
街中でオシャレな雑貨屋を見つけると、つい心惹かれてしまうものです。
「自分もオシャレな雑貨屋で、好きなものに囲まれて仕事がしたい」そんな思いで雑貨屋の開業を考えている方もいるでしょう。
雑貨屋のオーナーは人気のある仕事ですが、継続的に収益を上げるのが難しい業種でもあります。
そのため、開業するならしっかり手順を押さえた上で、着実に準備をしていかなければなりません。
こちらの記事では雑貨屋開業までのステップから必要な資格や手続き、ネットショップを開業する場合のメリット・デメリット、そして集客方法や開業資金まで詳しく解説します。
目次
雑貨屋を開業するまでの主なステップ
まずは開業までのおおまかな流れについて説明します。
どこで開業するか、どんな商品をどういった人向けに販売するかなど、店作りの基礎になることをここで確認しておきましょう。
1. コンセプトとターゲットを決める
まず重要なのは、店のコンセプトとターゲットを設定すること。ここがブレると固定客を確保できませんし、的確な集客ができません。
雑貨屋でいうコンセプトやターゲットとは、言い換えれば「どういう店で、誰にどんな商品を販売するか」ということです。
コンセプトは多様に考えられます。例えば「買う前に試せるキッチン雑貨」「海外から仕入れたシックなアンティーク雑貨」「」など。一貫性があり、客側がイメージしやすいものだとよいでしょう。もちろん、ニーズもある程度なくては利益が得られません。
また雑貨屋の成功には、商品や作り手の背景にある「ストーリー」を伝えるなどして、店舗のブランディングを図ることも重要です。
ターゲットは、「トレンド志向が強い20代若者」「30代後半以降の落着いた主婦」など、ある程度絞ることで、商品のセレクトもしやすくなり、固定客をつかみやすくなります。
2.店舗のタイプを決める
店舗のタイプというのは、大きく言えば実店舗かネットショップかということです。
実店舗と並行してネットショップも運営する店も多いですが、店舗管理や販売方法が異なるので、はじめはどちらか一つに絞った方が良いでしょう。
自宅を改装するなどしてオープンする方法もあれば、テナントに入る方法もあります。副業などで、イベント時にのみ店を出すというのも1つの方法です。実店舗の魅力はお客さんとのリアルなコミュニケーションです。
実際に商品を見てもらうことができ、 その場で使い方などのアドバイスをするなど 販売員の接客次第で売上を増やすこともできるでしょう。
一方、ネットショップは初期費用が安くすむこと、時間・場所を問わないことが最大の魅力です。
うまく活用することで、時間や手間を大幅に削減することもできます。
ネットショップのメリット・デメリットについては後ほど詳しく解説します。
3.個人経営かフランチャイズ加盟かを選ぶ
実店舗での雑貨屋の開業には、個人で経営する方法と、全国などに展開するフランチャイズへ加盟する方法があります。
フランチャイズの一番のメリットは、店舗運営について本部からのサポートを受けられることです。
また本部のブランドが信用力にもつながるため、集客もしやすいというのも大きなメリットです。
最大のデメリットは加盟料・ロイヤリティが発生すること。フランチャイズに加盟することで資金繰りがかなり苦しくなることもあります。商品の入荷や売り方などにも本部の指示が入るので、「自分の店なのに好きなようにできない」とストレスを感じてしまうかもしれません。
どちらにするかは、自分が何を重視するかなどからよく検討してください。
4.店を開く場所を決める
雑貨屋に向いているのは、繁華街など人が集まりやすい場所で周辺にも雑貨屋・カフェなどがある、買い物のしやすい環境です。
また、開店する場所はターゲットに合わせて決めることも大事です。
学生・主婦・会社員など、ターゲットとなる層が利用しやすい立地を選びましょう。どんな雑貨を置くかによって、地域の特性も見ておく必要があります。
ネットショップを開く場合でも、場所の選択肢はいくつかあります。
例えば「Yahoo!ショッピング」や「楽天市場」「Amazon」のようないわゆるテナント型ECモールに出店するのか、独自のショップを開設するのか、大きく2つに分かれます。
