益が圧迫されやすいという共通点もあります。
起業するならこの業種が狙い目!成功しやすい業種4種

開業率が高い業種と廃業しやすい業種を踏まえ、起業するのに狙い目な業種を4種紹介します。
なぜその業種が狙い目なのかをよく理解し、自分にあった仕事があるかどうかをよくチェックしてください。
IT・Webに関する業種

開業率が高い業種3位でもある情報通信業ですが、これから起業するならやはり狙い目の業種でしょう。
IT・Web関連の事業は初期費用やランニングコストがほとんどかからず、場所も取らないため自宅にパソコンさえあればすぐに起業できるというのが大きなメリットです。
最近では、クラウドソーシングやスキルシェアサービスも普及してきているので、昔より集客もしやすくなっています。
またプログラミングやWebデザインを学ぶツールもたくさんあるため、知識ゼロからはじめて起業することも努力次第と言えます。
IT関連の仕事はまだまだ増え続けることが予想されるので、将来性という点でも魅力的な業種です。
家庭と両立しながら開業できる業種

家事・育児と仕事を両立できる業種には、ネットショップ運営・自宅サロン経営・家事代行・コンサルタント業などがあります。
起業すれば仕事の裁量はすべて自分次第なので、工夫次第で家事・育児と両立できるという点は、時間を拘束される会社員とは大きく異なる点です。
家事・育児を中心にすえ、残った時間に仕事をしたいという方は、上記のような家事・育児と仕事を両立できる業種がおすすめでしょう。
自宅サロン経営や家事代行であれば、趣味や家事で身に付けたスキルを生かすこともできるので、家事・育児と仕事の両立をしやすい分野です。
また、ネットショップのような接客が必要のない仕事であれば、相手の都合に合わせて時間を調整する必要もないので、自由に働きやすいというメリットがあります。
フランチャイズで開業できる業種

飲食店・コンビニ・ハウスクリーニングなどの店舗経営は、フランチャイズで起業することができます。
フランチャイズに加盟する一番のメリットは本部の看板を掲げてお店が出せることで、事業開始してすぐに収益を黒字化させることも可能です。
接客や商品・サービスに関するノウハウを学ぶこともでき、未経験の分野でも安定的に収益を得られるので、飲食業のような廃業率の高い業種でも成功する確率をあげられます。
ただしフランチャイズに加盟するには、ロイヤリティを支払わなければなりません。
ロイヤリティが高額なフランチャイズだと売り上げの大部分を本部に吸収されてしまうので、高い利益を出すのは難しくなります。
専門的な資格・スキルを活かせる業種

起業で成功するには、いかに競合との差別化を図るかということが重要なので、専門的な資格・スキルを活かせる業種は起業に有利です。
資格にもさまざまなものがありますが、起業するなら柔道整復師・美容師・行政書士などの業務独占資格を取得するのがよいでしょう。
業務独占資格は、資格の保有自体が参入障壁になるため、差別化という点では非常に有利に働きます。
一方、ファイナンシャルプランナーのような資格を有していなくても名乗ることができる資格は差別化しづらいですが、一定のスキルを証明する効果はあります。
実務スキルと合わせてうまく生かせば集客効果を発揮するので、無駄になることはありません。
ただし資格が必要でない業種に関しては、資格があれば儲かるというわけでもありません。経験や実績、実際のスキルが重要となってきます。
これから資格を取得することを考えるなら、仕事にどう生かせるかといったメリットとともに、必要性の高さなども考えてみてください。
失敗しにくい業種に共通する特徴とは?

起業する業種を選ぶうえで重要なのは、失敗しにくい業種を選ぶことです。
失敗しにくい業種には共通する特徴があるので、ここでは失敗しにくい業種のおける4つの特徴について説明します。
1.小資本で始められる

初期費用やランニングコストが少ない事業を選ぶことは、事業で失敗しないための基本的な対策です。
これは後ほど説明しますが、広いスペースを要する事業は物件の維持費だけで大きな負担になりますし、在庫を持つ事業も不良在庫を抱えると損失が拡大します。
初期費用やランニングコストが高額であるほど失敗するリスクも高くなるので、小資本で始められる事業を選ぶことでリスクを抑えられるのです。
2.利益率が高い

利益率とは、簡単に言えば売上に対する利益の割合のことです。
利益率が高いということは、つまり儲かるということ。収益が伸びれば事業の継続維持もしやすいため、失敗のリスクを減らす効果もあります。
利益率が低ければ、どんなに売上が高くても肝心の収益自体はなかなか伸びません。
事業に必要な費用が高いほど利益率が下がるので、利益率の高さは次に説明する事業に必要なスペースや在庫の多さにも関係します。
3.広いスペースが不要(自宅でも開業可能)

広いスペースを必要とする事業は、物件取得費と賃料・水道光熱費等のランニングコストだけにでも多額の費用がかかります。
そのため広いスペースが不要な事業の方が、失敗する確率を下げられるのです。
事業を開始した当初は売り上げがたたないのが普通であり、しばらくは赤字覚悟で事業を継続しなければならないため、高い資金力がないと広いスペースを管理・維持できません。
まずは、自宅開業できるくらい小規模な事業から開始してみるのがよいでしょう。
4.在庫を持つ必要がない
過剰在庫で経営が立ち行かなくなるケースは少なくありません。在庫を持たないことでリスクを大幅に下げられるでしょう。
例えば、プログラマー・エンジニア・アフィリエイトなどIT・Web関連ならパソコン1つで、自身のスキルだけで解決できる士業なども在庫を持たずに仕事ができます。
融資を受けるなど借り入れをしていなければ、仮に事業がうまくいかなかったとしても損失が出ることはありません。
在庫を持たないことは、小さく起業する際の基本です。小さく起業することは成功の秘訣でもあります。
まずは在庫を持たずに開始できる仕事から選ぶことをおすすめします。
起業を成功に導くために!業種選びの注意点