さらに、「BASE」「STORES」のようなネットショップ開設サービスを使う、 販売用のWebサイトを独自に構築する、など複数のやり方があります。
それぞれ自分のやりたい店や扱う商品、ターゲット層などを踏まえて考え、もっとも適した方法、やりやすい方法を選びましょう。
5.商品の仕入先を探す
商品の仕入には、次のような方法があります。
- 問屋・商社
- 海外買い付け
- 展示会
- 仕入れサイト
問屋とは、生産者と小売店との間で商品を売る中間業者のことです。
商売では、この問屋や商社から買うという仕入れ方法が一般的と言えるでしょう。
ただ、海外品などは輸入するより自分で現地へ行って買い付けした方が安いこともあります。商品へのこだわりが強いほど、自ら海外に出向く人が多いです。
また、展示会に参加してメーカーから直接買い付ける方法もあります。
メーカーも自社商品をバイヤーにPRするため、合同展示会への参加や自社での展示会を行っています。
最近では仕入れサイトもあり、商品の確認や買い付けもすべてインターネットですることが可能です。
他にも商品をハンドメイドするという手段などがあります。重要なのは一つの仕入れ手段で必要な商品を取り揃えられるとは限らないので、仕入先は1つに絞らず複数を確保して選択肢を増やしたりリスクに備えたりすることです。
6.その後のオープンまでの流れ
ここまでで開業準備がひととおり整います。あとは実際に開業に向けて動き出しましょう。
出店場所での開業費用を見積もって内外装の工事を依頼し、店舗が完成するのを待ちます。
完成に合わせて什器・備品なども用意します。
またその間にチラシやSNSなどを使って広告・宣伝しましょう。開店すぐに売上を出せるのが理想的です。
開店までの間に開業届の提出などの手続きを済ませることも忘れないでください。
店舗が完成したら設備を整え、商品を陳列していよいよ開業です。
以上が大まかな開業までの流れです。
雑貨屋をネットショップで開業する場合

近年、国内ネットショップの市場規模は年々拡大しています。経済産業省の調査でも、2019年インターネット物販の市場規模は10兆円を超えたと報告されました(出典:経済産業省「電子商取引に関する市場調査」)。
そのためこれから雑貨屋を開業するのであれば、ネットショップを視野に入れることは必須と言えるでしょう。
ここではそんなネットショップのメリット・デメリットを改めて確認していきます。
雑貨屋をネットショップで開業するメリット
ネットショップのメリットは、端的にいえば「費用と手間を大幅に削減でき、効率よく物が売れるる」ということです。
具体的に見ていきましょう。
メリット.1 コストを抑えられる
コストを抑えて開業のハードルを下げられるのは、ネットショップの大きなメリットの一つです。
実店舗を開業するとなれば店舗となる物件の取得費・内外装工事・什器などの費用は避けられず、数百万円の開業資金がかかるのが一般的です。
しかしネットショップなら、インターネット環境と最低限の商品さえあれば開業できるのです。
小さく始めるのであれば数十万円程度でも可能なので、開業資金が少ない場合などにはネットショップから始めるというのも一つの手でしょう。
メリット.2 24時間年中無休でオープンできる
店舗経営では売上は営業時間に比例します。極端な話、休みが少ないほど売上が上がるとも言えるでしょう。
とはいえ本当に24時間営業しているわけにはいきません。
しかしネットショップであれば本当に年中無休で稼働できます。
消費者側もスマホ一つで自宅や通勤途中に買い物ができる利便性があるため、夜中や早朝など実店舗が営業していない時間にも商品が売れる可能性は高いです。
このように人がいない状態で24時間・年中無休で営業できるのは、ネットショップならではの強みです。
メリット.3 全国の人に買ってもらえる
実店舗を持つ場合、出店するエリアによって潜在顧客の数はある程度決まります。
メディアに取り上げられるような人気店であれば別ですが、多くの場合、顧客は店から一定の距離内に住んでいる人か、観光客などに限られるでしょう。
しかしネットショップなら、インターネットにアクセスできる全国の人が潜在顧客となります。
そのため商品さえ気に入ってもらえれば、物理的な距離に関係なく商品を買ってもらうことができるのです。
メリット.4 簡単にネットショップが開設できるサービスがたくさんある
少し前までは、ネットショップを開設するにはそれなりのネットリテラシーやインターネットの専門知識が必要でした。
しかし今は画面の指示通りにパソコン・スマホを操作するだけで、誰でも簡単にネットショップを開設できるサービスが各種生まれています。
ネットショップ運営に関する知識もインターネットで探せば大抵は手に入るため、ネットショップの開設・運営はかなりハードルが下がっています。
メリット.5 副業からでも可能である
ネットショップはコストを抑えて手間もかけずに開業できるので、副業として始めることも十分可能です。
いずれ店舗経営を本業にしたいという人が、まずは副業でネットショップを始めてみるのもよくあるケースです。
仮に失敗しても損失は最小限に抑えられるので、ネットショップは副業で始めるのにはとても向いています。
ネットショップ開業のデメリット
ネットショップの最大のデメリットはお客さんとのコミュニケーションにあるでしょう。お客さんが商品を手に取ったり、店員がその場でお客さんに商品を売り込んだりすることができないからです。
ここではネットショップのデメリットを見ていきます。
デメリット.1 専門知識やネットリテラシーが必要
いまやネットショップを開設するのは難しくないものの、ネット上での集客や広告・宣伝方法などについては詳しくないという人も多いです。
しかしネットショップを成功させるには、SEO対策やSNS・リスティング広告などを活用した集客など、Webならではのマーケティングを行う必要もあります。
ネットショップの場合、店舗での販売経験やノウハウがあっても活かせるとは限りません。
実店舗との違いを理解した上で、ネットショップ特有の集客方法を学び、地道に実践していく必要があるでしょう。
デメリット.2 商品を手に取ってみてもらうことができない
ネットショップでは、お客さんが商品の実物を見ることができません。
雑貨類は手に取ってこそ魅力がわかるものでもあります。そのため、実物なしで良さを伝えなければならないのはネットショップの最大の弱点と言えます。
ネットショップで商品の魅力を伝えるには、商品紹介文や写真の撮り方を工夫するなどして、いかに商品を魅力的に見せるかが重要です。
「商品さえ良ければ売れる」という考え方では、なかなかお客さんを集めることはできないのが現実なのです。
デメリット.3 お客さんの反応を目の前で見ることができない
お客さんの反応を直に感じ取ることができない、というのもネットショップのデメリットの1つです。
実店舗であれば、目の前で商品を見ているお客さんの反応から、どういった商品がどれくらい関心を持たれているのかを把握することができます。雑談をしながらヒントを得られることも多いでしょう。
ネットショップでも、どの商品がどれくらい売れたのかはわかります。ですが購入に至ったお客さんの細かい反応までは確かめることができません。
お客さんの反応が見られるのは、やはり実店舗ならではの強みといえるでしょう。
デメリット.4 梱包や発送作業、メール送信や返信などの手間がかかる
ネットショップでは配送中に消費が傷ついたりしないよう、売れた商品をきちんと梱包しなければなりません。
そのため店頭で袋に入れ手渡しするより、売れた後の作業に手間がかかります。
またお客さんとのメールのやり取りも、数が多くなるとそれだけで時間をとられます。ネット上ではクレームをつけられやすいというのも周知のとおりでしょう。
こういった手間の一つひとつは些細なものですが、数が増えれば意外と大きな負担になってしまうものなのです。
ネットショップ開業の流れ
ネットショップ開業までの流れを簡単に見ておきましょう。
Step 1 インターネット接続契約
Step 2 レンタルサーバーの契約
Step 3 ショップページの作成
Step 4 商品の撮影・画像投稿、説明文の記載
Step 5 受注・発送連絡、配送作業
ネットショップはインターネットが使えなければ始まりません。
レンタルサーバーとは、例えて言えば、店を立てる土地のようなもの。ショップ(のページ)を置く場所です。