業種を選ぶ際、注意しておかなければならないことを3つ紹介します。
もし起業を考えている業種があるのであれば、その業種が起業に適しているかどうか、これらの注意点を踏まえ、もう一度よく検討してみてください。
安定的な需要が見込めるか

需要の波が不安定だと浮き沈みが激しく、需要が停滞しているときに倒産してしまうリスクが高くなります。
例えば、飲食業や娯楽業は需要が景気に大きく左右されるので、需要の波が不安定な業種の典型例と言えます。
飲食業や娯楽業が廃業率の高い業種の上位にあがっていることは、このような需要の波の不安定さも影響していると考えられます。
対して、介護・医療などの業種は景気に関係なく常に一定の需要があるので、需要の波が安定している業種です。
需要の波に安定性があるかどうかは、景気や流行に左右されず常に一定の需要が見込めるかという視点で考えてみるとよいでしょう。
市場規模の大きさ・競合の数はどうか

市場規模の大きさや競合の数をチェックして、競争が激しくない業種を選びましょう。
市場規模が小さい業種は競合他社との利益の奪い合いになるため、どんなに努力しても高い収益をあげることは難しくなります。
市場規模は大きければ大きいほど他社との競争が生じにくいので、起業努力が忠実に成果に反映されやすくなるものです。
ただし市場が大きくても競合相手が多い場合、競争が激しく顧客の奪い合いになります。
そのため、市場規模の大きな業種でも競合が多いのであれば、やはり起業には向きません。
経営ノウハウが確立されているか

経営ノウハウが蓄積されている業種であれば、ゼロからでも経営の仕方を学びやすいため起業には適していると言えます。
飲食業であれば昔から起業する人が多いため、すでに経営ノウハウが豊富に蓄積されており、店舗経営の仕方を学べる機会はたくさんあります。
どれだけ伸びている業界であっても市場が新しすぎて経営ノウハウが確立していない場合、うまくビジネスモデルが作れずに収益が伸び悩む可能性が高いです。
特別その業種に詳しかったり高いスキルを持っていたりすれば問題ありませんが、そうでなければ経営ノウハウが確立されていない業種は避けましょう。
起業の成功確率を高める5つのポイント

起業で成功するために業種選びも重要ですが、業種を問わず起業全般に共通する大事なポイントがいくつかあります。
ここでは起業の成功確率を高める5つのポイントについて解説します。
どの業種で開業するにしても大事なことなので、起業する前にひととおりチェックしておきましょう。
1.嫌いなことを仕事にしてはいけない

「需要があるから」「儲かりそうだから」という理由で、嫌いなことを仕事にするのはお勧めできません。
嫌いなことではモチベーションが上がらず、本来の力を発揮できない可能性が高いです。続けていくうちに苦痛になったり、上手くいかない場合に対策を考えるのもストレスになったりします。
多少の苦労はしても、「好きだから続けられた」という人は多いものです。ニーズがある業種を選ぶことは大事ですが、自分が興味のあること、好きなことであることも重要です。
2.まずは必要なスキルを習得する

仕事で必要なスキルを習得することは必須です。
特に一定の専門スキルが求められる業種であれば、開業前に必ずスキルを習得しておかなければなりません。
ゼロからスキルを習得して起業することも可能ですが、もともと持っている知識・経験を生かせる分野であれば効率よくスキルを習得できるでしょう。
スキルの習得方法は独学の他にもスクールやオンライン講座の受講、YouTubeなどの動画サイトなどさまざまな手段があるので、自分に合った習得方法を選んでください。
3.収益化できるビジネスモデルの確立

起業は会社員と違い、収益化できるビジネスモデルを自分で確立して収益を得なければなりません。
誰に向けてどんな商品・サービスを提供するのか、競合といかに差別化するのかといったことを詳細に考えて、事業計画を立てましょう。
ビジネスモデルを一から考える必要はなく、既存のビジネスを参考にしてもかまいません。
多くのアイディアは既存のもの同士の組み合わせから生まれるので、既存のビジネスモデルに自分なりの一工夫を加える程度に考えるとよいでしょう。
4.できるだけ小さく始める(初期投資・維持費を抑える)

失敗しにくい業種の特徴としても紹介しましたが、小資本で小さく事業をはじめることでリスクを最小限に抑えることは、成功確率を高める重要なポイントです。
小さい事業であれば、うまくいかなくてもすぐに撤退して新しい事業を開始できるので、失敗のリスクがありません。
起業には高額の資金がかかるといったイメージがあるかもしれませんが、今の時代はインターネットを活用すれば初期費用や維持費をほとんどかけず、事業を開始・継続できます。
5.専門家のサポートを受ける

事業に必要な知識やスキルも大事ですが、起業するうえでは経営に関する幅広い知識がなければなりません。
経理や会計に関する知識がないと、事業がうまくいっていても資金繰りに失敗して倒産する可能性があります。
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まとめ

起業する業種選びは起業の成功率に大きく関わるため、しっかり考えて業種を決めましょう。
IT・Web関連は小資本で始められ利益率が高く、在庫も必要ないため狙い目の分野です。
既に起業に向いている資格や専門スキルがあるのであれば、その分野で起業するのも良いでしょう。
起業する業種が決まったら、実際に起業の準備を進めていかなければなりません。
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