商品を店頭へ出す代わりに、画像を撮影してサイトに掲載します。直に会って説明する代わりに、魅力や使い方などを説明文で伝えます。
商品が購入されたら、注文確認のメール配信や入金の確認を行います。入金が確認できれば、配送作業を行い、発送連絡をメールで行います。
お客さんが目の前にいない分、不便を感じさせないようにすること、対応に遅れがないようにすることが必要です。
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雑貨屋の集客方法5つとその活用法
雑貨屋に限らず、商売で大切なのは集客です。特に現在は、実店舗・ネットショップを問わず、インターネットを使った集客が売上を大きく左右します。
ショップカードのような実際に手に取れるものと合わせて、インターネットをうまく活用することが、成功の秘訣です。
ここでは雑貨屋の集客方法を5つ紹介します。自分の店に合った集客方法を利用しましょう。もちろん1つに絞る必要はないので、複数の方法を合わせて効率よく利用してください。
1. 店頭看板
実店舗は、雑貨屋であると認知してもらう必要があります。
看板があれば、そこが雑貨屋であると一目瞭然です。
「○○雑貨店」など、一目で雑貨屋かどうかがわからない場合は、「雑貨屋」「zakka」などの表記や、何が売りかなども書いておきましょう。
もちろん看板を出すだけで集客できるわけではありません。
看板はあくまでお店としてお客さんを迎え入れるための、最低限のことだと考えてください。
2.ショップカード
ショップカードとは、お店の営業時間・地図・お店のコンセプトや商品等の情報をまとめて一枚のカードにしたものです。レジ横によく置かれています。
雑貨屋はイメージも大切。雑貨コレクターの人などは、ショップカードを集めている人もいます。オーナーのセンスやお店の魅力を伝えるおしゃれなカードを作りましょう。
使い方も、工夫次第でいろいろあります。近隣のお店に置いてもらう、名刺代わりに渡す、商品に同梱する、撮影してSNSに投稿するなどして活用しましょう。
ショップカードはデザインさえ決まれば後は必要な枚数を刷るだけなので、比較的安価でできるのもよいところです。
3.SNS(Twitter・Instagram・Facebookなど)
SNSの活用には基本的に費用はかかりません。ですので使わない手はないでしょう。雑貨屋のように何かに特化したものであれば、興味のある人に届く可能性も高く、全国的にアピールできることは言うまでもありません。
しかしSNSにもいくつかの種類があるので、集客にはそれぞれの特徴を効果的に活用することが重要です。
例えば、Twitterは利用者とのコミュニケーションがとりやすいのが特徴。こまめに投稿することで、ファンが獲得しやすくなります。
画像が主役のSNS「Instagram」を集客に使うときは、ぜひプロアカウント(ビジネスアカウント)を活用しましょう。
プロアカウントを使えばアカウントから直接連絡が取れたり、店舗の位置情報の表示・広告の配信などが行えたりします。
4.ホームページ制作・ブログ
ホームページやブログも、少ない費用で効果的に宣伝ができるツールです。
店の公式ホームページを作って、販売サイトとして利用しつつ、ブログを作成・公表することもできます。
例えば雑貨屋にかける思い入れや商品へのこだわり、開業までの大変な道のりなど、バックグラウンドがわかることで、見る人の購買欲を高めることもできます。
見せ方などにも工夫が必要なので、サイトの制作はweb制作会社などプロに依頼することをおすすめします。
5.Googleマイビジネス
Googleの検索エンジンやGoogleマップなど、さまざまなGoogleサービス上に店の情報を表示できるサービスがGoogleマイビジネスです。
Googleマイビジネスで店舗の情報を登録しておけば、ユーザーが検索したキーワードやGoogleマップを使用したときに店の情報を知ってもらうことができます。
登録も無料なので、他の集客方法と合わせて利用してみると良いでしょう。
雑貨屋の開業に必要な資格や手続き

雑貨屋として商品を販売するのに、必須の資格はありません。
ただしリサイクル品・アンティークといった扱う商品によっては、「古物商免許」が必要になることがあります。
また、雑貨屋を開業するには個人事業主としての届出などが必要です。ここでは雑貨屋の開業に必要な資格・手続きについて解説みていきましょう。
古物商免許について
リサイクル品・古着・アンティークといった中古品を扱うには、「古物商免許」を取得しなければなりません。
中古品の売買にのみ免許が必要なのは、盗品の売買を防止するためです。
とはいえ免許と言ってもそれほど取得が難しいものではなく、必要書類をそろえて都道府県の警察署に提出し、不備などがなければ取得可能です。ただし、盗品が多いジャンルのものなどはチェックが厳しい可能性もあります。
また手数料として1万9000円の費用と40日程度の審査日数がかかります。余裕をもって申請しておきましょう。
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その他必要な手続きについて
開業手続きとして、次の書類を役所に提出する必要があります。
- 開業届
- 青色申告承認申請書
開業届は、開業から1カ月以内に必ず税務署へ提出しなければなりません。
自宅の住所地を管轄する税務署を調べ、届け出をしましょう。
また開業届と同時に「青色申告承認申請書」の提出をするのが一般的です。
こちらは青色申告にしないなら必要ありませんが、青色申告には節税のメリットがあります。
出さなければ白色申告になるので、忘れないように開業と同時に出しておくとよいでしょう。
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従業員を雇う場合には、さらに次のような書類の提出手続きも必要になります。
- 労災保険関係書類
- 雇用保険関係書類
- 社会保険関係書類
実店舗ではアルバイトを雇うこともあると思うので、こちらの手続きもチェックしておいてください。
雑貨屋を始めるのに必要な開業資金
開業費用は、実店舗とネットショップで大きく異なります。モデルケースをもとに両者を比較してみましょう。
費用項目 | 実店舗 | ネットショップ |
---|---|---|
物件取得費用 | 150万円 | 0円 |
内外装工事 | 100万円 | 0円 |
機器・什器・備品等 | 100万円 | 10万円 |
仕入れ費 | 150万円 | 100万円 |
運転資金 | 100万円 | 20万円 |
合計 | 600万円 | 130万円 |
雑貨屋は実店舗であっても商品を陳列するスペースさえあればよいので、飲食店などに比べれば物件取得費が安く比較的低額に抑えられます。
しかし商品を陳列する什器・備品類は重要です。
商品を引き立たせ、見やすいディスプレイにするには内装・什器などにもこだわる必要があります。
商品のラッピング代も忘れないようにしましょう。
前述の通りネットショップでは物件取得費・内外装費が一切かからないので、開業費用は大きく抑えられます。
開業資金を確保する・負担を軽減する方法
実店舗の場合には特に、開業資金をすべて自分で貯めるのは難しいでしょう。
ここでは開業資金を確保する方法・負担を軽減する方法について解説していきます。
1.自己資金
これまで貯金してきた自分のお金を開業資金に充てる、というのが、資金調達として最も安全で確実な方法です。
自己資金は借入のように返済する必要がなく、自由に使えるお金だからです。
自己資金が多いほど、足りない分を融資で補う際にも有利に働きます。
融資における自己資金として代表的なものは、自己名義もしくは配偶者名義の預金や、家族から贈与されたお金などです。
よく誤解されるのがタンス預金で、これは自己資金とは見なされません。現金の状態では本当は誰のお金なのかが定かではないからです。
自己資金の額は、起業への熱意の表れでもあります。
ですから開業を目指し始めるその日から、コツコツ計画的に預金を貯めてじっくり準備していきましょう。
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2.融資
自己資金だけでの開業が難しい場合は、融資を受けるのが一般的です。
融資先には公的機関・民間金融機関を含めいくつかの選択肢があります。ここでは開業時にも比較的受けやすい融資制度を紹介します。
- 日本政策金融公庫の新創業融資制度
- 信用保証協会の制度融資
日本政策金融公庫の融資の特徴は、創業前でも将来性を考慮して融資をしてくれるということです。
日本政策金融公庫は中小企業への支援が目的の公的機関。民間金融機関より審査のハードルが低く、融資を受けやすいというメリットがあります。
一方、銀行などの民間金融機関は自行の利益が第一なので、実績のない創業時の融資には消極的です。
そこで民間金融機関からの融資のハードルを下げることができるのが、信用保証協会の制度融資です。
制度融資は間金融機関・保証協会・行政の三者が協調し、事業者が銀行からの融資を受けやすくする制度であり、信用保証協会の制度融資であれば民間金融機関からも創業融資を受けられる可能性はかなり上がります。
創業融資を受けるなら、この2つのどちらかの融資を利用するのが現実的です。
ただしどちらを選ぶ場合でもやはり自己資金の額がどれくらいあるかは重要な審査基準です。いずれにしても、できる限り自己資金は多めに用意しておきましょう。
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3.補助金・助成金
公的機関から受ける補助金・助成金は、基本的に返済が不要というのが最大のメリット。資金調達先として信頼できるという点と、経営指導などが受けられるケースもあることがメリットです。
開業時にも使える補助金・助成金はあまり多くはないのですが、例えば次のような制度があります。
- 地域中小企業応援ファンド(助成金)
- 小規模事業者持続化補助金
地域中小企業応援ファンド(助成金)は、無利子で融資を受けられる制度です。なかでも「スタート・アップ応援型」は地域密着型の新事業へ取り組む中小企業を応援する融資で、雑貨屋にも向いているといえるでしょう。
こちらの助成金では上限が明確に定まっていませんが、数百万円~1千万円ほどの融資が見込まれます。
もう1つの「小規模事業者持続化補助金」は、小規模事業者が販路の開拓・生産性向上に必要とした経費を一部補助する制度です。
上限50万円とさほど高くはありませんが、資金の足しとして利用するのもおすすめです。
融資には事業計画書の作成が必須

自己資金や補助金・助成金を活用したとしても、特に実店舗経営には高額の費用がかかるので、やはり多くの場合は融資が必要になるでしょう。
そこで重要なのが「事業計画書」です。
日本政策金融公庫などで融資を受ける場合、融資担当者は経営者との面談をしたうえで最終的に融資の可否を決めますが、このとき事業計画書の内容をとても重視します。
事業計画書では、「どんなビジネスモデルでどうやって収益を上げ、そのためにどれくらいの資金が必要なのか」を詳細に説明しなければなりません。
特に創業融資ではまだ形になっていない事業をどれだけ明確にして相手を説得できるかが重要なので、データや数字などをもとに具体的な計画書にする必要があります。
そのため、収益が見込める魅力的な雑貨屋経営のプランを立てた上で綿密に事業計画書を作りこみ、明確な収益予想をして説得する必要があるのです。
しかし事業計画書の作成にはある程度の専門知識が必要なので、専門家に相談するというのもおすすめです。

まとめ

雑貨屋を開業するには、まずコンセプトとターゲットを明確にしましょう。そして実店舗ではじめるか、ネットショップで始めるかを決めます。
副業としてまずはネットショップで小さくはじめ、軌道に乗ったら実店舗を出すのもおすすめです。
集客方法はインターネットの活用がカギなので、色々実践して自分に合った方法を見つけ、地道に集客を続けてください。
実店舗を出すときはまず開業費用をきちんと見積もった上で、自己資金で足りない分は融資の利用を検討する必要があります。
融資では事業計画書の内容がとても重視されるので、しっかり作り込まなければなりません。
当サイトでは事業計画書の無料添削・アドバイスや、創業融資の無料診断ツールがご利用いただけます。
また認定支援機関である運営会社「税理士法人Bricks&UK」では創業融資に関する無料相談を受け付けており、雑貨屋の開業を検討している方のお役にも立つことができます。
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